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心理学の知識

人間心理学|コーチン

人間性心理学の特徴と、臨床心理学の歴史の流れ

臨床心理学には4つの大きなパラダイムがあります。
1,フロイトによって確立された精神分析理論
2,ロジャーズが代表的研究者である人間性心理学
3,アイゼンクが代表である行動理論
4,ベックによって確立された認知理論

行動理論と認知理論は2000年ごろから統合されて認知行動理論と呼ばれるようになっています。
Witmerの心理学クリニック開設以降、上記のパラダイムが提唱・確立されるまでの流れを確認してみます。
※ウィトマー(Witmer, L. 1867~1956)

◆コーチンは人間性心理学の基本的特徴を以下のように述べています。
(Korchin,S.J.の現代臨床心理学は重要な古典の一つです)。
1,人間を全体的に理解する
2,人間の直接的経験を重視する
3,研究者もその場に共感的に関与する
4,個人の独自性を中心におく
5,過去や環境より価値や未来を重視する
6,人間独自の特質、選択性、創造性、価値判断、自己実現を重視する
7,人間の健康的で積極的な側面を強調する
※コーチンの現代臨床心理学:コーチンの定義自体は有名です。

【人間の健康的で積極的な側面を強調する】
人間が無意識に支配されているとする精神分析や、外的環境に支配されているとする行動主義に対して、人間を自由意思のもつ主体的な存在として捉える立場が人間性心理学です。
マズローはこの立場を、精神分析と行動主義の二大勢力に対して第三勢力の心理学と呼んでいます。

【人間性心理学の立場に属する主な理論家や臨床家】
・実存分析のビクトール・エミール・フランクル
・現存在分析のビンスワンガー
・欲求階層説のアルフレッド・マズロー
・クライエント中心療法のカール・ロジャーズ
・フォーカシングのユージン・ジェンドリン
・ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズ
・実存心理学のロロ・メイ
など・・・

心理学の歴史(補足)
ヴントの要素主義を批判する形でワトソンが行動主義を展開しました。
そのときの主張が「心理学を科学として成立させるためには、内観という人間の主観的な側面ではなく、客観的に測定・観察が可能な行動を扱うことが必要である」というものでした。この主張は、心理学は自然科学の純粋に客観的・実験的な一部門であると考えていたことが窺えます。

ワトソンが上記の主張を行った際の根拠の一つになっていたのは、パヴロフの条件反射学でした。
その後、1930年代ごろから刺激と反応の間に「有機体」を介在させる新行動主義が展開し、オペラント条件づけに関する知見も提出されました。
第二次世界大戦後になると、実用性を重視する社会的雰囲気(プラグマティズム)が存在するようになり、実証的な心理療法への機運が高まったこともあり、行動療法が展開しました。

◆行動療法の広がりには、以下の3人が大きく関与していました。
・アイゼンク
彼は心理療法における科学的な治療効果研究のきっかけを作った人物である。
力動的心理療法の理論、実際的な治療効果、診断法・治療法に関する反論を行った。
スキナーらと共通特徴を持つ治療法をまとめて「行動療法」と呼ぶことを提唱した人物でもある。
彼は行動療法を「人間の行動と情動とを現代行動理論に従ってよい方向に変える試み」
「科学的に実証された学習理論に基づいて人間の行動を変化させるためのアプローチ」などと定義している。
・スキナー
徹底的行動主義のスタンスを貫いており、行動の原因を内的なものに求めないのが特徴となっている。オペラント条件づけの理論家と臨床応用で活躍した。
・ウォルピ
フロイトの考え方に沿った治療を行っていたが、フロイトの理論では理解できない症例に出会ったことで、パヴロフの条件反射学に興味を抱いた。実験神経症を示すなど、行動療法の神経症モデルを提唱した。不安の治療に対して古典的条件づけの概念を初めて導入し、体系づけたことが大きな功績。
以上のような流れをもって、その後、認知行動療法への統合などが生じていきます。上記の通り科学的であることを強く主張しているのは、人間性心理学ではなく行動主義やその流れにある行動療法になりますが、人間性心理学とあわせて科学的である部分もカウンセリングでは欠かせない存在です。

SOC理論|選択的最適化理論

SOC理論|選択的最適化理論|高齢者に関する理論

SOC理論とは、Baltesが提唱した高齢期の自己制御方略に関する理論。
選択的最適化理論」とも呼ばれます。
ポール・バルテス(1939〜2006)ドイツ出身の心理学者による生涯学習の獲得・喪失モデル。(gain/loss model)
高齢者が目標を調整しながら、今ある身体的・認知的資源を使って少しでも喪失の前の状態に近づこうとする方略を指します。

