タイプA行動パターンの特徴|フリードマン
タイプa行動パターンの提唱者と特徴
タイプA型行動パターンについて
タイプA型行動パターン|フリードマン
タイプa行動パターンの提唱者と特徴
一般にタイプAは心筋梗塞などの虚血性心疾患が多いタイプ、タイプBはタイプAの逆の傾向を持つ人たち、タイプCはがんになりやすい人たちとされています。タイプCの「C」はCancer(がん)の頭文字とされています。
タイプAと関連がある用語として、「心身症」「アレキシサイミア」(失感情症)などが重要です。
タイプa型行動パターンの提唱者と特徴。
『M.Friedmanが提唱した性格傾向である』
『時間的切迫感、感情抑制、他者評価懸念及び社会的同調性の特徴を持つ』
『複数の特徴のうち、時間的切迫感が心筋梗塞発症の最も強いリスク要因であることが示されている』
【タイプA性格とは】
・自分が定めた目標を達成しようとする強い欲求を持ち
・人と競争することを好み
・功名心が強く
・つねに時間に追われながら多くのことをこなそうとする傾向のことを指します。
・身体的・精神的に過敏で、強い敵意や攻撃性を示す。
・大声で早口にしゃべる傾向があるとされています。
・機敏
これらの行動傾向のうち、基本的で重要なものは以下の通りです。
・時間的切迫感:
時間に追われながらの多方面にわたる活動。
・性急さ:
身体的精神的活動速度を常に速めようとする習癖。
・達成努力:
自分が定めた目標を達成しようとする持続的な強い欲求。
・野心:
永続的な功名心。
・競争:
競争を好み、追求する傾向。
・敵意性:
身体的精神的な著しい過敏性を伴う。
フリードマン(Friedman,M.)とローゼンマン(Rosenman、R.H.)
によって提唱された『タイプA行動パターン』では、
タイプAと呼ばれる性格の人が冠動脈疾患になりやすいことを指摘しています。
フリードマンとローゼンマンによって提唱された『タイプA行動パターン』は、
冠状動脈性の心疾患と関連があると報告されています。
【タイプA行動パターン】
1.タイプA行動パターンは、同時にいくつもの仕事を引き受けて、次々にやってくる締切りに追われます。
2.タイプA行動パターンは、課題に取り組むときには、多くの課題を時間に追われながら行います。
3.タイプA行動パターンは、他の人との競争を好み、競争のある場面で本来の力を発揮します。
4.タイプA行動パターンは、他の人に強い敵意性や攻撃性を認めます。
5.タイプA行動パターンは、成果をあげたときに、組織内の地位にこだわります。
これらがタイプA型の特徴と言えます。
その中でも特に「敵意性」が冠動脈疾患の重要な予測因子であることがわかっています。
(Sadock&Sadock,2003)
これに対してTemoshok によって提唱された、多くのがん患者に共通して見られるタイプC型行動パターンという型があります(これはタイプAの逆の特徴)こちらは、がん罹患のリスクファクターになるのではないかとまで言われているものです。
タイプB行動型パターンとは、タイプAと反対の性格傾向を持つ人のことを言う。あくせくせずにマイペースで行動してリラックスしており、非攻撃的などの性格傾向を持つ人です。※タイプAの人はタイプBの人よりも2倍、心臓疾患になりやすいことが報告されている。
タイプC行動型パターンとは、怒りをはじめとしたネガティブな感情を表出せず、経験もしないということや忍耐強く控え目で、周囲の人々に対して協力的で、権威に対して従順であるというもの。他者の要求を満たすためには極端に自己犠牲的になり得るなどの特徴を示す行動パターンのことを指します。そのため、表面的にはいわゆる「良い人」に見えるのであるが、何らかの葛藤やストレスを抱えている可能性も考えられる。
アメリカ西海岸の大規模な共同研究の結果によれば、タイプAは逆のタイプBに比べて冠状動脈性心臓疾患の相対的危険度は約2倍という結果が出ています。タイプA行動は冠状動脈性心臓疾患になりやすい人の特徴的な行動としてみてよいでしょう。
ちなみにこれらの結果は、食事、年齢、喫煙、その他の変数を考慮しても同様でした。
多くの研究結果を背景として、1981年にアメリカ心臓病学会は、タイプA行動が冠状動脈心臓疾患の危険因子と分類されるべきだと発表しました。しかし、それ以降の2つの研究結果(1983年と1985年)では、タイプA行動と心臓疾患との関連を見つけることはできませんでした。
その理由として、タイプAの評定法の違いに原因があるのではないかという研究者と、タイプA行動の定義が拡散しすぎているせいではないかという研究者がいます。多くの研究者は「時間的切迫感」と「競争」については、対して重要な要因ではないと論じており、そこから「敵意性」が重要な係数であると示しました。
その後の研究でも、「敵意性」が冠状動脈性心臓疾患の発生率の向上に絡むことがわかってきています。
