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心理学の知識

SOC理論|選択的最適化理論

SOC理論|選択的最適化理論|高齢者に関する理論

SOC理論とは、Baltesが提唱した高齢期の自己制御方略に関する理論。
選択的最適化理論」とも呼ばれます。
ポール・バルテス(1939〜2006)ドイツ出身の心理学者による生涯学習の獲得・喪失モデル。(gain/loss model)
高齢者が目標を調整しながら、今ある身体的・認知的資源を使って少しでも喪失の前の状態に近づこうとする方略を指します。

SOCとは、以下を指します。

・喪失に基づく目標の選択(Loss-based Selection)
若い頃には可能であったことが上手くできなくなったときに、若い頃よりも目標を下げる行為を指す。
例:ボーリングで120取れていたけど、80を目標にしよう!
・資源の最適化(Optimization)
選んだ目標に対して、自分の持っている時間や身体的能力といった資源を効率よく割り振ることを指します。
例:週に3回はボーリングに行っていたけど、週に1回に減らそう。
・補償(Compensation)
他者からの助けを利用したり、これまで使っていなかった補助的な機器や技術を利用したりすることを指します。
例:自分でボーリングに行っていたけど、息子に送ってもらおう。

ハヴィガーストの「活動理論」と、カミング&ヘンリーの「離脱理論」の間にあるような理論です。
・活動理論:望ましい老化とは、可能な限り中年期のときの活動を保持することであり、退職などで活動を放棄せざるを得ない場合は、代わりの活動を見つけ出すことによって活動性を維持すること。
・離脱理論:高齢者は自ら社会からの離脱を望み、社会は離脱しやすいようなシステムを用意して高齢者を解放するべき。高齢者が社会から離れていくのは自然なことと捉えている。

他にも以下のような理論が高齢者にはあります。
・社会情動的選択性理論:時間的見通しによる動機づけの変化によって、エイジングパラドックスを説明しようとする。
残り時間が限定的だと感じると、感情的に価値ある行動(嫌な人とは付き合わない、やりたいことだけをやる等)のような、情動的に満足できる目標や活動に傾倒するとされている。
・老年的超越理論:Tornstamによって、離脱理論、精神分析、禅を取り入れて構築された。加齢とともに、物質的・合理的(経済的)な視点から、神秘的・超越的な視点に移行するので、喪失はあっても心理的には安定を保つことが可能であるという知見。

生涯発達心理学の獲得・喪失モデル(gain/loss model)

私たちは人間の生涯について、ある程度共通した認識を持っています。それは、バルテスのような一生を研究のために費やした人々による成果を基礎にしています。バルテスの名前は知らなくても、彼が広めた概念は、現在は世界中に根付いています。
代表的なものが、獲得・喪失モデルです(Baltes, 1987)。このモデルは、厳密には、環境への適応能力(adaptive capacity)の獲得と喪失に関する理論です。環境への適応は、加齢による影響を受ける典型的なもの。

生涯発達心理学(生涯学習の心理学)のストーリー
◆バルテスによる「生涯発達心理学」は、その名の通り、生涯を通した発達を模索することで、サクセスフル・エイジング(幸福に年齢を重ねていくこと)を目指しています。バルテスは、そのための研究にとって大事なストーリーを示してくれています。
そもそも発達と言っても、その内容には様々なものがあります。また、加齢によって変化するものと、そうでないものがあります。

「生涯発達心理学」は、加齢をテーマとしていますから、このうち、加齢によって変化するものを研究の対象としています。
加齢による変化とは「なんらかの能力の獲得(成長)」と、「なんらかの能力の喪失(衰退)」によって表現でき、この獲得と喪失の間にはダイナミックな相互関係も見られます。

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