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心理学の知識

仙台カウンセリング|抑うつと憂うつの違い

仙台カウンセリング

◆抑うつと憂うつの違い

・ひとことで、「うつ状態」といっても、厳密には「抑うつ」の段階と「通常の憂うつ」とがあり、両者には相違点があります。
・いやな思いをした時は、気分が落ち込み、憂うつになりますが、時間の経過とともに、回復します。
ところが、いつまでたっても気持ちが落ち込んだままで、意欲も気力もわいてこないことがあります。
・それまで楽しみだったことにも興味が失せて、気分転換を図ろうとする気力さえ起こらなくなります。
このような心の状態を「抑うつ」といい、うつ病の典型的な症状です。
・ひとことで、「うつ状態」といっても、厳密には「抑うつ」の段階と「通常の憂うつ」とがあり、両者には相違点があります。

●「抑うつ」と通常の「憂うつ」の違い

★ 【うつ状態の強さ】

「抑うつ」・・・ひどくふさぎ込み、時には妄想的でさえある
「憂うつ」 ・・・程度は弱く、現実からかけ離れるほどではない

★ 【うつ状態の持続期間】

「抑うつ」・・・2週間以上、うつ状態が続いている
「憂うつ」・・・憂うつな日もあれば、そうでない日もある

★ 【うつ状態の変化】

「抑うつ」・・・喜ばしいことがあっても、気分は良くならない
「憂うつ」・・・喜ばしいことがあると、気分がいくらか良くなる

★ 【日常生活の変化】

「抑うつ」・・・それまでのような生活を送ることができない
「憂うつ」・・・それほど変化はない

★ 【趣味などに対する関心】

「抑うつ」・・・関心が失せ、取り組んでも集中できず、かえって疲れる
「憂うつ」・・・取り組んでいるときの方が気が紛れる

★ 【対人関係】

「抑うつ」・・・人に会うのをいやがる
「憂うつ」・・・人と会っているときの方が気が紛れる

★ 【1日内の気分の変化】

「抑うつ」・・・朝は気分が悪く、夕方になると良くなるケースが多い。(日内変動という)
「憂うつ」・・・それほど変化はない

★ 【自殺の恐れ】

「抑うつ」・・・自殺願望を持つことが多く、実際に命を絶つ人が少なくない
「憂うつ」・・・実際に自殺する人は少ない

注):以上は、あくまで目安であり全てのケースに当てはまるわけではありません。

仙台カウンセリング|うつ状態とうつ病の違い

仙台カウンセリング

うつ状態とうつ病の違い

・うつ病に似た言葉がいくつもあります。
うつ病、うつ状態、抑うつ状態、
抑うつ感、うつ的な気分・・。

単に「うつ」という言い方もあります。
それが、良くわからない、混乱するという人もいるでしょう。

◆【うつ状態】
・私たちが日ごろ感じる軽い気分の落ち込み。気分が沈みこんだ状態を表すことばです。
普通に暮らしている人が失敗をして落ち込んでいるのも、何もやる気がおこらなくて沈んでいるのも「うつ状態」です。

・うつ状態(抑うつ状態)という診断は、要するに、仮診断。
病気かどうかの診断はまだついていないですよ、という意味がある訳です。

◆【うつ病】
・うつ状態を中心とする症状があって、本人がとても苦しい思いをしたり、
仕事や生活に具体的な支障があったりする時に、治療が必要であるという意味で使われます。

【英語ではデプレッション】
・うつ病というと、気分がゆううつになる病気と思っている人も少なくありません。
たしかに、憂うつ、気分のふさぎこみはうつ病の主な症状のひとつですが、
それだけではないことに注意が必要です。

・うつ病は英語で depression(デプレッション)と言います。
これは、エネルギーが低下していることを意味する言葉で、
経済では、デプレッションというと不況、不景気のことです。

・精神的なエネルギーが低下して、それがいろいろな形で現われてくる。
たとえば、今までやっていたことに興味を持てなくなった、
なかなかうまくできない、つい人に任せてしまう、
なんとなく気持ちに張りがないなどというのも、うつ病でよくみられる症状です。