SOCとは、以下を指します。

・喪失に基づく目標の選択(Loss-based Selection)
若い頃には可能であったことが上手くできなくなったときに、若い頃よりも目標を下げる行為を指す。
例:ボーリングで120取れていたけど、80を目標にしよう!
・資源の最適化(Optimization)
選んだ目標に対して、自分の持っている時間や身体的能力といった資源を効率よく割り振ることを指します。
例:週に3回はボーリングに行っていたけど、週に1回に減らそう。
・補償(Compensation)
他者からの助けを利用したり、これまで使っていなかった補助的な機器や技術を利用したりすることを指します。
例:自分でボーリングに行っていたけど、息子に送ってもらおう。

ハヴィガーストの「活動理論」と、カミング&ヘンリーの「離脱理論」の間にあるような理論です。
・活動理論:望ましい老化とは、可能な限り中年期のときの活動を保持することであり、退職などで活動を放棄せざるを得ない場合は、代わりの活動を見つけ出すことによって活動性を維持すること。
・離脱理論:高齢者は自ら社会からの離脱を望み、社会は離脱しやすいようなシステムを用意して高齢者を解放するべき。高齢者が社会から離れていくのは自然なことと捉えている。

他にも以下のような理論が高齢者にはあります。
・社会情動的選択性理論:時間的見通しによる動機づけの変化によって、エイジングパラドックスを説明しようとする。
残り時間が限定的だと感じると、感情的に価値ある行動(嫌な人とは付き合わない、やりたいことだけをやる等)のような、情動的に満足できる目標や活動に傾倒するとされている。
・老年的超越理論:Tornstamによって、離脱理論、精神分析、禅を取り入れて構築された。加齢とともに、物質的・合理的(経済的)な視点から、神秘的・超越的な視点に移行するので、喪失はあっても心理的には安定を保つことが可能であるという知見。

生涯発達心理学の獲得・喪失モデル(gain/loss model)

私たちは人間の生涯について、ある程度共通した認識を持っています。それは、バルテスのような一生を研究のために費やした人々による成果を基礎にしています。バルテスの名前は知らなくても、彼が広めた概念は、現在は世界中に根付いています。
代表的なものが、獲得・喪失モデルです(Baltes, 1987)。このモデルは、厳密には、環境への適応能力(adaptive capacity)の獲得と喪失に関する理論です。環境への適応は、加齢による影響を受ける典型的なもの。

生涯発達心理学(生涯学習の心理学)のストーリー
◆バルテスによる「生涯発達心理学」は、その名の通り、生涯を通した発達を模索することで、サクセスフル・エイジング(幸福に年齢を重ねていくこと)を目指しています。バルテスは、そのための研究にとって大事なストーリーを示してくれています。
そもそも発達と言っても、その内容には様々なものがあります。また、加齢によって変化するものと、そうでないものがあります。

「生涯発達心理学」は、加齢をテーマとしていますから、このうち、加齢によって変化するものを研究の対象としています。
加齢による変化とは「なんらかの能力の獲得(成長)」と、「なんらかの能力の喪失(衰退)」によって表現でき、この獲得と喪失の間にはダイナミックな相互関係も見られます。

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タイプA型行動パターン|フリードマン

タイプA型行動パターンについて

一般にタイプAは心筋梗塞などの虚血性心疾患が多いタイプ、タイプBはタイプAの逆の傾向を持つ人たち、タイプCはがんになりやすい人たちとされています。タイプCの「C」はCancer(がん)の頭文字とされています。
タイプAと関連がある用語として、「心身症」「アレキシサイミア」(失感情症)などが重要です。

タイプA型行動パターンの提唱者と特徴。

『M.Friedmanが提唱した性格傾向である』
『時間的切迫感、感情抑制、他者評価懸念及び社会的同調性の特徴を持つ』
『複数の特徴のうち、時間的切迫感が心筋梗塞発症の最も強いリスク要因であることが示されている』
Friedman&Rosenman(1959)は、タイプAと呼ばれる性格の人が冠動脈疾患になりやすいことを指摘しています。

【タイプA性格とは】
・自分が定めた目標を達成しようとする強い欲求を持ち
・人と競争することを好み
・功名心が強く
・つねに時間に追われながら多くのことをこなそうとする傾向のことを指します。
・身体的・精神的に過敏で、強い敵意や攻撃性を示す。
・大声で早口にしゃべる傾向があるとされています。

これらの行動傾向のうち、基本的で重要なものは以下の通りです。

時間的切迫感:
時間に追われながらの多方面にわたる活動。
性急さ:
身体的精神的活動速度を常に速めようとする習癖。
達成努力:
自分が定めた目標を達成しようとする持続的な強い欲求。
野心:
永続的な功名心。
競争:
競争を好み、追求する傾向。
敵意性:
身体的精神的な著しい過敏性を伴う。

