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心理学の知識

ソクラテス問答法|認知行動療法|コーチング技法を学ぶ

ソクラテス問答法
仙台心理カウンセリングで学ぶ心理学
認知行動療法 コーチング技法を学ぶ

オンラインカウンセリング 仙台 ソクラテス問答法
カウンセリング技法を身につける

◆ソクラテス式の常套(じょうとう)手段

問題、感情、認知、身体、行動がより明らかになるような質問5項目

◦感情 その時、何を感じたのでしょうか?
◦身体 その時、何か身体に変化がありましたか?
◦思考 その時、何か思い浮かびましたか?
◦行動 その時、どんなことをしましたか?
◦問題 その事を、もう少し具体的にお話し頂くとどうなりますか?

※この手段は現在、心理カウンセリング技法としても用いられています。

カウンセリング技法として、感情の反映技法
意味の反映技法
療法としての、フォーカシング
他に、論理療法認知行動療法など様々あります。

【ソクラテス式問答法】

◆質問によって相手の理解を得るための方法

基本的には相手に質問を投げかけることで会話が進みます。
議論で相手を説得することはしません。
かといって相手の話を聴いているだけにはしません。

議論をせずに相手に気づいてもらうことがソクラテス式問答法の目的です。
議論と傾聴の間に位置することはバランスは難しいですが、理解は難しくはありません。

しかし、「誘導尋問」との違いは解りにくいことが多いです。
また、解っていても油断をすると誘導尋問になってしまいます。

【誘導尋問との違い】

誘導尋問とは自分の都合の良い答えを相手から言わせる方法です。
誘導尋問と大きく違うところは、
あらかじめ予想した答えに導くためのものではない、というところです。
ソクラテス式問答法では目的とする答えを用意することはしません。
質問をしますが、目的地をあらかじめ決めておくことはしません。

相手の話を聞き(傾聴)、
理解できないところを質問していくことで様々なことがはっきりしてきます。

現在、効果的な質問は、コーチング技術の一つとして使われております。

その過程で、「自分はこのように考えていたから、辛い気持ちになったんだ」と気づくのですが、
時にはセラピスト(カウンセラー)が理解していなくても気づきが出ることがあります。
完全に何の仮説も持たずに会話をすることは無理なことです。
しかし、仮説に近づけようと思って会話をすることは誘導尋問になります。
仮説を持つことは悪いことではないですが、仮説は仮説に過ぎません。

仮説を証明するためではなく、様々な仮説を立て、
それを質問していくことで相手が気づく。
という流れになることが必要です。

仮説を定めてそこに誘導してしまうと、誘導尋問です。
いくら相手の言葉で言わせたとしても誘導尋問であれば、
説得と同じになってしまい、うまく行きません。

ソクラテスは今から2500年前の古代ギリシャの哲学者です

哲学の祖とも言われています。
「無知の知」として知らないことを知っていることこそ
「知」であるという思想を持った哲学者として登場します。

方法としては「ソクラテス式問答法」を用いて、
自分はよく知っていると信じているその他の哲学者に対して、
無知の知を自覚するよう促したとも言われます。

【無知の知を手に入れる7つの質問】

1:明確化の質問
・この問題の具体的ゴールは?

2:前提の質問
・この問題についてわかっていないことは?

3:証拠の質問
・今の答えを事実だと考えた理由は?

4:起源の質問
・今の考え方はどこから得たもの?

5:結果の質問
・これを試したらどんな効果があるだろう?

6:視点の質問
・ほかの人はこの問題にどうこたえるだろう?

7:仮定の質問
・今の答え以外に考えられる答えは?

以上、7つの質問はセルフ・コーチングにも使えて便利ですね。

【内面的側面:4つの段階】

1,問題を明確に定義する
2,対処行動の選択肢を拡げる
3,意思決定を行なう
4,検証する(計画、評価)

※同じ質問でも「問題を明確に定義する段階」と「検証する段階」では、その意味や得られる回答が違います。

【プロセスの側面:5項目】

1,焦点化
2,説明
3,明確化
4,連続的な展開
5,短文の利用

【系統的質問の形式的側面:8つの項目】

※問いかけることで面接を組み立てよう!

1,記憶の質問
2,翻訳の質問
3,解釈の質問
4,応用の質問
5,分析の質問
6,統合の質問
7,評価の質問
8,未来志向の評価の質問

【自動思考に対する質問】byベック2004

1,どんな根拠があるか? 
・この自動思考を支持する根拠は何か? 
・この自動思考に反する根拠は何か?
2,何か別の見方はあるだろうか?
3,起こりうる最悪の結果とはどのような事だろうか?
・自分はそれを切る抜けられるだろうか?
・起こりうる最良の結果とは、どのような事だろうか?
4,この自動思考を信じることによってどんな効果があるだろうか?
・この自動思考を修正すると、どんな効果があるだろうか?
5,この自動思考に対し、どんなことを行なえばよいだろうか
6,もし、友人が自分と同じ状況に置かれていたら、その友人になんと言うだろうか?

【自動思考を検討するための質問】伊藤絵美2006

1,自動思考がその通りであることの事実や根拠(理由)は?
2,自動思考に反する事実や根拠(理由)は?
3,自動思考を信じることのメリットは?
4,自動思考を信じることのデメリットは?
5,最悪どんなことになる可能性があるか?
6,奇跡が起きたら、どんな素晴らしいことになるか?

7,現実には、どんなことになりそうか?
8,以前、似たような経験をした時、どんな対処をしたか?
9,ほかの人なら、この状況に対して、どんなことをするだろうか?
10,この状況に対して、どんなことができそうか?
11,もし、友人だったら、何と言ってあげたい?
12,自分自身に対して、どんなことを言ってあげたい?

