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心理学の知識

ナルコレプシー|カタプレキシー


ナルコレプシー
カタプレキシー|公認心理師国家試験

ナルコレプシー

ナルコレプシーの病態「ナルコレプシーの4大主徴」

1,睡眠発作
日中の授業中や食事中などに、発作的に耐えがたい眠気に襲われて眠り込んでしまう。
日常生活に大きな支障をきたす。
2,情動脱力発作(カタプレキシー
3,入眠時幻覚
4,睡眠麻痺
ナルコレプシーの最も基本的な症状は日中反復する居眠りがほとんど毎日数年間に渡って続く。

睡眠発作

睡眠発作とは、昼間何回も眠気に襲われ、実際に数十分も眠り込んでしまう発作性病状です。通常は10~20分くらい眠ると目が覚めてサッパリすることが特徴的で、1時間を超えることは稀。しかし、いったん目が覚めて2~3時間もすると再び眠気が襲ってきます。この時、意識的に緊張したり、身体を動かしたりすることによりある程度眠気を押さえることは可能だが、毎日続く眠気ですからずっと我慢し続けることは不可能です。睡眠発作は会議中とか、正常者でも眠気の起こりやすい時に見られることが多いが、歩行中などにも起こり得る点で正常者の眠気とは質的に異なると考えられます。(睡眠発作は強い覚醒刺激を与えると覚醒させ得るもの)

情動脱力発作

情動脱力発作とは、笑ったり驚いたりなどの主に陽性の強い情動の変化に伴って起こる全身の脱力です。この発作の持続はごく短時間であるが、骨格筋の脱力のほか顔面筋の脱力もあり、転倒したり机にうつぶせになったりすることもあります。通常、脱力は瞬間的ですぐに回復するので、周囲の人にあまり気づかれずに済むことが多いが、突然顔の力に締まりがなくなり、ろれつが回らなくなったり、しゃがみこんで床に崩れ折れてしまったりすることもあります。情動脱力発作中でも意識は保たれており、周囲の状況はよく記憶されています。ときには情動脱力発作が続けざまに起こり、数分から30分間くらい脱力状態が持続することがあり、脱力重積状態と呼ばれます。

入眠時幻覚

入眠時幻覚とは、入眠直後に目が覚めて、体を動かせず、声も出せなく不安と恐怖が強まる状態を睡眠麻痺といいます(いわゆる金縛り)。また、やはり入眠直後に「幽霊が立っている」「体が空中に浮く」などの現実感のある夢を見る事を入眠時幻覚といいます。入眠直後にレム睡眠が出現することが背景にあるとされています。入眠後まもなく体験される幻覚で、通常の夢に似るが夢よりも生々しく、現実感のある体験です。入眠時レム睡眠期に一致します。

夜間睡眠時のみならず、昼間の睡眠時や睡眠発作時にも体験されます。多くの場合、不安恐怖感のある幻覚で、何か怖いものが襲い掛かってきたり、のしかかられて苦しむといった内容のものが多く、強い現実感と恐怖感を伴う幻視、幻触、身体運動感覚、ときに幻聴が見られます。通常、目が覚めることによって悪夢であったことを悟りますが、まれには入眠時幻覚が発展して日中にも侵入し、夢幻様体験から幻覚妄想状態を呈することもあります。

睡眠麻痺

睡眠麻痺とは、通常入眠時幻覚による不安・幻覚体験に一致して、全身の脱力状態が起こることを言います(俗にいう金縛りと同じ状態です)。患者は恐怖から助けを求めて起き上がろうとしますが、全身が金縛りとなって動けず、声もほとんど出すことができません。

カタプレキシーとは、情動脱力発作のことで、笑ったり、怒ったり、緊張したり、と感情の動き(情動)が誘引となって、「膝の力が抜けて立っていられない」「握っている物を落とす」「口がもつれてしゃべにくい」などの脱力発作が数分続くことを指します。症状の程度はわずかに脱力感を覚えるほどの軽微なものから、崩れ落ちるように転倒してしまうといった重度な症状まで様々だが、長くても数分以内に収まる場合がほとんどです。

ただし発作を抑えようと緊張することで断続的に発作が起こり、20~30分もの間身動きが取れない状況(重積状態)に陥るケースもあります。発作の最中でも聴覚や意識等ははっきりしており、患者は周囲で何が起こったかを明晰に覚えています。カタプレキシーはナルコレプシー患者がよく示す症候です。

抗精神病薬|副作用|公認心理師試験

抗精神病薬副作用|公認心理師試験

◆中枢神経症状
 Ⅰ.錐体外路症状
  1.パーキンソニズム
  2.急性ジストニア
  3.急性アカシジア
  4.遅発性ジスキネジア

 Ⅱ.精神症状
  1.過鎮静
  2.認知機能障害
  3.抑うつ症状
  4.強迫症状
  5.過感受性精神病

 Ⅲ.けいれん発作と脳波異常

 Ⅳ.悪性症候群

◆自律神経症状:
  1.抗コリン性副作用
  2.抗ノルアドレナリン性副作用

【心・循環系の副作用】

◆内分泌・代謝障害:
  1.体重増加
  2.耐糖能異常
  3.性機能障害
  4.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群

◆その他の副作用:
  1.肝障害
  2.血液・造血器障害
  3.皮膚症状
  4.眼症状

※「臨床精神薬理ハンドブック」樋口輝彦/著 医学書院

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【向精神薬と抗精神病薬の違い】

1,向精神薬とは中枢神経に作用し精神機能(心の働き)に影響を及ぼす薬物の総称で、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などがあります。一般科においても抗不安薬や睡眠薬などは治療や検査に用いることがあります。
 