【うつ病の治療で大事なこと】

・うつ病の治療では、1回でに良くなろうとするのではなく、
いま困っている具体的な問題をひとつひとつ解決しながら、
少しづつ改善していくのが大事です。

・うつ病の気になる症状や問題をすべて解消することはなかなかできませんから、
「病気か、治ったか」という二者択一的な発想が強すぎると、
「やっぱりまだ治っていない」と、かえって自分を追い詰めてしまいます。

このことを知っておくと、うつ病を早くみつけるために役立ちます。

※自己判断せず、専門医を受診し診断を受けることが重要になります。

「うつ」のきっかけ|うつの特徴的パターン

仙台カウンセリングでの体験
カウンセリングを受けることになった
「うつ」のきっかけと、うつの特徴的パターン

◆うつの特徴的パターン

仙台カウンセリングを受けることになった「うつのきっかけ」

●うつを引き起こすきっかけは、様々です。  

~ 人間関係、環境の変化、仕事、とらえ方、思い込み・・・ ~

・「うつ」には、誘因やきっかけのようなものがいくつかあります。しかし、これといって思いあたるきっかけがないままに、うつ状態を強める人もいます。

【うつを引き起こしやすい人間関係】4項目

1,喪失体験
大切な人、大事なものを失うという体験

2,コミュニケーションギャップ
通じ合っていると思っていた相手との気持ちの大きなズレ

3,役割の変化
生活や職場における大きな環境の変化と、それに伴う役割の変化

4,人間関係技術の不足
人間関係をうまく築くための技術不足

【効果的な療法】

1,認知療法
考え方のクセを見つめ直して修正する

2,行動療法
具体的な問題を解決し、行動のコントロール感覚を取り戻す

3,対人関係療法
自分にとって大切な人との関係の問題点を整理し解決していく

【思考パターンを修正する:認知行動療法】

・認知行動療法は、「抑うつな気分や不安などの精神症状は、認知のゆがみによって生じるもので、そのゆがみを修正すればうつ病が改善される」という考えに基づいています

仙台カウンセリング&スクールの心理学講座は、理論を使いながら、受講生自ら、認知のゆがみに気づき、修正していくことを可能にするためのアプローチを含む「カリキュラム構成」となっております。

~ 認知行動療法は、このように進められる ~

【第1段階】
・認知のゆがみが、自分の感情や行動にどのように影響しているかを明らかにしていきます。

【第2段階】 
・自分の見方・考え方が現実的にみて妥当かどうか、自分の考えはどんな事実に裏付けられているかなどについて検討して行きます。

【第3段階】 
・自分の特徴的な思考パターンに気づき、これまでの悲観的・否定的な考え方ではなくもっと広い視点で物事をとらえ、現実的な判断ができるようにして行きます。

【第4段階】 
・自分が陥りやすい思考パターンをたえずチェックし、問題が起きた時、悲観的にならずに、うまく解決できるようにして行きます。

以上の4段階を、おひとりお一人に合わせて進めて行きます。

うつ:特徴的な思考パターン

~認知のゆがみが悲観的にさせる~

・物事に対する見方・考え方を「認知」と言います。

現実の出来事をどのように解釈するか、どの程度信じるか、その結果、どのような行動をとるかといった精神(内面)行動は、この認知によってコントロールされています。

・通常は「現実」と「認知」にそれほど違いはないのですが、うつ病になると、悲観的、否定的な考え方に偏るため、現実と認知に大きなズレが生じるようになります。

・悲観的、否定的な考えは、自分に対してだけでなく、周囲の人にも向けられ「私のことなど誰も相手にしてくれないだろう」などと、思うようになることもあります。

「うつ」の特徴的な思考パターン:重要な8項目

【恣意(しい)的推論】 
・確かな根拠もないのに、悲観的な結論を出してしまいます。病院で医師がため息をついただけで「自分は不治の病だ」と決めつけたり、知人が挨拶をしなかったとき、「私を避けている、嫌われた」と勝手に思い込んだりします。

【二分割思考(全か無か思考)】 
・全か無か、成功か失敗か、勝ちか負け、白か黒か、100点か0点かというように、両極端に分けて判断し、中間的な評価ができません。
・100点でなければ、80点でも0点でも「同じことだ」と考えていまいます。

【選択的抽出】 
・自分に不都合なことがあると、そのことばかりに気を取られ、良いことに目が向きません。たとえば、たまたま家を新築した時期と重なり、家族が病気になったりすると、「家を建てるんじゃなかった」と、ネガティブに考え、よけいな苦しみを味わうことになります。