【まとめ】

「知識の否認」を用いれば、「絶対で確実なことが存在する」という誤った認知に振り回されることなく、より適応的な生活を送ることができます。実際の認知療法では「知識の否認」は協同的経験主義を尊重し、加えてノーマライゼーションに基づく心理教育、認知行動モデル、質問集やほかのツールなどを用いることで、協同作業はさらに促進されます。

オンラインカウンセリング の中で、この技法は傾聴に加え必須です。
心理カウンセリングの場面では、状況や必要に応じて取り入れております。

仙台心理カウンセリングの「心理カウンセラー養成講座」(初級編:中級編)では、
傾聴技法やその他の心理療法を体験しながら学ぶことができます。
心理学にご興味を持たれた皆様のお申込み、ご体験を心よりお待ち申し上げております。

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
◆【SOC理論 選択的最適化理論 バルテス】
◆【アサーションチェックリスト 自己表現】
◆【ソクラテス問答法 認知行動療法】
◆【タイプA型行動パターン フリードマン】
◆【タイプa型行動パターンとタイプA型行動チェック】
◆【無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)】
◆【原因帰属理論 ワイナー】

※その他『心理学の知識』 関連一覧のリンク

認知行動療法関連リンク

◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆仙台の認知行動療法|心理カウンセラー養成講座中級編
◆行動療法|スキナー
◆認知行動理論|認知療法
◆認知行動理論|自動思考スキーマ

タイプA行動パターンの特徴|フリードマン|タイプa行動パターンの提唱者

タイプA行動パターンの特徴|フリードマン
タイプa行動パターンの提唱者と特徴

タイプA型行動パターンについて

タイプA型行動パターン|フリードマン
タイプa行動パターンの提唱者と特徴

一般にタイプAは心筋梗塞などの虚血性心疾患が多いタイプ、タイプBはタイプAの逆の傾向を持つ人たち、タイプCはがんになりやすい人たちとされています。タイプCの「C」はCancer(がん)の頭文字とされています。
タイプAと関連がある用語として、「心身症」「アレキシサイミア」(失感情症)などが重要です。

タイプa型行動パターンの提唱者と特徴。

『M.Friedmanが提唱した性格傾向である』
『時間的切迫感、感情抑制、他者評価懸念及び社会的同調性の特徴を持つ』
『複数の特徴のうち、時間的切迫感が心筋梗塞発症の最も強いリスク要因であることが示されている』

【タイプA性格とは】

・自分が定めた目標を達成しようとする強い欲求を持ち
・人と競争することを好み
・功名心が強く
・つねに時間に追われながら多くのことをこなそうとする傾向のことを指します。
・身体的・精神的に過敏で、強い敵意や攻撃性を示す。
・大声で早口にしゃべる傾向があるとされています。
・機敏

これらの行動傾向のうち、基本的で重要なものは以下の通りです。

・時間的切迫感:
時間に追われながらの多方面にわたる活動。
・性急さ:
身体的精神的活動速度を常に速めようとする習癖。
・達成努力:
自分が定めた目標を達成しようとする持続的な強い欲求。
・野心:
永続的な功名心。
・競争:
競争を好み、追求する傾向。
・敵意性:
身体的精神的な著しい過敏性を伴う。

フリードマン(Friedman,M.)とローゼンマン(Rosenman、R.H.)
によって提唱された『タイプA行動パターン』では、
タイプAと呼ばれる性格の人が冠動脈疾患になりやすいことを指摘しています。

フリードマンとローゼンマンによって提唱された『タイプA行動パターン』は、
冠状動脈性の心疾患と関連があると報告されています。

【タイプA行動パターン】

1.タイプA行動パターンは、同時にいくつもの仕事を引き受けて、次々にやってくる締切りに追われます。
2.タイプA行動パターンは、課題に取り組むときには、多くの課題を時間に追われながら行います。
3.タイプA行動パターンは、他の人との競争を好み、競争のある場面で本来の力を発揮します。
4.タイプA行動パターンは、他の人に強い敵意性や攻撃性を認めます。
5.タイプA行動パターンは、成果をあげたときに、組織内の地位にこだわります。

これらがタイプA型の特徴と言えます。
その中でも特に「敵意性」が冠動脈疾患の重要な予測因子であることがわかっています。
(Sadock&Sadock,2003)

これに対してTemoshok によって提唱された、多くのがん患者に共通して見られるタイプC型行動パターンという型があります(これはタイプAの逆の特徴)こちらは、がん罹患のリスクファクターになるのではないかとまで言われているものです。

タイプB行動型パターンとは、タイプAと反対の性格傾向を持つ人のことを言う。あくせくせずにマイペースで行動してリラックスしており、非攻撃的などの性格傾向を持つ人です。※タイプAの人はタイプBの人よりも2倍、心臓疾患になりやすいことが報告されている。

タイプC行動型パターンとは、怒りをはじめとしたネガティブな感情を表出せず、経験もしないということや忍耐強く控え目で、周囲の人々に対して協力的で、権威に対して従順であるというもの。他者の要求を満たすためには極端に自己犠牲的になり得るなどの特徴を示す行動パターンのことを指します。そのため、表面的にはいわゆる「良い人」に見えるのであるが、何らかの葛藤やストレスを抱えている可能性も考えられる。

アメリカ西海岸の大規模な共同研究の結果によれば、タイプAは逆のタイプBに比べて冠状動脈性心臓疾患の相対的危険度は約2倍という結果が出ています。タイプA行動は冠状動脈性心臓疾患になりやすい人の特徴的な行動としてみてよいでしょう。

