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認知行動理論|認知療法|公認心理師試験

【認知行動理論】

・「認知行動理論」は、行動療法に認知の観点を取り入れた認知行動療法の基礎となる新しい統合理論

◆学習に対する2つの考え方
・従来の学習に関する考え方には大きく2つの流れがある。

1:「学習は刺激と反応の結びつきの枠組みで説明されるという、「学習理論(S-R理論、S-O-R理論)」の立場
2:ゲシュタルト心理学の観点から、「学習は知覚体系の体制化あるいは再体系化、すなわち認知の変容の枠組みで説明される」という、「認知理論」の立場

これらは、学習理論(もしくは行動理論)を基盤とする「行動療法」と、認知理論を基盤とする「認知療法」としてそれぞれの発展をもたらした。
ところが、行動療法が発展するにしたがって、従来の学習理論では説明がつきにくい現象が、臨床場面を中心に多く指摘されるようになった。

1:刺激を提示しても反応に変化が現れなければ学習が成立したとはいえないとする、「対応性」の仮定に対する疑問。
2:学習は普遍的な現象であり生物学的な影響の差はないとする、強化随伴性の「普遍性」の仮定に対する疑問。
3:強化刺激によって随伴されている行動に変化がみられなくても、実際には強化刺激は効果をもたらしているとする「自動性」の仮定に対する疑問。

これらの従来の学習理論の問題点を解決するために、大まかにいえば、学習理論に認知理論を統合するような形で認知行動療法が提唱されるようになった。

【認知行動理論と認知行動療法】

・行動療法を用いた臨床場面においては、
1:同一刺激を与えてもクライエントの反応は様々である。
2:逆にさまざまな刺激をクライエントに与えても反応は同じであることがある。
3:刺激も反応も観察不可能な場合がある。
などの問題点が指摘されるようになり、従来の不備な点を補うような形で認知行動療法が展開した。

◆学習(行動)理論の限界を踏まえ、人間の行動は認知的な活動が介在するという事実を重視し、顕在性の行動に力をおく学習(行動)理論に代わり、その説明力を高めるために認知的変数をより積極的に取り組んだ認知行動療法が展開されたことになる。一方、従来の行動療法が認知的要因を扱っているわけではないという指摘も多い。

例えば・・・
伝統的な行動療法の技法である系統的脱感作法はイメージという形で認知的要因を扱っている。
思考中断法は思考という認知的変数への介入を試みているなどとする見解である。

ところが・・・
適切な行動と強化との関連性を教示した方が治療効果が上がるなどといった事実を踏まえると、クライエントの内面のコントロールの主体が、どこにあるのかという、前提の違いではないかという指摘もある。

実際に認知行動療法は、行動と認知の両面から介入する方法が採用され、クライエントの認知的要因である思考、態度、信念などはクライエント自身のコントロール下にあるという前提のもとに、セルフコントロール力を高めることに重点がおかれる。

すなわち・・・
行動が認知、情動、生理的変化などと相互決定的に影響を与えあうことを前提とし、行動、認知、情動、生理などに対して多面的に働きかけ、治療効果を引き出そうとすることに特徴がある。問題行動や症状の克服のみならず、克服過程をも学習することを強調するという相違点はあるものの、その基本は行動療法と同様の志向をしていることに変わりはない。

◆認知行動理論は、伝統的な学習(行動)理論が精練される変化の過程ととらえることができる。

【スキーマ】schema について

・個人の中にあるかなり一貫した知覚・認知の構え。すなわち、個人が世界をどのように構造化しているかということを指す。
・スキーマは、過去の学習や経験に基づいたものであり、自分自身を個人として、集団の一員として規定するための信念体系、あるいは基本法則である。そして、個人がある出来事に特定の意味を与える規則でもある。
・うつ病患者のスキーマには「完全でなければ私は愛されない」「あらゆる点で有能でなければ私は失敗者だ」といったものがある。

【認知療法】

・認知療法――考え方を柔軟にしていくことで、うつや不安など、主に情緒面の問題を解決する治療法

【認知療法は認知行動療法の代表選手】

・認知療法はアメリカの精神科医 アーロン・ベック(1921年~)によって開発された。
クライエントの考え方のスタイル(認知)を治療の標的とし、その変容を通して情緒面、行動面の問題解決も図って行こうとする治療法であり、認知行動療法と総称される一群の治療アプローチの代表的なものである。

・感情や行動には自動的にふっと浮かんでくる思考(自動思考)が伴っていることが多い。その思考の背景には、さらに価値観や人生観など、考え方に特定の色づけを与えるもの(スキーマ)が関わっている。

・自動思考に注意を向け、それを変えていくことで、例えば・・不安になっても必要以上に騒ぎ(不安)を大きくしなくて済むようになる。また、自動思考の中に一定の色づけやパターンを見出していくことにより、極端なスキーマの検討ができれば、治療効果をより高め再発防止にも役立つ。

【認知療法の適用】

・認知療法が最も得意とするのは、うつ病とパニック障害であるが、近年は摂食障害やパーソナリティ障害などにも適用されて大きな効果をあげている。

【アーロン・ベック】 Beck.Aaron (1921~  )アメリカの精神科医。
・うつ病を中心としたさまざまな精神障害や、パーソナリティ障害に対する認知療法を創始し、体系化した。
・アーロン・ベックは、うつ病には特有の思考内容や、非論理的で非現実的な思考パターン(認知のゆがみ)のあることを観察し、うつ病患者の障害はこのような思考障害ゆえに生じるという仮説のもとに、認知の歪みのもととなる個人のスキーマ(価値観、信念)を修正することが出来る事を示した。