【拡大視・縮小視】 
・自分の成功やうれしい出来事は「たいしたことではない」と過小評価してすぐ忘れます。その反面、失敗やいやな出来事は「とんでもないこと(怒!)」と過大視して、いつまでも気に病むようになります。
・自己評価が著しく低下するため、自分に満足する(好きになる)ことができません。

【極端な一般化】 
・何か悪いことが起こると、これから何度も同じことが起こると”一般化”してしまいます。たとえば、仕事で一度失敗すると、「私は何をやっても失敗する」と思い込んだり、相手にちょっと注意されただけでも「私はいつも相手を怒らせる」と決めつけてしまいます。

【自己関連づけ】 
・結果が良くなかったとき、自分に落ち度がないのに、すべて自分の責任と考えます。たとえば、相手の体調が悪くて不機嫌な顔をしているのに、「私が気分を害するようなことを言ったからだ」と、自分のせいにして、罪の意識を抱きます。

【情緒的理由づけ】 
・自分の感情を基準にして物事を判断する思考パターンです。たとえば、新しい仕事を任されて不安を感じたとき、「経験がないから自信がなくて当たり前」と、考えることができず、「こんなに不安なのだから、失敗するに違いない」と、とりかかる前から決めつけるようになります。

【すべき思考(絶対的思考)】 
・「仕事は全力投球すべきだ」「怒りを表に出すべきではない」というように、自分を枠にはめこんでしまう考え方です。
・自分に必要以上プレッシャーをかけるため、うまくいかないと自己嫌悪に陥り、かえってやる気を損なうことがあります。

◆思考パターンを修正する:認知行動療法

 
・認知行動療法は、「抑うつな気分や不安などの精神症状は、認知のゆがみによって生じるもので、そのゆがみを修正すればうつ病が改善される」という考えに基づいています。

※仙台心理カウンセリング&スクールの心理学講座は、理論を使いながら、受講生自ら、認知のゆがみに気づき、修正していく方法を学ぶことがことを目的としたカリキュラム構成となっております。皆様のご体験、お申し込みを心よりお待ち申し上げております。

開発的心理カウンセリング|療法的カウンセリング

仙台心理の開発的心理カウンせリング|療法的心理カウンセリング

心理カウンセリングの2種類

●○●・・・ よくある質問から ・・・●○●

Q・・・カウンセリングは深刻な人だけが行くところでしょ?

A・・・いいえ。深刻な問題だけという限定は一切ありません。

カウンセリングは、大きく分けてふたつあります。

◆キャリア系カウンセリング(開発的カウンセリング)

・仕事にやりがいが感じられない。
・専業主婦で終わるのが不安だ。
・転職したいが適職がみつからない。
・会社の仕事は大変ではないが達成感を得たい。

◆メンタル系カウンセリング(療法的カウンセリング)

・人間関係で悩んでいる。
・会社に行けない。
・電車に乗れない。
・ゆううつな気分が抜けない。
・訳もなく、不安感が浮上してしまう。

カウンセリング心理学は人間がより良く生きるための「学問」としてうまれました。人がよりよく生きるため、問題解決のカギをみつける方法を導き出してくれます。悩みを抱えている時、友人に相談することはあっても「カウンセリングを受ける」という発想を持つ人は、まだまだ少ないかもしれません。カウンセリングは、”特別(深刻)な人だけのもの”という認識が、あるようです。

いくら、友人同士で話しても、うまく行かない、ということがありますね。他人からアドバイスされると、残念なことに、「自分はどうしたいのか?」という思考が止まってしまうのです。

【その理由】

私たち人間は、他人に指導されても、自分が納得しなければ行動は起こせないものです。(行動心理学)

ここが、友人への相談とカウンセリングの大きな相違点です。

カウンセリングは臨床心理に基づいた学問で、カウンセラーは、それを学んだ「人間のこころのプロ」です。第三者の立場(客観的視点)をもちながら、あなた自身が行きたい方向を選択し、それに向かうための行動(方法)を、みつけ出すサポート役となる存在です。じっくりとあなたの話を聴いた上で、さまざまなカウンセリング技法を使い、又は情報提供を行ないながら、あなた自身が問題解決できるよう、その糸口を探って行きます。