これらがタイプA型の特徴と言えます。
その中でも特に「敵意性」が冠動脈疾患の重要な予測因子であることがわかっています。
(Sadock&Sadock,2003)

これに対してTemoshok によって提唱された、多くのがん患者に共通して見られるタイプC型行動パターンという型があります(タイプBもあり、これはタイプAの逆の特徴)こちらは、がん罹患のリスクファクターになるのではないかとまで言われているものです。

タイプC行動型パターンとは、怒りをはじめとしたネガティブな感情を表出せず、経験もしないということや忍耐強く控え目で、周囲の人々に対して協力的で、権威に対して従順であるというもの。他者の要求を満たすためには極端に自己犠牲的になり得るなどの特徴を示す行動パターンのことを指します。そのため、表面的にはいわゆる「良い人」に見えるのであるが、何らかの葛藤やストレスを抱えている可能性も考えられる。

アメリカ西海岸の大規模な共同研究の結果によれば、タイプAは逆のタイプBに比べて冠状動脈性心臓疾患の相対的危険度は約2倍という結果が出ています。タイプA行動は冠状動脈性心臓疾患になりやすい人の特徴的な行動としてみてよいでしょう。

ちなみにこれらの結果は、食事、年齢、喫煙、その他の変数を考慮しても同様でした。
多くの研究結果を背景として、1981年にアメリカ心臓病学会は、タイプA行動が冠状動脈心臓疾患の危険因子と分類されるべきだと発表しました。しかし、それ以降の2つの研究結果(1983年と1985年)では、タイプA行動と心臓疾患との関連を見つけることはできませんでした。

その理由として、タイプAの評定法の違いに原因があるのではないかという研究者と、タイプA行動の定義が拡散しすぎているせいではないかという研究者がいます。多くの研究者は「時間的切迫感」と「競争」については、対して重要な要因ではないと論じており、そこから「敵意性」が重要な係数であると示しました。
その後の研究でも、「敵意性」が冠状動脈性心臓疾患の発生率の向上に絡むことがわかってきています。

このメカニズムとして、交感神経系のストレスに対する反応様式が挙げられます。
「敵意性」が高い人は、血圧や心拍数、ストレスに関連するホルモンの分泌量が大幅に増加するなどの結果が示されています。
すなわち「敵意性」が高い人の交感神経系は、ストレスとなる状況に過剰反応すると言えます。

また日本人における検討では、欧米の先行研究における「タイプA行動パターン仮説」に反して、男性において「タイプB行動パターン」が虚血性心疾患発症リスクの上昇と関係していました。(女性はタイプAに虚血性心疾患が高い。これは欧米と同じ)。

タイプB行動パターンを持つ男性はストレスを内にためこみ、虚血性心疾患リスクを上昇させている可能性があります。このことは、行動パターンの影響が性・文化的背景によって異なることを示しています。ただし、エバンスは、タイプAの特徴は国や文化の違いに関係がないとしております。(ちなみに上記の日本の研究結果は、国立がん研究センターの予防研究グループの発表です)。

以上のように、タイプA行動と心筋梗塞との関連については、タイプA行動というよりも、その中の「敵意性」が重要であるという指摘があるなど、「心筋梗塞の発症に関わることが一貫して示されてきた」とは言い難いと思われます。

【認知行動療法の効果】
『行動パターンを変容させる介入研究により、心筋梗塞の再発を抑える効果が示されている』

フリードマンら(1994)は認知療法的技法と行動療法的技法を組み合わせることで、タイプA行動を減少させることができることを証明しました。過去に少なくとも1回心臓発作を経験したことがある1000人以上の被験者の治療群に対して、以下のようなアプローチを行いました。
・普段なら時間をかけてじっくり考えない事柄をじっくり考える機会を持たせる。
・他人を観察してもらう。
・見知らぬ人と会話を交わす機会を持つ。
・人に爆発することなく自分の感情を表現できるように、また特定の行動を変えるように助言を受ける。

更に、治療者はタイプA型行動の背景にある基本的な信念(成功か否かは、仕事量による等)を再評価できるよう援助しました。これらによって参加者は、家庭環境と仕事環境のストレスを減らす方法を見つけていきました。この研究では、もう一度心臓発作が起こるか否かを重要な従属変数と見立て、縦断的に経過を追っていきました。その結果、4年半の間、治療を受けた群の心臓発作の再発率は、統制群(特に生活に修正を加えられていない)のほぼ半分であったことがわかりました。このことは、明らかにタイプA行動を修正することを学習することは、彼らの健康に有益であったことを示しています。

