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心理学の知識

人間の知覚|公認心理師試験

人間の知覚|公認心理師試験

◆知覚とは、刺激を受動的に感受することではなくて、人が情報を能動的に「つかみとる」働きであることをわかりやすく説明する。

■私たちの心が外界の物事を感じたり知ったりするはたらきは感覚あるいは知覚と呼ばれる。この感覚、知覚の働きこそが私たちの心が外の世界から情報を得る唯一の手段である。私たちの生体は何かを知覚するとき、感覚受容器によって情報を取り入れ、脳においてさまざまな、情報処理をおこなっている。

さらに、それを基に外界に対して適切な行動のための指令をつくり、実際に行動をとっている。情報処理が行われる際は、それまでの記憶や認知されていたものが大きく影響してくる。つまり、私たちが知覚しているものは、刺激を単純にそのまま受け入れた結果ではないということがわかっている。

★ 「図と地の知覚」 について考えてみよう。

誰もが一度は見たことのある図(2人の黒い横顔と白いカップ)

*この図はルビンの壺(又は盃)と呼ばれている。

「ルビンの壺」を見たとき、黒い横顔を発見する人、または白い壺を発見する人の2通りに分けられるが、この時、受動的に感受していれば、まとまりとしての形は見ることができない何らかの解釈が行われたとき、ひとつのまとまりとして認識され、白い壺や、黒い横顔をみることができる。さらには、健全な人間であれば、自由に壺から横顔に反転(切り替え)させて、知覚することができる。

しかし、何らかの強い思い込みや、周囲の環境によっては、壺も横顔も見ることができなくなり、壺はみえても横顔をみることができない、つまり図と地の反転がうまくいかなくなる場合がある。

このことは「錯視」により、わたしたちは周囲の環境や、認知のゆがみ、あるいは思いこみなどにより、「事実を歪んだ状態でみてしまう」ということが、おこるためである。

私たちは、ものを見るとき、これまでの経験的知識から抽象化されて形成されている何らかの枠組み(枠型:スキーマ)が選び出され、それを適応することで、再生想起時には、その枠を土台として、大筋を理解する。つまり「知覚は刺激に対して忠実ではなく、その現実的意味に忠実である」現実的意味とは、個人の経験的知識によって異なるものと考えられる。

ジェローム・ブルーナー(アメリカの心理学者)は、経済的に恵まれない子どもたちは、経済的に恵まれた子どもたちに比べて、貨幣の大きさを単純な円よりも大きく知覚する傾向が顕著であるという報告をおこなっている。(「知覚と錯覚」宮本敏夫/著 P242)恵まれない子どもたちは、日々の経験から貨幣の価値を大きく認知したことがわかる。なかなか手に入らないものは「価値が大きい」という枠組み(スキーマ)が形成されたわかりやすい例であると言えるよう。

私たちは日常、様々な刺激を自分の経験とスキーマをもとに、好きなように解釈している。例えば、雪の日にうっかり滑って転倒し整形外科に通院した経験があったとしよう。すると、似たような状況で雪を見た時、「危険」だとか「注意」しようとか「外出は中止」しようなどと、自分自身の安全を確保するために行動も制限してしまう可能性が大きい。パニック障害の場合にも、たまたま「電車の中で苦しくなった」という状況を、「電車=発作」と関連づけてしまい、その意味から離れられない状態に陥る。

また、幼少時期に親(又は養育者)からの拒否を受け続けると「自分は人から愛されることはない」といったスキーマが形成され、そのスキーマを背景とし「誰とも仲良くなれない」「誰からも愛されない」といった否定的な歪みをもった自動思考を繰り返すことになりかねない。

これらの例では、過去の苦痛で不快な体験や精神的な破綻を繰り返さないように処理した結果、ひきこもり、パニック、対人恐怖などに関連していくことがあると考える。

私たちがより良く生きるために形成されるはずだったスキーマも、過去の経験や体験の積み重ねによって、記憶、認知、知覚、感覚は、不都合なスキーマとして形成されてしまうことが少なくないのかもしれない。

自分自身を意識することで、「ものの見方の枠(スキーマ)」に気づき、自覚、認識することで、自分の「スキーマ」は、いつ、どのようなことがきっかけで形成されたのかを、探ってみるのもおもしろい。

心身ともに健康に、そしてよりよく生きるためには、自分自身の中で、日常生活に不具合を起こしそうなスキーマを、ぜひ「認識」し、「改善」していきたいものだ。

仙台市 田村みえ 「人間の知覚」(東北福祉大学 心理学レポート)

人間の心と動物の心|公認心理師試験

人間の心と動物の心

【人間の心と動物の心の違いについて考えてみたい】

◆群れをつくり行動する動物がいる。人間も群れ(社会集団)をつくり日常を生きているが、動物が群れをつくる目的と人間が社会集団の中で行動する目的は多少違っているように思う。行動の裏には目的(原因)が存在する。動物の行動と人間の行動で心に関係していると思われるものを取り上げ、考える。
●野生動物が群れをつくって行動する目的は生存、安全性の確保を合理的にすることが第一である。対して人間が社会集団の中の一員として生きていく目的は動物のような生存、安全性の確保はもちろんなのだが、それよりも

★ 「内定要因」(性格、動機、意図など)
★ 「外的要因」(社会的、物理的状況など)
★ 「内定要因と外的要因」両方とが、からみあった結果、行動が決定されるものとが混在する。

●人は人をどのように判断、理解するのか、ということについて1980年にH・H・ケリーらが明らかにした。*(Kelley1921~)アメリカの社会心理学者。小集団研究他、帰属理論を体系化した。ケリーらによれば、私たちは対象者の行動を無意識的に観察していると述べている。

【1】コンセンサス:他の人たちと同じように行動しているかどうか観察する。
【2】一貫性:対象者がほかの機会にも、この特定の刺激、出来事に対して同じように行動しているかどうか。
【3】弁別性:対象者がほかの異なる刺激や出来事に対しても同じように行動しているどうかを観察する。

以上の3つの次元に関する情報を無意識的に観察している。と論じている。(社会心理学)
このことから、人は特定の刺激や出来事に対して高度な「思考」や「洞察力」を上手に使い行動を決定していることが理解できる。このことは、大まかな部分で動物と同じように思えるが、実際、人間には動物とかなり違う部分があり、それが「こころの違い」につながっている。

人類史において、人間が生活を向上させるための工夫を次々(後期石器時代)に開発した。これを実現する上で特に重要な役割を果たしたのが「言葉」である。たとえば、動物の世界では「獲物」を目の前にすると力の強い「ボス」が何らかの実権を握っている。

力の弱い者は「生存」するために従わなければならず、我慢して待つ、又はあきらめるという結果になることも少なくない。しかし、人間はどうだろう?必ずしもあきらめるということを全員が選択するだろうか?人によっては工夫し試行錯誤を繰り返し、言葉をうまく使い分け、争わずに欲求のものを「獲得」することも可能だ。言葉をうまく表現することが苦手な人間は、獲得できず「葛藤」に陥り、悩み、苦悶するという状態になるかもしれない。

葛藤に陥ったり、悩み、苦悶するというのは動物にも起こることだが、人間とは質もレベルも比較することはできないものである。なぜなら測定器がないからであり、人間のこころの研究や実験は数多く実施されたのに対し、動物のこころについての実験はまだまだ未知の世界でもあると言えよう。動物は「本能優位」で「思考」が弱いことが少なくない。
人間は「本能」を「理性」によって抑えることが可能であり、また「本能」を満たすための行動を「思考錯誤」するという特徴があり、現代では「本能」より「思考優位」が強くみられる。