【認知行動療法のリンク】

◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆仙台の認知行動療法|中級編
◆行動療法|スキナー|公認心理師試験
◆認知行動理論|認知療法|公認心理師試験
◆認知行動理論|自動思考スキーマ

◆心理学講座
◆心理カウンセラー養成講座
◆お客様の声
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認知行動理論|自動思考スキーマ|公認心理師試験

認知行動理論|自動思考スキーマ|公認心理師試験

出来事に対し瞬間的に浮かび上がる考えやイメージを『自動思考』といいますが、普段は意識されることなくすぐに忘れられてしまうもので、ストレスに大きく影響を与えるものがあります。

【例えば・・・】

怒られた時、『この程度で済んで良かった』と思うか『怒られる自分はダメな人間だ』と思うか、というようなことです。この思考は、持って生まれた性格によるものではありません。
過去の体験の積み重ねによって自分自身が日々選択してきた「くせ・習慣」のひとつで意識することにより、その「受け取り方」の「くせ・習慣」を修正することが可能ですそれにはまず、自覚、認識すること。そこから修正に向かうための第一歩が始まります

●自分の「受け取り方」は、いつどのような事がきっかけで完成された?
そんなことに気づきながら徐々に自分自身の思考のくせ・習慣(自動思考)を自覚し改善していくことができます。「自動思考」はその人の過去の体験からつくられたものです。正確にいえば瞬間的に湧きあがる自動思考の背景には過去の体験の積み重ねによって形成された何らかの前提(スキーマ)があるということです。

●幼少時期に親(又は養育者)からの拒否を受け続けると「自分は人から愛されることはない」といったスキーマが形成されそのスキーマを背景とし「誰とも仲良くなれない」「誰からも愛されない」といった自動思考を繰り返すことになります。

●過去の苦痛で不快な体験や精神的な破綻を繰り返さないように「防衛機制」を働かせ処理した結果、否定的なスキーマが形成され、その延長に「歪みをもった自動思考」が出現するということになるのです。
ちょっと難しいかもしれませんが、徐々に自分に合ったペースで理解していくと自分自身の「自動思考」に気づくようになります。
☆「気づき」(認知)を促し、改善(行動療法)するためのサポートが「カウンセリング」だと私は考えています。
仙台心理カウンセリングで開講する、心理学講座「交流分析」は、理論を使って理解しながら、自分のパターン(自動思考)に気づき、改善していくカリキュラムが含まれております。
*「自動思考」「認知のゆがみ」などを改善する方法は心理学講座で実践しながらご指導します。ぜひ!ご相談下さい。
※ご注意していただきたい事:心理的問題で通院治療中の場合、主治医の承諾が必要であることをご承知おき下さい(安全配慮の観点)

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行動療法|スキナー|公認心理師試験

【行動療法】
・行動療法――症状や不適応な行動が身についてしまったら、それを効果的に軽減したり、適応した行動を積極的に身につける方法を学ぶ治療法。

【行動療法の定義と特徴】
・行動療法とは、実験的に明らかにされている学習理論、行動理論を基盤とし、不適応に陥っている行動の治療改善を図ることを目的とした治療技法の体系である。
・行動療法という用語は、アメリカの心理学者:行動分析学の創始者「バラス・フレデリック・スキナー」(1904~1990)が最初に使用したとされている。
・心理学者「ハンス・アイゼンク(1916~1997)」が、1960年に「行動療法と神経症」を出版してから広く定着し、行動療法の創始者の一人:行動療法の一つである系統的脱感作法の考案者 J・ウォルピ(1915~1998)によって、「学習の原理やパラダイムを適用し、不適切な習慣を克服すること」と定義されている。

【行動療法の大きな特徴】
・人間の行動は大部分学習によって獲得されたとみなすこと。
他の心理療法と比較して客観性と普遍性を強く指向していることである。

・神経症でさえ、何らかの理由で不適応的に学習された習慣にすぎないものであり、その習得に用いられたと同じ原理を組み合わせれば、それは解除できるという考え方に立脚している。

・一般に他の心理療法と比較して治療に要する時間は短く、治療の経過を客観的に理解することができる。

【具体的な特徴】
1:行動理論を基礎原理とする
2:治療の目標を明確にし客観的測定や制御が可能な行動のみを治療対象とする
3:症状を不適応行動の学習あるいは適応行動の未学習としてとらえる
4:治療の焦点を過去ではなく今現在にあてる
5:治療の最終目標を行動のセルフコントロールとする

・仙台心理では、心理カウンセリングを通して、ご本人(クライエント様)の中で「問題となっている不適応」に気づき、「問題点の修正&セルフコントロール」を目標にして進んでいただくことをサポートしてまいります。ご自身の中で何か気になる行動などございましたら、ぜひ、心理カウンセリングの中でご相談ください。皆様のお越しを、心よりお待ち申し上げております。
※ご注意頂きたい事:心理的問題で通院治療中の場合、主治医の承諾が必要であることをご承知おき下さい。(安全配慮の観点)

