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心理学の知識

心理カウンセリング

●○●。。。 悩みを抱える人 。。。●○●

喜びや潤いを与えてくれると同時に、試練を注ぐ要素となるのが人間関係です。
敏感で直観力に長けた人は、微妙な心の動きを察することで、そうでない人に比べ、より多くの試練を体験しやすいかもしれません。

ある体験の衝撃により、心に深い傷を抱え、悩み続ける人々がいます。
本来、傷は治っていくものですが、自然治癒のみに頼れない深い傷もあります。

癒しの本質を知ることもなく、長い間、内面的な過剰防衛により、閉鎖的な日々を送る人々。
彼らの抱える傷はトラウマ(心的外傷:傷ついた心の状態が長く続く)となっている可能性もあります。

生きていれば傷の一つや二つ、誰でも持っているものですが、心の傷の放置は不適応を起こすことがあります。

▲ ところで、こんな症状を経験したことはありませんか?

・心深くの傷がうずき、存分に物事に取り組めない。
・常に、自分らしさをねじ曲げてしまう。
・他者と親密になれない。
・本心が言えない。
・日常社会で生きづらさを感じる。
・日常の中で、自分らしく生きている実感がない。

意識上では忘れられても、自覚の無いところ(無意識)に焼きついている、そういうロジックが人の心理にあるわけです。意識されない心の傷に反応し、行動を選択する人間の心があります。
例えば、何となく苦手な場所や対象があり、それらとの接点が生じる折、何らかの抵抗心理を表す症状が発生。

衝撃を受けた人物像に近い姿を前にして、過去の自分自身で反応してしまう。それらは比較的わかりやすい発症ですが、ここに思考(理屈)が絡んでくるとどうでしょう?

傷の回復の速度等お構いなく、日常への適応を迫られバランスを崩すこともあります。

理由のはっきりしない不快感や、不安を抱く自分を「駄目人間である」と思い込む。嫌な気持ちを誤魔化さなければと思い、アルコールや薬物に走るかもしれません。あるいは、危険な恋愛や、常軌を逸脱したギャンブル・買い物・食物摂取等。

いずれにせよ、繊細(せんさい)に扱う必要のある症状です。

心の傷を抱える人々は必要に応じて段階的に、自身の傷と向き合い癒して行かなければなりませんが、外側に答えを求めるうちは、自分をないがしろに扱うことを代償とせざるを得ません。

そうした心と向き合い ”より良く生きるため” のツールとして心理学という学問が生まれました。心理カウンセリングもその一例(一部)です。

仙台心理カウンセリングでは、『カウンセリング心理学』に特化した対応を基礎にしてお話をお聴きし、その時点において適切と思われる対応をさせていただいております。ご自身の中で気になること、お心当たりなどございましたら是非一度、心理カウンセリングの体験をお勧めいたします。

心理カウンセラーは伴走者として、あなたの心に寄り添い、健全さへのプロセス(道のり)を共に歩む存在です。

☆ 皆様にお会いできますこと、楽しみにお待ちしております ☆

心理学の世界

仙台で心理学の世界を学ぶ

【臨床心理学】

心理学というと多くの人が臨床心理学を思い浮かべる人が多い。臨床心理学は、人の悩みや問題を抱えた人を援助する方法を考える学問です。心理学的検査及び診断や心理療法の領域を含んでいます。また、精神医学的な知識、自己理解も必要になります。ほかの心理学とも関係が深いのも特徴です。

具体的には、心理療法(技法)として、精神分析学や分析心理学、来談者中心療法、行動療法、遊戯療法、催眠療法・自律訓練法などさまざまです。検査方法も性格検査の質問紙法、ロールシャッハテストのような投影法、作業検査法などさまざま。臨床心理学は、主観が大きく作用するだけに、流派や考え方が異なります。

【教育心理学】

教育課程における心の働きを心理学の知識と方法によって理解しようとする学問です。人間の発達には学習が欠かせません。心理学でいうと学習とは、体験や観察などを経て知識や技術、態度、価値観、思考力などを身につけることであり、学校教育だけでなく、生涯にわたって行なわれるものを指します。

「発達」では発達段階の心理的特徴、発達の法則、遺伝と環境の関わり、教育が発達に及ぼす影響など。
「人格」では知能や性格などの個人差やその構造、発達・形成の過程、欲求耐性など。
「学習」では学習過程や関連する知識・思考・記憶の働きと発達など。
「測定・評価」では知能や性格特性の測定、学力の評価などを研究します。

【発達心理学】

発達心理学は人間の生涯の観察から発達の法則を発見しようとする学問です。この分野は乳幼児心理学、児童心理学、青年心理学、老年心理学と、人生の区切りで細分化されることがあります。さらに知能の発達、人間関係の発達、感情の発達などに分けられることもあります。障害児の発達臨床、保育実践に関することもこの分野に含まれます。まさに生涯を通して成長、発達を続ける人間について考えていく学問です。

【認知心理学】

コンピュータ技術や情報工学の進展が、心理学にも大きく影響しました。認知心理学は、認知を人間の情報処理過程とみなして進められる。知覚、記憶、思考、言語など、大きく4つの人間の情報処理の仕組みについて研究が進んでいます。知覚研究では、感覚や形・空間・運動の知覚の問題を、記憶研究では記憶のプロセスや忘却の問題を、思考・言語理解の研究では問題解決過程や概念・推理・象徴・記号、知能の問題を扱います。