動物には、もちろん、こころがある。しかしそれはあくまで「本能」に近いものであって、人間のように恋愛をして「苦しむ」とか「葛藤」に陥るというレベルには程遠いということが言える。人間は「言葉」を使うことにより「感情」を相手に冷静にそして、中立的な表現で伝えることが可能になった。動物は「鳴き声」などが言語とも言えるが、人間からみた動物の表現はあくまで、スキンシップやしぐさ、動作などの「態度」「五感」で伝達しているという風に理解できる。

ひとつ残念なこととして、人間は「本音と建て前」を分けて表現する。言葉を使うことで「進化」を遂げたゆえ、起こったものでもある。「本音と建て前」の表現は、TA(交流分析)の理論にある「裏面的交流」になる。「裏面的交流」は、長期化すると、私たち人間のこころに大きな影響を及ぼし、人間関係の破綻やトラブルに発展する要素の強いものであることは確かだ。人間は進化により、他の動物には類をみない「言葉」を使えるようになった。良い意味で「言葉」を上手に使いこなし、調和、バランスのとれた人間関係を築くよう私たちも日々、心がけて行きたいものである。

仙台市 田村みえ 「人間の心と動物の心 (東北福祉大学 心理学レポート)

心の世界|公認心理師試験

心の世界

【心の世界】

心の世界は、意識される世界のほかに、意識されない世界を含むことを、具体的にわかりやすく説明する。

◆Aさんは大勢の前に出ると決まって言葉が出にくくなるという悩みを抱えるが、その理由は意識できない。Aさんの心の世界はどのようになっているのだろう。意識される世界と意識されない世界「無意識」について、フロイトやユングの理論がある。主にフロイト(1856~1939)の理論を引用しながら説明しよう。

フロイトによれば、人間の心は「意識」「前意識」「無意識」の三層からなると考えていた。

●フロイトの局所論で、「意識」とは、いま気がついている心の部分で、眼で見たり、考えたり、感じていることに気づいている。自分が何をしているのか(行動)、何を考えているのか(思考)が自身でわかっていることを言う。

「前意識」

「前意識」とは、いま気がついていないが努力によって意識化できる心の部分で、意識の下にあるが、思いだそうとすれば意識の世界に呼び戻せる領域のことをいう。
昨日あった出来事や、過去に出会った人の名前を思い起こす際に、なかなか思い出せないが、しばらく考えたり、注意を集中していると思い出すことができる。このように、今は意識していないが、注意や意志によって思い出せる心の世界である。

「無意識」

「無意識」とは、抑圧されていて、意識化できにくい心の部分と説明している。意識の奥底にある深い層のことで、意識から最も遠い領域である。これは、夢や催眠、精神分析によって意識されるようになり、人間行動の源泉や動機となっている。

「無意識」の領域

「無意識」の領域には<本能的衝動(生得的な心的エネルギー)>や意識化されると都合の悪い記憶、動機、観念などが抑圧されている。ということであり、この無意識的な心的エネルギーは、たえず、意識領域へ侵入しそれらを充足しようとする。

このことから考えると「大勢の前に出ると言葉が出にくくなる」というAさんの状態は、無意識に閉じ込められた本能や欲求や衝動がたえず「意識」に進入しようとする心的エネルギーの現れであり、人間の意識や日常生活の行動に影響を及ぼすことがわかる。

Aさんの例以外に、理由のない不快感、言い間違えや物忘れなど、無意識は心の奥深くからのささやきかけとして、日々の日常生活に大きな影響を及ぼす。人は、自分の行動や考え方、感情の動きなどを自分で確かに感じている。しかし、常に理性的に見える人でも、何気なく起こす行動もあれば、気持ちと裏腹な行動を起こす場合も少なくない。
これは意識的に自覚されていると考えた心の動きも、実はその下(無意識)にある様々な本能や衝動や欲求に動かされているためだ。
無意識の領域に隠れている本能や欲求、衝動が私たちのこころ全体を動かしているのである。

人間も動物である以上、生まれながらの本能や衝動や欲求は本来、生きるためのエネルギー(リビドー)になるはずだが、主に社会によって抑圧され、意識の世界から排除される。しかし無意識の領域に閉じ込められても、それらは絶えず意識に進入しようとする強い力を持っているため、その人の意識や行動が操られるのである。

私たちは日常、喜怒哀楽を日々体験するが、人間の許容範囲を超えた怒りや悲しみは、防衛機制という仕組みによって処理される。防衛機制は人間のこころを守るしくみとして機能するものである。

Aさんの「大勢の前に出ると決まって言葉が出にくくなる」という状況を、防衛機制に照らし合わせてみると「抑圧」に関連していることがわかる。

【防衛機制の「抑圧」の定義】

「強い不安、苦痛な観念や記憶、不快な感情を意識から締め出し、無意識にとどめておくこと」である。

◆後日、Aさんの無意識が意識化され、ある出来事がよみがえった。小学1年の学習発表会での失敗である。その時のAさんの落胆、悲しみ、屈辱、怒り、などの感情は小学校低学年の子供にとって、非常に苦痛で耐えがたい出来事として体験学習され、防衛機制の「抑圧」が作用し、無意識に閉じ込められてしまったものと考えることができる。

私たちが安全に生きるために働く防衛機制も、時には生きるための邪魔になってしまうことも少なくない。しかし、そのようなありがたく、不思議ともいえる、人間の特徴を理解しながらバランスの良い日常生活を保ちつつ、どこかに幸福感も得られるような質の高い日々(QOL向上)を送って行きたいものだ。

仙台市 田村みえ 「心の世界(東北福祉大学 心理学レポート)」

フォーカシング|ユージン・ジェンドリン|公認心理師試験

フォーカシング|ユージン・ジェンドリン(1926~2017)|公認心理師試験

フォーカシング1 focusing 
ユージン・ジェンドリン(1926~2017)

◇フォーカシング
焦点づけ・ピント合わせ focus(s)

まず、気がかりなことを思い浮かべて、それを頭がどう理解しているかでは無しに、
身体の中で感じられている感覚に注意を向け、問題を全部つつみ込んでいる丸ごと、
全体としての一つの大きな気分を感じるようにし、
経験そのものに触れる事によって、
そこから自然に示されてくる(感じる)意味に気づき、
新しい力や方向性を得るようにアプローチして行く心理療法。

◆フォーカシングは心理療法のひとつであり、
自己理解と体験学習を促すための方法。

1960年代、アメリカのユージン・ジェンドリンによって開発された。

「体験学習」を具体的に言えば、人間の内的変容である。

内的変容とは・・・
外界の出来事にとどまることなく内面深く物事を感じ取ることにより、
問題解決を生み出す現象を意味する。

【具体的な体験段階】

1:外界の出来事にふれる

2:外界の出来事+自分についてふれる

3:外界の出来事+個人的反応についてふれる

4:反応的感情+内的感情を表現する

5:自己描写+問題提起をする

6:問題提起+答えを見出す

7:6以上の答えに対し確信的であり拡張的である

・フォーカシングの特徴は、以上の過程のうち、
一つの問題についての身体感覚に注目するところにある。

漠然としているが、明確に感じられる身体感覚
「何かの感じ」(フェルト・センス felt sense )に、
いろいろ問い合わせると、新たな問題が見え、その問題についての身体感覚から、
また別の問題が問題となって行き、問題の変容の間に関連性がみえる。

また個人にとって、より中核的だと思われる問題の出現によって身体感覚から、
OKというサイン(フェルト・シフト felt shift )が出てくる。

このような身体感覚に注目し、これを利用して個人の心の「問題」について、
何らかの変容を図るのが、フォーカシングである。

これは、外界の出来事だけを話すクライエントよりも、
「感じ」「感覚」を話すクライエントの方が改善しやすい、
という、ジェンドリンの発見に基づいている。

◇フェルト・センス(felt senses)