2,抗精神病薬はその作用力を示す強さ(等価用量)によって、高力価群と低力価群に分けられます。高力価群はおもに幻覚妄想に、低力価群は精神運動興奮に対する鎮静目的に使用されます。副作用においても、前者は錐体外路系に影響を及ぼすのに対し、後者は自律神経や循環器系に作用を及ぼす場合が多いとされています。

※「向精神薬の薬理作用と副作用」:日本精神科看護協会

認知機能検査|MOCA-J(モカジャパン)

認知機能検査|公認心理師試験
認知機能検査|MOCA-J(モカジャパン)|公認心理師試験

MOCA-J(モカジャパン)は認知機能のスクリーニング検査
MOCAは軽度認知機能障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)を
検出するためのスクリーニング検査として開発された。
30点満点の検査であり25点以下でMCI疑いとする。
視空間・遂行機能、命名、記憶、注意、復唱、語想起、抽象概念、
遅延再生、見当識をみることができ、
高次脳機能障害のスクリーニングとして用いることができる。

【代表的な認知機能検査】

◆Mini-Mental State Examination(MMSE)ミニメンタルステイト
◆改訂長谷川式簡易知能評価スケール(revised Hasegawa dementia scale:HDS-R)
◆MOCA(Montreal Cognitive Assessment:MoCA)
◆CDR(Clinical Dementia Rating:CDR)臨床認知症評価尺度
◆DACS-21(地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート)
◆コグニスタット日本語版 COGNISTAT(コグニスタット)

◆エーダス:Alzheimer’s Disease Assessment Scale-cognitive subscale:ADAS-cog
*アルツハイマー病の認知機能障害を評価する認知機能下位尺度(ADAS-cog)と、
精神状態等を評価する非認知機能下位尺度(ADAS-noncog)の2つの下位尺度から構成されている。

◆日本語版 Montreal Cognitive Assessment(MoCA-J)

MoCA-Jでは10分程度の個別面接式で認知機能を検査する。
MoCA-Jは主として軽度の認知機能低下を評価するツールとして活用されている。

◆MoCA-J(モカジャパン)に含まれる内容
Trail Making、図形模写(立方体)、時計描写、命名、
注意(順唱・逆唱・Target Detection・計算)、言語(文の復唱・語想起)、
抽象的思考、遅延再生、見当識の8項目からなり、
それぞれの正誤を判定して30点満点で採点する。
※教育年数が12年以下の場合には検査終了後に1点を加える。

【評価】
MoCA-Jは、26点以上を健常範囲とする報告がなされており、
25点以下でMCIのスクリーニングに有効であるとされている。

MoCAによる評価では軽度の認知機能低下を
スクリーニングすることが主たる目的となり、
MMSEやHDS-Rでは判定が困難である
「MCIの検出」に適しているとされる。
スクリーニングが主となるため、
得点の変化による認知機能改善の有無を判断するために、
アウトカム指標として用いる際は、慎重に解釈する必要がある。

◆MOCA-J(モカジャパン)は認知機能のスクリーニング検査

MOCA-J(モカジャパン)は認知機能のスクリーニング検査
MOCAは軽度認知機能障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)を
検出するためのスクリーニング検査として開発された。
30点満点の検査であり25点以下でMCI疑いとする。
視空間・遂行機能、命名、記憶、注意、復唱、語想起、抽象概念、
遅延再生、見当識をみることができ、
高次脳機能障害のスクリーニングとして用いることができる。

ただし、高次脳機能障害より認知症の診断によく用いられていますので、
多施設への申し送りや、研究発表の場合にはHDS-RやMMSEの方が、
高次脳機能障害のスクリーニング検査としては汎用性が高いため、
あわせて検査すると良い。
MCIに対しては、有酸素運動を始めとする運動が、
認知機能障害進行の抑制に効果があると言われている。
このようなスクリーニング検査で、早期に認知機能低下を発見し、
早期離床・早期運動を提供することが重要。

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
◆【SOC理論 選択的最適化理論 バルテス 公認心理師試験】
◆【アサーションチェックリスト 自己表現】
◆【ソクラテス問答法 認知行動療法】
◆【タイプA型行動パターン フリードマン】
◆【タイプa型行動パターンとタイプA型行動チェック】
◆【無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)】
◆【原因帰属理論 ワイナー 公認心理師試験】
◆【認知機能検査 MOCA-J(モカジャパン)公認心理師試験】

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認知行動療法関連リンク

◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆仙台の認知行動療法|心理カウンセラー養成講座中級編
◆行動療法|スキナー|公認心理師試験
◆認知行動理論|認知療法|公認心理師試験
◆認知行動理論|自動思考スキーマ

自己効力感|バンデューラ|公認心理師試験

自己効力感|バンデューラ|公認心理師試験

◆バンデューラ|自己効力感(じここうりょくかん)

*英語:セルフ・エフィカシー(self-efficacy)とは、カナダ人の心理学者「アルバート・バンデューラ」(1925~   )が提唱した「自分は目標をやり遂げる事が出来るだろう」という信念のこと。自分は「きっとできる」という自己期待や有能感、物事を成し遂げることへの自信がこの自己効力感という概念。
※バンデューラは、自己効力感や社会的学習理論で知られる。
この自己効力感が低いと、批判やネガティブな感情にとらわれることが多くなり、「自分はどうせ出来ない」と思い込むことが多くなるという特徴を持つ。

【達成経験】・自己効力感は、過去の達成経験が大きく影響している。

達成経験(成功体験)とは、自分自身が何かを達成したり、成功した経験のこと。達成経験は最も自己効力感を高める要素とされている。

<<<具体例>>>

・自分が企画したイベントが大好評だった。
・独学で難関と言われる有名大学に合格した。
・何らかの大会で優勝した。
・望んでいた職業に就くため必要な資格を取得した。
・会議での提案が大好評で企画採用された。

