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SOC理論|選択的最適化理論 バルテス

SOC理論|選択的最適化理論|高齢者に関する理論
公認心理師試験

SOC理論|選択的最適化理論|高齢者に関する理論

SOC理論とは、Baltesが提唱した高齢期の自己制御方略に関する理論。
選択的最適化理論」とも呼ばれる。
ポール・バルテス(1939〜2006)ドイツ出身の心理学者による生涯学習の獲得・喪失モデル。(gain/loss model)
高齢者が目標調整、変更しながら、今ある身体的・認知的資源を使い、少しでも喪失以前の状態に近づこうとする方略を指す。

SOCとは、以下を指している。

・喪失に基づく目標の選択(Loss-based Selection)
若い頃には可能であったことが上手くできなくなった時、若い頃よりも目標を下げる行為を指す。
例:社交ダンスで年4回の大会出場を目標にしていたが、年1回の出場を目標にする。
・資源の最適化(Optimization)
選んだ目標に対して、自分の持っている時間や身体的能力といった資源を効率よく割り振ることを指す。
例:週4回通っていた社交ダンス教室を半分の2回に減らす。
・補償(Compensation)
他者からの助けを利用することや、今まで使っていなかった補助的な機器(杖)を利用したりすることを指す。
例:自分で習い事に行っていたけど、家族に送ってもらう。

ハヴィガーストの「活動理論」と、カミング&ヘンリーの「離脱理論」の間にあるような理論。
・活動理論:望ましい老化とは、可能な限り中年期のときの活動を保持し、仕事では定年退職などで活動を放棄せざるを得ない場合、代わりの活動を見つけ出すことで活動性を維持すること。
・離脱理論:高齢者は自ら社会からの離脱を望み、社会は離脱しやすいようなシステムを用意して高齢者を解放する。高齢者が社会から離れていくのは自然なことと、とらえている。

他にも以下のような理論が高齢者にはあります。
・社会情動的選択性理論:時間的見通しによる動機づけの変化によって、エイジングパラドックスを説明しようとする。
残り時間が限定的だと感じると、感情的に価値ある行動(嫌な人とは付き合わない、やりたいことだけをやる等)のような、情動的に満足できる目標や活動に傾倒するとされている。
・老年的超越理論:Tornstamによって、離脱理論、精神分析、禅を取り入れて構築された。加齢とともに、物質的・合理的(経済的)な視点から、神秘的・超越的な視点に移行するので、喪失はあっても心理的には安定を保つことが可能であるという考え。

生涯発達心理学の獲得・喪失モデル(gain/loss model)

私たちは人間の生涯について、ある程度共通した認識を持っています。それは、バルテスのような一生を研究のために費やした人々による成果を基礎にしています。バルテスが拡めた概念は現在、世の中に根付いている。
代表的なものが、獲得・喪失モデル(Baltes, 1987)。このモデルは厳密に、環境への適応能力(adaptive capacity)の獲得と喪失に関する理論。環境適応は、加齢による影響を受ける典型的なものである。

生涯発達心理学(生涯学習の心理学)のストーリー

◆バルテスによる「生涯発達心理学」は、その名の通り、生涯を通した発達を模索することで、サクセスフル・エイジング(幸福に年齢を重ねていくこと)を目指している。バルテスは、そのための研究にとって大事なストーリーを示している。発達と言っても、その内容には様々なものがあり、加齢によって変化するものと、そうでないものがある。

「生涯発達心理学」は、加齢をテーマとしている。このうち、加齢によって変化するものを研究の対象としている。加齢による変化とは「何らかの能力の獲得(成長)」と、「何らかの能力の喪失(衰退)」によって表現でき、この獲得と喪失の間にはダイナミックな相互関係も見られる。

【SOC理論の3要素】

・目標の選択(Selction)
・資源の最適化(Optimization)
・補償(Compensation)
※3つの頭文字で→「SOC理論」

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
◆【SOC理論 選択的最適化理論 バルテス】
◆【アサーションチェックリスト 自己表現】
◆【ソクラテス問答法 認知行動療法】
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◆【タイプa型行動パターンとタイプA型行動チェック】
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◆【認知機能検査 MOCA-J(モカジャパン)公認心理師試験】
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学校における一次・二次・三次的援助サービス

学校における一次・二次・三次的援助サービス
公認心理師試験

【学校における一次・二次・三次的援助サービス】

「児童生徒の教育相談の充実について~学校の教育力を高める組織的な教育相談体制づくり~(報告)」(文部科学省)
この中でSC(スクールカウンセラー)には学校における予防開発的援助と問題対応があるとされています。3段階の心理教育的援助サービスは、子どもの教育における支援のモデルであり、SCの仕事の整理に役立つとされています(現任者講習会テキスト:日本心理研修センター発行)。

石隈らは、イギリスの「特別な教育的ニーズ」という概念を踏まえ、生徒が抱える問題によって生徒を分類してそれぞれに対する援助の制度を考えるのではなく、一人ひとりの生徒の発達上の問題における援助ニーズの大きさに応じる援助サービスシステムを検討してきました。そして、生徒の援助ニーズに応じる心理教育的援助サービスは、Caplan(1970)やCowen(1977)を参考に、一次的関与、二次的関与、三次的関与に分けることができるとした(石隈、1992)。石隈利紀先生の「学校心理学」の考え方が重要。

一次的援助サービス

「すべての子ども」を対象に行われる発達促進的、予防的援助サービスを指します。予防的援助サービスは、ある場面で多くの生徒が出会う問題を予測して前もって援助することを指し、発達促進的サービスは、生徒の一般的な適応能力(学習スキル、対人関係能力等)の発達を促進するサービスを指します。分かる授業づくり、安心して安全に過ごせる学級づくり、SST、ストレスマネジメント学習、自殺予防プログラムなどの心の健康教育などです。一次的援助サービスの主役は教師であり、SCはコンサルテーションを通して教師を援助することになります。