●定義:フェルト・センスは意味を含んだ身体感覚

からだの中心部:お腹・胃・胸・喉のあたりで感じますが、
からだの他の部分でも感じられます。

あなたがからだの内部に注意を向ける時、すでにある場合もありますし、
時にはそれが形をなすための条件作りが必要となることもあります。

からだの中でフェルト・センスを感じて、
それが生活や人生のどんなことについての感じかを尋ねることから始めたり、
生活や人生上の問題をひとつ選んでそれについてのフェルト・センスをもたらす為に、
あなたのからだに問いかけることから始めたりできます。

フェルト・センスはしばしば感情を含んでいますが感情とは違います。
フェルト・センスはしばしば漠然とした、微妙で説明しにくいものです。
とらえどころのない、つかのまのものです。
「まだ、あなたが言葉にしていないもっと多くの何か」を含んでいます。
※ただ身体的というだけにとどまるようなものではありません。

【フォーカシングの方法】

(A) 間(クリアリングスペース)を置く

・日常的な心配事に入り込まず、それについては脇に置くようにする。
そして、「どうしていますか」
「何か気になっていることがありますか」と、自分で自分に問いかけてみる。

(B) (A)で列挙された気になる事の中からひとつを選ぶ

・気がかりなことの中から一つ選ぶ。
これは具体的な事柄の方が良い(例:母が口うるさいなど)

(C) フェルト・センス felt sense をつかむ

・胸部や腹部にある、まだ明確でない意味を含んだ感覚をつかむ
(例:さみしいような、なんとなく胸がもやもやする・・・という感じ)

(D) 取っ手(カバン等)にハンドルネームを付ける

・フェルト・センス(もやもやする等)に、
それにぴったりくる言葉やイメージをつける。
(例:胸を何かで圧迫される感じに「もやもや君」とか)

(E) 取っ手の確認

・取っ手を確認し、言葉やイメージを身体の中に響かせ、その見出しを使うと
フェルト・センスの全体が現れるかどうかやってみる。

(F) 問いかけ:問いかけを行う

・このことの何が~みたいな感じなのか。
何があれば(起これば)いいのだろう。
この取っ手が一番ひどくなったら、どうなるのだろう。

◇ここで問題の感じ方に変化を起こして開放感を得る。
そして解放感とともに気づきを待つ(フェルト・シフト)。

ここでフェルトシフトが起きない場合は、フェルト・センスに戻り、
2ラウンド・フォーカシング、3ラウンド・フォーカシングを行う。

(G) 受容

・自分の気づきや気持ちを優しく肯定的に扱うこと。
傾聴技法が非常に効果的です。

● 以上のような体験過程を経て、
内的変容に至る心理療法をフォーカシングという。

by ユージン・ジェンドリン Eugene T. Gendlin(1926~2017)
※アメリカの哲学者・臨床心理学者で、体験過程(Experiencing)理論を提唱し、
フォーカシング(Focusing)を創始した人物。

フォーカシング2 focusing ユージン・ジェンドリン

◇フォーカシング、焦点づけ focus(s)ing

1、フォーカシングの準備

まず、フォーカシングにどれくらい時間が取れるかを予測・確認します。

30分くらい取れれば理想的ですが、10分でも十分効果があります。
10分のフォーカシングでは後半2分程度が終了のために使われます。
30分であれば5分くらいです。

寒くなったりしないように、場の温度を調整するか上着を着て調整。
フォーカシングの内容をメモするための筆記用具準備等。

※時間はあくまでも目安のですので、
フォーカサー(セラピスト)の感覚で調整して構いません。

2、問題を思う

フォーカシングの入り方は2つあります。

A:問題を決めて始める方法で。
B:漠然と身体からわき上がるフェルトセンスを待つ方法。

この場合、今抱えている問題が対象になり、
意識していないものになることもあります。

ここでは、問題を決めて始める方法を書きます。
深呼吸を2回して、問題を思います。

深呼吸2回というのは、
身体への条件付けですので別の方法でも構いません。

深呼吸2回がフォーカシングのスタートだと身体に思いこませれば、
いつでも簡単にフォーカシングに入ることができるようになります。

前回中断したフォーカシングの続きをする時も、
中断した問題を思ってそこから始めることができます。

※毎回同じように入ることで、状態を作りやすくなります。
(アンカー又は、ルーティーンなどと呼びます)

3、体の内側に注意を向ける

自分の注意を身体の内側に向けます。
多くの場合、フェルトセンスは胃や、みぞおち、胸、のどなど、
身体の中心線に沿って現れることが多いのが特徴です。
もちろん、他の場所で感じるケースもあります。

上下に往復してフェルトセンスがないか探してみます。
それでも見つからない場合は、
身体の中心線から離れたところも探していきます。

瞑想慣れ(ヨガなど慣れ親しんでいる方々)している人の場合、
身体感覚がなくなってしまうとフォーカシングになりませんので、
その場合は目を開けてみたり、身体を揺らしたしたりしながら、
「身体の感覚を維持」すると良いかもしれません。

4、気になる感じを見つける

フェルトセンスが見つかったら、他にもないか探してみます。
いくつも出てくる場合もありますし、一つしか出てこない場合もあります。
複数出てきた場合は、同時に扱うべきかどうか、体に聞きます(傾聴)。

扱うべきでない場合や、多すぎる場合は、
クリアリング・スペースの方法で対象のフェルトセンスを絞ります。

5、見つかった感じを客観的に見つめる

見つかったフェルトセンスを客観的に認めるために、
「こんにちは」と挨拶をします。

フェルトセンスは、あなたの中に、そう感じる部分があるということです。
挨拶をすることは、存在を認めることです。

6、その感じを比べる

挨拶をしたフェルトセンスについて、名前を付けます。
名前を付けたら、その名前を身体に戻して確認します。

つまり、そのフェルトセンスに、ハンドルネーム
「あなたを○○って呼んで良いかな?」という風です。

リアクションとしては、

・しっくりする感じやピッタリする感じ。
・一部分がしっくりする感じ。
・しっくりいかない。

など・・・いくつかあります。

しっくりいく感じがするまで、ぴったりの名前を探します。

この名前がしっくりいかないと、
うまくコミュニケーションが取れない場合が多いので、
面倒がらずに最適な名前(ハンドルネーム)をつけましょう。

7、ゆっくりと付き合う

しっくりいく名前が見つかったら、
その隣に座ってみます(イメージです)。

相手(フェルトセンス)が話をしてくるかどうか少し待ってみます。

話しかけてこなければ、
「○○さん(つけた名前)、こんにちは」と言ってみます。

8、聞いてみる

フェルトセンス側から見るとフォーカサーは外から近づいてくるものです。
こちらと同じ感覚をフェルトセンスが持っているとは限らないので聞いてみます。

フェルトセンスと仲良しになれると、
この後のフォーカシングがとてもスムーズに進みます。

9、質問する

○○について質問する段階です。

例えばフェルトセンスが怖がっているようであれば、
「どうして怖がっているの?」
「怖がっている理由は何かな?」と聞いてみます。

いろいろと話をした(コミュニケーションが成立した)後に、
「それには何が必要なのかな?」と傾聴したあとに、尋ねてみます。

そして、『何もかも大丈夫』になったら、
「どんな感じか教えて欲しい」と身体(センス)に頼んでみます。

フェルトセンスとフォーカサーが協力して問題を理解していきます。

10、終わりにする

問題についてお互いの理解が得られれば、終了になります。

セッションを終わりにする時はフェルトセンスを尊重して
「あと1,2分で終わりにしても大丈夫かな?
それとももっと私に伝えたいことがあるかな?」と聞いてみます。

ここで、一気にセッションが進む可能性もあります。

終わりにする時に、まだ解決する問題があると言うことであれば、
次回また戻ってくることをフェルトセンスに伝えます。

それには、「また戻ってくるからね」と伝えるだけで大丈夫です。

11、最後に

「私につきあってくれた部分と私の身体に感謝します」と、
感謝の気持ちを伝えます。

この手順は今後のフォーカシングをスムーズに進めるために必要なことです。

以上のような体験過程を経て、
内的変容に至る心理療法がフォーカシングです。

by ユージン・ジェンドリン Eugene T. Gendlin(1926~)
※アメリカの哲学者・臨床心理学者で、体験過程(Experiencing)理論を提唱し、
フォーカシング(Focusing)を創始した人物。