☆何かを成し遂げるといっても簡単にやり遂げられるものではなく、長い期間、努力を継続してようやく達成できた経験が最も自己効力を高めるとされている。

◆自己効力感を高める方法◆

【言語的説得】・他者からの肯定的なフィードバック
言語的説得とは、他者から言葉によって「自分に能力がある」と励ましてもらうこと。
「実は自分は自分の思っている以上に出来るのでは?」と気づくことで考え方や見方を変える。
「仙台心理カウンセリング」のカウンセリングや心理学講座でも、上記のような気づきを体験して頂くことが期待できます。

<<<具体例>>>

・カウンセリングで、肯定し続けてもらう。
・家族や友人、知人からの励まし。
・尊敬や感謝の言葉をいただく。

※『自己効力感』 とは、人が困難に挑戦し、何か物事を成し遂げる上で、「自分は出来る」という確信を抱くことに欠かせない素質です。

◆自己肯定感

「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と思える心の状態。
自分を肯定している感覚、感情などを指す。
自己肯定感が高い人は、ストレス対処の力も高く、自己解決力も高い傾向。

対義語は、「自己否定感」

幼少期の生活・教育環境によって大きく左右されると考えられており、教育上の重要な要素だと考えられている。
自己肯定感が低いと自信が持てず。他人にどう見られているか気になり、他人の言動に過敏に反応してしまうとされている。

•自己肯定感が高い:心の受容が大きく、少々のことではめげない。意欲的に人間関係を築くことができる。
•自己肯定感が低い:自信喪失、委縮、自己否定的。

『自己肯定感を得る為には』

様々な方法があり、主に下記項目があげられる。

•認知の歪みを修正する(認知行動療法)
•達成しやすい目標を立て、数多くそれをこなすことで達成感を得る。
•失敗してしまった場合に、それは一時的なものと考えてみる(要トレーニング)
•ネガティブな言葉を用いない様に意識(トレーニング)する。
•ポジティブな言葉を意識(トレーニング)する。
•自己を否定する原因となっている人や環境から離れ、違う環境へ移る(手放すトレーニング)
•自己肯定感を得られなかった原因を探る(乳幼児期や幼少期が原因である場合がよく知られている:愛着障害など)

◆自己重要感

「自分が大切にされている」と感じること。
(コミュニケーションの場で使われることが多い)

人は「他人に認められたい」「他人から大切にされたい」「敬ってほしい」「感謝されたい」「褒められたい」などという欲求を持っています。心理学者のアブラハム・マズロー(1908~1970)は、「承認(尊重)の欲求」 という言葉で説明しています。

1、私たちは否定され続けると「自分はこの人から粗末に扱われている」と感じ、その相手に対して良い印象を持てなくなります。
2、いつも自分を認め、肯定し、感謝してくれたり、褒めてくれたりされますと「自分は大切に扱われている」「自分は重要な人間だ」と感じます。

相手の自己重要感を高めてあげることで、人間関係もスムーズに行くことが多くなることでしょう。

【自己重要感を高めることのメリット】

「自分の主張を聞いてもらいやすくなる」ため、相手の自己重要感を満たすことができれば、それだけ「自分の主張や頼みが通りやすい」ということになります。

【自己重要感を高める5つの方法】

1、相手の話を聴く(傾聴する)
2、肯定する(認める)
3、相手の興味関心を押さえる(共感やあいづち・フィードバック等)
4、感性の一致を図る(ペースを合わせる)
5、「あなたは特別」な感じを伝える

☆仙台心理カウンセリング&スクールの◆心理学講座や心理カウンセラー養成講座では「自己肯定感や自己重要感を高める方法」のトレーニングとして、交流分析やその他のツールを活用したスキルアップの手法も取り入れております。

社会的学習理論|バンデューラの自己効力感

社会的学習理論|バンデューラの自己効力感|公認心理師試験

バンデューラ(Bandura)は社会的学習に関連して、人間の行動を決定する重要な要因として自己効力感を提唱しました。(※ワイナーの原因帰属理論も関係)
バンデューラは、行動遂行の先行要因として結果期待と効力期待の2つをあげています。

バンデューラの理論 自己効力感〈self-efficacy〉

バンデューラ(Bandura)は社会的学習に関連して、人間の行動を決定する重要な要因として自己効力感を提唱しました。(※ワイナーの原因帰属理論も関係)
バンデューラは、行動遂行の先行要因として結果期待と効力期待の2つをあげています。

・結果期待
知識や過去の経験に基づき、特定の行動を行った際の結果を推測することを指します。ある行動がある結果を生み出すという推測のこと。
・効力期待
特定の結果を導くために必要な行動を自分自身が上手く行うことが出来るという確信のことを指します。ある結果を生み出すために必要な行動をうまく行うことが出来るという確信のこと。

社会的学習理論では、この2つからなる「自己効力感」という要因が行動の生起に重要であり、行動を行うかどうかの決定や課題遂行の是非や課題完了に費やす努力と時間を決定する大きな要因であるとしています。バンデューラは特に「効力期待」を重視しており、『モデリングによる代理体験で効力感をもたらす』要因が重要としています。

・成功体験は「効力期待」「結果期待」を高めるので、自分ができるという感覚が強まり、目標も高く設定されることにつながります。逆に失敗をすれば、「効力期待」は下がるため自身の能力を低く見積もることになりますし、より良い「結果期待」を生み出すことができなくなるために目標を低く設定することになります。自己効力感は「結果期待」「効力期待」によって構成され、ある行動の結果が次の「結果期待」「効力期待」に影響することがわかります。