このメカニズムとして、交感神経系のストレスに対する反応様式が挙げられます。
「敵意性」が高い人は、血圧や心拍数、ストレスに関連するホルモンの分泌量が大幅に増加するなどの結果が示されています。
すなわち「敵意性」が高い人の交感神経系は、ストレスとなる状況に過剰反応すると言えます。
また日本人における検討では、欧米の先行研究における「タイプA行動パターン仮説」に反して、男性において「タイプB行動パターン」が虚血性心疾患発症リスクの上昇と関係していました。(女性はタイプAに虚血性心疾患が高い。これは欧米と同じ)。
タイプB行動パターンを持つ男性はストレスを内にためこみ、虚血性心疾患リスクを上昇させている可能性があります。このことは、行動パターンの影響が性・文化的背景によって異なることを示しています。ただし、エバンスは、タイプAの特徴は国や文化の違いに関係がないとしております。(ちなみに上記の日本の研究結果は、国立がん研究センターの予防研究グループの発表です)。
以上のように、タイプA行動と心筋梗塞との関連については、タイプA行動というよりも、その中の「敵意性」が重要であるという指摘がある。
※「タイプA行動パターン」を持つほど、虚血性心疾患発症リスクが上昇する傾向が見られました。生活習慣における検討では、欧米の先行研究と同様に、「タイプA行動パターン」が喫煙、多量飲酒、日常ストレスなどの虚血性心疾患危険因子と関係しています。欧米社会と比較して、強調性が強く求められる日本人社会には、せっかち、怒りっぽい、競争心、積極性、敵意性などの行動を表に見せることに否定的な風土があるため、タイプA行動パターンを持つ男性は会社の仲間などとお酒を飲みに行くことでそのようなストレスを発散している一方で、タイプB行動パターンを持つ男性はストレスを内にためこみ、虚血性心疾患リスクを上昇させている可能性があります。行動パターンの影響が性・文化的背景によって異なることを示しているのが特徴です。
【認知行動療法の効果】
『行動パターンを変容させる介入研究により、心筋梗塞の再発を抑える効果が示されている』
フリードマンら(1994)は認知療法的技法と行動療法的技法を組み合わせることで、タイプA行動を減少させることができることを証明しました。過去に少なくとも1回心臓発作を経験したことがある1000人以上の被験者の治療群に対して、以下のようなアプローチを行いました。
・普段なら時間をかけてじっくり考えない事柄をじっくり考える機会を持たせる。
・他人を観察してもらう。
・見知らぬ人と会話を交わす機会を持つ。
・人に爆発することなく自分の感情を表現できるように、また特定の行動を変えるように助言を受ける。
更に、治療者はタイプA型行動の背景にある基本的な信念(成功か否かは、仕事量による等)を再評価できるよう援助しました。これらによって参加者は、家庭環境と仕事環境のストレスを減らす方法を見つけていきました。この研究では、もう一度心臓発作が起こるか否かを重要な従属変数と見立て、縦断的に経過を追っていきました。その結果、4年半の間、治療を受けた群の心臓発作の再発率は、統制群(特に生活に修正を加えられていない)のほぼ半分であったことがわかりました。このことは、明らかにタイプA行動を修正することを学習することは、彼らの健康に有益であったことを示しています。
※認知行動療法を取り入れることでタイプAの「再発率は減らせた」という研究結果。
仙台心理の心理学講座では、認知行動療法を取り入れたトレーニングも含めてご指導しております。
ぜひ、ご相談下さい。
その他のパターン:タイプA・B・C行動パターン
【タイプB行動パターン】
マイペースに行動することを好み、基本的にのんびりとしており、
目立たず、非攻撃な行動タイプを有する。
穏やか、怒らない、自分のペースで無理をしないように遂行する。
タイプBは、タイプAと比較し、虚血性心疾患などの心臓疾患に罹患しにくいことが分かっており、
フリードマンらの報告によると、出世欲の強いタイプA傾向よりも、
タイプB傾向のほうが、結果的には出世しやすいことが示されている。
長期的に考えた場合、生産性が高いのはタイプB傾向であると考えられている。
【タイプC行動パターン】
「良い子」「良い人間」を演じ、自己犠牲的で周囲に気を使い、まじめで几帳面。
そのためストレスを発散することが出来ず、免疫力が低下する。
周囲に気を使い、怒りや不安などの気持ちを抑圧しやすく表出しない、がまん強いなどの傾向。
タイプC傾向はがんに罹患しやすいともいわれている。
※ Temoshok(テモ・ショック)が提唱
※「がん性格―タイプC症候群」 *創元社(1997/09)
テモショック,リディア〈Temoshok,Lydia〉・ドレイア,ヘンリー/著〈Dreher,Henry〉
大野 裕/監修 岩坂 彰・本郷 豊子/訳
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20191212