認知行動療法を取り入れることでタイプAの「再発率は減らせた」という研究結果。

失感情症|アレキシサイミア

失感情症|アレキサイミア

アレキシサイミア(失感情症)は、シフネオスが提唱した性格特性です。自分の感情(情動)への気づきや、その感情の言語化の障害、また内省の乏しさといった点に特徴があると言われています。
心身症の発症の仕組みの説明に用いられる概念ですが、近年は衝動性や共感能力の欠如など、ストレス対処や対人関係を巡る問題との関連が研究されています。

この失感情症(アレキシサイミア:a-lexi-thymia)という言葉が最初に唱えられたのは1972年のことです。ハーバード大学マサチューセッツ総合病院のP.E.シフネオス医師は長年、いわゆる古典的「心身症」と言われていた患者さん達(潰瘍性大腸炎や気管支喘息など)の治療に取り組んでいました。その臨床経験からこの患者さん達にはある心理的な特徴があることに気づきました。

あまり生気が感じられず、葛藤状況やフラストレーションがたまる状況では、内省したり困難に上手に対処したりするのではなく、むしろそれを避けるための行動に走ってしまうというのです。そしてその最大の特徴は「自分の感情を表現する言葉を見つけるのが難しい」ということでした。そこから感情を言い表す言葉が欠けていること=失感情(言語化)症という概念が出てきたのです。

なぜ、心身症というからだの病気とこうした感情を言葉にすることが難しいということとに関係があるのでしょうか?

それは私たちのからだとこころは密接に関係があるからです。不安や恐怖あるいは喜びといった「喜怒哀楽」は情動(emotion)と呼ばれます。怒ると顔が真っ赤になったり、恐怖に襲われ不安になると心臓がドキドキし声が上ずったりします。このように情動はからだの変化と直結し、自律神経系の変化や表情・声の変化といったからだの変化と一体となっています。

この情動の変化はまた、私たちの主観的な気持ち=感情(feelings)の変化とも普通結びついています。この感情の変化について、私たちは自分が「腹が立っている」とか「とっても怖い思いをした」とその感情に気づき、それを言葉で表現をすることを普段何気なく行っていますが、心身症の患者さんたちはどうもそうしたことが上手ではないのではないかというのです。昔の諺にある「もの言わざるは、腹ふくるるわざ也」のように、自分の微妙な感情の変化に気づき言葉にしていくことは、私たちの健康維持にとりきわめて大切というわけです。

失感情症の概念は研究者の間で検討されて、以下の特徴としてまとめられました。

1,自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。
2,感情を他人に言葉で示すことが困難である。
3,貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。
4,(自己の内面よりも)刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイル。

こうした特徴に関して、興味深いことに最近の脳科学研究から、自分の内的な感情に気づき・表すことと、自分とは一端離れた視点(他人の視点に立つ)を持つこと=自分を客体化できることとが、実は密接に関係していることがわかってきました。

感情の気づきの問題は共感性、また想像力・空想力などとも大いに関連しているのです。自分の感情の微妙な変化に気づき言葉に出来ることは、彩り豊かな精神生活を送りスムーズな対人関係を築くことにもつながっていると言うわけです。
このように「失感情症」を理解することは、こころとからだの関係だけでなく、自分と他人との関係のあり方を理解する上でも欠かせないキーワードになってきています。

※小牧元
(元 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 心身医学研究部)

パワーハラスメント関連改正法

パワーハラスメント関連改正法(2019年5月成立)

「ハラスメント防止法が成立」
2019年5月29日、参議院本会議で「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」が可決され、同法が成立しました。
この法律は、我が国で初めてパワーハラスメントについて規定し、その防止をするための措置を講じる義務を企業に課したものです。
※セクハラについても新たな規制を課している。
・企業にパワハラ防止を義務化へ、違反なら社名公表も
・ハラスメント規制法成立 パワハラも対策義務化
(施行時期は早ければ大企業が2020年4月、中小企業は2022年4月と報じられている)

パワハラについて防止措置義務を定めた部分の法律は、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」で、パワハラについて防止措置義務を定めた部分の法律は、『労働施策総合推進法』と呼ばれる。

◆正式名称
「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」
※旧:雇用対策法

(目的)
第1条 この法律は、国が、少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して、労働に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場の機能が適切に発揮され、労働者の多様な事情に応じた雇用の安定及び職業生活の充実並びに労働生産性の向上を促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的とする。

◆パワーハラスメント(雇用管理上の措置等)
●労働施策総合推進法 第30条2 第1項
事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
※特にこの条文は重要!「法律で初めてパワハラを定義」しました。(2019年5月)