・自己効力感は「自分が行為の主体であり、自分が行為を統制しており、外部からの要請に対応できるという確信」のことを指します。
バンデューラの社会的学習理論における人間観は「個体は環境に働きかける、つまり個体は刺激を受けて反応するだけでなく、認知が媒介することによって行動を主体的に起こす」というものでした。

◆バンデューラは自己効力感のタイプを以下のように分けています

・自己統制的自己効力感:自己の行動を制御する基本的な自己効力感
・社会的自己効力感:対人関係における自己効力感
・学業的自己効力感:学校での学習などにおける自己効力感
カンファーやバンデューラらは、自己の内的な要因が行動に与える影響を重視し、自己制御という概念を提出しています。この概念に基づくと、人は自己の行動をモニターし、その内容と自己のもつ何らかの基準(要求水準など)とを比較して行動を評価し、その結果に応じて自己の行動を統制するとされます。自己制御ができる子どもの方が、学業、社会的スキル、対処能力において優れているとされています。

※ポイント! 『高い効力感をもたらす効果的な方法は制御体験にある』

◆自己効力感の変動に影響する要因

(正確には効力期待に影響を与える要因)として以下が挙げられています。

・達成経験:
いわゆる成功体験で、自分で何かに臨み、成功したという経験を指す。失敗経験は、自己効力感が確立されていないと、効力感が弱まることになる。
・代理経験:
自分以外の他人が何かを達成・成功するのを観察すること。モデリングおよびコンピテンスと関連があります。
・言語的説得:
自身の行為を言葉で励まされること(特に経験を褒められると良い)。
・生理的情緒的高揚:
生理的状態が自己効力の判断の手掛かりになる。生理的な状態の解釈を変えることで、自己効力感を高めることができる(情動の二要因理論に似ています)。
このように、代理経験によって自己効力感が高まることが示されています。

【観察学習:モデリング】

・バンデューラの社会的学習理論の中で最も重要な学習理論が「観察学習(モデリング)」です。従来の古典的条件づけ、オペラント条件づけは、人が直接的に体験することが前提となっていましたが、観察学習の理論は、行為をする他者を観察することによって生じるというのが特徴です。
・バンデューラの行なった観察学習の実験は有名。
大人:親(モデル)が人形に暴力を振るっている動画を子どもに見せると、結果その子どもは大人と同じような行動をとるということが実証されています。
「自己効力感」とは「自分が行為の主体であり、自分が行為を統制しており、外部からの要請に対応できるという確信」のことを指します。すなわち、環境に対して統制できるという感覚を持っている人が自己効力感の高い人ということになります。
自己効力感の低い人は、自らが行為の主体ではなく行為を統制しておらず「外部からの要請に対応できない」という感覚が強いのです。
※統制⇒自己コントロール

睡眠障害|精神生理性不眠症

睡眠障害|精神生理性不眠症
不眠についての対処法

不眠についての対処法】

睡眠障害国際分類第2版(ICSD-2)では、「適切な睡眠環境下において、睡眠の質や維持に関する訴えがあり、これに基づいて日中の機能障害が認められる」と、あります。

不眠の結果生じる日中の機能障害、倦怠感、集中力・記憶の低下、気分の障害、日中の眠気、身体症状、食欲低下、意欲低下などが該当します。ライフイベントや心理的ストレス、環境変化、身体疾患などを契機として、不眠の訴えが1か月以上持続する場合を「精神生理性不眠症」と呼びます。

【不眠に関する主な対処法】

1,認知行動療法
2,筋弛緩法の実践

認知行動療法は不眠症に対する標準的な治療として推奨されており、問題の症状の維持要因となっているその人の考え方(認知)や振る舞い(行動)の癖を明らかにし、それらを改善するために癖の代わりとなる習慣の獲得を促すアプローチです。
不眠に対する認知行動療法は、不眠症に対して有効性が明らかにされた技法を組み合わせた治療パッケージの総称です。

認知行動療法【睡眠衛生指導・心理教育】

・睡眠に対する正しい知識を与え、質の良い睡眠をとることができるように生活上の条件を整え、日常生活を通して睡眠に有利に作用させるような工夫の実践を勧めていきます。
・カフェインやアルコールの摂取、日中の活動量や体温といった、科学的根拠に基づいた睡眠に影響を及ぼす要因の説明を行い、睡眠を妨害するような要因と整えるための行動変容を促すことが目的です。

◆厚生労働省医学研究班:「睡眠障害対処の12の指針」

1,睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
 睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
2,刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
 就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
 軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
3,眠くなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする
4,同じ時刻に毎日起床
 早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
 日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる
5,光の利用でよい睡眠
 目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を
6,規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
 朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進

7,昼寝をするなら、15時前の20~30分
 長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
8,眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
 寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
9,睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
 背景に睡眠の病気、専門治療が必要
10,十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
 長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意
11,睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
 睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる
12,睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
 一定時刻に服用し就床。アルコールとの併用をしない

睡眠障害対処|12の指針
睡眠障害睡眠衛生指導

睡眠障害対処|12の指針

睡眠障害睡眠衛生指導

1,睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
 睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない

2,刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
 就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
 軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

3,眠くなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする

4,同じ時刻に毎日起床
 早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
 日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

5,光の利用でよい睡眠
 目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を

6,規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
 朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進

7,昼寝をするなら、15時前の20~30分
 長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

8,眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
 寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

9,睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
 背景に睡眠の病気、専門治療が必要

10,十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
 長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意

11,睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
 睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

12,睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
 一定時刻に服用し就床。アルコールとの併用をしない