【社会心理学】

人は日常の暮らしで他人と互いに影響を与え合っています。その対人相互の作用の観点から人の行動を科学的に究明します。暴動などに見られるパニックの心理は社会心理学の1つです。国際化、高齢化、情報化、環境問題などは日常の生活にも影響を与え、人と人の相互関係も変容しています。その中で起きる問題をどのように克服したらよりよくいきていけるのか、というニーズに期待も高まっている。

【犯罪心理学】

犯罪行為をする場合の人間の心のあり方、働きについて研究する応用心理学の一分野です。心理学の中でも特殊な分野に入ります。なぜ罪を犯すのか、罪を犯した人の社会復帰などが研究対象です。人間の心に秘められた異常性、本性などを知ることで犯罪行為の予防、再犯の防止に役立てられる。精神分析理解、社会病理的理解から犯罪者の人格に迫ったり、人格形成に関わる家庭の要因・学校不適要因・社会不適要因などの研究です。

【産業心理学】

産業心理学は、組織と人の関係(組織のあり方、人間関係、仕事の条件、採用・人事など)、消費と人の関係(売る側、買う側の心理的価値に基づく消費行動)、健康と人の関係(心と体の病の治療、ストレスを克服する力の育成)を学習する。現実に起きている事象を研究するだけでなく、解決に向けてどのように取り組むかというところまで研究します。
「産業カウンセラー」になるために学ぶ理論としては、重要で欠かせない内容となっています。

【人格心理学】

臨床心理学の基礎ともなる領域で、性格心理学とも呼ばれます。人格(パーソナリティ)とは各個人をその人独自のユニークな存在として基礎づけているものと考えます。パーソナリティのとらえ方は様々な立場があります。パーソナリティをいくつかの典型に分類する「類型論」、どんなときも一貫している行動傾向に視点を置く「特性論」、また自我の働きを中心にしている「力動論」、行動の状況依存を重視する「状況論」などがある。性格とは何か?個性とはなにか?他者理解とは何か?など人格形成に注目します。

【家族心理学】

家族心理学は、家族療法を背景に問題の予防、コミュニケーション、問題解決、家族社会学的見方などを学習する。家族療法とは、家族全員とコミュニケーションを取り問題の把握や原因の詳細を解明・解決する療法です。家族心理学の意義と目的は、夫婦関係、結婚と家族の形成、親子関係、子離れ、少子化をめぐる問題などさまざまです。

【災害心理学】

災害に対する人間の心理的な反応、災害と人間の行動など、災害と人間心理の関係を研究します。災害は不可抗力的な出来事や状況であり、突発的なものだけでなく、長く続くものもあります。このような状況の出来事の心理を研究することで、二次災害を予防したり、パニックの防止を研究します。日本は世界各国から見ても防災の先進国ですが、災害者に対する精神面のケアは遅れています。災害時のパニック、非難行動、流言飛語(デマ)、災害体験によるトラウマ(心的外傷)の研究と成果が期待されている。

【青年心理学】

人体の性的変化とともに激動の青年期が始まります。青年心理学の定義どおり青年の心理を研究する学問です。多くの人が児童期は社会や親の価値観に従いましたが、青年期は何に価値を置くのか自問します。そして反抗、批判という過程を通って自分の価値観を自覚して自己実現するようになります。しかし自信があるわけではなく、不安も入り交じっているので、その複雑な心理を解明していく学問です。

【知覚心理学】

知覚の働きとは視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚の5感です。知覚心理学は外部からの情報を取り入れるプロセス、そのメカニズムの解明を目的とする学問です。明るさや色などどのように人は、ものが見えるのか?錯覚はどのようにして起こるのか?など医学や生理学や、計算幾何学なども必要になりますし、理解を深めていくためには人工知能、コンピュータの勉強も必要になってきます。人間の体と心のシステムの解明を研究する。

【健康心理学】

身体的な健康は、性格、価値観などの個人的な要因だけでなく、会社、学校、地域社会など集団からも影響を受けています。健康を心理学の視点から研究します。医学、看護学、保健学、体育学、栄養学などと密接な関係があります。研究の成果は、予防、治療、診断に採用され、人々の健康に直接関与します。

【動物心理学】

動物心理学には2つの柱があります。1つは、動物自体に視点を置く研究と、人間を考えるための手段として動物を研究する2つの分野に分かれます。もう1つは、動物の外顕的行動を分析する方向で、これは従来比較心理学と呼ばれていた領域です。もう1つが、生理学的、神経科学的な分野です。これらの4つの分野が動物心理学の領域です。 人間も動物として考え、人間と動物の共通する部分や異なる部分を研究します。

【スポーツ心理学】

スポーツ心理学は、スポーツをする人の技術を効果的に向上させ、能力を最大限に引き出す方法を研究する。指導者と選手の人間関係は心理的に大きく作用するからです。メンタルトレーニングなど、動機づけを高める方法、緊張状態をどのように高めたり、解いたりする方法、 心と体の生理学や改良改善の研究をします。

【環境心理学】

心の働きを仲立ちに環境と人間の関係、相互作用を体系的に探求するのがこの分野です。環境心理学は、人間と環境のよりよい関係の実現を目指して、意識と行動面から追及する。空間デザイン心理、パーソナルスペース、環境問題、環境犯罪心理学など心を取り巻く環境についての研究で成果を上げます。

【カウンセリング心理学】

対人援助技術であるカウンセリングの実践技法と理論体系、研究法(リサーチ法)を修得する為の学問分野であるが、知識習得の学術的な事柄だけでなくカウンセリング特有の『ラポール(相互的な信頼関係)に基づく人間関係』を体験的に学ぶことも重視される。カウンセリング心理学とは、究極的には、『人間の行動・人格・感情』を生み出す複雑な心理メカニズムを理解することを目的とした研究実践分野である。