ちなみにこれらの結果は、食事、年齢、喫煙、その他の変数を考慮しても同様でした。
多くの研究結果を背景として、1981年にアメリカ心臓病学会は、タイプA行動が冠状動脈心臓疾患の危険因子と分類されるべきだと発表しました。しかし、それ以降の2つの研究結果(1983年と1985年)では、タイプA行動と心臓疾患との関連を見つけることはできませんでした。

その理由として、タイプAの評定法の違いに原因があるのではないかという研究者と、タイプA行動の定義が拡散しすぎているせいではないかという研究者がいます。多くの研究者は「時間的切迫感」と「競争」については、対して重要な要因ではないと論じており、そこから「敵意性」が重要な係数であると示しました。
その後の研究でも、「敵意性」が冠状動脈性心臓疾患の発生率の向上に絡むことがわかってきています。

このメカニズムとして、交感神経系のストレスに対する反応様式が挙げられます。
「敵意性」が高い人は、血圧や心拍数、ストレスに関連するホルモンの分泌量が大幅に増加するなどの結果が示されています。
すなわち「敵意性」が高い人の交感神経系は、ストレスとなる状況に過剰反応すると言えます。

また日本人における検討では、欧米の先行研究における「タイプA行動パターン仮説」に反して、男性において「タイプB行動パターン」が虚血性心疾患発症リスクの上昇と関係していました。(女性はタイプAに虚血性心疾患が高い。これは欧米と同じ)。

タイプB行動パターンを持つ男性はストレスを内にためこみ、虚血性心疾患リスクを上昇させている可能性があります。このことは、行動パターンの影響が性・文化的背景によって異なることを示しています。ただし、エバンスは、タイプAの特徴は国や文化の違いに関係がないとしております。(ちなみに上記の日本の研究結果は、国立がん研究センターの予防研究グループの発表です)。

以上のように、タイプA行動と心筋梗塞との関連については、タイプA行動というよりも、その中の「敵意性」が重要であるという指摘がある。

※「タイプA行動パターン」を持つほど、虚血性心疾患発症リスクが上昇する傾向が見られました。生活習慣における検討では、欧米の先行研究と同様に、「タイプA行動パターン」が喫煙、多量飲酒、日常ストレスなどの虚血性心疾患危険因子と関係しています。欧米社会と比較して、強調性が強く求められる日本人社会には、せっかち、怒りっぽい、競争心、積極性、敵意性などの行動を表に見せることに否定的な風土があるため、タイプA行動パターンを持つ男性は会社の仲間などとお酒を飲みに行くことでそのようなストレスを発散している一方で、タイプB行動パターンを持つ男性はストレスを内にためこみ、虚血性心疾患リスクを上昇させている可能性があります。行動パターンの影響が性・文化的背景によって異なることを示しているのが特徴です。

【認知行動療法の効果】

『行動パターンを変容させる介入研究により、心筋梗塞の再発を抑える効果が示されている』

フリードマンら(1994)は認知療法的技法と行動療法的技法を組み合わせることで、タイプA行動を減少させることができることを証明しました。過去に少なくとも1回心臓発作を経験したことがある1000人以上の被験者の治療群に対して、以下のようなアプローチを行いました。
・普段なら時間をかけてじっくり考えない事柄をじっくり考える機会を持たせる。
・他人を観察してもらう。
・見知らぬ人と会話を交わす機会を持つ。
・人に爆発することなく自分の感情を表現できるように、また特定の行動を変えるように助言を受ける。

更に、治療者はタイプA型行動の背景にある基本的な信念(成功か否かは、仕事量による等)を再評価できるよう援助しました。これらによって参加者は、家庭環境と仕事環境のストレスを減らす方法を見つけていきました。この研究では、もう一度心臓発作が起こるか否かを重要な従属変数と見立て、縦断的に経過を追っていきました。その結果、4年半の間、治療を受けた群の心臓発作の再発率は、統制群(特に生活に修正を加えられていない)のほぼ半分であったことがわかりました。このことは、明らかにタイプA行動を修正することを学習することは、彼らの健康に有益であったことを示しています。

認知行動療法を取り入れることでタイプAの「再発率は減らせた」という研究結果。

仙台心理の心理学講座では、認知行動療法を取り入れたトレーニングも含めてご指導しております。
ぜひ、ご相談下さい。

その他のパターン:タイプA・B・C行動パターン

【タイプB行動パターン】
マイペースに行動することを好み、基本的にのんびりとしており、
目立たず、非攻撃な行動タイプを有する。
穏やか、怒らない、自分のペースで無理をしないように遂行する。
タイプBは、タイプAと比較し、虚血性心疾患などの心臓疾患に罹患しにくいことが分かっており、
フリードマンらの報告によると、出世欲の強いタイプA傾向よりも、
タイプB傾向のほうが、結果的には出世しやすいことが示されている。
長期的に考えた場合、生産性が高いのはタイプB傾向であると考えられている。

【タイプC行動パターン】
「良い子」「良い人間」を演じ、自己犠牲的で周囲に気を使い、まじめで几帳面。
そのためストレスを発散することが出来ず、免疫力が低下する。
周囲に気を使い、怒りや不安などの気持ちを抑圧しやすく表出しない、がまん強いなどの傾向。
タイプC傾向はがんに罹患しやすいともいわれている。

※ Temoshok(テモ・ショック)が提唱
※「がん性格―タイプC症候群」 *創元社(1997/09)
テモショック,リディア〈Temoshok,Lydia〉・ドレイア,ヘンリー/著〈Dreher,Henry〉
大野 裕/監修  岩坂 彰・本郷 豊子/訳