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精神保健福祉法|措置入院|公認心理師試験

措置入院|公認心理師試験

精神保健福祉法による(精神障害者の)入院形態
(1)任意入院
(2)医療保護入院
(3)応急入院
(4)措置入院/緊急措置入院

(1)任意入院
本人の同意に基づく入院。人権擁護の点で基本の入院形態。本人から退院の申し出があった場合、管理者は退院させる必要がある。退院請求があっても病状から退院はさせられないと精神保健指定医の診察・判断があれば、72時間を限度に退院を制限できる。(72時間以内に医療保護入院等への切り替えを行うことがある)
(2)医療保護入院
自傷他害の恐れはないが、家族等のいずれかの者の同意がある時は、本人の同意がなくても病院の管理者が入院させることができる。家族等:配偶者、親権を行う者、扶養義務者、後見人又は保佐人該当者がいない場合は、市町村長の同意を要件とする。精神保健指定医が家族等の同意を得て入院を決定する。
(3)応急入院
精神保健指定医の診察の結果、自傷他害の恐れはないが、入院させないと本人の保護に著しい支障が生じる際、保護者の同意を得ることができない場合でも、本人の同意なしに、72時間に限り病院管理者の権限で入院させることができる。72時間以内(3日間)に以後の対応を決める必要がある。応急入院に対応できるのは指定病院のみに限られる。
(4)措置入院・緊急措置入院
都道府県知事が精神保健指定医に診察をさせ、自傷他害のおそれがあると認められる場合。「措置入院」に際しては精神保健指定医2名が入院を必要と判断する必要がある。

「措置入院」
自傷他害の恐れのある精神障害者に対して、都道府県知事の権限で行われる入院。精神障害があり、警察官等からの通報や届け出があってから、職員の立会、家族等に対する診察日などの通知、2人以上の精神保健指定医の診察が必要。退院要件:症状消退届(自傷他害の恐れが消失)を都道府県知事に提出。判定基準は精神保健福祉法28条の2で規定『精神障害者であり、かつ、医療および保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めた時』
「緊急措置入院」
緊急を要し、精神保健福祉法27条、28条の手続き(二人の指定医・都道府県の該当職員の立会い・家族に通知等)がとれない場合、「直ちに入院させないと自傷他害のおそれが著しいと認められた時」と規定されている。緊急の場合は1名の指定医の判断でもよいとされているが、その後72時間以内に、2名の指定医による診察が行われなければならないという条件が付されている。

※「緊急措置入院」も「措置入院」も、「精神障害者であり、かつ、医療および保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めた時」という規定は共通している。

【精神保健指定医】
非自発的入院・処遇の全てに係わる。資格更新5年ごと(①5年以上診断・治療に従事、②3年以上精神障害の診断・治療に従事など)

【精神医療審査会】
適切な医療・保護を審査する機関。病院外の第三者機関。
第12条:都道府県におかれる。
5名の委員で構成:精神科医2名以上、精神障害者の保健・福祉に関する学識経験者1名以上、法律専門家1名以上。任期は2年。

【非自発的入院における処遇】
自殺企図、自傷行為の危険がある時。
隔離:12時間未満であれば医師で、それ以上の隔離は精神保健指定医の診察が必要。隔離継続中は毎日診察が必要。
身体拘束:隔離よりも切迫状態。必ず精神保健指定医の判断が求められる。

【精神障害者福祉手帳】
都道府県知事が交付する。2年ごとの更新が必要。氏名、住所、障害等級、顔写真が掲載されている。
・1級:精神障害が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。この「日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度」とは、他人の援助を受けなければ、ほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
・2級:精神障害の状態が、日常生活で著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものである。
・3級:精神障害の状態が、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活が制限を加えることを必要とする程度のものである。

=補足=

【対象】入院させなければ自傷他害のおそれのある精神障害者
【要件等】精神保健指定医2名の診断の結果が一致した場合に都道府県知事が措置
(緊急措置入院は急速な入院の必要性があることが条件で指定医の診察は1名で足りるが入院期間は72時間以内に制限される。)

精神保健福祉法等による入院制度 措置入院.
※緊急の場合には入院期間を72時間に限定した緊急措置入院あり医療保護入院医療観察法(※)による入院処遇
※平成15年に成立、厚生労働省と法務省の共管。

ナルコレプシー|カタプレキシー


ナルコレプシー
カタプレキシー|公認心理師国家試験

ナルコレプシー

ナルコレプシーの病態「ナルコレプシーの4大主徴」

1,睡眠発作
日中の授業中や食事中などに、発作的に耐えがたい眠気に襲われて眠り込んでしまう。
日常生活に大きな支障をきたす。
2,情動脱力発作(カタプレキシー
3,入眠時幻覚
4,睡眠麻痺
ナルコレプシーの最も基本的な症状は日中反復する居眠りがほとんど毎日数年間に渡って続く。

睡眠発作

睡眠発作とは、昼間何回も眠気に襲われ、実際に数十分も眠り込んでしまう発作性病状です。通常は10~20分くらい眠ると目が覚めてサッパリすることが特徴的で、1時間を超えることは稀。しかし、いったん目が覚めて2~3時間もすると再び眠気が襲ってきます。この時、意識的に緊張したり、身体を動かしたりすることによりある程度眠気を押さえることは可能だが、毎日続く眠気ですからずっと我慢し続けることは不可能です。睡眠発作は会議中とか、正常者でも眠気の起こりやすい時に見られることが多いが、歩行中などにも起こり得る点で正常者の眠気とは質的に異なると考えられます。(睡眠発作は強い覚醒刺激を与えると覚醒させ得るもの)