心理学は人間・動物の行動(認知・情動・思考)を予測できる一般法則を定立することを目的とするが、カウンセリング心理学は人間の対人関係や精神状態を規定する一般法則を応用して『問題行動・問題状況・性格の偏り・対人関係の葛藤・心理的な苦悩』を解決(緩和)することを目的としている。

カウンセリングとは、クライエントを全人的に援助して効果的に変容させるための心理面接であり、クライエントの利益(目的・成長・改善)に貢献するための共感的(専門的)な人間関係である。

カウンセリング心理学は、『人間とは何か?』という壮大で深遠な哲学的な疑問に実用的に応える学問であり、『人格論(性格論)・技法論(治療論)・病理論(異常心理学)』の3大領域から成り立っている。臨床心理学の3大領域は、『心理アセスメント(心理テスト)・異常心理学(精神病理学)・心理療法(技法論)』である。
カウンセリング心理学も臨床心理学も、最近ではエビデンス(科学的根拠)を重視するため、心理統計学に基づく統計リサーチの研究が多く行われている。教育学分野におけるカウンセリングが専門領域として確立しているアメリカでは、カウンセリング・サイコロジスト(カウンセリング心理学者)といえばPh.D.(学術博士号)の博士号を持つ臨床心理学者を指し、カウンセラーといえば修士号を持つ臨床心理学者を指す。

日本では学位を基準としたカウンセラーの分類は存在しないが、修士号取得者を対象とした「臨床心理士」の民間資格がポピュラーな専門資格として認知されていて、カウンセラーというよりも心理臨床家としてのアイデンティティが強調されつつある。 日本においては、カウンセリングと心理療法は臨床心理学の研究範囲に包摂されているが、アメリカではカウンセリングはあくまで教育学の下位分類であり、心理療法(精神療法)は医学や心理学の下位分類となっている。つまり、この学問領域の分類は、カウンセリングは教育指導的な人間関係を主軸とした心理面接であり、心理療法は臨床的・治療的な専門技法を中心にした臨床面接であることを示唆しているのである。

教育学に分類されるカウンセリング心理学には、カウンセリングの理論と技法、カウンセリング・マインド、調査研究法、相談業務分類、異文化間カウンセリング、職業指導(産業心理学)、人格心理学などさまざまな分野が含まれている。その意味でカウンセリング心理学は、人文学領域における隣接諸分野を広範に包括する複合的な学問分野ということができる。

※公認心理師(国家資格)☆

わが国初のカウンセラー国家資格の誕生☆2015年9月9日の参議院本会議にて、「公認心理師」という国家資格を設ける法律が可決成立した。わが国初のカウンセラーの国家資格化という話。業界的には、重大ニュース。カウンセラー・心理職の国家資格化は、20年以上前から議論を繰り返しつつ実現していなかった。しかし、近年の労働者を巡るメンタルヘルス不全や、自殺という社会問題を背景に、ようやく待望の国家資格化を果たすことになった。また、犯罪の再犯率低下への対応として公認心理師がケアを行うことも検討されている。

公認心理師の資格は国家試験で認定し、受験資格は法律で定める大学を卒業の後、大学院の課程を終了した者や、別に定める一定の実務経験を持つ者に与えられる。今まで国家資格の存在しなかったカウンセラー業界全体の信頼性の向上に寄与するものと期待されている。第一回の国家試験は2018年9月9日に実施された。

受験者数 35,020人
合格者数 27,876人
合格率 79.6%

(データ:一般財団法人日本心理研修センター公表)

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公認心理師法(平成27年法律第68号)に基づき実施した第1回公認心理師試験(追加試験)の結果等は次のとおりです。
1 試験日 平成30 年12 月16 日(日)
2 試験地 北海道、東京都
3 合格発表日 平成31 年1 月31 日(木)14 時
4 合格発表
 厚生労働省及び一般財団法人日本心理研修センターにおいて合格者の受験番号を掲示するとともに、同センターホームページに合格者の受験番号を掲載する。
 なお、合格基準及び正答については別紙のとおりであり、当該資料についても併せて同センターホームページに掲載する。
 また、全受験者に対し総得点などを通知する。

5 受験者数 1,083 人
6 合格者数 698 人
7 合格率 64.5%

8 その他
(1)試験合格者には合格証書及び公認心理師登録申請書を郵送により交付する。
(2)不合格者には、その旨を通知する。
(3)平成30 年北海道胆振東部地震の被災状況を踏まえて、第1回公認心理師試験のうち、北海道の試験会場で実施予定であった試験を中止したため、平成30 年12 月16 日(日)に追加試験を実施した。

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★国家資格化により民間資格はどうなるか?