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
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◆【アサーションチェックリスト 自己表現】
◆【ソクラテス問答法 認知行動療法】
◆【タイプA型行動パターン フリードマン】
◆【タイプa型行動パターンとタイプA型行動チェック】
◆【無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)】
◆【原因帰属理論 ワイナー】

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◆認知行動理論|認知療法
◆認知行動理論|自動思考スキーマ

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◆お客様の声
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#タイプA型行動パターン #仙台で認知行動療法 #スキーマ #HSP 
#コラム法 #感情の安定 #行動療法 #認知のゆがみ
20191212

タイプa行動パターン|タイプA型行動チェック

タイプa行動パターン|タイプA型行動チェック|公認心理師試験

タイプA型行動パターン

タイプAは心筋梗塞などの虚血性心疾患が多いタイプ。
タイプBはタイプAの逆の傾向を持つ人たち
タイプCはがんになりやすい人たちとされています。
タイプCの「C」はCancer(がん)の頭文字とされています。

【チェックリスト】

タイプA型(Aggressive)チェックリスト

□ 1.毎日忙しい生活を送っている。
□ 2.時間に追われている。
□ 3.つい競争してしまう。
□ 4.ちょっとしたことでも怒りやすい。
□ 5.仕事や行動に自信がある。
□ 6.何事も熱中しやすい。
□ 7.何事もキチンと片付けないと気が済まない。
□ 8.緊張したりイライラしやすい。
□ 9.早口で話す。
□ 10.並んで順番を待つことが嫌い。
□ 11.几帳面(きちょうめん)である。
□ 12.熱中すると他のことに気持ちのきりかえができにくい。

※6個以上当てはまる場合は「認知行動療法」がお勧めです。

【タイプA性格とは】(Aggressive)

・自分が定めた目標を達成しようとする強い欲求を持ち
・人と競争することを好み
・功名心が強く
・つねに時間に追われながら多くのことをこなそうとする傾向のことを指します。
・身体的・精神的に過敏で、強い敵意や攻撃性を示す。
・大声で早口にしゃべる傾向があるとされています。
・機敏

これらの行動傾向のうち、基本的で重要なものは以下の通りです。

・時間的切迫感:
時間に追われながらの多方面にわたる活動。
・性急さ:
身体的精神的活動速度を常に速めようとする習癖。
・達成努力:
自分が定めた目標を達成しようとする持続的な強い欲求。
・野心:
永続的な功名心。
・競争:
競争を好み、追求する傾向。
・敵意性:
身体的精神的な著しい過敏性を伴う。

フリードマン(Friedman,M.)とローゼンマン(Rosenman、R.H.)
によって提唱された『タイプA行動パターン』では、
タイプAと呼ばれる性格の人が冠動脈疾患になりやすいことを指摘しています。

フリードマンとローゼンマンによって提唱された『タイプA行動パターン』は、
冠状動脈性の心疾患と関連があると報告されています。

【タイプA型行動パターン】

1.タイプA行動パターンは、同時にいくつもの仕事を引き受けて、次々にやってくる締切りに追われます。
2.タイプA行動パターンは、課題に取り組むときには、多くの課題を時間に追われながら行います。
3.タイプA行動パターンは、他の人との競争を好み、競争のある場面で本来の力を発揮します。
4.タイプA行動パターンは、他の人に強い敵意性や攻撃性を認めます。
5.タイプA行動パターンは、成果をあげたときに、組織内の地位にこだわります。

これらがタイプA型の特徴と言えます。
その中でも特に「敵意性」が冠動脈疾患の重要な予測因子であることがわかっています。
(Sadock&Sadock,2003)

【認知行動療法の効果】

『行動パターンを変容させる介入研究により、心筋梗塞の再発を抑える効果が示されている』

フリードマンら(1994)は認知療法的技法と行動療法的技法を組み合わせることで、タイプA行動を減少させることができることを証明しました。過去に少なくとも1回心臓発作を経験したことがある1000人以上の被験者の治療群に対して、以下のようなアプローチを行いました。

・普段なら時間をかけてじっくり考えない事柄をじっくり考える機会を持たせる。
・他人を観察してもらう。
・見知らぬ人と会話を交わす機会を持つ。
・人に爆発することなく自分の感情を表現できるように、また特定の行動を変えるように助言を受ける。

更に、治療者はタイプA型行動の背景にある基本的な信念(成功か否かは、仕事量による等)を再評価できるよう援助しました。これらによって参加者は、家庭環境と仕事環境のストレスを減らす方法を見つけていきました。この研究では、もう一度心臓発作が起こるか否かを重要な従属変数と見立て、縦断的に経過を追っていきました。その結果、4年半の間、治療を受けた群の心臓発作の再発率は、統制群(特に生活に修正を加えられていない)のほぼ半分であったことがわかりました。このことは、明らかにタイプA行動を修正することを学習することは、彼らの健康に有益であったことを示しています。

認知行動療法を取り入れることでタイプAの「再発率は減らせた」という研究結果。

仙台心理の心理学講座では、認知行動療法を取り入れたトレーニングも含めてご指導しております。
ぜひ、ご相談下さい。

【認知行動療法のリンク】

◆タイプA型行動パターン|フリードマン
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20190306

内田クレペリン検査|エミール・クレペリン

内田クレペリン検査|エミール・クレペリン|公認心理師試験

内田クレペリン精神作業検査の実施と解釈
内田クレペリン精神作業検査検査はエミール・クレペリンが創案した「連続加算法」を内田勇三郎が取り入れ、作業検査法として完成させた。
エミール・クレペリン(ドイツの精神科医)は、現在の統合失調症概念の提提唱者のひとりで、もうひとりはブロイラー。