情動脱力発作

情動脱力発作とは、笑ったり驚いたりなどの主に陽性の強い情動の変化に伴って起こる全身の脱力です。この発作の持続はごく短時間であるが、骨格筋の脱力のほか顔面筋の脱力もあり、転倒したり机にうつぶせになったりすることもあります。通常、脱力は瞬間的ですぐに回復するので、周囲の人にあまり気づかれずに済むことが多いが、突然顔の力に締まりがなくなり、ろれつが回らなくなったり、しゃがみこんで床に崩れ折れてしまったりすることもあります。情動脱力発作中でも意識は保たれており、周囲の状況はよく記憶されています。ときには情動脱力発作が続けざまに起こり、数分から30分間くらい脱力状態が持続することがあり、脱力重積状態と呼ばれます。

入眠時幻覚

入眠時幻覚とは、入眠直後に目が覚めて、体を動かせず、声も出せなく不安と恐怖が強まる状態を睡眠麻痺といいます(いわゆる金縛り)。また、やはり入眠直後に「幽霊が立っている」「体が空中に浮く」などの現実感のある夢を見る事を入眠時幻覚といいます。入眠直後にレム睡眠が出現することが背景にあるとされています。入眠後まもなく体験される幻覚で、通常の夢に似るが夢よりも生々しく、現実感のある体験です。入眠時レム睡眠期に一致します。

夜間睡眠時のみならず、昼間の睡眠時や睡眠発作時にも体験されます。多くの場合、不安恐怖感のある幻覚で、何か怖いものが襲い掛かってきたり、のしかかられて苦しむといった内容のものが多く、強い現実感と恐怖感を伴う幻視、幻触、身体運動感覚、ときに幻聴が見られます。通常、目が覚めることによって悪夢であったことを悟りますが、まれには入眠時幻覚が発展して日中にも侵入し、夢幻様体験から幻覚妄想状態を呈することもあります。

睡眠麻痺

睡眠麻痺とは、通常入眠時幻覚による不安・幻覚体験に一致して、全身の脱力状態が起こることを言います(俗にいう金縛りと同じ状態です)。患者は恐怖から助けを求めて起き上がろうとしますが、全身が金縛りとなって動けず、声もほとんど出すことができません。

カタプレキシーとは、情動脱力発作のことで、笑ったり、怒ったり、緊張したり、と感情の動き(情動)が誘引となって、「膝の力が抜けて立っていられない」「握っている物を落とす」「口がもつれてしゃべにくい」などの脱力発作が数分続くことを指します。症状の程度はわずかに脱力感を覚えるほどの軽微なものから、崩れ落ちるように転倒してしまうといった重度な症状まで様々だが、長くても数分以内に収まる場合がほとんどです。

ただし発作を抑えようと緊張することで断続的に発作が起こり、20~30分もの間身動きが取れない状況(重積状態)に陥るケースもあります。発作の最中でも聴覚や意識等ははっきりしており、患者は周囲で何が起こったかを明晰に覚えています。カタプレキシーはナルコレプシー患者がよく示す症候です。

抗精神病薬|副作用|公認心理師試験

抗精神病薬副作用|公認心理師試験

◆中枢神経症状
 Ⅰ.錐体外路症状
  1.パーキンソニズム
  2.急性ジストニア
  3.急性アカシジア
  4.遅発性ジスキネジア

 Ⅱ.精神症状
  1.過鎮静
  2.認知機能障害
  3.抑うつ症状
  4.強迫症状
  5.過感受性精神病

 Ⅲ.けいれん発作と脳波異常

 Ⅳ.悪性症候群

◆自律神経症状:
  1.抗コリン性副作用
  2.抗ノルアドレナリン性副作用

【心・循環系の副作用】

◆内分泌・代謝障害:
  1.体重増加
  2.耐糖能異常
  3.性機能障害
  4.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群

◆その他の副作用:
  1.肝障害
  2.血液・造血器障害
  3.皮膚症状
  4.眼症状

※「臨床精神薬理ハンドブック」樋口輝彦/著 医学書院

・・・・・・・・・・

【向精神薬と抗精神病薬の違い】

1,向精神薬とは中枢神経に作用し精神機能(心の働き)に影響を及ぼす薬物の総称で、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などがあります。一般科においても抗不安薬や睡眠薬などは治療や検査に用いることがあります。
 
2,抗精神病薬はその作用力を示す強さ(等価用量)によって、高力価群と低力価群に分けられます。高力価群はおもに幻覚妄想に、低力価群は精神運動興奮に対する鎮静目的に使用されます。副作用においても、前者は錐体外路系に影響を及ぼすのに対し、後者は自律神経や循環器系に作用を及ぼす場合が多いとされています。

※「向精神薬の薬理作用と副作用」:日本精神科看護協会

認知機能検査|MOCA-J(モカジャパン)

認知機能検査|公認心理師試験
認知機能検査|MOCA-J(モカジャパン)|公認心理師試験

MOCA-J(モカジャパン)は認知機能のスクリーニング検査
MOCAは軽度認知機能障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)を
検出するためのスクリーニング検査として開発された。
30点満点の検査であり25点以下でMCI疑いとする。
視空間・遂行機能、命名、記憶、注意、復唱、語想起、抽象概念、
遅延再生、見当識をみることができ、
高次脳機能障害のスクリーニングとして用いることができる。