国家資格化の目的は、「公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与する」となっている。資格取得については、従来の臨床心理士同様、公認心理師になるにはハードルが高そう。。。当面は既得権を侵さないという意味で、既存の実務者への配慮がなされてる。

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受験資格を得るスタンダードな進路は、「大学卒+大学院修了」。一定以上の知的能力と財力が必要であり、社会人がキャリアチェンジとして選択するには難しい面があるため、既存の社会人受講生が大勢を占める。「産業カウンセラー」などは、 一定のニーズを保ちながら併存することになるかと考えられる。

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来談者中心療法

来談者中心療法

来談者中心療法は、1940年代にカール・ロジャースによって開発されたカウンセリングの立場

来談者中心カウンセリングでは、カウンセラーは来談者の内にある自己実現傾向を発揮できるように、そばに寄り添い、共感し、共に考えながら、来談者の自己検討を援助していく存在である。

来談者が安心して自己のありのままでいられる場を提供し、ありのままの自己を探索し表現することを促進させていく。
カウンセラーは来談者の語る内容を傾聴し、知的水準だけでなく、感情的水準も理解して応答していく。

来談者はカウンセラーとの会話の中でありのままの自分に気づき(自己洞察)、それを受け入れ(自己受容)、より統合された自己の中で再度問題を解決しようと決心(自己決定)をする。

カウンセラーはこのプロセスに共に付き合い、援助してくれる存在である。

カール・ロジャースは、来談者をひとりのユニークな個人として尊重するということを示すだけでなく、「何がその人を傷つけているのか、どの方向に行くべきか、何が重要な問題なのか、どんな経験が深く秘められているかなどを知っているのはクライエント自身である」という確信を表した。

カール・ロジャースの考えは、個人を対象とした心理療法の範囲にとどまらず、グループや社会の人間関係まで広がった。このような、ロジャースの人間関係の成長に関する幅広い取り組みの総称を、「来談者中心療法」と呼ぶこともある。

1940年代から1950年にかけて来談者中心療法は日本に導入され、カウンセリング界に多大な影響を与えた。来談者中心療法(クライエント中心療法)は、ロジャースによって、非指示的療法から来談者中心療法、そして人間中心療法へと、時代を追って改名されている。

カウンセラーに必要な3つの態度条件

1、自己一致
2、無条件の積極的関心(無条件の受容)
3、共感的理解

カウンセラーの積極的傾聴により、クライエントは、より深く自分の感情や態度を探り始め、以前には気付かなかった自分の面を発見するようになり、自分を大切にするようになる。自分自身の心の声に耳を傾けるようになり、やがて自己否定の態度から自己受容する態度に移行していくことで、本来のクライエントらしさを取り戻して行く。

●カール・ロジャース(1902~1987)アメリカの臨床心理学者

心理相談の対象者を患者ではなくクライエント(来談者)と称したのは彼が最初である。
クライエント(来談者)とは生活していくうえで、何らかの困難や不安を持ったり、堂々巡りの悪循環に陥った時などに、第三者の意見や援助を必要とする人。

クライエントとは顧客の意。患者(patient)といわないところにカウンセリングの哲学がある。

すなわち、治療する人間、治療される人間というとらえ方でなく、お互いに人間として仲間であり同格であるという思想が、患者といわずクライエントと言わしめている。クライアントと発音する人もいる。

仙台心理カウンセリングでのカウンセリングは、来談者中心療法を基礎とし、傾聴、効果的な質問なども用いながら、必要に応じた「心理療法」の提供も可能となっております。*初回面接(初めてご相談)の場合は、「傾聴による対応」を心がけながら、お話をお聴きして行きます。

仙台ひきこもり支援

ひきこもり支援カウンセリング

ひきこもり支援のためのメンタルヘルス

【 ひきこもる人は何につまずくのか? 】

(1)自分像の変容・身体像の変容――自分とは何か、あれこれ自分の欠陥を探して悩みつまずく。
自己の性格・容姿・能力などを非常に気にしている人もいる。

(2)価値観の変容・新しい価値観との同化の困難。
年齢の近い他者との一体感のない不安ととまどい(自分は周りと異なっているのではないか)。

(3)友人関係において、孤立に対する不安と親しくなることへの不安と戸惑い。
親しさを維持しようとしてかえって不安が高まる。

(4)青年期には、何かを選択しなければならない場面に遭遇することが多くなる。
しかし、選択するには別の何かを捨てなければならないということに納得できない。
(受け入れられない)。そのため、選択できない葛藤状態に陥り、苦悩する。

(5)一度は社会に出るが職業上の諸困難に遭遇し、職業不適応、職場不適応状態となる。

(6)一度は社会に出るが対人関係上の諸困難に遭遇し、対人関係処理に破綻をきたす。
恋愛・結婚の関係に困難をきたす場合もある。
(職業上の困難に伴い、対人関係・恋愛関係が破綻することもある)

(7)さらに現代日本社会が若者を受け入れる器を狭めつつあること、選択の機会を縮小しつつあることが、何かを選択しなければならないのに選択する機会がないという状態を生み出している。特に、社会に関わろうとしても適当な就職先がないことなどが若者の無力感を深める。

【 ひきこもりの定義 】

厚生労働省は、ひきこもりを『自宅にひきこもって学校や会社に行かず、家族以外との親密な対人関係がない状態が6ヶ月以上続いており統合失調症(精神分裂病)やうつ病などの精神障害が第一の原因とは考えにくいもの』と定義している。

この厚生労働省の定義によるひきこもりの人数は、現在「推定100万人いる」と言われている。(あくまで推定人数で)
推定人数で発表される理由は、不登校の場合には、学校(教師)に対して調査すれば、信頼できる人数(教師がウソの報告をしないことが前提条件である)が報告されるが、ひきこもりの場合には、実態調査自体が困難であるため、ひきこもりの人数は推定するしかないからである。

一般的には、ひきこもりは、「自宅に引きこもって外出しない」状態を指す言葉として使用されるが、厚生労働省の定義では、うつ病などの精神疾患を持っているために、自宅から外出できない者は「ひきこもり」から除外されている。