内田クレペリン精神作業検査の実施と解釈
内田クレペリン精神作業検査検査はエミール・クレペリンが創案した「連続加算法」を内田勇三郎が取り入れ、作業検査法として完成させた。
エミール・クレペリン(ドイツの精神科医)は、現在の統合失調症概念の提唱者のひとりで、もうひとりはオイゲン・ブロイラー(1857~1939)

◆内田クレペリン作業検査内田クレペリン精神作業検査の実施と解釈

以下のステップで結果の集計が行われる。

1,誤謬(ごびゅう)のチェック:
誤答の数字を赤○で囲む。
2,プロフィールを描く:
各行の最後の答えの右上にある印刷数字をマークして折れ線グラフで結ぶ。
飛ばし・抜かしがある場合は、その数だけずらしていく。
3,作業量の産出:
各行の作業量を読み取り、作業量合計を算出、1分ごとの平均作業量を算出し、作業量段階の判定を行う。
4,休憩効果率の算出:
休憩後平均作業量/休憩前平均作業量=休憩効果率となる。
5,初頭努力率の算出:
1分目作業量/平均作業量によって算出。休憩前、休憩後の両方で算出する。
6,動揺率の算出:
休憩前・休憩後のそれぞれで、最高作業量-最低作業量=最大差を算出し、これを平均作業量で割ると「動揺率」となる。
7,V字落ち込みの算出:
落ち込み部分の曲線の振れ幅が平均振れ幅の1.5倍以上の場合を指す。
8,作業量段階の判定と問題傾向の頻度を組み合わせて曲線傾向を判定する
9,曲線類型の判定および作業適応度の判定

上記うち「誤謬率」「休憩効果」「初頭努力」「動揺率」などは、クレペリン検査で使われやすい表現。
※「誤謬」(ごびゅう)とは、間違いという意味。

◆検査の目的

被験者の計算能力、注意力、集中力、精神の安定性を検査し、性格・職業適性を見る。
・計算の処理速度
・作業曲線
・処理の正確性

上記の三点からは主に以下のことがわかる

・計算の処理速度→処理能力
・作業曲線→性格、行動傾向
・処理の正確性→性格、行動傾向
※性格、行動傾向は発動性、可変性、亢進性から判断しており、被験者の長所、短所がわかるとされている。

遊戯療法|フロイトとメラニー|プレイセラピー

遊戯療法 アンナ・フロイトとメラニー・クライン|公認心理師試験

◆遊戯療法 プレイセラピー|公認心理師試験

公認心理師試験

概ね3歳から11歳までの子どもを対象とした心理療法の一種で、「遊び」を軸としたセラピー。世界初の児童分析家であるヘルミーネ・フーク=ヘルムートが、「子どもの精神分析には遊びが必要である」と提唱したことから始まる。※ヘルミーネ・フーク-ヘルムート(1871-1924)児童分析家。

アンナ・フロイト(Anna Freud, 1895~1982)
アンナ・フロイトは、精神分析の創始者「ジークムント・フロイト」の末娘。

アンナ・フロイトは遊びを子どもと治療者の間の治療同盟確立を促すものとして用いた。メラニー・クラインとは見解が異なるが、アンナ・フロイトは子どもの描画や遊戯の裏に潜む無意識を解釈する前に子供と治療者のラポールを確立することを重要視した。

◆遊戯療法の成り立ち
~児童分析から遊戯療法への発展~

児童分析は、心理学で有名なフロイトの娘であるアンナ・フロイトやオーストリアの児童分析家メラニー・クラインが、児童心理学に精神分析を持ち込んだことから発展を始めた分野。

アンナ・フロイトは「遊びはセラピストとの関係性作りのためで、分析の下地にすぎない」と考えていたが、メラニー・クラインは「遊びそのものが子どもの精神分析になる」と考えており、当時の児童分析学は複数の意見が対立する分野となっていた。

その後、複数の児童分析家のもと「遊び」の重要性が段階的にクローズアップされていき、それを遊戯療法として確立したのが、児童心理学者のバージニア・アクスライン(Virginia M. Axline, 1911~1988)だった。※アクスラインはカール・ロジャースに師事。

◆児童分析

アンナ・フロイトは、教育者として経験を重ねたのちに『児童分析という新しい分野を開拓』した。
アンナ・フロイトの功績としては「精神分析療法の児童への適応」と「自我の防衛機制に関する理論の展開」が主なものと言える。
アンナ・フロイトは、精神分析を児童へ導入することを試み、自由連想法の代わりに遊戯療法を取り入れて子どもに用いた。

フロイトは子供の親の影響を排除せず、子どもの親と治療家がチームとなって子どもを教育的に引き連れていくことを重視している。
この自由遊び中心の児童分析の中でアンナ・フロイトが強調しているのは、子どもへの教育的配慮の必要性があり、治療者は魅力的な大人という地位を得ることが大切であるということを述べている。
また、子どもの面接を主としながらも、子どもの環境要因である保護者の役割も重視して、親との面接の必要性も主張し、保護者への面接を実施し積極的に子どもにとって成長促進的な環境を整えることを目指した。
遊戯の観察は子どもの自我や無意識の分析、把握することに焦点を置きながらも、
大人と子どもの心性の違い、立場の違いに着目し「児童分析の技法を展開」していった。

アンナ・フロイトは、日常生活において両親と結びついているという点で、大人と子どもに最も大きな違いがあると考えていたのに対し、メラニー・クラインは、大人にとっての自由連想が子どもにとっては遊びに相当するだけであるという考えに基づき、遊びを用いる以外は大人にも子どもにも同じ技法を用いたのが特徴的と言える。