【代表的な認知機能検査】

◆Mini-Mental State Examination(MMSE)ミニメンタルステイト
◆改訂長谷川式簡易知能評価スケール(revised Hasegawa dementia scale:HDS-R)
◆MOCA(Montreal Cognitive Assessment:MoCA)
◆CDR(Clinical Dementia Rating:CDR)臨床認知症評価尺度
◆DACS-21(地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート)
◆コグニスタット日本語版 COGNISTAT(コグニスタット)

◆エーダス:Alzheimer’s Disease Assessment Scale-cognitive subscale:ADAS-cog
*アルツハイマー病の認知機能障害を評価する認知機能下位尺度(ADAS-cog)と、
精神状態等を評価する非認知機能下位尺度(ADAS-noncog)の2つの下位尺度から構成されている。

◆日本語版 Montreal Cognitive Assessment(MoCA-J)

MoCA-Jでは10分程度の個別面接式で認知機能を検査する。
MoCA-Jは主として軽度の認知機能低下を評価するツールとして活用されている。

◆MoCA-J(モカジャパン)に含まれる内容
Trail Making、図形模写(立方体)、時計描写、命名、
注意(順唱・逆唱・Target Detection・計算)、言語(文の復唱・語想起)、
抽象的思考、遅延再生、見当識の8項目からなり、
それぞれの正誤を判定して30点満点で採点する。
※教育年数が12年以下の場合には検査終了後に1点を加える。

【評価】
MoCA-Jは、26点以上を健常範囲とする報告がなされており、
25点以下でMCIのスクリーニングに有効であるとされている。

MoCAによる評価では軽度の認知機能低下を
スクリーニングすることが主たる目的となり、
MMSEやHDS-Rでは判定が困難である
「MCIの検出」に適しているとされる。
スクリーニングが主となるため、
得点の変化による認知機能改善の有無を判断するために、
アウトカム指標として用いる際は、慎重に解釈する必要がある。

◆MOCA-J(モカジャパン)は認知機能のスクリーニング検査

MOCA-J(モカジャパン)は認知機能のスクリーニング検査
MOCAは軽度認知機能障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)を
検出するためのスクリーニング検査として開発された。
30点満点の検査であり25点以下でMCI疑いとする。
視空間・遂行機能、命名、記憶、注意、復唱、語想起、抽象概念、
遅延再生、見当識をみることができ、
高次脳機能障害のスクリーニングとして用いることができる。

ただし、高次脳機能障害より認知症の診断によく用いられていますので、
多施設への申し送りや、研究発表の場合にはHDS-RやMMSEの方が、
高次脳機能障害のスクリーニング検査としては汎用性が高いため、
あわせて検査すると良い。
MCIに対しては、有酸素運動を始めとする運動が、
認知機能障害進行の抑制に効果があると言われている。
このようなスクリーニング検査で、早期に認知機能低下を発見し、
早期離床・早期運動を提供することが重要。

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
◆【SOC理論 選択的最適化理論 バルテス 公認心理師試験】
◆【アサーションチェックリスト 自己表現】
◆【ソクラテス問答法 認知行動療法】
◆【タイプA型行動パターン フリードマン】
◆【タイプa型行動パターンとタイプA型行動チェック】
◆【無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)】
◆【原因帰属理論 ワイナー 公認心理師試験】
◆【認知機能検査 MOCA-J(モカジャパン)公認心理師試験】

※その他『心理学の知識』 関連一覧のリンク

認知行動療法関連リンク

◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆仙台の認知行動療法|心理カウンセラー養成講座中級編
◆行動療法|スキナー|公認心理師試験
◆認知行動理論|認知療法|公認心理師試験
◆認知行動理論|自動思考スキーマ

自己効力感|バンデューラ|公認心理師試験

自己効力感|バンデューラ|公認心理師試験

◆バンデューラ|自己効力感(じここうりょくかん)

*英語:セルフ・エフィカシー(self-efficacy)とは、カナダ人の心理学者「アルバート・バンデューラ」(1925~   )が提唱した「自分は目標をやり遂げる事が出来るだろう」という信念のこと。自分は「きっとできる」という自己期待や有能感、物事を成し遂げることへの自信がこの自己効力感という概念。
※バンデューラは、自己効力感や社会的学習理論で知られる。
この自己効力感が低いと、批判やネガティブな感情にとらわれることが多くなり、「自分はどうせ出来ない」と思い込むことが多くなるという特徴を持つ。

【達成経験】・自己効力感は、過去の達成経験が大きく影響している。

達成経験(成功体験)とは、自分自身が何かを達成したり、成功した経験のこと。達成経験は最も自己効力感を高める要素とされている。

<<<具体例>>>

・自分が企画したイベントが大好評だった。
・独学で難関と言われる有名大学に合格した。
・何らかの大会で優勝した。
・望んでいた職業に就くため必要な資格を取得した。
・会議での提案が大好評で企画採用された。

☆何かを成し遂げるといっても簡単にやり遂げられるものではなく、長い期間、努力を継続してようやく達成できた経験が最も自己効力を高めるとされている。

◆自己効力感を高める方法◆

【言語的説得】・他者からの肯定的なフィードバック
言語的説得とは、他者から言葉によって「自分に能力がある」と励ましてもらうこと。
「実は自分は自分の思っている以上に出来るのでは?」と気づくことで考え方や見方を変える。
「仙台心理カウンセリング」のカウンセリングや心理学講座でも、上記のような気づきを体験して頂くことが期待できます。