※厚生労働省医学研究班:「睡眠障害対処の12の指針」

不眠の対処法

・睡眠に対する正しい知識を得る。
・質の良い睡眠をとることができるように生活上の条件を整える。
・日常生活を通して睡眠に有利に作用させるような工夫をする。
・睡眠を妨害するような要因を避ける。
・カフェインやアルコールの摂取量と摂取時間を見直す。

健康づくりのための睡眠指針2014

~睡眠12 箇条~

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

◆第1条
良い睡眠で、からだもこころも健康に。

良い睡眠で、からだの健康づくり
良い睡眠で、こころの健康づくり
良い睡眠で、事故防止

◆第2条
適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。

定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす
朝食はからだとこころのめざめに重要
睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする
就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける

※適度な運動を習慣づけることは、入眠を促進し、
中途覚醒を減らすことにもつながります。

◆第3条
良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。

睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高める
睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる
肥満は睡眠時無呼吸のもと

※睡眠時間が不足している人や不眠がある人では、
生活習慣病になる危険性が高いことがわかってきました。
睡眠不足や不眠を解決することで、
生活習慣病の発症を予防できるとされています。

◆第4条
睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。

眠れない、睡眠による休養感が得られない場合、
こころのSOS の場合あり
睡眠による休養感がなく、日中もつらい場合、うつ病の可能性も

※寝つけない、熟睡感がない、早朝に目が覚めてしまう、疲れていても眠れない等の不眠
症状は、こころの病の症状として現れることがあります。特に、眠っても心身の回復感が
なく、気持ちが重たく、物事への関心がなくなるなど。

◆第5条
年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。

必要な睡眠時間は人それぞれ
睡眠時間は加齢で徐々に短縮
年をとると朝型化 男性でより顕著
日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番

※日本の成人の睡眠時間は6 時間以上8 時間未満の人がおよそ6 割を占め、これが標準的
な睡眠時間と考えられます。睡眠時間は、日の長い季節では短くなり、日の短い季節では
長くなるといった変化を示します。
夜間に実際に眠ることのできる時間、つまり一晩の睡眠の量は、成人してからは加齢す
るにつれて徐々に減っていきます。

◆第6条
良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。

自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる
自分の睡眠に適した環境づくり

※習慣としている自分の就寝時刻が近づくと、脳は目覚めた状態から徐々にリラックスし
た状態に移り、やがて、睡眠に入っていきます。スムーズに眠りへ移行するには、このよ
うな、就寝前の脳の変化を妨げないように、自分にあったリラックスの方法を工夫するこ
とが大切です。例えば、入浴は、ぬるめと感じる湯温で適度な時間、ゆったりとするとよ
いでしょう。良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。

◆第7条
若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。

子どもには規則正しい生活を
休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進
朝目が覚めたら日光を取り入れる
夜更かしは睡眠を悪くする

※思春期になると、子どもたちは夜更かしをするようになります。思春期から青年期にか
けては睡眠の時間帯が遅れやすい時期ですが、さらに通学時間が長いことなどにより、
うした傾向が助長されます。

◆第8条
勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。

日中の眠気が睡眠不足のサイン
睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる
睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善

※必要な睡眠時間は、個人によって大きく異なり、また、年齢によっても変わります。一
人ひとりが、自分に必要な睡眠時間を知ることが大切です。自分の睡眠時間が足りている
かどうかを知るためには、日中の眠気の程度に注意するとよいでしょう。日中の仕事や活
動に支障をきたす程度の眠気でなければ、普段の睡眠時間は足りていると考えられます。

◆第9条
熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。

寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を
適度な運動は睡眠を促進

※健康に資する睡眠時間や睡眠パターンは、年齢によって大きく異なります。高齢になる
と、若年期と比べて必要な睡眠時間が短くなります。具体的には、20 歳代に比べて、65 歳
では必要な睡眠時間が約1 時間少なくなると考えられています。したがって、年齢相応の
適切な睡眠時間を目標に、就寝時刻と起床時刻を見直し、寝床で過ごす時間を、適正化す
ることが大切です。長い時間眠ろうと、寝床で過ごす時間を必要以上に長くすると、かえ
って睡眠が浅くなり、夜中に目覚めやすくなり、結果として熟睡感が得られません。適切
な睡眠時間を確保できているかを評価する上では、日中しっかり目覚めて過ごせているか
も一つの目安になります。

◆第10条
眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。

眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする
眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

※寝つける時刻は季節や日中の身体活動量などにより変化し、一年を通じて毎日同じ時刻
に寝つくことが自然なわけではありません。就寝する2〜3 時間前の時間帯は一日の中で最
も寝つきにくい時間帯です。不眠を経験すると、心配になって早くから寝床に就こうとし
がちですが、意図的に早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります。就床時刻はあ
くまで目安であり、その日の眠気に応じて「眠くなってから寝床に就く」ことがスムーズ
な入眠への近道です。
眠たくないのに無理に眠ろうとすると、かえって緊張を高め、眠りへの移行を妨げます。

◆第11条
いつもと違う睡眠には、要注意。

睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意
眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談

※睡眠中の心身の変化には、専門的な治療を要する病気が隠れていることがあるため、注
意が必要です。睡眠中の激しいいびきは、喉のところで呼吸中の空気の流れが悪くなっ
いることを示すサインであり、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠中の呼吸に関連した病気
可能性があり注意が必要です。

◆第12条
眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

専門家に相談することが第一歩
薬剤は専門家の指示で使用

※寝つけない、熟睡感がない、十分に眠っても日中の眠気が強いことが続くなど、睡眠に
問題が生じて、日中の生活に悪い影響があり、自らの工夫だけでは改善しないと感じた時
には、早めに専門家に相談することが重要です。例えば、ひとり夜眠れないでいることは
つらいだけでなく、孤独感を感じるものです。そのつらさは家族にもなかなかわかっても
らえないことがあります。そのため、相談できる人を持つことは大きな助けとなります。