体験過程 experiencing

【体験過程】

「ある特定の内的行為」とは自分の内部で感じられる気持ち(体験)との関わり方。
体験(experience):人間が今この瞬間に経験している感情や気持ち。
体験は常に移り変わっていく(ing)
⇒(experience)+(ing)=(experiencing)体験過程

・人間がいま、この瞬間に経験している感情や気持ち。
その体験され、感じられている何らかの流れを体験過程という。
それは、知的に考えるとか言語で表現できるようなものではない。

experiencing という語におけるingは、
「体験」(experience)を一つの過程と考えていることを示す。

体験過程という用語は、
過程という枠組みみよって見られた全ての「体験」を指している。

心理学において「体験」という言葉は、それがどこで用いられようと、
具体的な心理学的事象を意味している。
体験過程は、具体的にまさに進行している種々の事柄の一過程である。

◇体験過程は、一つの感じられた過程( a felt process )を意味する。

その意味は内部的に感覚され、
身体的に感じられた諸事象ということでもあり、
人格、あるいは心理学的事象を構成している具体的な「もの」は、
この身体的に感覚され、感じられたことの流れである。

それは、具体的、身体的な感情の過程であり、
それは心理学的および人格の現象に関する基本を構成している。

体験過程スケール 評価基準早見表

1:事実をたんたんと述べる。「私」が入らない。
2:「私」が入り感情が入らない。
3:「私が」と「感情」が入る→すっきりした
4:「私」が、人の感情を察したり配慮したりする。
5:人から受ける不快は他に自分に原因があるのかなぁ~と思う(視野の拡大)
6:「事実対する感情」ではないことに気づく
7:気づきが応用されていく・・・自分自身の嫌な部分を別の人に映して嫌う=気づく

☆1~3は、気づきが得られない状態=フォーカシングで活用UP
☆フォーカシングの適用:健常者の自己理解
⇒ 1~3のクライエントに特に有効→(4~7へ徐々に導く)

心理療法とは

・個人が概念と言うものを用いながらも、それをただ単に理論的にのみ用いては、
決して得られないような、何かそれ以上のものを達成し得るところの一つの方法である。

その本質を一言でいうならば、人間の感情と人間が用いる概念との間に存在する、
種々の関係の新しい認識である。

・体験過程は、この心理療法過程を理解するのに役立つ概念として、
アメリカの臨床心理学者
ユージン・ジェンドリン(1926~2017)が1955年に提唱した。

【6つの特質】

(1) 感情の一つの過程であり、知的理解とは区別される。

体験過程とは、感じられる(feel)ものであって、単に思考されたり、知られたり、
あるいは言語的に表現されるようなものではない。

(2) 今、この瞬間において、おきる一つの過程である。

今、ここに感じることに他ならない。

(3) 個人による現象的場における一つの感じられた素材。

個人による現象的場における一つの感じられた素材として、
直接に問い合わせることができ、指摘できる。
体験過程は、自らの内面に目を向け、
この流れという一つの素材を直接指示し、言及出来るものである。

(4) それは言葉以前に感じられるもの。

個人は自らの現象的場における一つの素材として、
それに直接指示し、それに導かれて概念を形成する。

(5) 潜在的な暗黙の豊かな意味をもっている。

暗黙に含まれている意味は、単に感じられるだけのものであり、
後に至るまで明示されないかもしれない。
だが、この暗に含まれた意味が足がかりとなって概念的明瞭化が可能になる。

(6) 前概念的、有機体的な過程であり、身体を通して感じられるものである。

ある瞬間に体験しつつあることがもつ多くの暗黙の意味・含蓄は、
かつて一度概念化されたものが抑圧されたというものではなく、
これらの意味は、前概念的なもの。
気づかれてはいるが、まだ分化されていないものと考える。

◇体験過程の理論は、カウンセリング・心理療法・人格論や創造性などにも影響を与え、
また、カウンセリング技法の精密化をもたらした。

【実習の手順】

●ジェンドリンによる、
「技法としてのフォーカシング」をショートフォームという。

1)クリアリング

2)具体的には、まず胸の奥や腹の底など身体の中心部分にぼんやりと注意を向けながら、
何かの気がかりにまつわる感じ(フェルト・センス)が感じられるのを、受容的な態度で待つ。

3)そのフェルト・センスにぴったりな言葉(ハンドル)を探し、
見つかれば、その言葉がフェルト・センスにぴったりかどうかを突きあわせて感じてみる。

4)違っているようであれば、再びぴったりくる言葉を探し、
もう一度、フェルトセンスと照合してみるという過程を繰り返す。

フェルト・センスとハンドルがぴったりであれば、フェルト・シフトと呼ばれる、
ぴったりだという感覚と解放感が得られることがある。

5)さらにフォーカシングを続ける場合、今度はフェルト・センスに対して、
「何がそんなに~なのか」「その感じは私の生活の何と関係があるのだろうか」などの質問をし、
フェルト・センスの方から、自然に何かしらの反応が返ってくるのを静かに待つ(問いかける)

6)何か反応が得られるようであれば、それを受容的に受け取る。

※時間的な限界や、フォーカシングを終えてもよいという感覚があれば、
最後にフォーカシングの中で得られた体験を丁寧に自分の中に受け取る作業を行ってから、
フォーカシングのセッションを終える。

※これらのフォーカシングの過程は、一人で行うこともできるが、
慣れないうちはフォーカシングの過程を聞いてくれる相手がいるほうが良い。

その場合には、フォーカシングを行う人をフォーカサー、聞き役をリスナーとよぶ。

また、フォーカサーがまだフォーカシングに不慣れであり、
リスナーのほうから積極的に教示を提案するスタイルで行う場合には、
ガイドと呼ばれることもある。

以上

仙台心理カウンセリングスクール
初級編心理カウンセラー養成講座
テキストより抜粋

★フォーカシングは、仙台心理カウンセリングの
心理カウンセリング個人セッションでも
必要に応じて取り入れております。

仙台心理カウンセリングの
「心理カウンセラー養成講座」(初級編)で、
理論と実践を体験的に詳しく学べます。
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仙台で心理カウンセリング|心理学の世界

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心理学の世界を学ぶ

【臨床心理学】

心理学というと多くの人が臨床心理学を思い浮かべる人が多い。臨床心理学は、人の悩みや問題を抱えた人を援助する方法を考える学問です。心理学的検査及び診断や心理療法の領域を含んでいます。また、精神医学的な知識、自己理解も必要になります。ほかの心理学とも関係が深いのも特徴です。

具体的には、心理療法(技法)として、精神分析学や分析心理学、来談者中心療法、行動療法、遊戯療法、催眠療法・自律訓練法などさまざまです。検査方法も性格検査の質問紙法、ロールシャッハテストのような投影法、作業検査法などさまざま。臨床心理学は、主観が大きく作用するだけに、流派や考え方が異なります。