◆自我と防衛

アンナ・フロイトは、こうした児童分析を通して、実際の事例から自我の防衛機制についても理論を提示・展開。「自我と防衛」(1936)という論文の中で、主要な防衛機制10種類をあげて体系化した。退行、抑圧、反動形成、分裂、打ち消し、投影、取り入れ、自己への向き換え(他者に向ける怒りを自己に向ける)、逆転(愛を憎しみに変換)、昇華の10種類。

また、幼児期においては、現実の危険、不快を避けるための現実否認、自我機能の制限などを明らかにしている。アンナ・フロイトは、児童への遊戯療法を発端として、精神分析の諸問題を整理・明確化し、父フロイトから継承した防衛理論を防衛機制という理論で発展させながら、精神分析的自我心理学の確立に寄与した。

◆アンナ・フロイトの防衛機制

父、ジークムント・フロイトは「無意識」という普段人間が認識していない心の働きの部分に注目している一方で、アンナ・フロイトの場合は普段意識している自分、つまり自我がいかにして保たれているのか、そのシステムに注目している。

人間の持っている様々な欲望、それと上手に付き合いながら社会生活を送るためには、対処していく必要がある。人間が時に抱える葛藤に対してどのように自我を守っているのか、その防衛機制(防衛システム)を明らかにしようとしたのがアンナ・フロイトと言えます。

アンナは1936年に『自我と防衛機制』を発表します。本書において、防衛機制には10種類について述べられ、これらの防衛機制は単独で働くというより、相互作用しながら働いていることが指摘されている。

◆アンナ・フロイトの生涯(Anna Freud, 1895~1982)

精神分析の創始者「ジークムント・フロイト」の末娘で、イギリスの精神分析家。児童精神分析の開拓者。ウィーン生まれ。ウィーンのコッタージ・リセウム(Cottage Lyceum)に学ぶ。1918年、父から精神分析を学び精神分析の道に入る。最初の論文は、1922年発表。1923年から精神分析家としての実践を開始。父親に代わり、国際精神分析学会の事務局長、ウィーン精神分析訓練研究所の所長などを引き受ける。

1939年、父ジークムント・フロイトが癌で死去してからは、ますます児童心理学に専念した。メラニー・クラインとの研究上の意見の相違からイギリスの精神分析学会で論争を引き起こす。

その間にも弟子、エリク・H・エリクソン(1902~1994)などを多数育て、戦争が子ども達に与えた影響なども調査した。特に「幼児の防衛機制」についての研究が名高い。※エリクソンは「心理社会的発達段階」で自我発達を8つの段階に区分した。

ウィーンの研究所で治療と研究を通して、遊戯を導入した児童分析の基礎を築いた。又、精神分析の自我心理学を研究。1938年ナチスの侵入により父母とともにロンドンに亡命し、以後長く国際精神分析学会の中心的存在として活躍した。1982年没。

【ジークムント・フロイト無意識のリンク】
◆無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)

ライフキャリア|ハンセン

「意味ある人生」

「どのような生き方をしたいのか」と聞かれれば、
もちろん! 「意味ある人生」と多くの人が答えるだろう。
年齢が高くなればなるほど、この思いが強くなる。

ハンセン(Hansen,L,S)は、
1997年「ライフキャリア」という考え方を提唱。

キャリアを家庭、社会、人生における役割のすべてに幅広く盛り込み、
個人的な満足だけに止まらず、
「自分にも社会にも共に役立つ意義のある仕事」として、
キャリア選択を行うことが重要であるとした。

ハンセン(Hansen,L,S)は、4つのキーワードを掲げる。

「仕事、学習、余暇、愛」である。

これがうまく組み合ってこそ、「意味ある人生」になるとした。

人生(ライフ)における、キャリア選択は、

個人の「生き方」を明暗、どのようにも彩ることが出来る。

~ 「ライフキャリア」 ~

1.労働(仕事)

2.学習(公式・非公式教育)

3.余暇(仕事以外の従事する活動)

4.愛(家庭、子育て)

モラトリアム|エリクソン|公認心理師試験

モラトリアム(精神分析学) moratorium
エリク.H.エリクソン(1902-1994)の提案した精神分析学の用語。
公認心理師国家試験

青年期にはそれまで親の保護の下の一定のルールの中から抜け出し、
未来の可能性の中から自分の進路を選択していかなければならない。

職業や結婚など人生のかなり永続的な選択をすることを猶予され、
自分の生き方を模索試行し、
大人への準備をする期間を、モラトリアムという。

本来は戦争や災害などの緊急時に、
銀行などの金融機関が預金の支払いを猶予することを指すが、
エリク・エリクソンは、青年は社会への参加を、
一時的に免除または猶予されていることを表す用語として使った。

青年は、職業や結婚などの社会人としての義務や社会的責任を猶予され、
その間に様々な役割を担うことを通じて、自らの可能性を試し、
社会の特定の分野に自分に適した生き方を探し出す。

このような青年の自己探求のための期間を、
エリクソンは、『心理・社会的モラトリアム』と呼んだ。

※精神科医・精神分析学者の小此木啓吾(1930~2003)は、
人生の選択を避けて、いつまでも猶予状態にひたりつづける青年を、
モラトリアム人間(moratorium personality)と呼び、
自己選択ができない現代青年の未熟さを分析した。

その背景には,社会の変化が加速度的であり、
アイデンティティを見い出せないという現実があるといわれる。

*小此木啓吾/著「モラトリアム人間の時代」(中公文庫)