『一次的援助サービスには発達障害の子どもへの支援を含む』

一次的援助サービスとは、上記の通り「すべての子ども」を対象に行われる発達促進的、予防的援助サービスです。発達障害の子どもも含めてクラス全員の子どもが「わかる・できる」授業づくりの支援などもこちらに該当します。
注! 二次的及び三次的援助サービスでも発達障害の子どもへの支援はありますが、それは状態の悪化によって等。一次的援助サービスでは、発達障害の子どもを含めた全体への支援という形を取ります。合理的配慮なども絡んでくる考え方になります。

二次的援助サービス

登校しぶり、学習意欲の低下、孤立など、学校生活で苦戦している、もしくは転校生などの苦戦する可能性が高い「一部の子ども」を対象に行います。苦戦している一部の子どもに対して早期発見・早期対応を旨とした関わりになります。
二次的援助サービスでも教師が重要になってきますが、SCはコンサルテーションを行なったり、必要に応じてその生徒の援助チームを結成するように勧めます。重篤化を予防する支援をこれらの援助チームと共に行います。

三次的援助サービス

「特別な援助ニーズを持つ」ことが要件で、不登校、いじめ、非行、虐待などの問題状況によって特別な援助ニーズを持つ「特定の子ども」を対象に行われます。一人ひとりの子どもの問題状況は異なるため、それぞれの子どもの状況について心理アセスメントを行い、具体的な援助を組み立てながら問題の解決にあたります。「特別な援助ニーズ」が出てくるような状況と捉えることができます。
・教育・援助目標(長期の目標、短期の目標)を立ててそれを達成するための教育計画を作り実践していきます。
・教師や保護者、SSWなどの他職種によるチーム援助が必要となり、それぞれの立場で力を尽くすことが求められます。

◆一次的援助サービスを基盤とした上で子どもの援助ニーズに応じた二次的援助サービス、三次的援助サービスを提供しながら行われます。SCは相談室で児童生徒のカウンセリングを行うとき、児童生徒の援助ニーズが一次的援助サービスでどう満たされているかについてアセスメントする必要があるとされています。(Caplanによる予防の概念と同様)
・キャプランの概念における第三次予防は、次の世代の不適応に対する第一次予防と円環的に繋がっています。第三次援助サービスも、それによって回復して第一次援助サービスと円環的に繋がっていくことになります。

まとめ

【一次的援助】
すべての子ども。問題の未然防止と早期発見のための取り組み。
※発達障害の子どもへの支援を含む。

【二次的援助】
登校しぶり、学習意欲の低下、友人関係の不調等、危機に陥る危険性の大きい子どもの援助。
問題が大きくなる前に、対応することが特に重要。

【三次的援助】
いじめや不登校、非行等で特別援助を必要とする子ども。

※個別にアセスメントをし、支援方針を立てていく必要がある。

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アレキシサイミア|失感情症|公認心理師試験

失感情症|アレキサイミア|公認心理師試験

失感情症(アレキシサイミア)は、シフネオス医師が提唱した性格特性です。自分の感情(情動)への気づきや、その感情の言語化の障害、また内省の乏しさといった点に特徴があると言われています。心身症の発症の仕組みの説明に用いられる概念ですが、近年は衝動性や共感能力の欠如など、ストレス対処や対人関係を巡る問題との関連が研究されています。

この失感情症(アレキシサイミア:a-lexi-thymia)という言葉が最初に唱えられたのは1972年のことです。ハーバード大学マサチューセッツ総合病院のP.E.シフネオス医師は長年、いわゆる古典的「心身症」と言われていた患者さん達(潰瘍性大腸炎や気管支喘息など)の治療に取り組んでいました。その臨床経験から心理的な特徴があることを見出しました。

あまり生気が感じられず、葛藤状況やフラストレーションがたまる状況では、内省したり困難に上手に対処したりするのではなく、むしろそれを避けるための行動(防衛機制:逃避)に走ってしまうというのです。そしてその最大の特徴は「自分の感情を表現する言葉を見つけるのが難しい」ということでした。そこから感情を言い表す言葉が欠けていること=失感情(言語化)症という概念が出てきたのです。

【心身症というからだの病気と、感情を言葉にすることが難しいということとに関係がある】
私たちの心とからだは密接に関係があります。不安や恐怖あるいは喜びといった「喜怒哀楽」は情動(emotion)と呼ばれ、怒ると顔が真っ赤になったり、恐怖に襲われ不安になると心臓がドキドキします。このように情動はからだの変化と直結し、自律神経系の変化や表情・声の変化といったからだの変化と一体となっています。この情動の変化はまた、私たちの主観的な気持ち=感情(feelings)の変化とも結びついています。

この感情の変化について、私たちは自分が「腹が立っている」とか「とっても怖い思いをした」とその感情に気づき、それを言葉で表現をすることを普段何気なく行っていますが、心身症の患者さんたちはどうもそうしたことが上手ではないのではないかというのです。

◆失感情症の概念は研究者の間で検討され、以下の特徴としてまとめられました。
1,自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。
2,感情を他人に言葉で示すことが困難である。
3,貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。
4,(自己の内面よりも)刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイル。

こうした特徴に関して、興味深いことに最近の脳科学研究から、自分の内的な感情に気づき・表すことと、自分とは一端離れた視点(他人の視点に立つ)を持つこと=自分を客体化できることとが、実は密接に関係していることがわかってきました。感情の気づきの問題は共感性、また想像力・空想力などとも大いに関連しているのです。

自分の感情の微妙な変化に気づき言葉に出来ることは、彩り豊かな精神生活を送りスムーズな対人関係を築くことにもつながっていると言うわけです。このように「失感情症」を理解することは、心とからだの関係だけでなく、自分と他人との関係のあり方を理解する上でも欠かせないキーワードになって来ています。

※参考
小牧 元
元 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 心身医学研究部

ハミルトンうつ病評価尺度|点数 HAM-D 心理検査

ハミルトンうつ病評価尺度|HAM-D|公認心理師試験
正式名称 ハミルトンうつ病評価尺度
(Hamilton Depression Rating Scale:HDRS)
HamiltonのHAMとうつ病の英語であるDepressionから、HAM-Dと呼ぶ。
1960年、英国のMax Hamiltonによって開発された、うつ病の心理検査。