カウンセリングは、答えをくれるものではなく、カウンセラーと一緒に出口を探す場所だということをご理解いただければ幸いです。

認知行動療法 アーロンベック|認知療法と行動療法

仙台の認知行動療法 アーロンベック|認知療法と行動療法(公認心理師試験)

仙台 の認知行動療法 カウンセリング

・認知療法とは、アメリカの精神医学者:アーロン・ベック Aaron Beck(1921~ )が開発した心理療法(精神療法)です。
・認知療法は特にうつ病やパニック障害、不眠症等に対して効果をあげています。

◇認知療法における「認知」

認知療法では、不快な気分や不適切な行動の生じる背景として、「考え方」の影響を重視しています。この「考え方」のことを認知療法では、「認知」と呼んでいます。たとえば仕事が忙しくなり、残業も増えたとします。多くの仕事を任されたことで自分自身の価値が高まったと考えたり、あるいは残業代が増えたと考えて嬉しいと思う場合もあるでしょうが、逆に仕事が多くなったおかげで疲労感がたまり、大好きな趣味も減らさざるを得なくなり、また家族と過ごす時間が減ってしまったと考えて、落ち込む場合もあるでしょう。このように同じ状況でも、その状況をどのように捉えるかによって、だいぶ気分が変わってきます。「認知」には考え方だけではなく、イメージや記憶、といったものも含まれます。

◇認知療法における「認知モデル

このように、「ある状況においてどのような気分になるかは、それをどのように考えるか次第である」という仮説が、認知療法における「認知モデル」というものです。言い換えると、憂うつになったり不安になったりするのは、出来事そのもののせいではなく、その出来事をどう捉えて、どう解釈したかによるのだ、という理論です。このように考えると、憂うつになったり不安になったりしたときには考え方を少し変えてみればいいことが分かります。

◇うつの「認知の3タイプ」
アーロン・ベックはうつ病の患者が陥りやすい考え方のタイプの3つ「自分と世の中と未来に対する否定的な考え方」を見出しました。
「私は駄目な人間だ」
「世の中は不公平だ」
「これから先は何もよいことはない」といった考え方のことです。

そしてこれらの考え方によって自分を責めてしまったり、世間を恨んでしまったり、将来を絶望的に感じるなどして、憂うつ・怒り・不安といった不快な感情が引き起こされると考えられるのです。

BDIテスト:Beck Depression Inventory (ベックうつ病調査表
BDIテストは、認知行動療法を提唱したアメリカの精神科医アーロン・ベックによって考案されたもので、 抑うつの程度を客観的に測る自己評価表です。定期的にBDI テストを行うことによって、自分自身の気分の傾向を数値として測定します。自分自身を客観的に見つめることができ、うつ病判定のひとつとして医療機関などでも利用されています。

◆認知療法における「認知の歪み(ゆがみ)」

このような不快な感情を引き起こす不合理で非機能的な認知のことを、認知療法では「認知のゆがみ」と呼んでいます。

□ (1)全か無か思考
これは良いか悪いか、好きか嫌いか、白か黒かのどちらかしかない考え方のこと。実際はその間であることが多いものです。
例:仕事が完全にできていないと気になってしまいます。
相手が少しでも不機嫌だと、「自分のことが嫌いなんだ」と思ってしまいます。
テストで70点をとると、0点をとったときと同じ気分になってしまいます。

□ (2)破局的な見方
いつも最悪の事態を考えてしまい、ちょっとした困難から大きな破局や不幸な結末を想像してしまうことを言います。
例:家族の帰りが少し遅かったりすると、「どこかで事故にでも遭って死んでしまったんじゃないか」と考え、その後の暮らしを想像して悲しい気持ちになってしまいます。

□ (3)極端な一般化
たった一回の出来事から全てを決めつけてしまうこと。
例:ひとつのプロジェクトが思ったように進まないときに、過去の失敗を思い出して、自分はいつも失敗すると結論を出してしまいます。

□ (4)選択的な抽出
良い情報を無視して、悪い情報ばかりを取り上げてしまうこと。
例:発表の時、批評されたことばかりが思い出され、良いコメントをされたことは忘れてしまいます。

□ (5)プラスの側面の否認
ものごとのマイナスの側面のみを取り上げて意味づけ、プラスの側面は否定してしまうこと。
例:人に長所を指摘されても「そんなところができても何にもならない」と考えてしまいます。