人間心理学|コーチン|公認心理師試験

人間心理学|コーチン|公認心理師試験
人間性心理学の特徴と、臨床心理学の歴史の流れ
臨床心理学には4つのとらえ方がある。

人間性心理学の特徴と、臨床心理学の歴史

1、「精神分析理論」ジークムント・S・フロイト(1856~1939)
2、「人間性心理学」カール・ロジャーズ(1902~1987)
3、「行動理論」ハンス・アイゼンク(1916~1997)
4、「認知理論」アーロン・ベック(1921~  )

行動理論と認知理論は統合され「認知行動理論」と呼ばれるようになった。

◆S・J・コーチンは人間性心理学の基本的特徴を以下のように述べている。
(重要な古典のひとつ)

1,人間を全体的に理解する
2,人間の直接的経験を重視する
3,研究者もその場に共感的に関与する
4,個人の独自性を中心におく
5,過去や環境より価値や未来を重視する
6,人間独自の特質、選択性、創造性、価値判断、自己実現を重視する
7,人間の健康的で積極的な側面を強調する
※コーチンの現代臨床心理学

【人間の健康的で積極的な側面を強調】

人間が無意識に支配されているとする精神分析や、外的環境に支配されているとする行動主義に対して、人間を自由意思のもつ主体的な存在として捉える立場が人間性心理学です。マズローはこの立場を、精神分析と行動主義の二大勢力に対して第三勢力の心理学と呼んだ。

【人間性心理学の立場に属する理論家や臨床家】

・「実存分析」ビクトール・エミール・フランクル(1905~1997)
・「現存在分析」ビンスワンガー(1881~1966)
・「クライエント中心療法」カール・ロジャーズ(1902~1987)
・「フォーカシング」ユージン・ジェンドリン(1926~2017)
・「ゲシュタルト療法」フレデリック・パールズ(1893~1970)
・「実存心理学」ロロ・メイ(1909~1994)
・「欲求階層説」アルフレッド・マズロー(1908~1970)

心理学の歴史
ヴント(1832~1920)の要素主義を批判する形でワトソン(1878~1958)が行動主義を展開した。その時の主張は「心理学を科学として成立させるためには、内観という人間の主観的な側面ではなく、客観的に測定・観察が可能な行動を扱うことが必要である」(心理学は自然科学の純粋に客観的・実験的な一部門であると考えていた)

ワトソン(1878~1958)が上記の主張を行った際の根拠の一つになっていたのは「パヴロフの条件反射学」その後1930年代ごろから刺激と反応の間に「有機体」を介在させる新行動主義が展開し「オペラント条件づけ」に関する知見も提出された。第二次世界大戦後になると、実用性を重視するプラグマティズム(社会的雰囲気?)が存在するようになり、実証的な心理療法への機運が高まったこともあり「行動療法」が展開した。

◆行動療法に関与した重要人物

・アイゼンク(1916~1997)
「パーソナリティ特性論(4階層)」
力動的心理療法の理論、実際的な治療効果、診断法・治療法に関する反論を行った。心理療法における科学的な治療効果研究のきっかけを作った人物。スキナーらと共通特徴を持つ治療法をまとめ「行動療法」と呼ぶことを提唱した。アイゼンクは行動療法を「人間の行動と情動とを現代行動理論に従ってよい方向に変える試み」「科学的に実証された学習理論に基づいて人間の行動を変化させるためのアプローチ」などと定義している。

・スキナー(1904~1990)
「行動分析学」
徹底的行動主義のスタンスを貫き、行動の原因を内的なものに求めないのが特徴。オペラント条件づけの理論と臨床応用で活躍した。

・ウォルピ(1915-1998)
「行動主義心理学」
フロイト(1856~1939)の考え方に沿った治療を行っていたが、フロイトの理論では理解できない症例に出会ったことで、パヴロフ(1849~1936)の条件反射学に興味を抱く。実験神経症を示すなど、行動療法の神経症モデルを提唱した。不安の治療に対して古典的条件づけの概念を初めて導入し、体系づけたことが大きな功績。その後、認知行動療法への統合などが生じていく。科学的である主張は人間性心理学ではなく行動主義やその流れにある行動療法だが、人間性心理学とあわせて科学的である部分もカウンセリングでは不可欠な存在。

原因帰属理論|ワイナー|公認心理師

原因帰属理論|ワイナー

◆Weinerの原因帰属理論
ワイナーによると原因帰属のスタイルは、「統制」と「安定性」の組み合わせによるとされます。
・統制:内的統制(その人の内部要因)
・外的統制(環境要因)
・安定性:安定(あまり変わらない要因)
・不安定(変わりやすい要因)
ワイナーの理論ではこれらの組み合わせによって、帰属のパターンを分けています。

【上記の組み合わせ4つとその例】
・内的+安定=本人の先天的・潜在的能力に帰属する:知能が高い、低い等。
・内的+不安定=本人の頑張り次第の要因に帰属する:努力したから、努力が足りない等。
・外的+安定=課題の困難度に帰属する:テストが簡単だったから、難しかったから等。
・外的+不安定=神のみぞ知る的帰属:運が良かったから、悪かったから等。
※「上手く行かない事象を努力の不十分さに帰属する」ことは「内的+不安定」という原因帰属になります。

◆ワイナーは帰属先によって動機づけの高低が変わってくるとしています。
・動機づけが高い人:
成功の原因を能力や努力に帰属させ、失敗の原因を運や努力不足に帰属させる傾向が強いといわれています。自尊心が満たされ、努力すれば成功できるという成功期待も高い状態です。
・動機づけが低い人:
成功の原因を課題の難易や運に帰属させ、失敗の原因を能力に帰属させる傾向が強いといわれています。失敗の原因を能力に帰属させると「何をしてもムダだ」というあきらめの気持ちが強くなり、達成動機が低下します。
上記の通り、努力に原因帰属する人は「自尊心が満たされ、努力すれば成功できるという成功期待も高い状態」とされています。