<<<具体例>>>

・カウンセリングで、肯定し続けてもらう。
・家族や友人、知人からの励まし。
・尊敬や感謝の言葉をいただく。

※『自己効力感』 とは、人が困難に挑戦し、何か物事を成し遂げる上で、「自分は出来る」という確信を抱くことに欠かせない素質です。

◆自己肯定感

「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と思える心の状態。
自分を肯定している感覚、感情などを指す。
自己肯定感が高い人は、ストレス対処の力も高く、自己解決力も高い傾向。

対義語は、「自己否定感」

幼少期の生活・教育環境によって大きく左右されると考えられており、教育上の重要な要素だと考えられている。
自己肯定感が低いと自信が持てず。他人にどう見られているか気になり、他人の言動に過敏に反応してしまうとされている。

•自己肯定感が高い:心の受容が大きく、少々のことではめげない。意欲的に人間関係を築くことができる。
•自己肯定感が低い:自信喪失、委縮、自己否定的。

『自己肯定感を得る為には』

様々な方法があり、主に下記項目があげられる。

•認知の歪みを修正する(認知行動療法)
•達成しやすい目標を立て、数多くそれをこなすことで達成感を得る。
•失敗してしまった場合に、それは一時的なものと考えてみる(要トレーニング)
•ネガティブな言葉を用いない様に意識(トレーニング)する。
•ポジティブな言葉を意識(トレーニング)する。
•自己を否定する原因となっている人や環境から離れ、違う環境へ移る(手放すトレーニング)
•自己肯定感を得られなかった原因を探る(乳幼児期や幼少期が原因である場合がよく知られている:愛着障害など)

◆自己重要感

「自分が大切にされている」と感じること。
(コミュニケーションの場で使われることが多い)

人は「他人に認められたい」「他人から大切にされたい」「敬ってほしい」「感謝されたい」「褒められたい」などという欲求を持っています。心理学者のアブラハム・マズロー(1908~1970)は、「承認(尊重)の欲求」 という言葉で説明しています。

1、私たちは否定され続けると「自分はこの人から粗末に扱われている」と感じ、その相手に対して良い印象を持てなくなります。
2、いつも自分を認め、肯定し、感謝してくれたり、褒めてくれたりされますと「自分は大切に扱われている」「自分は重要な人間だ」と感じます。

相手の自己重要感を高めてあげることで、人間関係もスムーズに行くことが多くなることでしょう。

【自己重要感を高めることのメリット】

「自分の主張を聞いてもらいやすくなる」ため、相手の自己重要感を満たすことができれば、それだけ「自分の主張や頼みが通りやすい」ということになります。

【自己重要感を高める5つの方法】

1、相手の話を聴く(傾聴する)
2、肯定する(認める)
3、相手の興味関心を押さえる(共感やあいづち・フィードバック等)
4、感性の一致を図る(ペースを合わせる)
5、「あなたは特別」な感じを伝える

☆仙台心理カウンセリング&スクールの◆心理学講座や心理カウンセラー養成講座では「自己肯定感や自己重要感を高める方法」のトレーニングとして、交流分析やその他のツールを活用したスキルアップの手法も取り入れております。

社会的学習理論|バンデューラの自己効力感

社会的学習理論|バンデューラの自己効力感|公認心理師試験

バンデューラ(Bandura)は社会的学習に関連して、人間の行動を決定する重要な要因として自己効力感を提唱しました。(※ワイナーの原因帰属理論も関係)
バンデューラは、行動遂行の先行要因として結果期待と効力期待の2つをあげています。

バンデューラの理論 自己効力感〈self-efficacy〉

バンデューラ(Bandura)は社会的学習に関連して、人間の行動を決定する重要な要因として自己効力感を提唱しました。(※ワイナーの原因帰属理論も関係)
バンデューラは、行動遂行の先行要因として結果期待と効力期待の2つをあげています。

・結果期待
知識や過去の経験に基づき、特定の行動を行った際の結果を推測することを指します。ある行動がある結果を生み出すという推測のこと。
・効力期待
特定の結果を導くために必要な行動を自分自身が上手く行うことが出来るという確信のことを指します。ある結果を生み出すために必要な行動をうまく行うことが出来るという確信のこと。

社会的学習理論では、この2つからなる「自己効力感」という要因が行動の生起に重要であり、行動を行うかどうかの決定や課題遂行の是非や課題完了に費やす努力と時間を決定する大きな要因であるとしています。バンデューラは特に「効力期待」を重視しており、『モデリングによる代理体験で効力感をもたらす』要因が重要としています。

・成功体験は「効力期待」「結果期待」を高めるので、自分ができるという感覚が強まり、目標も高く設定されることにつながります。逆に失敗をすれば、「効力期待」は下がるため自身の能力を低く見積もることになりますし、より良い「結果期待」を生み出すことができなくなるために目標を低く設定することになります。自己効力感は「結果期待」「効力期待」によって構成され、ある行動の結果が次の「結果期待」「効力期待」に影響することがわかります。

・自己効力感は「自分が行為の主体であり、自分が行為を統制しており、外部からの要請に対応できるという確信」のことを指します。
バンデューラの社会的学習理論における人間観は「個体は環境に働きかける、つまり個体は刺激を受けて反応するだけでなく、認知が媒介することによって行動を主体的に起こす」というものでした。

