睡眠障害|精神生理性不眠症
不眠についての対処法
【不眠についての対処法】
睡眠障害国際分類第2版(ICSD-2)では、「適切な睡眠環境下において、睡眠の質や維持に関する訴えがあり、これに基づいて日中の機能障害が認められる」と、あります。
不眠の結果生じる日中の機能障害、倦怠感、集中力・記憶の低下、気分の障害、日中の眠気、身体症状、食欲低下、意欲低下などが該当します。ライフイベントや心理的ストレス、環境変化、身体疾患などを契機として、不眠の訴えが1か月以上持続する場合を「精神生理性不眠症」と呼びます。
【不眠に関する主な対処法】
1,認知行動療法
2,筋弛緩法の実践
認知行動療法は不眠症に対する標準的な治療として推奨されており、問題の症状の維持要因となっているその人の考え方(認知)や振る舞い(行動)の癖を明らかにし、それらを改善するために癖の代わりとなる習慣の獲得を促すアプローチです。
不眠に対する認知行動療法は、不眠症に対して有効性が明らかにされた技法を組み合わせた治療パッケージの総称です。
◆認知行動療法【睡眠衛生指導・心理教育】
・睡眠に対する正しい知識を与え、質の良い睡眠をとることができるように生活上の条件を整え、日常生活を通して睡眠に有利に作用させるような工夫の実践を勧めていきます。
・カフェインやアルコールの摂取、日中の活動量や体温といった、科学的根拠に基づいた睡眠に影響を及ぼす要因の説明を行い、睡眠を妨害するような要因と整えるための行動変容を促すことが目的です。
◆厚生労働省医学研究班:「睡眠障害対処の12の指針」
1,睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
2,刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
3,眠くなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする
4,同じ時刻に毎日起床
早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる
5,光の利用でよい睡眠
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を
6,規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進
7,昼寝をするなら、15時前の20~30分
長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
8,眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
9,睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
背景に睡眠の病気、専門治療が必要
10,十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意
11,睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる
12,睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
一定時刻に服用し就床。アルコールとの併用をしない
睡眠障害対処|12の指針
睡眠障害|睡眠衛生指導
睡眠障害対処|12の指針
睡眠障害|睡眠衛生指導
1,睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
2,刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
3,眠くなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする
4,同じ時刻に毎日起床
早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる
5,光の利用でよい睡眠
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を
6,規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進
7,昼寝をするなら、15時前の20~30分
長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
8,眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
9,睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
背景に睡眠の病気、専門治療が必要
10,十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意
11,睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる
12,睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
一定時刻に服用し就床。アルコールとの併用をしない
※厚生労働省医学研究班:「睡眠障害対処の12の指針」
◆不眠の対処法
・睡眠に対する正しい知識を得る。
・質の良い睡眠をとることができるように生活上の条件を整える。
・日常生活を通して睡眠に有利に作用させるような工夫をする。
・睡眠を妨害するような要因を避ける。
・カフェインやアルコールの摂取量と摂取時間を見直す。
健康づくりのための睡眠指針2014
~睡眠12 箇条~
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
◆第1条
良い睡眠で、からだもこころも健康に。
良い睡眠で、からだの健康づくり
良い睡眠で、こころの健康づくり
良い睡眠で、事故防止
◆第2条
適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす
朝食はからだとこころのめざめに重要
睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする
就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける
※適度な運動を習慣づけることは、入眠を促進し、
中途覚醒を減らすことにもつながります。
◆第3条
良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高める
睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる
