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心理学の知識

リアリティセラピー|現実療法|公認心理師試験

リアリティセラピー|現実療法|公認心理師試験
ウイリアム・グラッサー William Glasser(1925~ )

リアリティセラピー reality therapy

・現実療法は、精神科医ウイリアム・グラッサー William Glasser(1925~  )によって提唱されたカウンセリング手法。
・現実療法は、非行少年・少女を中心にカウンセリングや心理療法を行い、その更正に力を尽くしたアメリカの精神科医グラッサー(Glasser.W)の体験に裏付けられた考え方が基礎になっている。
・1965年に『現実療法』(Reality Therapy)が出版されて一躍注目されるようになった。

・これまでの過去、感情、症状に焦点を当てる方法とは異なり、現在の満たされていない重要な人間関係にいち早く焦点を当てることによって、問題解決を試みるカウンセリング手法である。ことさら洞察を目指すものではないので小さな子どもから、どんなレベルの人にも関われる手法。
・対象年齢を問わず、犯罪矯正、薬物依存、精神病、親子・夫婦の家族関係、スクール・カウンセリング、職場のマネジメントと適用範囲は広範囲である。

・現実療法(リアリティセラピー)は、自分の行動に責任を持つことを強調します。 問題は社会、境遇、遺伝、過去にあるのではありません。自分の行動を直視、吟味し、より良い行動を選択する手助けをするのがリアリティセラピーです。 あら捜し、人を責める、過去に執着する、自己否定に陥ることは、リアリティセラピーとは無縁です。

1:パーソナリティ論
・全ての行動は内側から動機づけられており、人間は基本的欲求(愛情、自己価値観)を満たそうと行動する。
2:病理論
・愛情もしくは自己価値観が充足されないと精神的不適応を起こす。
3:目標
・現在性(reality)、責任性(responsibility)、善意(right and wrong)の区別などを身につけてもらい、責任ある行動・生き方をするようになること。
4:カウンセラーの役割
・上記三つのR:現在性(reality)、責任性(responsibility)、善意(right and wrong)の側面を重視して、よりシビアに現実を認識していくように支え導く。
5:援助過程
・現在に焦点を合わせ、過去に合わせない。言い訳の機会を許さない。

グラッサーは「人間にとって唯一の問題 は不幸であること」とする。人間が不幸なときには、とてつもなく創造的になり、その結果非行、犯罪、薬物依存、
暴力、精神病と呼ばれるような行動をとるようになる。

現実療法のカウンセリング:3つの前提

1:クライエントが不幸なのは、満足できる人間関係を持っていないからである。
2:クライエントが満足できる人間関係を持っていないのは、どちらかあるいは両方が関係を改善しようとして、外的コントロール心理学を用いているからである。
3:そのような関係からは苦痛がもたらされるので、どちらかあるいは両方が、相手が用いている外的コントロールから逃れようとしている。

外的コントロールによる「致命的な7つの習慣」

1、批判する
2、責める
3、文句を言う
4、口やかましい
5、脅す
6、罰する
7、ごほうびで釣る
この習慣が実践されるところでは、基本的欲求が充足されず、問題が発生する。

自分の行動は自分の選択であることが分かると、人は今までよりも「自由」を得ることができます。リアリティセラピーは、米国の精神科医ウイリアム・グラッサー博士によって提唱され、著書『現実療法』(1965年)によって一躍世界に注目されるようになりました。2000年発刊『選択理論』はウイリアム・グラッサー博士の集大成とも言える書物。リアリティセラピーは、人が自分の行動を吟味し、明確な基準に照らして評価できるよう、手助けするものです。現実的な願望と欲求を満たして、より良い人生を送れるような計画を共に立て、それに取り組むことによって、力と自信を身につけ、人間関係も改善しより効果的な人生が送れるようになります。 リアリティセラピーは、日々使える自己改善の術を提供し、人が問題に対処し、個人的に成長し自分の人生を効果的に送れるよう手助けするものです。

『 私たちは自分の行為と思考のすべてを選択している 』

「グラッサー博士の選択理論」ウイリアム・グラッサー/著 アチーブメント出版より

※【グラッサーの著書】「選択理論」2000グラッサー. W. /著(柿谷正期/訳) アチーブメント出版
「15人が選んだ幸せの道」2000 グラッサー.W./著(柿谷正期・柿谷寿美江/訳) アチーブメント出版