【教育心理学】

教育課程における心の働きを心理学の知識と方法によって理解しようとする学問です。人間の発達には学習が欠かせません。心理学でいうと学習とは、体験や観察などを経て知識や技術、態度、価値観、思考力などを身につけることであり、学校教育だけでなく、生涯にわたって行なわれるものを指します。

「発達」では発達段階の心理的特徴、発達の法則、遺伝と環境の関わり、教育が発達に及ぼす影響など。
「人格」では知能や性格などの個人差やその構造、発達・形成の過程、欲求耐性など。
「学習」では学習過程や関連する知識・思考・記憶の働きと発達など。
「測定・評価」では知能や性格特性の測定、学力の評価などを研究します。

【発達心理学】

発達心理学は人間の生涯の観察から発達の法則を発見しようとする学問です。この分野は乳幼児心理学、児童心理学、青年心理学、老年心理学と、人生の区切りで細分化されることがあります。さらに知能の発達、人間関係の発達、感情の発達などに分けられることもあります。障害児の発達臨床、保育実践に関することもこの分野に含まれます。まさに生涯を通して成長、発達を続ける人間について考えていく学問です。

【認知心理学】

コンピュータ技術や情報工学の進展が、心理学にも大きく影響しました。認知心理学は、認知を人間の情報処理過程とみなして進められる。知覚、記憶、思考、言語など、大きく4つの人間の情報処理の仕組みについて研究が進んでいます。知覚研究では、感覚や形・空間・運動の知覚の問題を、記憶研究では記憶のプロセスや忘却の問題を、思考・言語理解の研究では問題解決過程や概念・推理・象徴・記号、知能の問題を扱います。

【社会心理学】

人は日常の暮らしで他人と互いに影響を与え合っています。その対人相互の作用の観点から人の行動を科学的に究明します。暴動などに見られるパニックの心理は社会心理学の1つです。国際化、高齢化、情報化、環境問題などは日常の生活にも影響を与え、人と人の相互関係も変容しています。その中で起きる問題をどのように克服したらよりよくいきていけるのか、というニーズに期待も高まっている。

【犯罪心理学】

犯罪行為をする場合の人間の心のあり方、働きについて研究する応用心理学の一分野です。心理学の中でも特殊な分野に入ります。なぜ罪を犯すのか、罪を犯した人の社会復帰などが研究対象です。人間の心に秘められた異常性、本性などを知ることで犯罪行為の予防、再犯の防止に役立てられる。精神分析理解、社会病理的理解から犯罪者の人格に迫ったり、人格形成に関わる家庭の要因・学校不適要因・社会不適要因などの研究です。

【産業心理学】

産業心理学は、組織と人の関係(組織のあり方、人間関係、仕事の条件、採用・人事など)、消費と人の関係(売る側、買う側の心理的価値に基づく消費行動)、健康と人の関係(心と体の病の治療、ストレスを克服する力の育成)を学習する。現実に起きている事象を研究するだけでなく、解決に向けてどのように取り組むかというところまで研究します。
「産業カウンセラー」になるために学ぶ理論としては、重要で欠かせない内容となっています。

【人格心理学】

臨床心理学の基礎ともなる領域で、性格心理学とも呼ばれます。人格(パーソナリティ)とは各個人をその人独自のユニークな存在として基礎づけているものと考えます。パーソナリティのとらえ方は様々な立場があります。パーソナリティをいくつかの典型に分類する「類型論」、どんなときも一貫している行動傾向に視点を置く「特性論」、また自我の働きを中心にしている「力動論」、行動の状況依存を重視する「状況論」などがある。性格とは何か?個性とはなにか?他者理解とは何か?など人格形成に注目します。

【家族心理学】

家族心理学は、家族療法を背景に問題の予防、コミュニケーション、問題解決、家族社会学的見方などを学習する。家族療法とは、家族全員とコミュニケーションを取り問題の把握や原因の詳細を解明・解決する療法です。家族心理学の意義と目的は、夫婦関係、結婚と家族の形成、親子関係、子離れ、少子化をめぐる問題などさまざまです。

【災害心理学】

災害に対する人間の心理的な反応、災害と人間の行動など、災害と人間心理の関係を研究します。災害は不可抗力的な出来事や状況であり、突発的なものだけでなく、長く続くものもあります。このような状況の出来事の心理を研究することで、二次災害を予防したり、パニックの防止を研究します。日本は世界各国から見ても防災の先進国ですが、災害者に対する精神面のケアは遅れています。災害時のパニック、非難行動、流言飛語(デマ)、災害体験によるトラウマ(心的外傷)の研究と成果が期待されている。

【青年心理学】

人体の性的変化とともに激動の青年期が始まります。青年心理学の定義どおり青年の心理を研究する学問です。多くの人が児童期は社会や親の価値観に従いましたが、青年期は何に価値を置くのか自問します。そして反抗、批判という過程を通って自分の価値観を自覚して自己実現するようになります。しかし自信があるわけではなく、不安も入り交じっているので、その複雑な心理を解明していく学問です。

【知覚心理学】

知覚の働きとは視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚の5感です。知覚心理学は外部からの情報を取り入れるプロセス、そのメカニズムの解明を目的とする学問です。明るさや色などどのように人は、ものが見えるのか?錯覚はどのようにして起こるのか?など医学や生理学や、計算幾何学なども必要になりますし、理解を深めていくためには人工知能、コンピュータの勉強も必要になってきます。人間の体と心のシステムの解明を研究する。

【健康心理学】

身体的な健康は、性格、価値観などの個人的な要因だけでなく、会社、学校、地域社会など集団からも影響を受けています。健康を心理学の視点から研究します。医学、看護学、保健学、体育学、栄養学などと密接な関係があります。研究の成果は、予防、治療、診断に採用され、人々の健康に直接関与します。

【動物心理学】

動物心理学には2つの柱があります。1つは、動物自体に視点を置く研究と、人間を考えるための手段として動物を研究する2つの分野に分かれます。もう1つは、動物の外顕的行動を分析する方向で、これは従来比較心理学と呼ばれていた領域です。もう1つが、生理学的、神経科学的な分野です。これらの4つの分野が動物心理学の領域です。 人間も動物として考え、人間と動物の共通する部分や異なる部分を研究します。

【スポーツ心理学】

スポーツ心理学は、スポーツをする人の技術を効果的に向上させ、能力を最大限に引き出す方法を研究する。指導者と選手の人間関係は心理的に大きく作用するからです。メンタルトレーニングなど、動機づけを高める方法、緊張状態をどのように高めたり、解いたりする方法、 心と体の生理学や改良改善の研究をします。

【環境心理学】

心の働きを仲立ちに環境と人間の関係、相互作用を体系的に探求するのがこの分野です。環境心理学は、人間と環境のよりよい関係の実現を目指して、意識と行動面から追及する。空間デザイン心理、パーソナルスペース、環境問題、環境犯罪心理学など心を取り巻く環境についての研究で成果を上げます。

【カウンセリング心理学】

対人援助技術であるカウンセリングの実践技法と理論体系、研究法(リサーチ法)を修得する為の学問分野であるが、知識習得の学術的な事柄だけでなくカウンセリング特有の『ラポール(相互的な信頼関係)に基づく人間関係』を体験的に学ぶことも重視される。カウンセリング心理学とは、究極的には、『人間の行動・人格・感情』を生み出す複雑な心理メカニズムを理解することを目的とした研究実践分野である。