●労働施策総合推進法 第30条3 第2項
【事業主の責務】
事業主は、職場におけるパワーハラスメントを行ってはならないことその他職場におけるパワーハラスメントに起因する問題(以下「パワーハラスメント問題」という。)に対するその雇用する労働者の関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者(他の事業主が雇用する労働者 及び求職者 を含む。)に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる同条第1項の広報活動、啓発活動その他の措置に協力するように努めなければならない。また、事業主(その者が法人で ある場合にあっては、その役員)は、自らも、パワーハラスメント問題に対する関心と理解を深め、労働者(他の事業主が雇用する労働者 及び求職者 を含む。)に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならない。

●労働施策総合推進法 第30条3 第4項
【労働者の責務】
労働者は、パワーハラスメント問題に対する関心と理解を深め、他の労働者 (他の事業主が雇用する労働者 及び求職者 を含む。) に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる措置に協力するように努めなければならない。

と、なっています。

【指針の素案】
◆職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止策が来春にも企業に義務づけられるのを前に、厚生労働省は2019年10月21日、パワハラ行為の定義とその具体例などを盛り込んだ指針の素案を労働政策審議会の分科会に示した。

2019年5月に成立した改正労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)はパワハラを、
(1)優越的な関係を背景にした言動で、
(2)業務上必要な範囲を超えたもので、
(3)労働者の就業環境が害されることと定義。

パワハラを「行ってはならない」と明記する一方、罰則を伴う禁止規定は見送った。
指針の素案では、(1)~(3)の要素をすべて満たすものがパワハラだとした。
企業に防止策を義務づける労働者は、正社員のほか、パートタイムや契約社員など非正規雇用者も含むとした。
一方、企業と雇用関係にないフリーランスや個人事業主、インターンなどは対象外とし、「必要な注意を払うよう配慮」を企業に求めるにとどめた。素案はまた、厚労省が示している6類型に沿ってパワハラに当たる具体例を列挙した。

例えば「精神的な攻撃」では、業務に関する必要以上に長時間の厳しい叱責(しっせき)の繰り返しはパワハラに当たるとする一方、業務内容に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して強く注意することは、パワハラに当たらない、などとした。
企業に対しては、パワハラを行ってはならない方針を就業規則に盛り込むなど明確化し、広く周知するよう求めている。
相談窓口にパワハラの相談があった場合、事実関係を迅速、正確に確認し、パワハラの行為者への懲戒などの必要な措置を取ると共に被害者に配慮した措置も求めた。

◆職場のパワーハラスメントの6類型(厚労省)
上記で定義した、職場のパワーハラスメントについて、裁判例や個別労働関係紛争処理事案に基づき、次の6類型を典型例として整理しています。なお、これらは職場のパワーハラスメントに当たりうる行為のすべてについて、網羅するものではないことに留意する必要があります。

1)身体的な攻撃
暴行・傷害
2)精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3)人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
4)過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5)過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
6)個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること

◆パワーハラスメントの種類(厚労省)

*攻撃型パワーハラスメント
・罵声を浴びせる、足をける、たたく、胸ぐらをつかむ
・書類や物を投げつける、机をたたきながら怒鳴る

*否定型パワーハラスメント
・欠点をあげつらう、人格を否定する言葉を使う
・あいさつや会話を交わさない、退職を促す

*強要型パワーハラスメント
・仕事の進め方を一方的に決めつける
・宴会・食事などへの出席を強いる
・失敗や責任を押し付ける

*妨害型パワーハラスメント
・仕事を取り上げる、情報を与えない
・周囲に無視するよう促す

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心のケア15|悲嘆のプロセス

心のケア15 「悲嘆のプロセス

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
  *正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

【究極の喪失】

これは大切な人の死であり、慣れ親しんだ環境との別れでもある。
別れが突然であったり、意に沿わなかったりする場合ほど、
悲嘆(グリーフ)、喪失の痛みは大きなものとなり、
時には自分ひとりでは扱えない状態を招くこともある。

悲嘆(グリーフ)ワークは、喪失の悲嘆を癒すためのワークである。

◆【対象喪失】:悲嘆(グリーフ)の原因

1、親しい者との死別(自死を含む)
2、親しい者との生別(離婚、別居、失恋など)
3、慣れ親しんだ場所や仕事などとの別れ
(転居、海外移住、進学、就職、退職、転校など)

◆ドイツの哲学者「アルフォンス・デーケン」(Alfons Deeken 1932~ )は、
悲嘆からの立ち直りを、12のプロセスに分けている。

『悲嘆12のプロセス』
 1.精神的打撃と麻痺状態
 2.否認(別れ、喪失を受け入れられない)
 3.パニック
 4.怒りと不当感(なぜ私が?)
 5.敵意とうらみ
 6.罪責感(後悔)
 7.空想形成ないし幻想
 8.孤独感と抑うつ
 9.精神的混乱と無関心
10.あきらめ→受容
11.新しい希望(ユーモアと笑いの再発見)
12.立ち直りの段階(新しいアイデンティティの誕生)