ハミルトンうつ病評価尺度|HAM-D|公認心理師試験
正式名称 ハミルトンうつ病評価尺度
(Hamilton Depression Rating Scale:HDRS)

HamiltonのHAMとうつ病の英語であるDepressionから、HAM-Dと呼ぶ。
1960年、英国のMax Hamiltonによって開発された、うつ病の心理検査。

【検査項目の特徴】

・睡眠の評価に重点が置かれている。
(睡眠状態の改善で高評価になりやすい)

HAM-Dは医師などの専門家が項目ごとに評価をしていく心理検査。
それぞれの項目ごとに最も被験者に近いと思われる点数に、
担当医(又は担当者)が〇をつけ、合計点からうつ症状の程度を割り出す。
実際の臨床現場・診療では時間的制約があるため、
有用ではあるものの行われる頻度が少ないのが現状。

【HAM-Dの目的】

HAM-Dは、うつ病の状態を専門家によって、
客観的に数値化するために用いられる検査。
診断にあたって重症度を評価するためだけでなく、
うつ病からの回復の度合いを知るためにも広く用いることができる。
検査を担当する人物が面接をする形式で点数化できる。
HAM-Dを基に面接しながら症状を確認し判断に有用。
うつ病の診断の参考になるだけでなく、重症度を客観的に評価できる。
(治験や臨床研究など、薬の効果を評価する際には、よく使われる心理検査)

【HAM-Dの所要時間】

HAM-Dは成人向けに作成された検査で、
専門家との面談で検査を行なう。
所要時間は、約10分~20分程度。

【17項目の質問検査】

・うつ症状が出る前、もしくは現在治療中であれば、
その治療開始から最近一週間の症状を確認しながら、質問に答えて行く。
いずれも、うつ症状を患った際に顕著になる症状の程度を確認する。
各質問に対して程度を評価(それぞれの項目により3~5点)

1、抑うつ気分(Depressed Mood)
2、罪責感(Feelings of Guilt)
3、自殺傾向(Suicide)
4、入眠障害(Insomnia Early)
5、熟眠障害(Insomnia Middle)
6、早朝睡眠障害(Insomnia Late)
7、仕事と活動(Work and Activities)
8、精神運動抑制(Retardation:Psychomotor)
(思考や会話が遅くなる、集中力が落ちる、自発的運動の現象)
9、 焦燥(Agitation)
10、精神的不安(Anxiety Psychological)
11、身体的不安(Anxiety Somatic)
(胃腸症状や動悸、頭痛、過呼吸など不安に伴う身体症状)
12、消化器系身体症状((Gastrointestinal))
13、一般的な身体症状(Somatic Symptoms General)
14、 生殖器症状(Genital Symptoms)
(性欲の低下、生理不順など)
15、心気症(Hypochondriasis)
16、体重減少(Loss of Weight)
17、病識(Insight)
※HAM-Dのうつの重症度を判断するための基準は、
明確ではないものの、目安としては以下の点数のようになる。

【総合評価】

0点~7点:正常(Normal)
8点~13点:軽症(Mild Depression)
14点~18点:中等症(Moderate Depression)
19点~22点:重症(Severe Depression)
23点以上:最重症(Very Severe Depression)

【HAM-Dで確認できること】

HAM-Dはうつ病の判断をするために作成された検査のため、
うつ病の診断をする際の指針になる。
古くからある検査の一つで、多くの臨床現場で用いられている検査の一つ。
HAM‐Dは、専門家が被験者に直接質問をしながら検査をする。
そのため被験者が、自分のうつ状態について認識ができていない場合や、
エネルギーが低下していることで自分自身の状況がわからない時などに有用。

構造化された検査であるため、専門家が症状の程度を評価するにあたって、
客観的にうつ病の程度を判断することができる。
※希死念慮よりも不眠に重点を置いている点などもあり、
HAM-Dだけで診断をすることを避ける。
診断については、専門医が総合的に判断する。
HAM‐Dは、うつ状態の程度を客観的に評価するものである。

ハミルトンうつ病評価尺度|HAM-D|公認心理師試験
正式名称 ハミルトンうつ病評価尺度
(Hamilton Depression Rating Scale:HDRS)
HamiltonのHAMとうつ病の英語であるDepressionから、HAM-Dと呼ぶ
1960年、英国のMax Hamiltonによって開発された、うつ病の心理検査

ソクラテス問答法|認知行動療法|コーチング技法を学ぶ

ソクラテス問答法
仙台心理カウンセリングで学ぶ心理学
認知行動療法 コーチング技法を学ぶ

オンラインカウンセリング 仙台 ソクラテス問答法
カウンセリング技法を身につける

◆ソクラテス式の常套(じょうとう)手段

問題、感情、認知、身体、行動がより明らかになるような質問5項目

◦感情 その時、何を感じたのでしょうか?
◦身体 その時、何か身体に変化がありましたか?
◦思考 その時、何か思い浮かびましたか?
◦行動 その時、どんなことをしましたか?
◦問題 その事を、もう少し具体的にお話し頂くとどうなりますか?

