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心理学の知識

双極性障害

双極性障害(そうきょくせいしょうがい)

・エネルギーの高まった「躁状態」(そうじょうたい)
・エネルギーの低下している「うつ状態」
この2つの気分のアップダウンが大きい病気です。

躁(そう)状態では本人が苦痛や問題意識を持つことがなく自覚がありません。
医療機関を受診される方は、ほとんどがうつ状態です。(家族や職場の方に促されて等)

◆双極性障害はⅠ型とⅡ型に分類されています(躁状態の程度によって診断される)
・Ⅰ型は「躁状態」と「うつ状態」
・Ⅱ型は「軽躁状態」と「うつ状態」で気分の波がみられます。

*躁状態:本人は気分が良いが、周囲は疲弊する
*うつ状態:本人はつらいが、周囲は休める

そして気分の波が本人の苦痛を増強させてしまいます。
近年は薬の選択肢が拡がり、ご本人が治療に取り組み、
「ちょうどいいところで安定を目指す治療」に変化してきています。
薬で気分のアップダウンの振り幅を小さくして行き、
上手に付き合っていくことを目指します。

その為には以下のことを理解していく必要があり、
本人及び家族や関わる人々の理解が重要です。

・治療は継続的に受けなければならない
・お薬は焦らずに使っていく必要がある
・規則正しい生活をする
・ストレスとのつきあい方を知る
・病状の移り変わりの状態をしっかり掴んでおく
・社会生活を少しずつ拡げて行く

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本人だけでは上手く進まないことが多いので状況に応じて、
家族や周囲の方々のサポート、声がけ、働きかけ、
職場では、産業医や人事面談等で状況確認が必要になります。

◆「双極性障害」を理解するための参考(診断基準の把握)
・双極性障害Ⅰ型:躁病エピソード+抑うつエピソード
・双極性障害Ⅱ型:軽躁病エピソード+抑うつエピソード

●躁病エピソード
気分が持続的に異常に高揚し、開放的、易怒的になる。
亢進した活動や活力がある。
このような期間が少なくとも1週間、ほぼ毎日続く。
以下のうち少なくとも3つ(気分が易怒性のみでは4つ)を認める。

①自尊心の肥大・誇大
②睡眠欲求の減少
③普通より多弁・しゃべり続けようとする切迫感
④観念奔逸・いくつもの考えがわいてくる
⑤注意散漫
⑥目標志向性の活動・精神運動焦燥
⑦良くない結果につながる活動に夢中になること
社会的・職業的機能に著しい障害を引き起こしている
何らかの物質によるものではないこと

●軽躁エピソード
気分が持続的に異常に高揚し、開放的、易怒的になる。
亢進した活動や活力がある。
このような期間が少なくとも4日間、ほぼ毎日続く。
以下のうち少なくとも3つ(気分が易怒性のみでは4つ)を認める。

①自尊心の肥大:誇大
②睡眠欲求の減少:眠らなくても活動的に過ごせる
③普通より多弁:しゃべり続けようとする切迫感
④観念奔逸:いくつもの考えがわいてくる
⑤注意散漫
⑥目標志向性の活動:精神運動焦燥
⑦まずい結果につながる活動に夢中になること
・症状がないときとは異なり、明らかに機能的変化がある
・変化が他者から観察できる
・社会的、職業的に著しい障害を引き起こしたり、入院を必要とするほどではない
・物質によるものではないこと

●抑うつエピソード
以下の症状のうち5つが2週間の間に認められ、そのうち少なくとも一つは①か②

①抑うつ気分
②興味や喜びの喪失
③体重の増減・食欲の異常
④睡眠障害
⑤精神運動焦燥・精神運動制止
⑥疲労感・気力低下
⑦無価値観・罪責感
⑧思考力低下・集中力低下
⑨希死念慮:死にたい気持ちが強くなる
苦痛が明らかか、社会的・職業的な機能障害を認める
物質によるものではなく、その他の病気によるものでもない

【補足】
※④睡眠障害が起こっていると、⑨希死念慮が出やすくなるため、睡眠が重要になる訳です。

※睡眠障害とは、眠れない(入眠困難)、短時間で目覚める、起床時も疲れが取れていない、熟睡感がない、早朝に目覚めてしまう、などの症状、状態が、2週間以上連続している場合を指します。(睡眠障害の診断基準)

※双極性障害という病気は、長期間にわたって症状を繰り返す病気です。
このような病気であるがゆえに、無くそうと必死になって頑張ろうとすると、ますます苦痛が大きくなって行きます。

双極性障害を治療していく過程では、病気を受け入れて付き合って行く、という気持ちに切り替えていただくことが必要で、切り替えにより症状も安定して行きます。双極性障害とは戦うのではなく「付き合って行こう」という考え方の方がうまく行くのです。

双極性障害は原因はよくわかっていないのですが、何らかの脳の機能的異常によって気分に波が生じると考えられています。そのため、薬によって「気分を安定」させることが大切、ポイントです。従って本人はもちろんのこと、家族や周囲の方々の理解とサポートも必要になります。