※自己効力感が低い人が失敗した場合、「自分は何をやってもダメなんだ」「自分は何をしたって成功することはないだろう」と考えるイメージが強いかもしれません。これは「努力」への帰属ではなく、自身の変わらない能力、すなわち「本人の先天的・潜在的能力」(内的・安定)に帰属するということになると考えられます。

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
◆【SOC理論 選択的最適化理論 バルテス】
◆【アサーションチェックリスト 自己表現】
◆【ソクラテス問答法 認知行動療法】
◆【タイプA型行動パターン フリードマン】
◆【タイプa型行動パターンとタイプA型行動チェック】
◆【無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)】
◆【原因帰属理論 ワイナー】

※その他『心理学の知識』 関連一覧のリンク

認知行動療法関連リンク

◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆仙台の認知行動療法|心理カウンセラー養成講座中級編
◆行動療法|スキナー
◆認知行動理論|認知療法
◆認知行動理論|自動思考スキーマ

リアリティセラピー|現実療法|公認心理師試験

リアリティセラピー|現実療法|公認心理師試験
ウイリアム・グラッサー William Glasser(1925~ )

リアリティセラピー reality therapy

・現実療法は、精神科医ウイリアム・グラッサー William Glasser(1925~  )によって提唱されたカウンセリング手法。
・現実療法は、非行少年・少女を中心にカウンセリングや心理療法を行い、その更正に力を尽くしたアメリカの精神科医グラッサー(Glasser.W)の体験に裏付けられた考え方が基礎になっている。
・1965年に『現実療法』(Reality Therapy)が出版されて一躍注目されるようになった。

・これまでの過去、感情、症状に焦点を当てる方法とは異なり、現在の満たされていない重要な人間関係にいち早く焦点を当てることによって、問題解決を試みるカウンセリング手法である。ことさら洞察を目指すものではないので小さな子どもから、どんなレベルの人にも関われる手法。
・対象年齢を問わず、犯罪矯正、薬物依存、精神病、親子・夫婦の家族関係、スクール・カウンセリング、職場のマネジメントと適用範囲は広範囲である。

・現実療法(リアリティセラピー)は、自分の行動に責任を持つことを強調します。 問題は社会、境遇、遺伝、過去にあるのではありません。自分の行動を直視、吟味し、より良い行動を選択する手助けをするのがリアリティセラピーです。 あら捜し、人を責める、過去に執着する、自己否定に陥ることは、リアリティセラピーとは無縁です。

1:パーソナリティ論
・全ての行動は内側から動機づけられており、人間は基本的欲求(愛情、自己価値観)を満たそうと行動する。
2:病理論
・愛情もしくは自己価値観が充足されないと精神的不適応を起こす。
3:目標
・現在性(reality)、責任性(responsibility)、善意(right and wrong)の区別などを身につけてもらい、責任ある行動・生き方をするようになること。
4:カウンセラーの役割
・上記三つのR:現在性(reality)、責任性(responsibility)、善意(right and wrong)の側面を重視して、よりシビアに現実を認識していくように支え導く。
5:援助過程
・現在に焦点を合わせ、過去に合わせない。言い訳の機会を許さない。

グラッサーは「人間にとって唯一の問題 は不幸であること」とする。人間が不幸なときには、とてつもなく創造的になり、その結果非行、犯罪、薬物依存、
暴力、精神病と呼ばれるような行動をとるようになる。

現実療法のカウンセリング:3つの前提

1:クライエントが不幸なのは、満足できる人間関係を持っていないからである。
2:クライエントが満足できる人間関係を持っていないのは、どちらかあるいは両方が関係を改善しようとして、外的コントロール心理学を用いているからである。
3:そのような関係からは苦痛がもたらされるので、どちらかあるいは両方が、相手が用いている外的コントロールから逃れようとしている。

外的コントロールによる「致命的な7つの習慣」

1、批判する
2、責める
3、文句を言う
4、口やかましい
5、脅す
6、罰する
7、ごほうびで釣る
この習慣が実践されるところでは、基本的欲求が充足されず、問題が発生する。

自分の行動は自分の選択であることが分かると、人は今までよりも「自由」を得ることができます。リアリティセラピーは、米国の精神科医ウイリアム・グラッサー博士によって提唱され、著書『現実療法』(1965年)によって一躍世界に注目されるようになりました。2000年発刊『選択理論』はウイリアム・グラッサー博士の集大成とも言える書物。リアリティセラピーは、人が自分の行動を吟味し、明確な基準に照らして評価できるよう、手助けするものです。現実的な願望と欲求を満たして、より良い人生を送れるような計画を共に立て、それに取り組むことによって、力と自信を身につけ、人間関係も改善しより効果的な人生が送れるようになります。 リアリティセラピーは、日々使える自己改善の術を提供し、人が問題に対処し、個人的に成長し自分の人生を効果的に送れるよう手助けするものです。

『 私たちは自分の行為と思考のすべてを選択している 』

「グラッサー博士の選択理論」ウイリアム・グラッサー/著 アチーブメント出版より

※【グラッサーの著書】「選択理論」2000グラッサー. W. /著(柿谷正期/訳) アチーブメント出版
「15人が選んだ幸せの道」2000 グラッサー.W./著(柿谷正期・柿谷寿美江/訳) アチーブメント出版