SOC理論|選択的最適化理論 バルテス

SOC理論|選択的最適化理論|高齢者に関する理論
公認心理師試験

SOC理論|選択的最適化理論|高齢者に関する理論

SOC理論とは、Baltesが提唱した高齢期の自己制御方略に関する理論。
選択的最適化理論」とも呼ばれる。
ポール・バルテス(1939〜2006)ドイツ出身の心理学者による生涯学習の獲得・喪失モデル。(gain/loss model)
高齢者が目標調整、変更しながら、今ある身体的・認知的資源を使い、少しでも喪失以前の状態に近づこうとする方略を指す。

SOCとは、以下を指している。

・喪失に基づく目標の選択(Loss-based Selection)
若い頃には可能であったことが上手くできなくなった時、若い頃よりも目標を下げる行為を指す。
例:社交ダンスで年4回の大会出場を目標にしていたが、年1回の出場を目標にする。
・資源の最適化(Optimization)
選んだ目標に対して、自分の持っている時間や身体的能力といった資源を効率よく割り振ることを指す。
例:週4回通っていた社交ダンス教室を半分の2回に減らす。
・補償(Compensation)
他者からの助けを利用することや、今まで使っていなかった補助的な機器(杖)を利用したりすることを指す。
例:自分で習い事に行っていたけど、家族に送ってもらう。

ハヴィガーストの「活動理論」と、カミング&ヘンリーの「離脱理論」の間にあるような理論。
・活動理論:望ましい老化とは、可能な限り中年期のときの活動を保持し、仕事では定年退職などで活動を放棄せざるを得ない場合、代わりの活動を見つけ出すことで活動性を維持すること。
・離脱理論:高齢者は自ら社会からの離脱を望み、社会は離脱しやすいようなシステムを用意して高齢者を解放する。高齢者が社会から離れていくのは自然なことと、とらえている。

他にも以下のような理論が高齢者にはあります。
・社会情動的選択性理論:時間的見通しによる動機づけの変化によって、エイジングパラドックスを説明しようとする。
残り時間が限定的だと感じると、感情的に価値ある行動(嫌な人とは付き合わない、やりたいことだけをやる等)のような、情動的に満足できる目標や活動に傾倒するとされている。
・老年的超越理論:Tornstamによって、離脱理論、精神分析、禅を取り入れて構築された。加齢とともに、物質的・合理的(経済的)な視点から、神秘的・超越的な視点に移行するので、喪失はあっても心理的には安定を保つことが可能であるという考え。

生涯発達心理学の獲得・喪失モデル(gain/loss model)

私たちは人間の生涯について、ある程度共通した認識を持っています。それは、バルテスのような一生を研究のために費やした人々による成果を基礎にしています。バルテスが拡めた概念は現在、世の中に根付いている。
代表的なものが、獲得・喪失モデル(Baltes, 1987)。このモデルは厳密に、環境への適応能力(adaptive capacity)の獲得と喪失に関する理論。環境適応は、加齢による影響を受ける典型的なものである。

生涯発達心理学(生涯学習の心理学)のストーリー

◆バルテスによる「生涯発達心理学」は、その名の通り、生涯を通した発達を模索することで、サクセスフル・エイジング(幸福に年齢を重ねていくこと)を目指している。バルテスは、そのための研究にとって大事なストーリーを示している。発達と言っても、その内容には様々なものがあり、加齢によって変化するものと、そうでないものがある。

「生涯発達心理学」は、加齢をテーマとしている。このうち、加齢によって変化するものを研究の対象としている。加齢による変化とは「何らかの能力の獲得(成長)」と、「何らかの能力の喪失(衰退)」によって表現でき、この獲得と喪失の間にはダイナミックな相互関係も見られる。

【SOC理論の3要素】

・目標の選択(Selction)
・資源の最適化(Optimization)
・補償(Compensation)
※3つの頭文字で→「SOC理論」

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
◆【SOC理論 選択的最適化理論 バルテス】
◆【アサーションチェックリスト 自己表現】
◆【ソクラテス問答法 認知行動療法】
◆【タイプA型行動パターン フリードマン】
◆【タイプa型行動パターンとタイプA型行動チェック】
◆【無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)】
◆【原因帰属理論 ワイナー 公認心理師試験】
◆【認知機能検査 MOCA-J(モカジャパン)公認心理師試験】
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認知行動療法関連リンク

◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆仙台の認知行動療法|心理カウンセラー養成講座中級編
◆行動療法|スキナー|公認心理師試験

◆認知行動理論|認知療法|公認心理師試験
◆認知行動理論|自動思考スキーマ

学校における一次・二次・三次的援助サービス

学校における一次・二次・三次的援助サービス
公認心理師試験

【学校における一次・二次・三次的援助サービス】

「児童生徒の教育相談の充実について~学校の教育力を高める組織的な教育相談体制づくり~(報告)」(文部科学省)
この中でSC(スクールカウンセラー)には学校における予防開発的援助と問題対応があるとされています。3段階の心理教育的援助サービスは、子どもの教育における支援のモデルであり、SCの仕事の整理に役立つとされています(現任者講習会テキスト:日本心理研修センター発行)。

石隈らは、イギリスの「特別な教育的ニーズ」という概念を踏まえ、生徒が抱える問題によって生徒を分類してそれぞれに対する援助の制度を考えるのではなく、一人ひとりの生徒の発達上の問題における援助ニーズの大きさに応じる援助サービスシステムを検討してきました。そして、生徒の援助ニーズに応じる心理教育的援助サービスは、Caplan(1970)やCowen(1977)を参考に、一次的関与、二次的関与、三次的関与に分けることができるとした(石隈、1992)。石隈利紀先生の「学校心理学」の考え方が重要。