※この手段は現在、心理カウンセリング技法としても用いられています。

カウンセリング技法として、感情の反映技法
意味の反映技法
療法としての、フォーカシング
他に、論理療法認知行動療法など様々あります。

【ソクラテス式問答法】

◆質問によって相手の理解を得るための方法

基本的には相手に質問を投げかけることで会話が進みます。
議論で相手を説得することはしません。
かといって相手の話を聴いているだけにはしません。

議論をせずに相手に気づいてもらうことがソクラテス式問答法の目的です。
議論と傾聴の間に位置することはバランスは難しいですが、理解は難しくはありません。

しかし、「誘導尋問」との違いは解りにくいことが多いです。
また、解っていても油断をすると誘導尋問になってしまいます。

【誘導尋問との違い】

誘導尋問とは自分の都合の良い答えを相手から言わせる方法です。
誘導尋問と大きく違うところは、
あらかじめ予想した答えに導くためのものではない、というところです。
ソクラテス式問答法では目的とする答えを用意することはしません。
質問をしますが、目的地をあらかじめ決めておくことはしません。

相手の話を聞き(傾聴)、
理解できないところを質問していくことで様々なことがはっきりしてきます。

現在、効果的な質問は、コーチング技術の一つとして使われております。

その過程で、「自分はこのように考えていたから、辛い気持ちになったんだ」と気づくのですが、
時にはセラピスト(カウンセラー)が理解していなくても気づきが出ることがあります。
完全に何の仮説も持たずに会話をすることは無理なことです。
しかし、仮説に近づけようと思って会話をすることは誘導尋問になります。
仮説を持つことは悪いことではないですが、仮説は仮説に過ぎません。

仮説を証明するためではなく、様々な仮説を立て、
それを質問していくことで相手が気づく。
という流れになることが必要です。

仮説を定めてそこに誘導してしまうと、誘導尋問です。
いくら相手の言葉で言わせたとしても誘導尋問であれば、
説得と同じになってしまい、うまく行きません。

ソクラテスは今から2500年前の古代ギリシャの哲学者です

哲学の祖とも言われています。
「無知の知」として知らないことを知っていることこそ
「知」であるという思想を持った哲学者として登場します。

方法としては「ソクラテス式問答法」を用いて、
自分はよく知っていると信じているその他の哲学者に対して、
無知の知を自覚するよう促したとも言われます。

【無知の知を手に入れる7つの質問】

1:明確化の質問
・この問題の具体的ゴールは?

2:前提の質問
・この問題についてわかっていないことは?

3:証拠の質問
・今の答えを事実だと考えた理由は?

4:起源の質問
・今の考え方はどこから得たもの?

5:結果の質問
・これを試したらどんな効果があるだろう?

6:視点の質問
・ほかの人はこの問題にどうこたえるだろう?

7:仮定の質問
・今の答え以外に考えられる答えは?

以上、7つの質問はセルフ・コーチングにも使えて便利ですね。

【内面的側面:4つの段階】

1,問題を明確に定義する
2,対処行動の選択肢を拡げる
3,意思決定を行なう
4,検証する(計画、評価)

※同じ質問でも「問題を明確に定義する段階」と「検証する段階」では、その意味や得られる回答が違います。

【プロセスの側面:5項目】

1,焦点化
2,説明
3,明確化
4,連続的な展開
5,短文の利用

【系統的質問の形式的側面:8つの項目】

※問いかけることで面接を組み立てよう!

1,記憶の質問
2,翻訳の質問
3,解釈の質問
4,応用の質問
5,分析の質問
6,統合の質問
7,評価の質問
8,未来志向の評価の質問

【自動思考に対する質問】byベック2004

1,どんな根拠があるか? 
・この自動思考を支持する根拠は何か? 
・この自動思考に反する根拠は何か?
2,何か別の見方はあるだろうか?
3,起こりうる最悪の結果とはどのような事だろうか?
・自分はそれを切る抜けられるだろうか?
・起こりうる最良の結果とは、どのような事だろうか?
4,この自動思考を信じることによってどんな効果があるだろうか?
・この自動思考を修正すると、どんな効果があるだろうか?
5,この自動思考に対し、どんなことを行なえばよいだろうか
6,もし、友人が自分と同じ状況に置かれていたら、その友人になんと言うだろうか?

【自動思考を検討するための質問】伊藤絵美2006

1,自動思考がその通りであることの事実や根拠(理由)は?
2,自動思考に反する事実や根拠(理由)は?
3,自動思考を信じることのメリットは?
4,自動思考を信じることのデメリットは?
5,最悪どんなことになる可能性があるか?
6,奇跡が起きたら、どんな素晴らしいことになるか?

7,現実には、どんなことになりそうか?
8,以前、似たような経験をした時、どんな対処をしたか?
9,ほかの人なら、この状況に対して、どんなことをするだろうか?
10,この状況に対して、どんなことができそうか?
11,もし、友人だったら、何と言ってあげたい?
12,自分自身に対して、どんなことを言ってあげたい?

【まとめ】

「知識の否認」を用いれば、「絶対で確実なことが存在する」という誤った認知に振り回されることなく、より適応的な生活を送ることができます。実際の認知療法では「知識の否認」は協同的経験主義を尊重し、加えてノーマライゼーションに基づく心理教育、認知行動モデル、質問集やほかのツールなどを用いることで、協同作業はさらに促進されます。

オンラインカウンセリング の中で、この技法は傾聴に加え必須です。
心理カウンセリングの場面では、状況や必要に応じて取り入れております。

仙台心理カウンセリングの「心理カウンセラー養成講座」(初級編:中級編)では、
傾聴技法やその他の心理療法を体験しながら学ぶことができます。
心理学にご興味を持たれた皆様のお申込み、ご体験を心よりお待ち申し上げております。

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
◆【SOC理論 選択的最適化理論 バルテス】
◆【アサーションチェックリスト 自己表現】
◆【ソクラテス問答法 認知行動療法】
◆【タイプA型行動パターン フリードマン】
◆【タイプa型行動パターンとタイプA型行動チェック】
◆【無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)】
◆【原因帰属理論 ワイナー】

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タイプA行動パターンの特徴|フリードマン|タイプa行動パターンの提唱者

タイプA行動パターンの特徴|フリードマン
タイプa行動パターンの提唱者と特徴

タイプA型行動パターンについて

タイプA型行動パターン|フリードマン
タイプa行動パターンの提唱者と特徴

一般にタイプAは心筋梗塞などの虚血性心疾患が多いタイプ、タイプBはタイプAの逆の傾向を持つ人たち、タイプCはがんになりやすい人たちとされています。タイプCの「C」はCancer(がん)の頭文字とされています。
タイプAと関連がある用語として、「心身症」「アレキシサイミア」(失感情症)などが重要です。