心理学は人間・動物の行動(認知・情動・思考)を予測できる一般法則を定立することを目的とするが、カウンセリング心理学は人間の対人関係や精神状態を規定する一般法則を応用して『問題行動・問題状況・性格の偏り・対人関係の葛藤・心理的な苦悩』を解決(緩和)することを目的としている。

カウンセリングとは、クライエントを全人的に援助して効果的に変容させるための心理面接であり、クライエントの利益(目的・成長・改善)に貢献するための共感的(専門的)な人間関係である。

カウンセリング心理学は、『人間とは何か?』という壮大で深遠な哲学的な疑問に実用的に応える学問であり、『人格論(性格論)・技法論(治療論)・病理論(異常心理学)』の3大領域から成り立っている。臨床心理学の3大領域は、『心理アセスメント(心理テスト)・異常心理学(精神病理学)・心理療法(技法論)』である。
カウンセリング心理学も臨床心理学も、最近ではエビデンス(科学的根拠)を重視するため、心理統計学に基づく統計リサーチの研究が多く行われている。教育学分野におけるカウンセリングが専門領域として確立しているアメリカでは、カウンセリング・サイコロジスト(カウンセリング心理学者)といえばPh.D.(学術博士号)の博士号を持つ臨床心理学者を指し、カウンセラーといえば修士号を持つ臨床心理学者を指す。

日本では学位を基準としたカウンセラーの分類は存在しないが、修士号取得者を対象とした「臨床心理士」の民間資格がポピュラーな専門資格として認知されていて、カウンセラーというよりも心理臨床家としてのアイデンティティが強調されつつある。 日本においては、カウンセリングと心理療法は臨床心理学の研究範囲に包摂されているが、アメリカではカウンセリングはあくまで教育学の下位分類であり、心理療法(精神療法)は医学や心理学の下位分類となっている。つまり、この学問領域の分類は、カウンセリングは教育指導的な人間関係を主軸とした心理面接であり、心理療法は臨床的・治療的な専門技法を中心にした臨床面接であることを示唆しているのである。

教育学に分類されるカウンセリング心理学には、カウンセリングの理論と技法、カウンセリング・マインド、調査研究法、相談業務分類、異文化間カウンセリング、職業指導(産業心理学)、人格心理学などさまざまな分野が含まれている。その意味でカウンセリング心理学は、人文学領域における隣接諸分野を広範に包括する複合的な学問分野ということができる。

※公認心理師(国家資格)☆

わが国初のカウンセラー国家資格の誕生☆2015年9月9日の参議院本会議にて、「公認心理師」という国家資格を設ける法律が可決成立した。わが国初のカウンセラーの国家資格化という話。業界的には、重大ニュース。カウンセラー・心理職の国家資格化は、20年以上前から議論を繰り返しつつ実現していなかった。しかし、近年の労働者を巡るメンタルヘルス不全や、自殺という社会問題を背景に、ようやく待望の国家資格化を果たすことになった。また、犯罪の再犯率低下への対応として公認心理師がケアを行うことも検討されている。

公認心理師の資格は国家試験で認定し、受験資格は法律で定める大学を卒業の後、大学院の課程を終了した者や、別に定める一定の実務経験を持つ者に与えられる。今まで国家資格の存在しなかったカウンセラー業界全体の信頼性の向上に寄与するものと期待されている。第一回の国家試験は2018年9月9日に実施された。

受験者数 35,020人
合格者数 27,876人
合格率 79.6%

(データ:一般財団法人日本心理研修センター公表)

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公認心理師法(平成27年法律第68号)に基づき実施した第1回公認心理師試験(追加試験)の結果等は次のとおりです。
1 試験日 平成30 年12 月16 日(日)
2 試験地 北海道、東京都
3 合格発表日 平成31 年1 月31 日(木)14 時
4 合格発表
 厚生労働省及び一般財団法人日本心理研修センターにおいて合格者の受験番号を掲示するとともに、同センターホームページに合格者の受験番号を掲載する。
 なお、合格基準及び正答については別紙のとおりであり、当該資料についても併せて同センターホームページに掲載する。
 また、全受験者に対し総得点などを通知する。

5 受験者数 1,083 人
6 合格者数 698 人
7 合格率 64.5%

8 その他
(1)試験合格者には合格証書及び公認心理師登録申請書を郵送により交付する。
(2)不合格者には、その旨を通知する。
(3)平成30 年北海道胆振東部地震の被災状況を踏まえて、第1回公認心理師試験のうち、北海道の試験会場で実施予定であった試験を中止したため、平成30 年12 月16 日(日)に追加試験を実施した。

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★国家資格化により民間資格はどうなるか?

国家資格化の目的は、「公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与する」となっている。資格取得については、従来の臨床心理士同様、公認心理師になるにはハードルが高そう。。。当面は既得権を侵さないという意味で、既存の実務者への配慮がなされてる。

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受験資格を得るスタンダードな進路は、「大学卒+大学院修了」。一定以上の知的能力と財力が必要であり、社会人がキャリアチェンジとして選択するには難しい面があるため、既存の社会人受講生が大勢を占める。「産業カウンセラー」などは、 一定のニーズを保ちながら併存することになるかと考えられる。

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仙台でストレス・コーピング|コーピング能力を高める方法

仙台カウンセリングで、
ストレス・コーピング
「コーピング能力を高める方法」

オンライン・カウンセリング 仙台

仙台【ストレスコーピング】

・不安やストレス、発作などをうまくやり過ごすことを「コーピング」と言います。
ストレスをいかに上手に処理するかという、ストレスコーピングの研究が盛んに行われていますが、
パニック障害においても、不安や発作に対する「コーピング能力」を高めることが大切です。

自分自身の思考パターンや、行動パターンを知り、分析整理して、自分なりの対処法を見出しましょう。
うまく処理できた! という経験を重ねることが自信につながります。

【コーピング】

・ストレス状況下で、ストレスの刺激の除去やストレス反応の低減を目的としてなされる対処。
コーピングの理論背景として、動物実験、精神分析的自我心理学、
アメリカの心理学者「R・S・ラザルス(1922~2003)」らによるプロセス理論がある。
・対処の次元として、問題/情動焦点 認知/行動 があるといわれている。

【パニック発作や不安が起こったら】

・それでも、不安や発作におそわれたら、上手にやり過ごしたいものです。
ガムをかむ、音楽を聴く、腹式呼吸をする、友人に電話する、歌を口ずさむなど、
気がまぎれるならなんでも良いのです。
不安を感じるときは、自分なりの方法で気をそらせ、おさまるのをまちましょう。
発作が起きてしまった時には・・・

「これはパニック発作だ。 死ぬことは絶対ない。 発狂することもない。 すぐにおさまる」と、自分自身に言い聞かせます。
パニック発作は、必ず、短時間でおさまるものです。
※外出の際に、頓服用の抗不安薬をお守りとしてもっていくのも良いでしょう。

【日常生活のポイント】

・ストレスを上手に発散する
・意識的にリラックスを心がける
・適度に運動する
・趣味をもつ(みつける)
・規則正しい生活をする
・バランスの良い食生活を心掛ける
・自分なりの、不安や発作をやり過ごす方法を見つける

【こまめにリラックス&リラクゼーション法】

・リラクゼーション技法を学ぶ
・自律訓練法
・腹式呼吸
・アロマテラピー
・YOGA
※ストレスや緊張をほぐすための、手軽なリラクゼーション技法はいろいろあります。
自分に合うものをみつけて、日常生活の中に取り入れることも良いでしょう。

※自律訓練法の効果
・自律訓練法を行うと、アルファ波が増え、皮膚温が上昇します。
血圧が安定し、血行が良くなり心身の緊張がほぐれます。胃腸の働きも正常に近づきます。