※悲嘆を体験する人がすべてこれらの12段階を通るわけではない。
また、必ずしもこの順序通りに進行するとは限らない。
時に、複数の段階が重なって現れることもあり、
体験の程度にもよるが、立ち直るまで数年かかる場合も少なくない。

【批判からは何も生まれない】
「怒り(4)」を表現する手段として、対象物がある時、批判、攻撃などで表現されることもある。
そのような心理状態(防衛反応)もあることを理解しておきたい。
それと同時に「何もできなかった(6)」と自分を責める罪責感もある。

このような場合、現実に直接何か出来ることは少なく、
いくつかの段階を行きつ戻りつつしながら徐々に回復へ向かって行く。
これらの事を自身の中で理解しておくと、現在の状態、
また、今後の自分が、「過去の自分」を振り返った時、
穏やかに、究極の喪失を受容できることが少なくない。

◆「専門家の力を借りる」という選択
【自分たちの力で対処する事に限界を感じる時の手段】

非常に大きなショック(心の傷)体験の場合は、
第三者:専門家のサポートを提供(または利用)することで、
心理的回復・改善(安全な状態)へと移行できるケースも少なくありません。

特に大きなダメージに対しての支援が必要な場合は、専門医の受診や、
専門家への相談なども含め、安全配慮の選択肢として把握しておく事も重要と思われます。

◆主な支援内容(例)※状況により支援方法を選択します。
・本人への直接対応、カウンセリング
・グループカウンセリング
・心理教育(体験後の心理的変化と対処法についての情報提供)
・家族への助言
・管理者・担当者への助言
・会社の場合:人事・総務・労務担当者への助言
・その他、状況に応じた対応
※必須項目:アセスメント(ショック状態の把握や心身両面の状況把握など)

以上、ご参考にしていただければ幸いです☆

【デーケン氏の言葉】
立ち直る段階での「心の癒し」で、特に重要なことは、
同じ体験がある人との分かち合いだと思っています。
経験していない人にはなかなか理解できないのです。

by アルフォンス・デーケン

心のケア15 「悲嘆のプロセス」 グリーフ・ケア

心のケア14|援助者を目指す傾聴術

心のケア14 「援助者を目指す傾聴術

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
  *正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

【援助者を目指す傾聴術1】  

~受動的な聴き方~

■良い援助者とは
・誰か他の人の手助けをするというのは、相手の成長を促し、役立つ変化をもたらすチャンスです。
・あなたにとって、大切な人の手助けに成功すれば、あなたがそのために費やした時間や思いやりは、二人の関係をさらに深め、長続きさせるという形で報いられます。
・問題を抱えてあなたの助けを求めに来た人に対して良い効果のある援助を与えるためには何が必要でしょうか。
・効果的な手助けには、少なくとも3つの基本的要素(カール・ロジャース理論)があります。

1、受容:相手をあるがまま受け入れる

2、共感:自分を相手の立場において、相手の感情を体験する

3、自己一致(ほんもの):正直で率直な関係をもつ(嘘がないこと)

■受動的な聴き方

・相手が問題を抱えている時、相手の高ぶった感情がおさまるように手助けする、効果的な方法のひとつは、受動的な聴き方による対応です。
これは、あなたが相手を受け入れ、認めていることを示し、相手に話を続けるようにと励まします。受動的な聴き方による対応は下記のようなものです。

1、そばにいる
・相手が問題を持つことを知った時、物理的にそばにいて、相手と向き合い、目を見つめている事で、あなたの聴く姿勢を相手に感じさせる事ができる。

2、沈黙
・相手が問題を見つめようとしたとき、あなたが黙って聴くことができれば、相手にとって大きな助けや変化、気づきにつながります。

3、あいづち、うなずく
・あなたが、相手に注意、関心を持っていることを示すことができます。
・ある程度まで、あなたの、受容と共感を相手に伝えます。

4、繰り返し
・相手の発した言葉をそのままフィードバックする、この対応は相手の考えや思いや感情を更に深く話すことを促進します。

5、気持ちをくむ
・相手の感情に対し、あなたの受容と理解を表わし、援助したいと思っていることを伝えます。
(言葉にならないくらい辛かったのですね・・)
(これからどうしたら一番良いのか一緒に考えていきませんか?)