一次的援助サービス

「すべての子ども」を対象に行われる発達促進的、予防的援助サービスを指します。予防的援助サービスは、ある場面で多くの生徒が出会う問題を予測して前もって援助することを指し、発達促進的サービスは、生徒の一般的な適応能力(学習スキル、対人関係能力等)の発達を促進するサービスを指します。分かる授業づくり、安心して安全に過ごせる学級づくり、SST、ストレスマネジメント学習、自殺予防プログラムなどの心の健康教育などです。一次的援助サービスの主役は教師であり、SCはコンサルテーションを通して教師を援助することになります。

『一次的援助サービスには発達障害の子どもへの支援を含む』

一次的援助サービスとは、上記の通り「すべての子ども」を対象に行われる発達促進的、予防的援助サービスです。発達障害の子どもも含めてクラス全員の子どもが「わかる・できる」授業づくりの支援などもこちらに該当します。
注! 二次的及び三次的援助サービスでも発達障害の子どもへの支援はありますが、それは状態の悪化によって等。一次的援助サービスでは、発達障害の子どもを含めた全体への支援という形を取ります。合理的配慮なども絡んでくる考え方になります。

二次的援助サービス

登校しぶり、学習意欲の低下、孤立など、学校生活で苦戦している、もしくは転校生などの苦戦する可能性が高い「一部の子ども」を対象に行います。苦戦している一部の子どもに対して早期発見・早期対応を旨とした関わりになります。
二次的援助サービスでも教師が重要になってきますが、SCはコンサルテーションを行なったり、必要に応じてその生徒の援助チームを結成するように勧めます。重篤化を予防する支援をこれらの援助チームと共に行います。

三次的援助サービス

「特別な援助ニーズを持つ」ことが要件で、不登校、いじめ、非行、虐待などの問題状況によって特別な援助ニーズを持つ「特定の子ども」を対象に行われます。一人ひとりの子どもの問題状況は異なるため、それぞれの子どもの状況について心理アセスメントを行い、具体的な援助を組み立てながら問題の解決にあたります。「特別な援助ニーズ」が出てくるような状況と捉えることができます。
・教育・援助目標(長期の目標、短期の目標)を立ててそれを達成するための教育計画を作り実践していきます。
・教師や保護者、SSWなどの他職種によるチーム援助が必要となり、それぞれの立場で力を尽くすことが求められます。

◆一次的援助サービスを基盤とした上で子どもの援助ニーズに応じた二次的援助サービス、三次的援助サービスを提供しながら行われます。SCは相談室で児童生徒のカウンセリングを行うとき、児童生徒の援助ニーズが一次的援助サービスでどう満たされているかについてアセスメントする必要があるとされています。(Caplanによる予防の概念と同様)
・キャプランの概念における第三次予防は、次の世代の不適応に対する第一次予防と円環的に繋がっています。第三次援助サービスも、それによって回復して第一次援助サービスと円環的に繋がっていくことになります。

まとめ

【一次的援助】
すべての子ども。問題の未然防止と早期発見のための取り組み。
※発達障害の子どもへの支援を含む。

【二次的援助】
登校しぶり、学習意欲の低下、友人関係の不調等、危機に陥る危険性の大きい子どもの援助。
問題が大きくなる前に、対応することが特に重要。

【三次的援助】
いじめや不登校、非行等で特別援助を必要とする子ども。

※個別にアセスメントをし、支援方針を立てていく必要がある。

関連リンク

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アレキシサイミア|失感情症|公認心理師試験

失感情症|アレキサイミア|公認心理師試験

失感情症(アレキシサイミア)は、シフネオス医師が提唱した性格特性です。自分の感情(情動)への気づきや、その感情の言語化の障害、また内省の乏しさといった点に特徴があると言われています。心身症の発症の仕組みの説明に用いられる概念ですが、近年は衝動性や共感能力の欠如など、ストレス対処や対人関係を巡る問題との関連が研究されています。

この失感情症(アレキシサイミア:a-lexi-thymia)という言葉が最初に唱えられたのは1972年のことです。ハーバード大学マサチューセッツ総合病院のP.E.シフネオス医師は長年、いわゆる古典的「心身症」と言われていた患者さん達(潰瘍性大腸炎や気管支喘息など)の治療に取り組んでいました。その臨床経験から心理的な特徴があることを見出しました。

あまり生気が感じられず、葛藤状況やフラストレーションがたまる状況では、内省したり困難に上手に対処したりするのではなく、むしろそれを避けるための行動(防衛機制:逃避)に走ってしまうというのです。そしてその最大の特徴は「自分の感情を表現する言葉を見つけるのが難しい」ということでした。そこから感情を言い表す言葉が欠けていること=失感情(言語化)症という概念が出てきたのです。

【心身症というからだの病気と、感情を言葉にすることが難しいということとに関係がある】
私たちの心とからだは密接に関係があります。不安や恐怖あるいは喜びといった「喜怒哀楽」は情動(emotion)と呼ばれ、怒ると顔が真っ赤になったり、恐怖に襲われ不安になると心臓がドキドキします。このように情動はからだの変化と直結し、自律神経系の変化や表情・声の変化といったからだの変化と一体となっています。この情動の変化はまた、私たちの主観的な気持ち=感情(feelings)の変化とも結びついています。

この感情の変化について、私たちは自分が「腹が立っている」とか「とっても怖い思いをした」とその感情に気づき、それを言葉で表現をすることを普段何気なく行っていますが、心身症の患者さんたちはどうもそうしたことが上手ではないのではないかというのです。