●仙台心理カウンセリングではオンラインカウンセリングと、
自律訓練法」を学びたい方のために、
カウンセリングが併用できる(または単独)講座を準備しております。
ご要望などございましたら、お問合せフォームよりお問い合わせください。
通院中及び内服中の皆様は主治医の承諾を得てからのスタートになります事をご承知おき下さいませ。

【心理カウンセラー養成講座のリンク】

◆HSPさんのスキーマ 仙台HSP
◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法

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◆お客様の声
◆料金一覧

認知行動理論|認知療法|公認心理師試験

【認知行動理論】

・「認知行動理論」は、行動療法に認知の観点を取り入れた認知行動療法の基礎となる新しい統合理論

◆学習に対する2つの考え方
・従来の学習に関する考え方には大きく2つの流れがある。

1:「学習は刺激と反応の結びつきの枠組みで説明されるという、「学習理論(S-R理論、S-O-R理論)」の立場
2:ゲシュタルト心理学の観点から、「学習は知覚体系の体制化あるいは再体系化、すなわち認知の変容の枠組みで説明される」という、「認知理論」の立場

これらは、学習理論(もしくは行動理論)を基盤とする「行動療法」と、認知理論を基盤とする「認知療法」としてそれぞれの発展をもたらした。
ところが、行動療法が発展するにしたがって、従来の学習理論では説明がつきにくい現象が、臨床場面を中心に多く指摘されるようになった。

1:刺激を提示しても反応に変化が現れなければ学習が成立したとはいえないとする、「対応性」の仮定に対する疑問。
2:学習は普遍的な現象であり生物学的な影響の差はないとする、強化随伴性の「普遍性」の仮定に対する疑問。
3:強化刺激によって随伴されている行動に変化がみられなくても、実際には強化刺激は効果をもたらしているとする「自動性」の仮定に対する疑問。

これらの従来の学習理論の問題点を解決するために、大まかにいえば、学習理論に認知理論を統合するような形で認知行動療法が提唱されるようになった。

【認知行動理論と認知行動療法】

・行動療法を用いた臨床場面においては、
1:同一刺激を与えてもクライエントの反応は様々である。
2:逆にさまざまな刺激をクライエントに与えても反応は同じであることがある。
3:刺激も反応も観察不可能な場合がある。
などの問題点が指摘されるようになり、従来の不備な点を補うような形で認知行動療法が展開した。

◆学習(行動)理論の限界を踏まえ、人間の行動は認知的な活動が介在するという事実を重視し、顕在性の行動に力をおく学習(行動)理論に代わり、その説明力を高めるために認知的変数をより積極的に取り組んだ認知行動療法が展開されたことになる。一方、従来の行動療法が認知的要因を扱っているわけではないという指摘も多い。

例えば・・・
伝統的な行動療法の技法である系統的脱感作法はイメージという形で認知的要因を扱っている。
思考中断法は思考という認知的変数への介入を試みているなどとする見解である。

ところが・・・
適切な行動と強化との関連性を教示した方が治療効果が上がるなどといった事実を踏まえると、クライエントの内面のコントロールの主体が、どこにあるのかという、前提の違いではないかという指摘もある。

実際に認知行動療法は、行動と認知の両面から介入する方法が採用され、クライエントの認知的要因である思考、態度、信念などはクライエント自身のコントロール下にあるという前提のもとに、セルフコントロール力を高めることに重点がおかれる。

すなわち・・・
行動が認知、情動、生理的変化などと相互決定的に影響を与えあうことを前提とし、行動、認知、情動、生理などに対して多面的に働きかけ、治療効果を引き出そうとすることに特徴がある。問題行動や症状の克服のみならず、克服過程をも学習することを強調するという相違点はあるものの、その基本は行動療法と同様の志向をしていることに変わりはない。

◆認知行動理論は、伝統的な学習(行動)理論が精練される変化の過程ととらえることができる。

【スキーマ】schema について

・個人の中にあるかなり一貫した知覚・認知の構え。すなわち、個人が世界をどのように構造化しているかということを指す。
・スキーマは、過去の学習や経験に基づいたものであり、自分自身を個人として、集団の一員として規定するための信念体系、あるいは基本法則である。そして、個人がある出来事に特定の意味を与える規則でもある。
・うつ病患者のスキーマには「完全でなければ私は愛されない」「あらゆる点で有能でなければ私は失敗者だ」といったものがある。

【認知療法】

・認知療法――考え方を柔軟にしていくことで、うつや不安など、主に情緒面の問題を解決する治療法

【認知療法は認知行動療法の代表選手】

・認知療法はアメリカの精神科医 アーロン・ベック(1921年~)によって開発された。
クライエントの考え方のスタイル(認知)を治療の標的とし、その変容を通して情緒面、行動面の問題解決も図って行こうとする治療法であり、認知行動療法と総称される一群の治療アプローチの代表的なものである。

・感情や行動には自動的にふっと浮かんでくる思考(自動思考)が伴っていることが多い。その思考の背景には、さらに価値観や人生観など、考え方に特定の色づけを与えるもの(スキーマ)が関わっている。

・自動思考に注意を向け、それを変えていくことで、例えば・・不安になっても必要以上に騒ぎ(不安)を大きくしなくて済むようになる。また、自動思考の中に一定の色づけやパターンを見出していくことにより、極端なスキーマの検討ができれば、治療効果をより高め再発防止にも役立つ。

【認知療法の適用】

・認知療法が最も得意とするのは、うつ病とパニック障害であるが、近年は摂食障害やパーソナリティ障害などにも適用されて大きな効果をあげている。

【アーロン・ベック】 Beck.Aaron (1921~  )アメリカの精神科医。
・うつ病を中心としたさまざまな精神障害や、パーソナリティ障害に対する認知療法を創始し、体系化した。
・アーロン・ベックは、うつ病には特有の思考内容や、非論理的で非現実的な思考パターン(認知のゆがみ)のあることを観察し、うつ病患者の障害はこのような思考障害ゆえに生じるという仮説のもとに、認知の歪みのもととなる個人のスキーマ(価値観、信念)を修正することが出来る事を示した。

【認知行動療法のリンク】

◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆仙台の認知行動療法|中級編
◆行動療法|スキナー|公認心理師試験
◆認知行動理論|認知療法|公認心理師試験
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認知行動理論|自動思考スキーマ|公認心理師試験

認知行動理論|自動思考スキーマ|公認心理師試験

出来事に対し瞬間的に浮かび上がる考えやイメージを『自動思考』といいますが、普段は意識されることなくすぐに忘れられてしまうもので、ストレスに大きく影響を与えるものがあります。

【例えば・・・】

怒られた時、『この程度で済んで良かった』と思うか『怒られる自分はダメな人間だ』と思うか、というようなことです。この思考は、持って生まれた性格によるものではありません。
過去の体験の積み重ねによって自分自身が日々選択してきた「くせ・習慣」のひとつで意識することにより、その「受け取り方」の「くせ・習慣」を修正することが可能ですそれにはまず、自覚、認識すること。そこから修正に向かうための第一歩が始まります

●自分の「受け取り方」は、いつどのような事がきっかけで完成された?
そんなことに気づきながら徐々に自分自身の思考のくせ・習慣(自動思考)を自覚し改善していくことができます。「自動思考」はその人の過去の体験からつくられたものです。正確にいえば瞬間的に湧きあがる自動思考の背景には過去の体験の積み重ねによって形成された何らかの前提(スキーマ)があるということです。

●幼少時期に親(又は養育者)からの拒否を受け続けると「自分は人から愛されることはない」といったスキーマが形成されそのスキーマを背景とし「誰とも仲良くなれない」「誰からも愛されない」といった自動思考を繰り返すことになります。