□ (6)根拠のない決めつけ
根拠がないのに思いつきで判断すること。
例:はじめて手がけた仕事がうまく進まないときに、この仕事はうまくいかないだろうとすぐに決めつけてします。

□ (7)過大評価・過小評価
事実や出来事を実際よりも高く評価したり逆に軽視したりすること。
例:自分の欠点を人生に支障をきたす大問題とらえ、「自分には欠陥がある」と考えてしまいます。

□ (8)感情的理由づけ
自分の気持ちや感情を理由にして、そこから出来事や事実を意味づけること。
例:「こんなに不安になるのだから、この問題は解決できないに違いない」と考えてしまう。

□ (9)「すべき」表現
「~」すべきである、「~しなければならない」といった考えのこと。
例:人間関係がうまくいっていなければならない。怠けていてはいけない。主婦なら家事を完璧にするべきだ。

□ (10)レッテル貼りと誤ったレッテル貼り(ラベリング)
自分に否定的な言葉のレッテルを貼ること。
例:自分は落ちこぼれだ。自分には欠陥がある。

□ (11)自己関連づけ
何か悪いことが起きると、本当は関係ないのに自分のせいで起こったのだと自分を責めてしまいます。
例:Aさんがサークルをやめたのは、自分のせいかもしれない。
子どもが学校で問題を起こして担任から注意を受けた時に、全て自分の育て方が悪かったんだと自分を責めます。

□ (12)自分で実現してしまう予言
否定的な予測や思い込みをすることによって、行動が抑制されてしまうため、結果的にその予測が実現したかのように、当初の否定的な予測が確信になってしまうこと。
例:相手と違う意見を言ったら相手を不機嫌にさせてしまうかもしれない」と考え、自分の意見を言わないでいたら、「何を考えているのかよく分からない」と思われ、本当に相手がイライラしてきてしまった。そしてやっぱりいらいらさせてしまった、と考えます。
例:人前で話そうとすると声が震えるのではないかと心配し、失敗することばかりを考えて自意識過剰になり、声が震えてしまって、結局やはりそうだったと考えます。

【認知療法による実際】

認知療法では、まず自分がどのような考え方をしているのかに気づき、その考え方が自分の気分や行動にどのような影響を与えているのかを知り、そしてその結果、どのような現実が生み出されているのかを十分に理解します。そして、思いつきやイメージで判断するのではなく、根拠をもって判断を下す練習をします。その結果、自由で柔軟性のある見方を獲得することができるようになり、自由に幅のある行動がとれるよう援助するものです。認知療法では、考え方が個人の気分や行動に影響を与えることを示していますが、決して楽観的に考えられるようになることを促しているのではありません。認知療法が最終的に目指していることは、最悪の事態も想定した上で、なおかつ効果的に状況に対処できるようになることなのです。

※仙台心理カウンセリングの心理カウンセラー養成講座
中級編認知行動療法 カウンセリングテキストより

◆認知療法における「自動思考

認知は比較的意識の表層にある「自動思考」と、自動思考よりもさらに深層にあって自動思考を生じさせる源となる「スキーマ」(枠組み)に分けられます。自動思考というのは、ある状況で自動的に頭の中に浮かんでくる考えやイメージや記憶のことをさします。たとえば子どもが道をよこぎろうとして車にはねられる瞬間を見たとき思わず「危ない!」と叫びます。
このときの「危ない」が、まさに自動思考です。この場合は声に出ましたが、実際には声に出さずただ頭の中に浮かぶだけのことが多いです。この自動思考は、反射的、瞬間的に頭の中に現れて、非常にすばやいスピードで頭の中を駆け抜けるので、通常は深く考えたり内省したりして生じるものではありません。

「思考」とはいっても、自分で「考えている」という意識は全くないものであり、そういわれてみて初めて「そういえばそう考えていた」と気づくような類のものです。自動思考は現実的に考えてうまれてきたものではないので、中には不合理であったり、特に根拠もなくただ思い込んでいるだけのものであったり、非現実的であったりする場合が多いのですが、それにもかかわらず、それを考えている本人はそれを妥当なもの、現実的なものと考えている点が特徴です。
特に自分に対する考え方などは日常的に自分について考えることは多いので、習慣化しており、この考えの固定化したものが、「スキーマ」(枠組み)と呼ばれるものです。