【その理由】

うつ病(仮面うつ病を除く)などの精神疾患の場合には、脳内物質が健康な人と比べて、異常に少ないことが知られている。脳の脆弱性。(つまり、一種の脳の病気である。)

うつ病に代表される精神疾患の治療には、治療薬と休養が必要だと考えられているため、うつ病患者等の中には、自宅で療養生活を送っている者もいる可能性は大きい。

そうした精神疾患をわずらっている者が「自宅にひきこもって外出しない」場合には、厚生労働省は、ひきこもりとは考えずに自宅療養として扱っているようであり、厚生労働省は、「自宅療養を必要とする病気を持っていない」者で、外出しようと思えばできるにもかかわらず、長期間に渡って外出しないものを「ひきこもり」として、考えているようである。

☆仙台ひきこもり支援のためのメンタルヘルス(カウンセリング)では、ご本人が外出できない場合の対応法として、ご家族様がご相談に来室される場合が多く、その際は「ご家族様の負担軽減」のための対処法などを含めたカウンセリング支援とさせていただく事例が少なくありません。ご家族様の「お困り・お悩み」のご相談についても受付しております。ご家族様からのご相談、お待ち申し上げております。

認知行動理論

【認知行動理論】

・「認知行動理論」は、行動療法に認知の観点を取り入れた認知行動療法の基礎となる新しい統合理論

◆学習に対する2つの考え方◆

・従来の学習に関する考え方には大きく2つの流れがある。

1:「学習は刺激と反応の結びつきの枠組みで説明されるという、「学習理論(S-R理論、S-O-R理論)」の立場

2:ゲシュタルト心理学の観点から、「学習は知覚体系の体制化あるいは再体系化、すなわち認知の変容の枠組みで説明される」という、「認知理論」の立場

これらは、学習理論(もしくは行動理論)を基盤とする「行動療法」と、認知理論を基盤とする「認知療法」としてそれぞれの発展をもたらした。

ところが、行動療法が発展するにしたがって、従来の学習理論では説明がつきにくい現象が、臨床場面を中心に多く指摘されるようになった。

★1:刺激を提示しても反応に変化が現れなければ学習が成立したとはいえないとする、「対応性」の仮定に対する疑問。

★2:学習は普遍的な現象であり生物学的な影響の差はないとする、強化随伴性の「普遍性」の仮定に対する疑問。

★3:強化刺激によって随伴されている行動に変化がみられなくても、実際には強化刺激は効果をもたらしているとする「自動性」の仮定に対する疑問。

これらの従来の学習理論の問題点を解決するために、大まかにいえば、学習理論に認知理論を統合するような形で認知行動療法が提唱されるようになった。

【認知行動理論と認知行動療法】

・行動療法を用いた臨床場面においては、

★1:同一刺激を与えてもクライエントの反応は様々である。

★2:逆にさまざまな刺激をクライエントに与えても反応は同じであることがある。

★3:刺激も反応も観察不可能な場合がある。

などの問題点が指摘されるようになり、従来の不備な点を補うような形で認知行動療法が展開した。

◆学習(行動)理論の限界を踏まえ、人間の行動は認知的な活動が介在するという事実を重視し、顕在性の行動に力をおく学習(行動)理論に代わり、その説明力を高めるために認知的変数をより積極的に取り組んだ認知行動療法が展開されたことになる。

一方、従来の行動療法が認知的要因を扱っているわけではないという指摘も多い。

例えば・・・
伝統的な行動療法の技法である系統的脱感作法はイメージという形で認知的要因を扱っている。
思考中断法は思考という認知的変数への介入を試みているなどとする見解である。

ところが・・・
適切な行動と強化との関連性を教示した方が治療効果が上がるなどといった事実を踏まえると、クライエントの内面のコントロールの主体が、どこにあるのかという、前提の違いではないかという指摘もある。

実際に認知行動療法は、行動と認知の両面から介入する方法が採用され、クライエントの認知的要因である思考、態度、信念などはクライエント自身のコントロール下にあるという前提のもとに、セルフコントロール力を高めることに重点がおかれる。

すなわち・・・
行動が認知、情動、生理的変化などと相互決定的に影響を与えあうことを前提とし、行動、認知、情動、生理などに対して多面的に働きかけ、治療効果を引き出そうとすることに特徴がある。

問題行動や症状の克服のみならず、克服過程をも学習することを強調するという相違点はあるものの、その基本は行動療法と同様の志向をしていることに変わりはない。

◆認知行動理論は、
伝統的な学習(行動)理論が精練される変化の過程ととらえることができる。

【スキーマ】schema について

・個人の中にあるかなり一貫した知覚・認知の構え。すなわち、個人が世界をどのように構造化しているかということを指す。

・スキーマは、過去の学習や経験に基づいたものであり、自分自身を個人として、集団の一員として規定するための信念体系、あるいは基本法則である。そして、個人がある出来事に特定の意味を与える規則でもある。

・うつ病患者のスキーマには「完全でなければ私は愛されない」「あらゆる点で有能でなければ私は失敗者だ」といったものがある。

行動療法

【行動療法】

・行動療法――症状や不適応な行動が身についてしまったら、それを効果的に軽減したり、適応した行動を積極的に身につける方法を学ぶ治療法。

【行動療法の定義と特徴】

・行動療法とは、実験的に明らかにされている学習理論、行動理論を基盤とし、不適応に陥っている行動の治療改善を図ることを目的とした治療技法の体系である。

・行動療法という用語は、アメリカの心理学者:行動分析学の創始者「バラス・フレデリック・スキナー」(1904~1990)が最初に使用したとされている。

・心理学者「ハンス・アイゼンク(1916~1997)」が、1960年に「行動療法と神経症」を出版してから広く定着し、行動療法の創始者の一人:行動療法の一つである系統的脱感作法の考案者 J・ウォルピ(1915~1998)によって、「学習の原理やパラダイムを適用し、不適切な習慣を克服すること」と定義されている。