※このような受動的な聴き方による対応は、相手に受け入れられたと感じさせ、コミュニケーションを継続させる効果があります。

【援助者を目指す傾聴術2】  

~能動的な聴き方~

■能動的な聴き方

・能動的な聴き方は相手が問題を持った時に、その人を援助するための技法です。
・援助しようとする時の基本的な方法は受容と共感を伝えることです。
・あなたの欲求を満たすために相手と関わる事と、相手を援助するためにあなたが関わる事では、態度が全く異なります。

1、あいづち・うなずく

2、くりかえし

3、気づきのことば
(解読した結果、効果的と思われるフィードバック)

4、要約・言いかえ

5、気持ちをくむ
(相手の感情に耳を傾ける)

■ 【質問技法】

・開かれた質問を心がける

1)閉ざされた質問
・はい、いいえで答えることができる
・自分が関心のある問題だけをきいていく傾向があり、情報が偏りがちになる点に注意する。
・口の重い相手や、必要な情報を得る時には有用。

2)開かれた質問
・「~とはどんなことですか?」
・「~について話していただけませんか?」等々
話の主導権を相手に与える。
・こちら側(カウンセラー)の思惑を気にすることなく、相手の考えていること(真実・本心)を、自由に表現する機会を与える。

・相手の悲嘆(喪失や問題)を引き出し、感情に注意を集中させていく時などに用いる。
・出来事についての感情体験を相手(本人)に気づかせる。
・相手にとってそれは、どんな「感情」「気持ち」だったのかを質問する。

■望ましいコミュニケーション■

1:相手が問題を抱えている時は、必ず「何かあるな」と感じさせる言葉や態度を示す

2:そのサインを「何かあるな」「何だろう」と読み取り、相手の感情や考えるだろうと、推察したことを言葉にして相手に返し、相手がそれを実際に感じているかどうかを確認する

3:相手は、こちらが確認したことが正しければ、コミュニケーションを先にすすめる。
また、こちらが確認したことが間違っていれば、それを否定してより明確なサインを送ってくる。

~ by トマス・ゴードン「親教育のプログラム」 ~

心のケア14 「援助者を目指す傾聴術」グリーフケア

心のケア13|グリーフ・ワーク

心のケア13 「グリーフ・ワーク

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
  *正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

*悲嘆(グリーフ)・ワークは喪失の悲嘆を癒すための心理療法です。

【グリーフ・ワークを始めるために必要なこと】

・安全確保(心理的、環境的、物理的)
・衣食住が確保されていること。
※諸々の事務手続きが未完了の場合でも、できるところから少しづつ進めます。
※震災後、諸々の事務手続きが完了していれば、なお良いでしょう。

【方法】

1、深い悲しみ(感情)を受け入れる
強い感情は時間と共に軽減します。
がまんせずに、「嘆く、泣く時間を確保」します。

2、悲嘆や喪失体験を話す
可能であれば信頼出来る人と悲嘆をシェア。
傾聴してくれる人をみつけることも大切。

3、悲嘆を分かち合う
同じ経験をした人と分かち合い、乗り越えるきっかけに。

4、軽いストレッチ(運動)と良質の睡眠(休養)
ストレッチは心も柔軟にします。
眠らなくてもこまめな休息を意識することも効果的。

5、セルフケア:自分を愛する
自分をいたわり、ねぎらう。自分を大切にする。
心地良いと思われる五感を感じてみる。

6、出さない手紙を書く
自分自身の感情に気づくきっかけになります。

7、自分の考えや思いを記録する
記録することで感情を放出します。
絵画療法アートセラピー)も有効。

8、助けを求める
自分をケア出来る人は助けを求めることができます。
(*傾聴してくれる人に助けを求める)

9、休養(休息)、栄養、睡眠
からだをいたわることで緊張を軽減できます。

※悲嘆を認めることは、衝撃的な体験から『何か』を学び取り、人生の大きな意味を見出すこと。
支援者(カウンセラー)は伴走しながら悲嘆の軽減をサポートして行きます。

心のケア13 「グリーフ・ワーク」グリーフケア

心のケア12|グリーフ・カウンセリング

心のケア12 「グリーフ・カウンセリング」

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
  *正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

*悲嘆(グリーフ)・カウンセリングは喪失の悲嘆を癒すためのカウンセリングです。

グリーフ・カウンセリング

悲嘆カウンセリング (grief counseling)

愛する者の死など様々な喪失体験によって引き起こされる悲嘆の解決を心理的に援助すること。

【喪失体験に対する自然な反応】

1、呆然(麻痺、非現実感、パニック)
2、抵抗(否認、苦悶)
3、怒り(不当感、敵意、罪悪感)
4、抑うつ(空想、無関心、孤独、無力感)
5、諦め・受容
6、希望(解放、決意、再生)