◆認知療法における「スキーマ

スキーマとは、自動思考が習慣化し、固定化されたものであり、いわば個人の価値観ともいえます。
個人の価値判断の基準でもあり、ほとんどの場合修正は困難で、これはその人の行動や人生の歩み方に多大な影響を与えています。たとえば、「人生人間関係が重要だ」と考える人は、他人との交流に力を注ぎ、これがうまくいくことに喜びを感じるでしょう。一方で親しい人との関係がこじれれば、ひどく落ちこんでしまうでしょう。
また、「人生仕事での成功が重要だ」と考える人は、職場で人と歓談するよりもまず仕事に熱を入れ、仕事で成功すれば喜びを感じ失敗すればひどく落ちこむでしょうが、人間関係のもつれなどにはさほど動揺しないかもしれません。
うつ病では否定的なスキーマが優勢に機能しており、「自分は欠陥のある人間だ」などと自分に対する否定的な考えを、固く信じています。自分自身の価値を高めうるいかなる出来事も、この信念のもとに駆逐されてしまいます。肯定的な出来事よりも否定的な出来事の方を多く思い出し、また肯定的な結末よりも否定的な結末の方を予想するようになります。

【認知行動療法のリンク】

◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆認知行動療法 アーロンベック|認知療法と行動療法
◆行動療法|スキナー
◆認知行動理論|認知療法
◆認知行動理論|自動思考スキーマ

◆心理学講座
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防衛機制|防衛反応|適応機制|公認心理師試験

防衛機制 適応機制 防衛反応 公認心理師試験

防衛機制|防衛反応|適応機制

私たち人間は危機にさらされた時、心の安定を図るため無意識的な働きをします。これを「防衛機制」(適応機制)といいます。防衛機制は、私たちが安全に生き抜くための「こころの安全装置」のようなものです。あなたのこころの中ではどんなことが起こっているのか、それを知る手がかりになるかもしれません。

防衛機制とは

防衛機制とは、フロイトによって精神分析から提唱された考え方で、自我に危険を及ぼす葛藤や痛み等から心理的な安定を保つために無意識的に起こる精神的な防衛メカニズムのこと。自分を守ろうとして無意識的・反射的に働く、誰にでも起こる正常な心理的反応です。


【抑圧】
:苦痛な感情や記憶などを意識から追い出し、無意識へと閉め出す事。
◎ 受け止めきれなくなり、その出来事自体を忘れ、何も感じなくなってしまう。
思い出したくない過去の経験、出来事等を、無理やり自分の意識に上らせないように押さえつける。


【反動形成】
:「抑圧」した考えや感情と正反対のことをする「防衛機制」です。
◎好きな異性に対して意地悪をするなど。


【置き換え】
:自分の感情が本来のものに対して持っているものとは逆のものに置き換えてストレスを解消する
◎ 全く無関係な人やモノに攻撃を加える。いじめ、やつあたり、または、皮肉、嫉妬


【逃避】
:「葛藤」を引き起こすような状況から逃げ出すことで、不安や緊張、恐怖をなくし、自分自身を守ろうとすること
◎ “楽しいこと”に熱中することで、嫌なことを思い出さないようにする。
病気になって苦しい現実から逃げ出すことも「逃避」の一種


【同一視】
:自分にとって重要な他者と自己とを同じものと見なす事。
◎ 親の目標を自分の行動目標にする:東大合格!など


【投影】
:自分自身が「抑圧」している考え方や感情を、ほかの人が持っているように感じてしまうこと。
◎ 例えば、会社の上司をひどく嫌い→本当は自分の心のなかにある「嫌悪感」を、相手の心のなかにあると思いこもうとします。自分が相手を嫌っているのではなく、相手が自分を嫌っていると思いこもうとするわけです。これが「投影」です。
この心の働きは無意識に行われるため自分自身ではなかなか気づきません。


【退行】
:以前の発達段階へと戻る事。
◎ ストレスの状況にうまく対処できない時、赤ちゃんや小さい子供のようになること。
何かに満足できない子供が赤ちゃん言葉を使ったり、鼻声を出して、母親に甘えたりする。