【行動療法の大きな特徴】

・人間の行動は大部分学習によって獲得されたとみなすこと。
他の心理療法と比較して客観性と普遍性を強く指向していることである。

・神経症でさえ、何らかの理由で不適応的に学習された習慣にすぎないものであり、その習得に用いられたと同じ原理を組み合わせれば、それは解除できるという考え方に立脚している。

・一般に他の心理療法と比較して治療に要する時間は短く、治療の経過を客観的に理解することができる。

【具体的な特徴】

1:行動理論を基礎原理とする

2:治療の目標を明確にし客観的測定や制御が可能な行動のみを治療対象とする

3:症状を不適応行動の学習あるいは適応行動の未学習としてとらえる

4:治療の焦点を過去ではなく今現在にあてる

5:治療の最終目標を行動のセルフコントロールとする

・仙台心理カウンセリングでは、心理カウンセリングを通して、ご本人(クライエント様)の中で「問題となっている不適応」に気づき、「問題点の修正&セルフコントロール」を目標にして進んでいただくことをサポートしてまいります。

ご自身の中で何か気になる行動などございましたら、ぜひ、心理カウンセリングの中でご相談ください。皆様のお越しを、心よりお待ち申し上げております。
仙台心理カウンセリング

認知療法

【認知療法】

・認知療法――考え方を柔軟にしていくことで、うつや不安など、主に情緒面の問題を解決する治療法

【認知療法は認知行動療法の代表選手】

・認知療法はアメリカの精神科医 アーロン・ベック(1921年~)によって開発された。
クライエントの考え方のスタイル(認知)を治療の標的とし、その変容を通して情緒面、行動面の問題解決も図って行こうとする治療法であり、認知行動療法と総称される一群の治療アプローチの代表的なものである。

・感情や行動には自動的にふっと浮かんでくる思考(自動思考)が伴っていることが多い。その思考の背景には、さらに価値観や人生観など、考え方に特定の色づけを与えるもの(スキーマ)が関わっている。

・自動思考に注意を向け、それを変えていくことで、例えば・・不安になっても必要以上に騒ぎ(不安)を大きくしなくて済むようになる。また、自動思考の中に一定の色づけやパターンを見出していくことにより、極端なスキーマの検討ができれば、治療効果をより高め再発防止にも役立つ。

【認知療法の適用】

・認知療法が最も得意とするのは、うつ病とパニック障害であるが、近年は摂食障害やパーソナリティ障害などにも適用されて大きな効果をあげている。

【アーロン・ベック】 Beck.Aaron (1921~  )アメリカの精神科医。

うつ病を中心としたさまざまな精神障害や、パーソナリティ障害に対する認知療法を創始し、体系化した。

・アーロン・ベックは、うつ病には特有の思考内容や、非論理的で非現実的な思考パターン(認知のゆがみ)のあることを観察し、うつ病患者の障害はこのような思考障害ゆえに生じるという仮説のもとに、認知の歪みのもととなる個人のスキーマ(価値観、信念)を修正することが出来る事を示した。

仙台の認知行動療法

認知行動療法

・考え方や振る舞いのスタイルを変えることで、積極的に問題を解決し、クライエントの自律を促進する治療法。

◆振る舞いと考え方の修正を治療の対象とする◆

・クライエントは、行動や情動の問題だけではなく、考え方や価値観、イメージなど、さまざまな認知的な問題を抱えている。

行動や情動の問題に加え、認知的な問題をも治療の標的とし、これまで実証的にその効果が確認されている行動的技法と認知的技法を、効果的に組み合わせて用いることによって、問題の改善を図ろうとする治療アプローチを総称して、認知行動療法(cognitive behavior therapy)という。

・問題点を整理することによって、クライエントの自己理解を促進するとともに、問題解決能力を向上させ、自己の問題をセルフコントロールしながら、合理的に解決することのできる力を増大させることをねらいとして行われる、構造化された治療法である。

【問題の構造化】 *以下の観点から構造化して理解する。

1:環境の問題
2:行動の問題
3:認知の問題
4:情緒の問題
5:身体の問題
6:動機づけの問題

◆行動的技法

・環境調整
・活動記録表の作成
・満足度記録表の作成
・ホームワークの割り当て
・行動リハーサル
・積極的強化
・行動契約
・リラクゼーション
・社会的スキル訓練(SST)
・エクスポージャー
・逆制止
・その他

◆認知的技法

・クライエントのもつ「意味」の理解
・証拠の検討
・説明スタイルの修正
・選択肢の検討
・価値観の検討
・ラベリングの修正
・言語化
・イメージの置き換え
・自己教示法の活用
・思考中断法
・気晴らしの活用
・その他

◆認知行動療法の適応◆

・認知行動療法は、気分障害や抑うつ、全般性不安障害、恐怖性の障害、強迫性障害、急性のストレス障害、外傷後ストレス障害、摂食障害、疼痛、アルコール乱用問題、あるいは学生相談の場面で適応され、大きな治療効果が認められている。
また、糖尿病などの生活習慣病といった、慢性疾患患者の健康行動の形成をねらった指導プログラムも開発されている。