●過去の苦痛で不快な体験や精神的な破綻を繰り返さないように「防衛機制」を働かせ処理した結果、否定的なスキーマが形成され、その延長に「歪みをもった自動思考」が出現するということになるのです。
ちょっと難しいかもしれませんが、徐々に自分に合ったペースで理解していくと自分自身の「自動思考」に気づくようになります。
☆「気づき」(認知)を促し、改善(行動療法)するためのサポートが「カウンセリング」だと私は考えています。
仙台心理カウンセリングで開講する、心理学講座「交流分析」は、理論を使って理解しながら、自分のパターン(自動思考)に気づき、改善していくカリキュラムが含まれております。
*「自動思考」「認知のゆがみ」などを改善する方法は心理学講座で実践しながらご指導します。ぜひ!ご相談下さい。
※ご注意していただきたい事:心理的問題で通院治療中の場合、主治医の承諾が必要であることをご承知おき下さい(安全配慮の観点)

【認知行動療法のリンク】

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行動療法|スキナー|公認心理師試験

【行動療法】
・行動療法――症状や不適応な行動が身についてしまったら、それを効果的に軽減したり、適応した行動を積極的に身につける方法を学ぶ治療法。

【行動療法の定義と特徴】
・行動療法とは、実験的に明らかにされている学習理論、行動理論を基盤とし、不適応に陥っている行動の治療改善を図ることを目的とした治療技法の体系である。
・行動療法という用語は、アメリカの心理学者:行動分析学の創始者「バラス・フレデリック・スキナー」(1904~1990)が最初に使用したとされている。
・心理学者「ハンス・アイゼンク(1916~1997)」が、1960年に「行動療法と神経症」を出版してから広く定着し、行動療法の創始者の一人:行動療法の一つである系統的脱感作法の考案者 J・ウォルピ(1915~1998)によって、「学習の原理やパラダイムを適用し、不適切な習慣を克服すること」と定義されている。

【行動療法の大きな特徴】
・人間の行動は大部分学習によって獲得されたとみなすこと。
他の心理療法と比較して客観性と普遍性を強く指向していることである。

・神経症でさえ、何らかの理由で不適応的に学習された習慣にすぎないものであり、その習得に用いられたと同じ原理を組み合わせれば、それは解除できるという考え方に立脚している。

・一般に他の心理療法と比較して治療に要する時間は短く、治療の経過を客観的に理解することができる。

【具体的な特徴】
1:行動理論を基礎原理とする
2:治療の目標を明確にし客観的測定や制御が可能な行動のみを治療対象とする
3:症状を不適応行動の学習あるいは適応行動の未学習としてとらえる
4:治療の焦点を過去ではなく今現在にあてる
5:治療の最終目標を行動のセルフコントロールとする

・仙台心理では、心理カウンセリングを通して、ご本人(クライエント様)の中で「問題となっている不適応」に気づき、「問題点の修正&セルフコントロール」を目標にして進んでいただくことをサポートしてまいります。ご自身の中で何か気になる行動などございましたら、ぜひ、心理カウンセリングの中でご相談ください。皆様のお越しを、心よりお待ち申し上げております。
※ご注意頂きたい事:心理的問題で通院治療中の場合、主治医の承諾が必要であることをご承知おき下さい。(安全配慮の観点)

【認知行動療法のリンク】

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精神保健福祉法|措置入院|公認心理師試験

措置入院|公認心理師試験

精神保健福祉法による(精神障害者の)入院形態
(1)任意入院
(2)医療保護入院
(3)応急入院
(4)措置入院/緊急措置入院

(1)任意入院
本人の同意に基づく入院。人権擁護の点で基本の入院形態。本人から退院の申し出があった場合、管理者は退院させる必要がある。退院請求があっても病状から退院はさせられないと精神保健指定医の診察・判断があれば、72時間を限度に退院を制限できる。(72時間以内に医療保護入院等への切り替えを行うことがある)
(2)医療保護入院
自傷他害の恐れはないが、家族等のいずれかの者の同意がある時は、本人の同意がなくても病院の管理者が入院させることができる。家族等:配偶者、親権を行う者、扶養義務者、後見人又は保佐人該当者がいない場合は、市町村長の同意を要件とする。精神保健指定医が家族等の同意を得て入院を決定する。
(3)応急入院
精神保健指定医の診察の結果、自傷他害の恐れはないが、入院させないと本人の保護に著しい支障が生じる際、保護者の同意を得ることができない場合でも、本人の同意なしに、72時間に限り病院管理者の権限で入院させることができる。72時間以内(3日間)に以後の対応を決める必要がある。応急入院に対応できるのは指定病院のみに限られる。
(4)措置入院・緊急措置入院
都道府県知事が精神保健指定医に診察をさせ、自傷他害のおそれがあると認められる場合。「措置入院」に際しては精神保健指定医2名が入院を必要と判断する必要がある。

「措置入院」
自傷他害の恐れのある精神障害者に対して、都道府県知事の権限で行われる入院。精神障害があり、警察官等からの通報や届け出があってから、職員の立会、家族等に対する診察日などの通知、2人以上の精神保健指定医の診察が必要。退院要件:症状消退届(自傷他害の恐れが消失)を都道府県知事に提出。判定基準は精神保健福祉法28条の2で規定『精神障害者であり、かつ、医療および保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めた時』
「緊急措置入院」
緊急を要し、精神保健福祉法27条、28条の手続き(二人の指定医・都道府県の該当職員の立会い・家族に通知等)がとれない場合、「直ちに入院させないと自傷他害のおそれが著しいと認められた時」と規定されている。緊急の場合は1名の指定医の判断でもよいとされているが、その後72時間以内に、2名の指定医による診察が行われなければならないという条件が付されている。

※「緊急措置入院」も「措置入院」も、「精神障害者であり、かつ、医療および保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めた時」という規定は共通している。

【精神保健指定医】
非自発的入院・処遇の全てに係わる。資格更新5年ごと(①5年以上診断・治療に従事、②3年以上精神障害の診断・治療に従事など)

【精神医療審査会】
適切な医療・保護を審査する機関。病院外の第三者機関。
第12条:都道府県におかれる。
5名の委員で構成:精神科医2名以上、精神障害者の保健・福祉に関する学識経験者1名以上、法律専門家1名以上。任期は2年。

【非自発的入院における処遇】
自殺企図、自傷行為の危険がある時。
隔離:12時間未満であれば医師で、それ以上の隔離は精神保健指定医の診察が必要。隔離継続中は毎日診察が必要。
身体拘束:隔離よりも切迫状態。必ず精神保健指定医の判断が求められる。

【精神障害者福祉手帳】
都道府県知事が交付する。2年ごとの更新が必要。氏名、住所、障害等級、顔写真が掲載されている。
・1級:精神障害が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。この「日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度」とは、他人の援助を受けなければ、ほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
・2級:精神障害の状態が、日常生活で著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものである。
・3級:精神障害の状態が、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活が制限を加えることを必要とする程度のものである。

=補足=

【対象】入院させなければ自傷他害のおそれのある精神障害者
【要件等】精神保健指定医2名の診断の結果が一致した場合に都道府県知事が措置
(緊急措置入院は急速な入院の必要性があることが条件で指定医の診察は1名で足りるが入院期間は72時間以内に制限される。)

精神保健福祉法等による入院制度 措置入院.
※緊急の場合には入院期間を72時間に限定した緊急措置入院あり医療保護入院医療観察法(※)による入院処遇
※平成15年に成立、厚生労働省と法務省の共管。