心のケア15 「悲嘆のプロセス」 アルフォンス・デーケン
心のケア15 「悲嘆のプロセス」 アルフォンス・デーケン
◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
*正しい知識をもって適切に対処していきましょう。
【究極の喪失】
これは大切な人の死であり、慣れ親しんだ環境との別れでもある。
別れが突然であったり、意に沿わなかったりする場合ほど、
悲嘆(グリーフ)、喪失の痛みは大きなものとなり、
時には自分ひとりでは扱えない状態を招くこともある。
悲嘆(グリーフ)ワークは、喪失の悲嘆を癒すためのワークである。
◆【対象喪失】:悲嘆(グリーフ)の原因
1、親しい者との死別(自死を含む)
2、親しい者との生別(離婚、別居、失恋など)
3、慣れ親しんだ場所や仕事などとの別れ
(転居、海外移住、進学、就職、退職、転校など)
◆ドイツの哲学者「アルフォンス・デーケン」(Alfons Deeken 1932~ )は、
悲嘆からの立ち直りを、12のプロセスに分けている。
『悲嘆12のプロセス』
1.精神的打撃と麻痺状態
2.否認(別れ、喪失を受け入れられない)
3.パニック
4.怒りと不当感(なぜ私が?)
5.敵意とうらみ
6.罪責感(後悔)
7.空想形成ないし幻想
8.孤独感と抑うつ
9.精神的混乱と無関心
10.あきらめ→受容
11.新しい希望(ユーモアと笑いの再発見)
12.立ち直りの段階(新しいアイデンティティの誕生)
※悲嘆を体験する人がすべてこれらの12段階を通るわけではない。
また、必ずしもこの順序通りに進行するとは限らない。
時に、複数の段階が重なって現れることもあり、
体験の程度にもよるが、立ち直るまで数年かかる場合も少なくない。
【批判からは何も生まれない】
「怒り(4)」を表現する手段として、対象物がある時、批判、攻撃などで表現されることもある。
そのような心理状態(防衛反応)もあることを理解しておきたい。
それと同時に「何もできなかった(6)」と自分を責める罪責感もある。
このような場合、現実に直接何か出来ることは少なく、
いくつかの段階を行きつ戻りつつしながら徐々に回復へ向かって行く。
これらの事を自身の中で理解しておくと、現在の状態、
また、今後の自分が、「過去の自分」を振り返った時、
穏やかに、究極の喪失を受容できることが少なくない。
◆「専門家の力を借りる」という選択
【自分たちの力で対処する事に限界を感じる時の手段】
非常に大きなショック(心の傷)体験の場合は、
第三者:専門家のサポートを提供(または利用)することで、
心理的回復・改善(安全な状態)へと移行できるケースも少なくありません。
特に大きなダメージに対しての支援が必要な場合は、専門医の受診や、
専門家への相談なども含め、安全配慮の選択肢として把握しておく事も重要と思われます。
◆主な支援内容(例)※状況により支援方法を選択します。
・本人への直接対応、カウンセリング
・グループカウンセリング
・心理教育(体験後の心理的変化と対処法についての情報提供)
・家族への助言
・管理者・担当者への助言
・会社の場合:人事・総務・労務担当者への助言
・その他、状況に応じた対応
※必須項目:アセスメント(ショック状態の把握や心身両面の状況把握など)
以上、ご参考にしていただければ幸いです☆
【デーケン氏の言葉】
立ち直る段階での「心の癒し」で、特に重要なことは、
同じ体験がある人との分かち合いだと思っています。
経験していない人にはなかなか理解できないのです。
by アルフォンス・デーケン
心のケア15 「悲嘆のプロセス」 悲嘆を癒やすグリーフ・ケアワーク
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【心のケア1~心のケア15のリンク】
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