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心理学の知識

心のケア3|サバイバーズ・ギルト 生存者の罪悪感

サバイバーズ・ギルト
公認心理師試験

心のケア3 「サバイバーズ・ギルト」

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
*正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

サバイバーズ・ギルト(Survivor’s guilt)とは

戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら、
奇跡の生還を遂げた人が、
周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して
しばしば感じる罪悪感のこと。

「サバイバー」(survivor)は「生き残り・生存者・遺族」を意味し、

「ギルト」(guilt)は「罪悪感」を意味する(英語)。

【被災者の「サバイバーズ・ギルト」を理解するために】

台風の被害を受けながらも命が助かった方は、
その幸運による罪悪感に苦しめられることがあります。
この罪悪感は「サバイバーズ・ギルト」と呼ばれます。

安易な慰めの言葉で傷つけてしまうことがないよう、
深い苦しみを抱える方の気持ちを少しでも理解し、
支えていくために必要なことを考えましょう。

【被災で生き延びられた方々の苦悩】

●「サバイバーズ・ギルト(Survivor’s guilt)」

生存者は命が助かったことによる苦しみを抱えることも多いのです。
自分の命は助かったものの親しい方の安否が分からず、
不安と心配で夜も眠れない毎日をお過ごしの方がたくさんおられます。
被災地では、一瞬の差が生死を分けることもあります。
今回の台風被災地でも誰かを助ける犠牲となった方々がおります。

そのような壮絶な体験の中で助かった生存者の方の中には、
自身の幸運に感謝しながら罪悪感に苦しめられてしまう方もおります。

「どうして私だけ助かってしまったのだろう」(苦悶)
「私が彼(彼女)の命を犠牲にしてしまった」(罪悪感)
「私さえいなければ彼を死なせることはなかったのに」(後悔)
「年老いた私が援助してもらうなんて申し訳ない」(自己否定)

このように、台風や震災、事故などの被害に遭い、
命が助かった幸運によって「罪悪感」にさいなまれることを
「サバイバーズ・ギルト(Survivor’s guilt)」と言います。

※’95年の阪神大震災や’05年4月25日に発生した
兵庫県のJR福知山線脱線事故に遭遇した生存者の間に、
このような罪悪感を抱えることがわかり注目されるようになった問題です。

災害時の心のケアにお役立て下さい。

【心のケア1~心のケア15のリンク】

◆心のケア1|喪失の受容
◆心のケア2|被災した人のケア
◆心のケア3|サバイバーズギルト|公認心理師試験
◆心のケア4|心身の反応
◆心のケア5|PTSD|公認心理師試験
◆心のケア6|トラウマティック・ストレス
◆心のケア7|急性ストレス障害|公認心理師試験
◆心のケア8|ストレス反応と心の病気
◆心のケア9|回復のための心構え
◆心のケア10|子どものケア
◆心のケア11|気遣いの言葉
◆心のケア12|グリーフ・カウンセリング
◆心のケア13|グリーフ・ワーク
◆心のケア14|援助者を目指す傾聴術
◆心のケア15|悲嘆のプロセスから回復へ

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