◆失感情症の概念は研究者の間で検討され、以下の特徴としてまとめられました。
1,自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。
2,感情を他人に言葉で示すことが困難である。
3,貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。
4,(自己の内面よりも)刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイル。

こうした特徴に関して、興味深いことに最近の脳科学研究から、自分の内的な感情に気づき・表すことと、自分とは一端離れた視点(他人の視点に立つ)を持つこと=自分を客体化できることとが、実は密接に関係していることがわかってきました。感情の気づきの問題は共感性、また想像力・空想力などとも大いに関連しているのです。

自分の感情の微妙な変化に気づき言葉に出来ることは、彩り豊かな精神生活を送りスムーズな対人関係を築くことにもつながっていると言うわけです。このように「失感情症」を理解することは、心とからだの関係だけでなく、自分と他人との関係のあり方を理解する上でも欠かせないキーワードになって来ています。

※参考
小牧 元
元 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 心身医学研究部

ハミルトンうつ病評価尺度|点数 HAM-D 心理検査

ハミルトンうつ病評価尺度|HAM-D|公認心理師試験
正式名称 ハミルトンうつ病評価尺度
(Hamilton Depression Rating Scale:HDRS)
HamiltonのHAMとうつ病の英語であるDepressionから、HAM-Dと呼ぶ。
1960年、英国のMax Hamiltonによって開発された、うつ病の心理検査。

ハミルトンうつ病評価尺度|HAM-D|公認心理師試験
正式名称 ハミルトンうつ病評価尺度
(Hamilton Depression Rating Scale:HDRS)

HamiltonのHAMとうつ病の英語であるDepressionから、HAM-Dと呼ぶ。
1960年、英国のMax Hamiltonによって開発された、うつ病の心理検査。

【検査項目の特徴】

・睡眠の評価に重点が置かれている。
(睡眠状態の改善で高評価になりやすい)

HAM-Dは医師などの専門家が項目ごとに評価をしていく心理検査。
それぞれの項目ごとに最も被験者に近いと思われる点数に、
担当医(又は担当者)が〇をつけ、合計点からうつ症状の程度を割り出す。
実際の臨床現場・診療では時間的制約があるため、
有用ではあるものの行われる頻度が少ないのが現状。

【HAM-Dの目的】

HAM-Dは、うつ病の状態を専門家によって、
客観的に数値化するために用いられる検査。
診断にあたって重症度を評価するためだけでなく、
うつ病からの回復の度合いを知るためにも広く用いることができる。
検査を担当する人物が面接をする形式で点数化できる。
HAM-Dを基に面接しながら症状を確認し判断に有用。
うつ病の診断の参考になるだけでなく、重症度を客観的に評価できる。
(治験や臨床研究など、薬の効果を評価する際には、よく使われる心理検査)

【HAM-Dの所要時間】

HAM-Dは成人向けに作成された検査で、
専門家との面談で検査を行なう。
所要時間は、約10分~20分程度。

【17項目の質問検査】

・うつ症状が出る前、もしくは現在治療中であれば、
その治療開始から最近一週間の症状を確認しながら、質問に答えて行く。
いずれも、うつ症状を患った際に顕著になる症状の程度を確認する。
各質問に対して程度を評価(それぞれの項目により3~5点)

1、抑うつ気分(Depressed Mood)
2、罪責感(Feelings of Guilt)
3、自殺傾向(Suicide)
4、入眠障害(Insomnia Early)
5、熟眠障害(Insomnia Middle)
6、早朝睡眠障害(Insomnia Late)
7、仕事と活動(Work and Activities)
8、精神運動抑制(Retardation:Psychomotor)
(思考や会話が遅くなる、集中力が落ちる、自発的運動の現象)
9、 焦燥(Agitation)
10、精神的不安(Anxiety Psychological)
11、身体的不安(Anxiety Somatic)
(胃腸症状や動悸、頭痛、過呼吸など不安に伴う身体症状)
12、消化器系身体症状((Gastrointestinal))
13、一般的な身体症状(Somatic Symptoms General)
14、 生殖器症状(Genital Symptoms)
(性欲の低下、生理不順など)
15、心気症(Hypochondriasis)
16、体重減少(Loss of Weight)
17、病識(Insight)
※HAM-Dのうつの重症度を判断するための基準は、
明確ではないものの、目安としては以下の点数のようになる。

【総合評価】

0点~7点:正常(Normal)
8点~13点:軽症(Mild Depression)
14点~18点:中等症(Moderate Depression)
19点~22点:重症(Severe Depression)
23点以上:最重症(Very Severe Depression)

【HAM-Dで確認できること】

HAM-Dはうつ病の判断をするために作成された検査のため、
うつ病の診断をする際の指針になる。
古くからある検査の一つで、多くの臨床現場で用いられている検査の一つ。
HAM‐Dは、専門家が被験者に直接質問をしながら検査をする。
そのため被験者が、自分のうつ状態について認識ができていない場合や、
エネルギーが低下していることで自分自身の状況がわからない時などに有用。

構造化された検査であるため、専門家が症状の程度を評価するにあたって、
客観的にうつ病の程度を判断することができる。
※希死念慮よりも不眠に重点を置いている点などもあり、
HAM-Dだけで診断をすることを避ける。
診断については、専門医が総合的に判断する。
HAM‐Dは、うつ状態の程度を客観的に評価するものである。

ハミルトンうつ病評価尺度|HAM-D|公認心理師試験
正式名称 ハミルトンうつ病評価尺度
(Hamilton Depression Rating Scale:HDRS)
HamiltonのHAMとうつ病の英語であるDepressionから、HAM-Dと呼ぶ
1960年、英国のMax Hamiltonによって開発された、うつ病の心理検査