●受け入れがたい苦痛に出会った時、何らかの緩衝工作をしながら徐々に乗り越えて行く。

【悲嘆はその過程を通じて次の仕事をなすと考えられる】

1、喪失についての現実感をもつ。
2、気持ちに正直になることで喪失を過不足なく受け止める。
3、喪失後の様々な障害をクリアし、適応のための準備をする。
4、失ったものに 「さようなら」 と言い、
  それなしに生きる新しい人生のスタートラインにつく。
5、これらの仕事を行うための時間をかせぐ(心理的負担を軽減させる)

※以上のような過程を、とばしたり、抑圧することなく体験することで、
その仕事を完遂させることが大切であり、援助の目的もそこにあります。

【悲嘆の仕事がうまく達成されないと・・・】
新しい人生が始められないばかりでなく、病的な悲嘆反応がおきることもある。
悲嘆の仕事を阻む過剰な身構えが、認知」や感情にひずみを与える。
防衛によって内的な傷も生まれる。

喪失という心理的外傷にこうしたひずみや傷が加わることで、
症状が複雑に、わかりにくくなり、解決を難しくしてしまう。

【病的な悲嘆反応】としては、
慢性的、時期はずれ(遅延化)など、悲嘆が終わらないケース、喪失対象外にも罪責感が及んだり、全生活が不安感に覆われるなどの誇張された悲嘆、身体症状や不適応行動の仮面を装い、喪失の認識をもたない場合などがある。

【セラピー】
このような病的な悲嘆を扱う場合を「セラピー」(心理療法)としてカウンセリングと区別することもある。
悲嘆の仕事のどこが滞っているのか、それを阻んでいるのは何かを確認することが必要となる。

【喪失体験】は、
心理的な外傷だけでなく現実問題として、生活上の大きな負担を伴うことが少なくない。
そのため無理せざるを得なくなる。

また、失くしたものは、もともと心の支えであったはずであり、それを欠いた心はもろくなるか、守りを固めてかたくなになるかであろう。
従って、他者の支えが大きな意味をもつ。

「愛」 があるゆえに、別れや悲しみがうまれるが、
それを癒やすのもまた 『 愛 』 といえる。

【援助者の役割】

1、悲嘆を時で癒すよう、中・長期的な、見通しを持つとともに、
必要な時期にそばにいる(接触をもつ)ようにする。

2、わかっているが認めたくないという、
あいまいな気持ちに寄り添いながらも、
喪失を現実のものとして認めるよう援助する。

3、悲嘆の過程を理解し、
言葉に出来る感情も出来ないものも、
抑圧することなく、できるだけ表現するよう促す。

4、失ったものなしに生きていく気持ちと、
行動の準備をサポートする。

5、病的な反応を識別し、
必要に応じて専門医(精神科医)などにリファーする。

※必要に応じ、専門医の受診が必要になる場合もあります。

◆悲嘆の強さや内容は、

1、当事者の年齢、性別やパーソナリティ、価値観、及び環境
2、失ったもの、およびそれとの関係
3、失った状況(特に、予期されたものか否か)

以上によって大きく違ってくる。

喪失体験はプライベートな出来事であり、悲嘆反応は固有のものである。
したがって援助者はその個人差を認識し、柔軟な対応を心がける必要があります。

一方、悲嘆は、人生において誰もが直面する普遍的な感情でもある。
悲嘆は、喪失から誕生への橋渡しでもある。
病的な悲嘆に陥る危険性をもちながら、喪失という大きな荷物を引き受け、
より豊かな人生へと旅立っていく姿は感動的でさえある。

援助者(カウンセラー)は、それに立ち会う使命がある。

心のケア12 「グリーフ・カウンセリング」グリーフケア

心のケア11|気遣いの言葉

心のケア11 「気遣いの言葉」

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
  *正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

【気遣いの言葉】

サバイバーズ・ギルト」のように、
強い苦しみを抱えた方の話をきく時
「気の利いた言葉」を探してしまいます。
ところがその気遣いが逆に相手の心を傷つけてしまうこともあります。

「サバイバーズ・ギルト」を例にとってみると、
思いはひとり一人異なり、
気遣ったつもりの言葉が深く傷つけ、
心を閉ざすきっかけになってしまう事もあります。
そのため、通常より繊細な心配りが必要です。

めまぐるしく変化する現状では、かつて経験したことのない、
新たなストレス源が次々と発生しています。
このストレス社会を生きるには、
誰でも心の通い合う会話に充分気を配る必要があります。

無理にプラス思考にもって行こうとする必要はありません。

「苦しい」感情があれば、その感情を認めることのほうが大切です。
ありのままを受容するのです。

湧き出てくる感情をジャッジ(評価・判断)せず、ありのままを認める。
ただ、それだけで心が癒されることもあります。

心のケア11 「気遣いの言葉」