◆バンデューラは自己効力感のタイプを以下のように分けています

・自己統制的自己効力感:自己の行動を制御する基本的な自己効力感
・社会的自己効力感:対人関係における自己効力感
・学業的自己効力感:学校での学習などにおける自己効力感
カンファーやバンデューラらは、自己の内的な要因が行動に与える影響を重視し、自己制御という概念を提出しています。この概念に基づくと、人は自己の行動をモニターし、その内容と自己のもつ何らかの基準(要求水準など)とを比較して行動を評価し、その結果に応じて自己の行動を統制するとされます。自己制御ができる子どもの方が、学業、社会的スキル、対処能力において優れているとされています。

※ポイント! 『高い効力感をもたらす効果的な方法は制御体験にある』

◆自己効力感の変動に影響する要因

(正確には効力期待に影響を与える要因)として以下が挙げられています。

・達成経験:
いわゆる成功体験で、自分で何かに臨み、成功したという経験を指す。失敗経験は、自己効力感が確立されていないと、効力感が弱まることになる。
・代理経験:
自分以外の他人が何かを達成・成功するのを観察すること。モデリングおよびコンピテンスと関連があります。
・言語的説得:
自身の行為を言葉で励まされること(特に経験を褒められると良い)。
・生理的情緒的高揚:
生理的状態が自己効力の判断の手掛かりになる。生理的な状態の解釈を変えることで、自己効力感を高めることができる(情動の二要因理論に似ています)。
このように、代理経験によって自己効力感が高まることが示されています。

【観察学習:モデリング】

・バンデューラの社会的学習理論の中で最も重要な学習理論が「観察学習(モデリング)」です。従来の古典的条件づけ、オペラント条件づけは、人が直接的に体験することが前提となっていましたが、観察学習の理論は、行為をする他者を観察することによって生じるというのが特徴です。
・バンデューラの行なった観察学習の実験は有名。
大人:親(モデル)が人形に暴力を振るっている動画を子どもに見せると、結果その子どもは大人と同じような行動をとるということが実証されています。
「自己効力感」とは「自分が行為の主体であり、自分が行為を統制しており、外部からの要請に対応できるという確信」のことを指します。すなわち、環境に対して統制できるという感覚を持っている人が自己効力感の高い人ということになります。
自己効力感の低い人は、自らが行為の主体ではなく行為を統制しておらず「外部からの要請に対応できない」という感覚が強いのです。
※統制⇒自己コントロール

睡眠障害|精神生理性不眠症

睡眠障害|精神生理性不眠症
不眠についての対処法

不眠についての対処法】

睡眠障害国際分類第2版(ICSD-2)では、「適切な睡眠環境下において、睡眠の質や維持に関する訴えがあり、これに基づいて日中の機能障害が認められる」と、あります。

不眠の結果生じる日中の機能障害、倦怠感、集中力・記憶の低下、気分の障害、日中の眠気、身体症状、食欲低下、意欲低下などが該当します。ライフイベントや心理的ストレス、環境変化、身体疾患などを契機として、不眠の訴えが1か月以上持続する場合を「精神生理性不眠症」と呼びます。

【不眠に関する主な対処法】

1,認知行動療法
2,筋弛緩法の実践

認知行動療法は不眠症に対する標準的な治療として推奨されており、問題の症状の維持要因となっているその人の考え方(認知)や振る舞い(行動)の癖を明らかにし、それらを改善するために癖の代わりとなる習慣の獲得を促すアプローチです。
不眠に対する認知行動療法は、不眠症に対して有効性が明らかにされた技法を組み合わせた治療パッケージの総称です。

認知行動療法【睡眠衛生指導・心理教育】

・睡眠に対する正しい知識を与え、質の良い睡眠をとることができるように生活上の条件を整え、日常生活を通して睡眠に有利に作用させるような工夫の実践を勧めていきます。
・カフェインやアルコールの摂取、日中の活動量や体温といった、科学的根拠に基づいた睡眠に影響を及ぼす要因の説明を行い、睡眠を妨害するような要因と整えるための行動変容を促すことが目的です。

◆厚生労働省医学研究班:「睡眠障害対処の12の指針」

1,睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
 睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
2,刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
 就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
 軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
3,眠くなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする
4,同じ時刻に毎日起床
 早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
 日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる
5,光の利用でよい睡眠
 目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を
6,規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
 朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進

7,昼寝をするなら、15時前の20~30分
 長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
8,眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
 寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
9,睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
 背景に睡眠の病気、専門治療が必要
10,十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
 長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意
11,睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
 睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる
12,睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
 一定時刻に服用し就床。アルコールとの併用をしない

睡眠障害対処|12の指針
睡眠障害睡眠衛生指導

睡眠障害対処|12の指針

睡眠障害睡眠衛生指導

1,睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
 睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない

2,刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
 就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
 軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

3,眠くなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする

4,同じ時刻に毎日起床
 早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
 日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

5,光の利用でよい睡眠
 目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を

6,規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
 朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進

7,昼寝をするなら、15時前の20~30分
 長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

8,眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
 寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

9,睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
 背景に睡眠の病気、専門治療が必要

10,十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
 長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意

11,睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
 睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

12,睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
 一定時刻に服用し就床。アルコールとの併用をしない

※厚生労働省医学研究班:「睡眠障害対処の12の指針」

不眠の対処法

・睡眠に対する正しい知識を得る。
・質の良い睡眠をとることができるように生活上の条件を整える。
・日常生活を通して睡眠に有利に作用させるような工夫をする。
・睡眠を妨害するような要因を避ける。
・カフェインやアルコールの摂取量と摂取時間を見直す。