●認知の歪みを変容させることによってカウンセリング効果を得ようとする認知療法、あるいは、不適応な行動の変容を中心とする実践的な認知行動療法の場合には、『客観的な治療目標の設定による計画性とカウンセリング計画に沿った能動的なアプローチ』を特徴として持ちます。

認知療法の実際場面では、ただ受動的に傾聴しながら、自然な状況の変化と症状の改善を期待して待つという姿勢を取るのではなく、クライアントが自分の問題点を発見できるように積極的に支持し、具体的に問題を解決する為には「認知・感情・行動をどのように変容させていけば良いのか」を、一緒に試行錯誤しながら考え、簡単な課題から困難な課題へと、段階的に出来るところから能動的な実践をしていきます。

具体的な問題解決の為の理論体系と行動実践を兼ね備えたカウンセリング技法が認知療法(認知行動療法)であり、その実践場面における基本コンセプトをまとめると『適度な積極性による介入』『適切な認知変容を促進する指示』『安定した心理状態を維持する共感的な受容』『認知と行動の変容の為のクライアント側の能動性』『カウンセリング場面以外の家庭・仕事・学校場面での学習(セルフモニタリングして
状況・思考・感情をワークシートに記録する学習)』といった概念に集約することができます。

認知療法を実施して効果が現れるか否かの重要な部分は、カウンセラーの「適切なワークシート記述の説明」や「言語的誘導による発見」を可能とする会話技術などにも依拠しますが、それ以上に、クライアントの動機付け(やる気)にかかっています。

認知療法で一番面倒に感じるのは、クライアントが一日の出来事や行動を振り返ってみて、自分の不快な感情・気分の強度(主観的感情尺度)や自動思考、認知の歪みを特定してワークシート(専用の記録用紙)に記述する毎日の習慣的作業です。

不快な気分や感情を同定して、自然に湧き上がって来るネガティブな思考を記録し、認知の歪みを特定した後には、更に、それらを論理的に反駁し現実的に反証していく『合理的思考・適応的認知』を考えて書き込んでいかなければなりません。

認知療法を実際に行う場合には、『自分で考える作業・対話する行為』の重要性もさることながら、『ワークシートに記録する作業による気分・感情の明確化と適応的な思考・認知の具体化』がとても大切です。

クライアントの動機付けの必要性は、どのカウンセリング技法(心理療法)にも言えますが、特に『自発的なワークシートの記述の習慣化』によってカウンセリング効果を得る部分の大きい認知療法の場合には『ワークシートを書こうとする動機付け』を、初期にしっかりと行っていきます。

ペンシルバニア大学の、アーロン・ベックが、抑うつスキーマ理論を基盤として開発した認知療法は、うつ病等の気分障害に対して著明な効果があり、気分の改善や、感情の安定を目標とするクライアントに対して第一選択のカウンセリング技法になります。

・仙台心理カウンセリング&スクールの心理学講座及び認知行動療法カウンセリングは、この理論をもとにアプローチして行きます。心理カウンセラー養成講座:中級編では、認知行動療法の詳しい理論を学ぶことができます。理解することにより受講生(クライエント様)自ら、不都合な交流パターンに気づき、修正していくことが期待できるカリキュラム構成となっております。

家族の要因

家族の要因

◆家族の要因がこどもの人格形成に及ぼす影響について、焦点を絞ってまとめる。

●人間が成長していく上で、遺伝と環境が及ぼす影響について、一般に発達は、そのいずれかのみに依存するものではなく、両者が相互的に影響する。影響を与えるもののひとつに「家系」がある。家系研究法の代表的なものにゴールトン(1912年)による、カリカック一家の研究がある。

この研究は、カリカック一家の両系統の5世代にわたる検討を行った。また、優秀家系の例では、ウエジウッド家、ダーウィン家、ゴールトン家の研究結果がある。

研究結果によれば、カリカック一家の場合、遺伝的要因が悪かったからでなく、その社会経済的、あるいは文化的環境が劣悪であったため、十分な家庭教育、学校教育が受けられなくてその結果として子どもたちが社会的に不適応となってしまった可能性がある。逆にゴールトン一家の優秀一族の場合には、豊富な教育と訓練を施すことが可能であったので、優秀な学者などが輩出したとも考えられる。

子どもの人格形成に影響を与えるものとして「初期経験」がある。初期経験とは、発達の初期の段階に、ある特定の経験をはく奪されたために発達が遅滞したり、ある能力が獲得できなかったりすると、それを歴年齢が進んだ後に追経験しても、もはや回復は不可能であるとされている。

初期経験は特定の時期(臨界期)以外には、獲得するのが困難であるということを、具体的に証明している例として、米国カリフォルニア州で生まれたジーニーという女の子の例や、ハーロウによるサルの遠隔飼育実験、ローレンツの刻印づけなどがある。

初期経験がうまくいかなかった場合、知能の発達にも強い影響が及び、「同化と調整」スイスの心理学者ピアジェ(1896-1980)の理論が、維持できなくなり社会に適応できない状態に陥る。

以上の研究結果をまとめながら、ひとつの印象深い映画が思い出された。

1988年に発生した「巣鴨(すがも)子供置き去り事件」を題材として、2004年上映された、誰も知らない」(是枝裕和監督作品)は、マスコミでも大きく取り上げられ、記憶に新しい映画である。映画の中で、残酷シーンはほとんどないものの、実際は非常に凄惨さを感じざるを得ない事件であった。
その後の報道によれば、一度も学校に行く機会を与えられなかった長男は、事件発覚当時、中学生であったが、自分の氏名を漢字で書くことができなかったとされている。
漢字を覚えるということについては、今後、獲得可能であるものの、「初期経験」については、ほとんど不可能である。