タイプa型行動パターンの提唱者と特徴。

『M.Friedmanが提唱した性格傾向である』
『時間的切迫感、感情抑制、他者評価懸念及び社会的同調性の特徴を持つ』
『複数の特徴のうち、時間的切迫感が心筋梗塞発症の最も強いリスク要因であることが示されている』

【タイプA性格とは】

・自分が定めた目標を達成しようとする強い欲求を持ち
・人と競争することを好み
・功名心が強く
・つねに時間に追われながら多くのことをこなそうとする傾向のことを指します。
・身体的・精神的に過敏で、強い敵意や攻撃性を示す。
・大声で早口にしゃべる傾向があるとされています。
・機敏

これらの行動傾向のうち、基本的で重要なものは以下の通りです。

・時間的切迫感:
時間に追われながらの多方面にわたる活動。
・性急さ:
身体的精神的活動速度を常に速めようとする習癖。
・達成努力:
自分が定めた目標を達成しようとする持続的な強い欲求。
・野心:
永続的な功名心。
・競争:
競争を好み、追求する傾向。
・敵意性:
身体的精神的な著しい過敏性を伴う。

フリードマン(Friedman,M.)とローゼンマン(Rosenman、R.H.)
によって提唱された『タイプA行動パターン』では、
タイプAと呼ばれる性格の人が冠動脈疾患になりやすいことを指摘しています。

フリードマンとローゼンマンによって提唱された『タイプA行動パターン』は、
冠状動脈性の心疾患と関連があると報告されています。

【タイプA行動パターン】

1.タイプA行動パターンは、同時にいくつもの仕事を引き受けて、次々にやってくる締切りに追われます。
2.タイプA行動パターンは、課題に取り組むときには、多くの課題を時間に追われながら行います。
3.タイプA行動パターンは、他の人との競争を好み、競争のある場面で本来の力を発揮します。
4.タイプA行動パターンは、他の人に強い敵意性や攻撃性を認めます。
5.タイプA行動パターンは、成果をあげたときに、組織内の地位にこだわります。

これらがタイプA型の特徴と言えます。
その中でも特に「敵意性」が冠動脈疾患の重要な予測因子であることがわかっています。
(Sadock&Sadock,2003)

これに対してTemoshok によって提唱された、多くのがん患者に共通して見られるタイプC型行動パターンという型があります(これはタイプAの逆の特徴)こちらは、がん罹患のリスクファクターになるのではないかとまで言われているものです。

タイプB行動型パターンとは、タイプAと反対の性格傾向を持つ人のことを言う。あくせくせずにマイペースで行動してリラックスしており、非攻撃的などの性格傾向を持つ人です。※タイプAの人はタイプBの人よりも2倍、心臓疾患になりやすいことが報告されている。

タイプC行動型パターンとは、怒りをはじめとしたネガティブな感情を表出せず、経験もしないということや忍耐強く控え目で、周囲の人々に対して協力的で、権威に対して従順であるというもの。他者の要求を満たすためには極端に自己犠牲的になり得るなどの特徴を示す行動パターンのことを指します。そのため、表面的にはいわゆる「良い人」に見えるのであるが、何らかの葛藤やストレスを抱えている可能性も考えられる。

アメリカ西海岸の大規模な共同研究の結果によれば、タイプAは逆のタイプBに比べて冠状動脈性心臓疾患の相対的危険度は約2倍という結果が出ています。タイプA行動は冠状動脈性心臓疾患になりやすい人の特徴的な行動としてみてよいでしょう。

ちなみにこれらの結果は、食事、年齢、喫煙、その他の変数を考慮しても同様でした。
多くの研究結果を背景として、1981年にアメリカ心臓病学会は、タイプA行動が冠状動脈心臓疾患の危険因子と分類されるべきだと発表しました。しかし、それ以降の2つの研究結果(1983年と1985年)では、タイプA行動と心臓疾患との関連を見つけることはできませんでした。

その理由として、タイプAの評定法の違いに原因があるのではないかという研究者と、タイプA行動の定義が拡散しすぎているせいではないかという研究者がいます。多くの研究者は「時間的切迫感」と「競争」については、対して重要な要因ではないと論じており、そこから「敵意性」が重要な係数であると示しました。
その後の研究でも、「敵意性」が冠状動脈性心臓疾患の発生率の向上に絡むことがわかってきています。

このメカニズムとして、交感神経系のストレスに対する反応様式が挙げられます。
「敵意性」が高い人は、血圧や心拍数、ストレスに関連するホルモンの分泌量が大幅に増加するなどの結果が示されています。
すなわち「敵意性」が高い人の交感神経系は、ストレスとなる状況に過剰反応すると言えます。

また日本人における検討では、欧米の先行研究における「タイプA行動パターン仮説」に反して、男性において「タイプB行動パターン」が虚血性心疾患発症リスクの上昇と関係していました。(女性はタイプAに虚血性心疾患が高い。これは欧米と同じ)。

タイプB行動パターンを持つ男性はストレスを内にためこみ、虚血性心疾患リスクを上昇させている可能性があります。このことは、行動パターンの影響が性・文化的背景によって異なることを示しています。ただし、エバンスは、タイプAの特徴は国や文化の違いに関係がないとしております。(ちなみに上記の日本の研究結果は、国立がん研究センターの予防研究グループの発表です)。

以上のように、タイプA行動と心筋梗塞との関連については、タイプA行動というよりも、その中の「敵意性」が重要であるという指摘がある。

※「タイプA行動パターン」を持つほど、虚血性心疾患発症リスクが上昇する傾向が見られました。生活習慣における検討では、欧米の先行研究と同様に、「タイプA行動パターン」が喫煙、多量飲酒、日常ストレスなどの虚血性心疾患危険因子と関係しています。欧米社会と比較して、強調性が強く求められる日本人社会には、せっかち、怒りっぽい、競争心、積極性、敵意性などの行動を表に見せることに否定的な風土があるため、タイプA行動パターンを持つ男性は会社の仲間などとお酒を飲みに行くことでそのようなストレスを発散している一方で、タイプB行動パターンを持つ男性はストレスを内にためこみ、虚血性心疾患リスクを上昇させている可能性があります。行動パターンの影響が性・文化的背景によって異なることを示しているのが特徴です。