健康づくりのための睡眠指針2014

~睡眠12 箇条~

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

◆第1条
良い睡眠で、からだもこころも健康に。

良い睡眠で、からだの健康づくり
良い睡眠で、こころの健康づくり
良い睡眠で、事故防止

◆第2条
適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。

定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす
朝食はからだとこころのめざめに重要
睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする
就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける

※適度な運動を習慣づけることは、入眠を促進し、
中途覚醒を減らすことにもつながります。

◆第3条
良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。

睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高める
睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる
肥満は睡眠時無呼吸のもと

※睡眠時間が不足している人や不眠がある人では、
生活習慣病になる危険性が高いことがわかってきました。
睡眠不足や不眠を解決することで、
生活習慣病の発症を予防できるとされています。

◆第4条
睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。

眠れない、睡眠による休養感が得られない場合、
こころのSOS の場合あり
睡眠による休養感がなく、日中もつらい場合、うつ病の可能性も

※寝つけない、熟睡感がない、早朝に目が覚めてしまう、疲れていても眠れない等の不眠
症状は、こころの病の症状として現れることがあります。特に、眠っても心身の回復感が
なく、気持ちが重たく、物事への関心がなくなるなど。

◆第5条
年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。

必要な睡眠時間は人それぞれ
睡眠時間は加齢で徐々に短縮
年をとると朝型化 男性でより顕著
日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番

※日本の成人の睡眠時間は6 時間以上8 時間未満の人がおよそ6 割を占め、これが標準的
な睡眠時間と考えられます。睡眠時間は、日の長い季節では短くなり、日の短い季節では
長くなるといった変化を示します。
夜間に実際に眠ることのできる時間、つまり一晩の睡眠の量は、成人してからは加齢す
るにつれて徐々に減っていきます。

◆第6条
良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。

自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる
自分の睡眠に適した環境づくり

※習慣としている自分の就寝時刻が近づくと、脳は目覚めた状態から徐々にリラックスし
た状態に移り、やがて、睡眠に入っていきます。スムーズに眠りへ移行するには、このよ
うな、就寝前の脳の変化を妨げないように、自分にあったリラックスの方法を工夫するこ
とが大切です。例えば、入浴は、ぬるめと感じる湯温で適度な時間、ゆったりとするとよ
いでしょう。良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。

◆第7条
若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。

子どもには規則正しい生活を
休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進
朝目が覚めたら日光を取り入れる
夜更かしは睡眠を悪くする

※思春期になると、子どもたちは夜更かしをするようになります。思春期から青年期にか
けては睡眠の時間帯が遅れやすい時期ですが、さらに通学時間が長いことなどにより、
うした傾向が助長されます。

◆第8条
勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。

日中の眠気が睡眠不足のサイン
睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる
睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善

※必要な睡眠時間は、個人によって大きく異なり、また、年齢によっても変わります。一
人ひとりが、自分に必要な睡眠時間を知ることが大切です。自分の睡眠時間が足りている
かどうかを知るためには、日中の眠気の程度に注意するとよいでしょう。日中の仕事や活
動に支障をきたす程度の眠気でなければ、普段の睡眠時間は足りていると考えられます。

◆第9条
熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。

寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を
適度な運動は睡眠を促進

※健康に資する睡眠時間や睡眠パターンは、年齢によって大きく異なります。高齢になる
と、若年期と比べて必要な睡眠時間が短くなります。具体的には、20 歳代に比べて、65 歳
では必要な睡眠時間が約1 時間少なくなると考えられています。したがって、年齢相応の
適切な睡眠時間を目標に、就寝時刻と起床時刻を見直し、寝床で過ごす時間を、適正化す
ることが大切です。長い時間眠ろうと、寝床で過ごす時間を必要以上に長くすると、かえ
って睡眠が浅くなり、夜中に目覚めやすくなり、結果として熟睡感が得られません。適切
な睡眠時間を確保できているかを評価する上では、日中しっかり目覚めて過ごせているか
も一つの目安になります。

◆第10条
眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。

眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする
眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

※寝つける時刻は季節や日中の身体活動量などにより変化し、一年を通じて毎日同じ時刻
に寝つくことが自然なわけではありません。就寝する2〜3 時間前の時間帯は一日の中で最
も寝つきにくい時間帯です。不眠を経験すると、心配になって早くから寝床に就こうとし
がちですが、意図的に早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります。就床時刻はあ
くまで目安であり、その日の眠気に応じて「眠くなってから寝床に就く」ことがスムーズ
な入眠への近道です。
眠たくないのに無理に眠ろうとすると、かえって緊張を高め、眠りへの移行を妨げます。

◆第11条
いつもと違う睡眠には、要注意。

睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意
眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談

※睡眠中の心身の変化には、専門的な治療を要する病気が隠れていることがあるため、注
意が必要です。睡眠中の激しいいびきは、喉のところで呼吸中の空気の流れが悪くなっ
いることを示すサインであり、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠中の呼吸に関連した病気
可能性があり注意が必要です。

◆第12条
眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

専門家に相談することが第一歩
薬剤は専門家の指示で使用

※寝つけない、熟睡感がない、十分に眠っても日中の眠気が強いことが続くなど、睡眠に
問題が生じて、日中の生活に悪い影響があり、自らの工夫だけでは改善しないと感じた時
には、早めに専門家に相談することが重要です。例えば、ひとり夜眠れないでいることは
つらいだけでなく、孤独感を感じるものです。そのつらさは家族にもなかなかわかっても
らえないことがあります。そのため、相談できる人を持つことは大きな助けとなります。