幼稚園や保育園に通い、友だちと遊ぶ、ケンカする。善悪を判断するちからをつける。小学校での先生や同級生との関わり、春夏秋冬のイベントを体験する。そして何よりも、子ども時代に子どもとしての経験を情緒的に楽しむこと、親(養育者)に甘えること。思春期までに必要だった経験を取り戻すことは「臨界期」を過ぎてしまった中学生にとって、非常に苛酷のように思えた。

今、社会のなかで私たちにできることは一体何だろう。この事件発覚により、児童相談所やその他の行政、公的機関への要求が大きく変化したが、私たちも、社会の中で生きるひとりの人間として、些細な援助や、「自分にできること」を、それぞれが実践できるよう、微力でありながらも、心がけて行きたいものだ。

仙台市 田村みえ 「家族の要因」東北福祉大学 心理学レポート

人間の知覚

人間の知覚

◆知覚とは、刺激を受動的に感受することではなくて、人が情報を能動的に「つかみとる」働きであることをわかりやすく説明する。

■私たちの心が外界の物事を感じたり知ったりするはたらきは感覚あるいは知覚と呼ばれる。この感覚、知覚の働きこそが私たちの心が外の世界から情報を得る唯一の手段である。私たちの生体は何かを知覚するとき、感覚受容器によって情報を取り入れ、脳においてさまざまな、情報処理をおこなっている。

さらに、それを基に外界に対して適切な行動のための指令をつくり、実際に行動をとっている。情報処理が行われる際は、それまでの記憶や認知されていたものが大きく影響してくる。つまり、私たちが知覚しているものは、刺激を単純にそのまま受け入れた結果ではないということがわかっている。

★ 「図と地の知覚」 について考えてみよう。

誰もが一度は見たことのある図(2人の黒い横顔と白いカップ)

*この図はルビンの壺(又は盃)と呼ばれている。

「ルビンの壺」を見たとき、黒い横顔を発見する人、または白い壺を発見する人の2通りに分けられるが、この時、受動的に感受していれば、まとまりとしての形は見ることができない何らかの解釈が行われたとき、ひとつのまとまりとして認識され、白い壺や、黒い横顔をみることができる。さらには、健全な人間であれば、自由に壺から横顔に反転(切り替え)させて、知覚することができる。

しかし、何らかの強い思い込みや、周囲の環境によっては、壺も横顔も見ることができなくなり、壺はみえても横顔をみることができない、つまり図と地の反転がうまくいかなくなる場合がある。

このことは「錯視」により、わたしたちは周囲の環境や、認知のゆがみ、あるいは思いこみなどにより、「事実を歪んだ状態でみてしまう」ということが、おこるためである。

私たちは、ものを見るとき、これまでの経験的知識から抽象化されて形成されている何らかの枠組み(枠型:スキーマ)が選び出され、それを適応することで、再生想起時には、その枠を土台として、大筋を理解する。つまり「知覚は刺激に対して忠実ではなく、その現実的意味に忠実である」現実的意味とは、個人の経験的知識によって異なるものと考えられる。

ジェローム・ブルーナー(アメリカの心理学者)は、経済的に恵まれない子どもたちは、経済的に恵まれた子どもたちに比べて、貨幣の大きさを単純な円よりも大きく知覚する傾向が顕著であるという報告をおこなっている。(「知覚と錯覚」宮本敏夫/著 P242)恵まれない子どもたちは、日々の経験から貨幣の価値を大きく認知したことがわかる。なかなか手に入らないものは「価値が大きい」という枠組み(スキーマ)が形成されたわかりやすい例であると言えるよう。

私たちは日常、様々な刺激を自分の経験とスキーマをもとに、好きなように解釈している。例えば、雪の日にうっかり滑って転倒し整形外科に通院した経験があったとしよう。すると、似たような状況で雪を見た時、「危険」だとか「注意」しようとか「外出は中止」しようなどと、自分自身の安全を確保するために行動も制限してしまう可能性が大きい。パニック障害の場合にも、たまたま「電車の中で苦しくなった」という状況を、「電車=発作」と関連づけてしまい、その意味から離れられない状態に陥る。

また、幼少時期に親(又は養育者)からの拒否を受け続けると「自分は人から愛されることはない」といったスキーマが形成され、そのスキーマを背景とし「誰とも仲良くなれない」「誰からも愛されない」といった否定的な歪みをもった自動思考を繰り返すことになりかねない。

これらの例では、過去の苦痛で不快な体験や精神的な破綻を繰り返さないように処理した結果、ひきこもり、パニック、対人恐怖などに関連していくことがあると考える。

私たちがより良く生きるために形成されるはずだったスキーマも、過去の経験や体験の積み重ねによって、記憶、認知、知覚、感覚は、不都合なスキーマとして形成されてしまうことが少なくないのかもしれない。

自分自身を意識することで、「ものの見方の枠(スキーマ)」に気づき、自覚、認識することで、自分の「スキーマ」は、いつ、どのようなことがきっかけで形成されたのかを、探ってみるのもおもしろい。

心身ともに健康に、そしてよりよく生きるためには、自分自身の中で、日常生活に不具合を起こしそうなスキーマを、ぜひ「認識」し、「改善」していきたいものだ。

仙台市 田村みえ 「人間の知覚」(東北福祉大学 心理学レポート)