【認知行動療法の効果】

『行動パターンを変容させる介入研究により、心筋梗塞の再発を抑える効果が示されている』

フリードマンら(1994)は認知療法的技法と行動療法的技法を組み合わせることで、タイプA行動を減少させることができることを証明しました。過去に少なくとも1回心臓発作を経験したことがある1000人以上の被験者の治療群に対して、以下のようなアプローチを行いました。
・普段なら時間をかけてじっくり考えない事柄をじっくり考える機会を持たせる。
・他人を観察してもらう。
・見知らぬ人と会話を交わす機会を持つ。
・人に爆発することなく自分の感情を表現できるように、また特定の行動を変えるように助言を受ける。

更に、治療者はタイプA型行動の背景にある基本的な信念(成功か否かは、仕事量による等)を再評価できるよう援助しました。これらによって参加者は、家庭環境と仕事環境のストレスを減らす方法を見つけていきました。この研究では、もう一度心臓発作が起こるか否かを重要な従属変数と見立て、縦断的に経過を追っていきました。その結果、4年半の間、治療を受けた群の心臓発作の再発率は、統制群(特に生活に修正を加えられていない)のほぼ半分であったことがわかりました。このことは、明らかにタイプA行動を修正することを学習することは、彼らの健康に有益であったことを示しています。

認知行動療法を取り入れることでタイプAの「再発率は減らせた」という研究結果。

仙台心理の心理学講座では、認知行動療法を取り入れたトレーニングも含めてご指導しております。
ぜひ、ご相談下さい。

その他のパターン:タイプA・B・C行動パターン

【タイプB行動パターン】
マイペースに行動することを好み、基本的にのんびりとしており、
目立たず、非攻撃な行動タイプを有する。
穏やか、怒らない、自分のペースで無理をしないように遂行する。
タイプBは、タイプAと比較し、虚血性心疾患などの心臓疾患に罹患しにくいことが分かっており、
フリードマンらの報告によると、出世欲の強いタイプA傾向よりも、
タイプB傾向のほうが、結果的には出世しやすいことが示されている。
長期的に考えた場合、生産性が高いのはタイプB傾向であると考えられている。

【タイプC行動パターン】
「良い子」「良い人間」を演じ、自己犠牲的で周囲に気を使い、まじめで几帳面。
そのためストレスを発散することが出来ず、免疫力が低下する。
周囲に気を使い、怒りや不安などの気持ちを抑圧しやすく表出しない、がまん強いなどの傾向。
タイプC傾向はがんに罹患しやすいともいわれている。

※ Temoshok(テモ・ショック)が提唱
※「がん性格―タイプC症候群」 *創元社(1997/09)
テモショック,リディア〈Temoshok,Lydia〉・ドレイア,ヘンリー/著〈Dreher,Henry〉
大野 裕/監修  岩坂 彰・本郷 豊子/訳

関連リンク

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◆【原因帰属理論 ワイナー】

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20191212

タイプa行動パターン|タイプA型行動チェック

タイプa行動パターン|タイプA型行動チェック|公認心理師試験

タイプA型行動パターン

タイプAは心筋梗塞などの虚血性心疾患が多いタイプ。
タイプBはタイプAの逆の傾向を持つ人たち
タイプCはがんになりやすい人たちとされています。
タイプCの「C」はCancer(がん)の頭文字とされています。

【チェックリスト】

タイプA型(Aggressive)チェックリスト

□ 1.毎日忙しい生活を送っている。
□ 2.時間に追われている。
□ 3.つい競争してしまう。
□ 4.ちょっとしたことでも怒りやすい。
□ 5.仕事や行動に自信がある。
□ 6.何事も熱中しやすい。
□ 7.何事もキチンと片付けないと気が済まない。
□ 8.緊張したりイライラしやすい。
□ 9.早口で話す。
□ 10.並んで順番を待つことが嫌い。
□ 11.几帳面(きちょうめん)である。
□ 12.熱中すると他のことに気持ちのきりかえができにくい。

※6個以上当てはまる場合は「認知行動療法」がお勧めです。

【タイプA性格とは】(Aggressive)

・自分が定めた目標を達成しようとする強い欲求を持ち
・人と競争することを好み
・功名心が強く
・つねに時間に追われながら多くのことをこなそうとする傾向のことを指します。
・身体的・精神的に過敏で、強い敵意や攻撃性を示す。
・大声で早口にしゃべる傾向があるとされています。
・機敏

これらの行動傾向のうち、基本的で重要なものは以下の通りです。

・時間的切迫感:
時間に追われながらの多方面にわたる活動。
・性急さ:
身体的精神的活動速度を常に速めようとする習癖。
・達成努力:
自分が定めた目標を達成しようとする持続的な強い欲求。
・野心:
永続的な功名心。
・競争:
競争を好み、追求する傾向。
・敵意性:
身体的精神的な著しい過敏性を伴う。

フリードマン(Friedman,M.)とローゼンマン(Rosenman、R.H.)
によって提唱された『タイプA行動パターン』では、
タイプAと呼ばれる性格の人が冠動脈疾患になりやすいことを指摘しています。

フリードマンとローゼンマンによって提唱された『タイプA行動パターン』は、
冠状動脈性の心疾患と関連があると報告されています。

【タイプA型行動パターン】

1.タイプA行動パターンは、同時にいくつもの仕事を引き受けて、次々にやってくる締切りに追われます。
2.タイプA行動パターンは、課題に取り組むときには、多くの課題を時間に追われながら行います。
3.タイプA行動パターンは、他の人との競争を好み、競争のある場面で本来の力を発揮します。
4.タイプA行動パターンは、他の人に強い敵意性や攻撃性を認めます。
5.タイプA行動パターンは、成果をあげたときに、組織内の地位にこだわります。