肥満は睡眠時無呼吸のもと
※睡眠時間が不足している人や不眠がある人では、
生活習慣病になる危険性が高いことがわかってきました。
睡眠不足や不眠を解決することで、
生活習慣病の発症を予防できるとされています。
◆第4条
睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
眠れない、睡眠による休養感が得られない場合、
こころのSOS の場合あり
睡眠による休養感がなく、日中もつらい場合、うつ病の可能性も
※寝つけない、熟睡感がない、早朝に目が覚めてしまう、疲れていても眠れない等の不眠
症状は、こころの病の症状として現れることがあります。特に、眠っても心身の回復感が
なく、気持ちが重たく、物事への関心がなくなるなど。
◆第5条
年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
必要な睡眠時間は人それぞれ
睡眠時間は加齢で徐々に短縮
年をとると朝型化 男性でより顕著
日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番
※日本の成人の睡眠時間は6 時間以上8 時間未満の人がおよそ6 割を占め、これが標準的
な睡眠時間と考えられます。睡眠時間は、日の長い季節では短くなり、日の短い季節では
長くなるといった変化を示します。
夜間に実際に眠ることのできる時間、つまり一晩の睡眠の量は、成人してからは加齢す
るにつれて徐々に減っていきます。
◆第6条
良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる
自分の睡眠に適した環境づくり
※習慣としている自分の就寝時刻が近づくと、脳は目覚めた状態から徐々にリラックスし
た状態に移り、やがて、睡眠に入っていきます。スムーズに眠りへ移行するには、このよ
うな、就寝前の脳の変化を妨げないように、自分にあったリラックスの方法を工夫するこ
とが大切です。例えば、入浴は、ぬるめと感じる湯温で適度な時間、ゆったりとするとよ
いでしょう。良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
◆第7条
若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
子どもには規則正しい生活を
休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進
朝目が覚めたら日光を取り入れる
夜更かしは睡眠を悪くする
※思春期になると、子どもたちは夜更かしをするようになります。思春期から青年期にか
けては睡眠の時間帯が遅れやすい時期ですが、さらに通学時間が長いことなどにより、
うした傾向が助長されます。
◆第8条
勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
日中の眠気が睡眠不足のサイン
睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる
睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善
※必要な睡眠時間は、個人によって大きく異なり、また、年齢によっても変わります。一
人ひとりが、自分に必要な睡眠時間を知ることが大切です。自分の睡眠時間が足りている
かどうかを知るためには、日中の眠気の程度に注意するとよいでしょう。日中の仕事や活
動に支障をきたす程度の眠気でなければ、普段の睡眠時間は足りていると考えられます。
◆第9条
熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を
適度な運動は睡眠を促進
※健康に資する睡眠時間や睡眠パターンは、年齢によって大きく異なります。高齢になる
と、若年期と比べて必要な睡眠時間が短くなります。具体的には、20 歳代に比べて、65 歳
では必要な睡眠時間が約1 時間少なくなると考えられています。したがって、年齢相応の
適切な睡眠時間を目標に、就寝時刻と起床時刻を見直し、寝床で過ごす時間を、適正化す
ることが大切です。長い時間眠ろうと、寝床で過ごす時間を必要以上に長くすると、かえ
って睡眠が浅くなり、夜中に目覚めやすくなり、結果として熟睡感が得られません。適切
な睡眠時間を確保できているかを評価する上では、日中しっかり目覚めて過ごせているか
も一つの目安になります。
◆第10条
眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする
眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
※寝つける時刻は季節や日中の身体活動量などにより変化し、一年を通じて毎日同じ時刻
に寝つくことが自然なわけではありません。就寝する2〜3 時間前の時間帯は一日の中で最
も寝つきにくい時間帯です。不眠を経験すると、心配になって早くから寝床に就こうとし
がちですが、意図的に早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります。就床時刻はあ
くまで目安であり、その日の眠気に応じて「眠くなってから寝床に就く」ことがスムーズ
な入眠への近道です。
眠たくないのに無理に眠ろうとすると、かえって緊張を高め、眠りへの移行を妨げます。
◆第11条
いつもと違う睡眠には、要注意。
睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意
眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談
※睡眠中の心身の変化には、専門的な治療を要する病気が隠れていることがあるため、注
意が必要です。睡眠中の激しいいびきは、喉のところで呼吸中の空気の流れが悪くなっ
いることを示すサインであり、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠中の呼吸に関連した病気
可能性があり注意が必要です。
◆第12条
眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
専門家に相談することが第一歩
薬剤は専門家の指示で使用
※寝つけない、熟睡感がない、十分に眠っても日中の眠気が強いことが続くなど、睡眠に
問題が生じて、日中の生活に悪い影響があり、自らの工夫だけでは改善しないと感じた時
には、早めに専門家に相談することが重要です。例えば、ひとり夜眠れないでいることは
つらいだけでなく、孤独感を感じるものです。そのつらさは家族にもなかなかわかっても
らえないことがあります。そのため、相談できる人を持つことは大きな助けとなります。