これらがタイプA型の特徴と言えます。
その中でも特に「敵意性」が冠動脈疾患の重要な予測因子であることがわかっています。
(Sadock&Sadock,2003)

【認知行動療法の効果】

『行動パターンを変容させる介入研究により、心筋梗塞の再発を抑える効果が示されている』

フリードマンら(1994)は認知療法的技法と行動療法的技法を組み合わせることで、タイプA行動を減少させることができることを証明しました。過去に少なくとも1回心臓発作を経験したことがある1000人以上の被験者の治療群に対して、以下のようなアプローチを行いました。

・普段なら時間をかけてじっくり考えない事柄をじっくり考える機会を持たせる。
・他人を観察してもらう。
・見知らぬ人と会話を交わす機会を持つ。
・人に爆発することなく自分の感情を表現できるように、また特定の行動を変えるように助言を受ける。

更に、治療者はタイプA型行動の背景にある基本的な信念(成功か否かは、仕事量による等)を再評価できるよう援助しました。これらによって参加者は、家庭環境と仕事環境のストレスを減らす方法を見つけていきました。この研究では、もう一度心臓発作が起こるか否かを重要な従属変数と見立て、縦断的に経過を追っていきました。その結果、4年半の間、治療を受けた群の心臓発作の再発率は、統制群(特に生活に修正を加えられていない)のほぼ半分であったことがわかりました。このことは、明らかにタイプA行動を修正することを学習することは、彼らの健康に有益であったことを示しています。

認知行動療法を取り入れることでタイプAの「再発率は減らせた」という研究結果。

仙台心理の心理学講座では、認知行動療法を取り入れたトレーニングも含めてご指導しております。
ぜひ、ご相談下さい。

【認知行動療法のリンク】

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20190306

内田クレペリン検査|エミール・クレペリン

内田クレペリン検査|エミール・クレペリン|公認心理師試験

内田クレペリン精神作業検査の実施と解釈
内田クレペリン精神作業検査検査はエミール・クレペリンが創案した「連続加算法」を内田勇三郎が取り入れ、作業検査法として完成させた。
エミール・クレペリン(ドイツの精神科医)は、現在の統合失調症概念の提提唱者のひとりで、もうひとりはブロイラー。

内田クレペリン精神作業検査の実施と解釈
内田クレペリン精神作業検査検査はエミール・クレペリンが創案した「連続加算法」を内田勇三郎が取り入れ、作業検査法として完成させた。
エミール・クレペリン(ドイツの精神科医)は、現在の統合失調症概念の提唱者のひとりで、もうひとりはオイゲン・ブロイラー(1857~1939)

◆内田クレペリン作業検査内田クレペリン精神作業検査の実施と解釈

以下のステップで結果の集計が行われる。

1,誤謬(ごびゅう)のチェック:
誤答の数字を赤○で囲む。
2,プロフィールを描く:
各行の最後の答えの右上にある印刷数字をマークして折れ線グラフで結ぶ。
飛ばし・抜かしがある場合は、その数だけずらしていく。
3,作業量の産出:
各行の作業量を読み取り、作業量合計を算出、1分ごとの平均作業量を算出し、作業量段階の判定を行う。
4,休憩効果率の算出:
休憩後平均作業量/休憩前平均作業量=休憩効果率となる。
5,初頭努力率の算出:
1分目作業量/平均作業量によって算出。休憩前、休憩後の両方で算出する。
6,動揺率の算出:
休憩前・休憩後のそれぞれで、最高作業量-最低作業量=最大差を算出し、これを平均作業量で割ると「動揺率」となる。
7,V字落ち込みの算出:
落ち込み部分の曲線の振れ幅が平均振れ幅の1.5倍以上の場合を指す。
8,作業量段階の判定と問題傾向の頻度を組み合わせて曲線傾向を判定する
9,曲線類型の判定および作業適応度の判定

上記うち「誤謬率」「休憩効果」「初頭努力」「動揺率」などは、クレペリン検査で使われやすい表現。
※「誤謬」(ごびゅう)とは、間違いという意味。

◆検査の目的

被験者の計算能力、注意力、集中力、精神の安定性を検査し、性格・職業適性を見る。
・計算の処理速度
・作業曲線
・処理の正確性

上記の三点からは主に以下のことがわかる

・計算の処理速度→処理能力
・作業曲線→性格、行動傾向
・処理の正確性→性格、行動傾向
※性格、行動傾向は発動性、可変性、亢進性から判断しており、被験者の長所、短所がわかるとされている。

遊戯療法|フロイトとメラニー|プレイセラピー

遊戯療法 アンナ・フロイトとメラニー・クライン|公認心理師試験

◆遊戯療法 プレイセラピー|公認心理師試験

公認心理師試験

概ね3歳から11歳までの子どもを対象とした心理療法の一種で、「遊び」を軸としたセラピー。世界初の児童分析家であるヘルミーネ・フーク=ヘルムートが、「子どもの精神分析には遊びが必要である」と提唱したことから始まる。※ヘルミーネ・フーク-ヘルムート(1871-1924)児童分析家。

アンナ・フロイト(Anna Freud, 1895~1982)
アンナ・フロイトは、精神分析の創始者「ジークムント・フロイト」の末娘。

アンナ・フロイトは遊びを子どもと治療者の間の治療同盟確立を促すものとして用いた。メラニー・クラインとは見解が異なるが、アンナ・フロイトは子どもの描画や遊戯の裏に潜む無意識を解釈する前に子供と治療者のラポールを確立することを重要視した。

◆遊戯療法の成り立ち
~児童分析から遊戯療法への発展~

児童分析は、心理学で有名なフロイトの娘であるアンナ・フロイトやオーストリアの児童分析家メラニー・クラインが、児童心理学に精神分析を持ち込んだことから発展を始めた分野。

アンナ・フロイトは「遊びはセラピストとの関係性作りのためで、分析の下地にすぎない」と考えていたが、メラニー・クラインは「遊びそのものが子どもの精神分析になる」と考えており、当時の児童分析学は複数の意見が対立する分野となっていた。

その後、複数の児童分析家のもと「遊び」の重要性が段階的にクローズアップされていき、それを遊戯療法として確立したのが、児童心理学者のバージニア・アクスライン(Virginia M. Axline, 1911~1988)だった。※アクスラインはカール・ロジャースに師事。

◆児童分析

アンナ・フロイトは、教育者として経験を重ねたのちに『児童分析という新しい分野を開拓』した。
アンナ・フロイトの功績としては「精神分析療法の児童への適応」と「自我の防衛機制に関する理論の展開」が主なものと言える。
アンナ・フロイトは、精神分析を児童へ導入することを試み、自由連想法の代わりに遊戯療法を取り入れて子どもに用いた。

フロイトは子供の親の影響を排除せず、子どもの親と治療家がチームとなって子どもを教育的に引き連れていくことを重視している。
この自由遊び中心の児童分析の中でアンナ・フロイトが強調しているのは、子どもへの教育的配慮の必要性があり、治療者は魅力的な大人という地位を得ることが大切であるということを述べている。
また、子どもの面接を主としながらも、子どもの環境要因である保護者の役割も重視して、親との面接の必要性も主張し、保護者への面接を実施し積極的に子どもにとって成長促進的な環境を整えることを目指した。
遊戯の観察は子どもの自我や無意識の分析、把握することに焦点を置きながらも、
大人と子どもの心性の違い、立場の違いに着目し「児童分析の技法を展開」していった。

アンナ・フロイトは、日常生活において両親と結びついているという点で、大人と子どもに最も大きな違いがあると考えていたのに対し、メラニー・クラインは、大人にとっての自由連想が子どもにとっては遊びに相当するだけであるという考えに基づき、遊びを用いる以外は大人にも子どもにも同じ技法を用いたのが特徴的と言える。

◆自我と防衛

アンナ・フロイトは、こうした児童分析を通して、実際の事例から自我の防衛機制についても理論を提示・展開。「自我と防衛」(1936)という論文の中で、主要な防衛機制10種類をあげて体系化した。退行、抑圧、反動形成、分裂、打ち消し、投影、取り入れ、自己への向き換え(他者に向ける怒りを自己に向ける)、逆転(愛を憎しみに変換)、昇華の10種類。

また、幼児期においては、現実の危険、不快を避けるための現実否認、自我機能の制限などを明らかにしている。アンナ・フロイトは、児童への遊戯療法を発端として、精神分析の諸問題を整理・明確化し、父フロイトから継承した防衛理論を防衛機制という理論で発展させながら、精神分析的自我心理学の確立に寄与した。

◆アンナ・フロイトの防衛機制

父、ジークムント・フロイトは「無意識」という普段人間が認識していない心の働きの部分に注目している一方で、アンナ・フロイトの場合は普段意識している自分、つまり自我がいかにして保たれているのか、そのシステムに注目している。

人間の持っている様々な欲望、それと上手に付き合いながら社会生活を送るためには、対処していく必要がある。人間が時に抱える葛藤に対してどのように自我を守っているのか、その防衛機制(防衛システム)を明らかにしようとしたのがアンナ・フロイトと言えます。

アンナは1936年に『自我と防衛機制』を発表します。本書において、防衛機制には10種類について述べられ、これらの防衛機制は単独で働くというより、相互作用しながら働いていることが指摘されている。

◆アンナ・フロイトの生涯(Anna Freud, 1895~1982)

精神分析の創始者「ジークムント・フロイト」の末娘で、イギリスの精神分析家。児童精神分析の開拓者。ウィーン生まれ。ウィーンのコッタージ・リセウム(Cottage Lyceum)に学ぶ。1918年、父から精神分析を学び精神分析の道に入る。最初の論文は、1922年発表。1923年から精神分析家としての実践を開始。父親に代わり、国際精神分析学会の事務局長、ウィーン精神分析訓練研究所の所長などを引き受ける。

1939年、父ジークムント・フロイトが癌で死去してからは、ますます児童心理学に専念した。メラニー・クラインとの研究上の意見の相違からイギリスの精神分析学会で論争を引き起こす。

その間にも弟子、エリク・H・エリクソン(1902~1994)などを多数育て、戦争が子ども達に与えた影響なども調査した。特に「幼児の防衛機制」についての研究が名高い。※エリクソンは「心理社会的発達段階」で自我発達を8つの段階に区分した。

ウィーンの研究所で治療と研究を通して、遊戯を導入した児童分析の基礎を築いた。又、精神分析の自我心理学を研究。1938年ナチスの侵入により父母とともにロンドンに亡命し、以後長く国際精神分析学会の中心的存在として活躍した。1982年没。

【ジークムント・フロイト無意識のリンク】
◆無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)

ライフキャリア|ハンセン

「意味ある人生」

「どのような生き方をしたいのか」と聞かれれば、
もちろん! 「意味ある人生」と多くの人が答えるだろう。
年齢が高くなればなるほど、この思いが強くなる。

ハンセン(Hansen,L,S)は、
1997年「ライフキャリア」という考え方を提唱。

キャリアを家庭、社会、人生における役割のすべてに幅広く盛り込み、
個人的な満足だけに止まらず、
「自分にも社会にも共に役立つ意義のある仕事」として、
キャリア選択を行うことが重要であるとした。

ハンセン(Hansen,L,S)は、4つのキーワードを掲げる。

「仕事、学習、余暇、愛」である。

これがうまく組み合ってこそ、「意味ある人生」になるとした。

人生(ライフ)における、キャリア選択は、

個人の「生き方」を明暗、どのようにも彩ることが出来る。

~ 「ライフキャリア」 ~

1.労働(仕事)

2.学習(公式・非公式教育)

3.余暇(仕事以外の従事する活動)

4.愛(家庭、子育て)