【昇華】
:非社会的な欲求を、社会に受け入れられる価値ある行動へと転じる事。
◎ おさえつけられた性欲が、詩や小説、スポーツなどにむけられること


【投影】
:自分自身が「抑圧」している考え方や感情を、ほかの人が持っているように感じてしまうこと。

◎ 例えば、会社の上司をひどく嫌い→本当は自分の心のなかにある「嫌悪感」を、相手の心のなかにあると思いこもうとします。自分が相手を嫌っているのではなく、相手が自分を嫌っていると思いこもうとするわけです。これが「投影」です。
この心の働きは無意識に行われるため自分自身ではなかなか気づきません。


【合理化】
:満たされなかった欲求に対して、適当な理由を付けて正当化しようとする事。
◎ キツネがぶどうを取ろうとしたが、手が届かずに取ることが出来なかった。
その時、「あのぶどうは酸っぱいのさ!」とするのがすっぱいブドウ。
欲しくは無かったが自分の物となったレモンを甘いと言い張るのが甘いレモン


【補償(代償)】
:ある事柄に対し劣等感を持っている際、他の事柄で優位に立ってその劣等感を補おうとする事。
◎ 勉強が苦手な子供が、スポーツをがんばって、ほかの人より優れることで補おうとするようなこと

私たち人間の「こころ」はとても繊細で複雑。ご自身の中で、何か気になることや「心あたり」は、ありましたか?少しでも、何かの気づきにつながっていただけたなら幸いです。

 ◆仙台心理【心理学の知識リンク】

◆【心理学の知識一覧】
◆仙台の認知行動療法|HSPにも効果的な認知行動療法
◆仙台の認知行動療法|中級編
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合理化 投射(投影) 同一視(同一化、取り入れ)
抑圧 補償 代償 置き換え 転移
隔離 逃避 回避 反動形成 昇華 退行
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アサーション度チェックリスト|自己表現

アサーションとは「(さわやかな)自己表現」
自他共に尊重し自分の意見を表現する事。

◆アサーション(assertion)とは

アサーションとは「(さわやかな)自己表現」。自他共に尊重し自分の意見を表現する事。アサーティブな方法とは「自分の気持ちや考えを相手に伝えるが、相手のことも配慮するやり方」自分も相手も大切にしたやり方です。

1:アサーション(assertion) 度 チェックリスト

・自分から働きかける言動 (はい○ いいえ×)

□ 1、あなたは誰かにいい感じを持った時その気持ちを表現できますか。
□ 2、あなたは自分の長所や成し遂げたことを人に言うことができますか。
□ 3、あなたは自分が神経質になっていたり緊張している時、
それを受け入れる(認める)ことができますか。
□ 4、あなたは見知らぬ人たちの会話の中に気楽にはいっていくことができますか。
□ 5、あなたは会話の場から立ち去ったり、別れを言ったりすることができますか。

□ 6、あなたは自分が知らない事やわからない事があった時、
その事について説明を求めることが出来ますか。
□ 7、あなたは人に援助を求めることができますか。
□ 8、あなたが人と異なった意見や感じを持っている時、それを表現することができますか。
□ 9、あなたは自分が間違っている時、それを認めることができますか。
□ 10、あなたは適切な批判を述べることができますか。

2:アサーション(assertion) 度 チェックリスト

・人に対応する言動 (はい○ いいえ×)

□ 11、人から褒められた時、素直に対応できますか。
□ 12、あなたの行為を批判されたとき受け応えができますか。
□ 13、あなたに対する不当な要求を拒むことができますか。
□ 14、長電話や長話の時、あなたは自分から切る提案をすることができますか。
□ 15、あなたの話を中断して話し出た人に、そのことを言えますか。

□ 16、あなたはパーティや催しものへの招待を、受けたり断ったりできますか。
□ 17、押し売り(強引な誘い)を断れますか。
□ 18、あなたが注文した通りのもの(料理や洋服など)が来なかった時、
そのことを言って交渉できますか。
□ 19、あなたに対する人の好意がわずらわしい時、断ることができますか。
□ 20、あなたが援助や助言を求められた時、必要であれば断ることができますか。

●あなたのアサーション度チェック集計(はい○ いいえ×)

○の数 → (    /20)  個

×の数 → (    /20)  個

◆エクササイズ
アサーション度チェック項目で、「はい」の数はいくつあったでしょうか。「はい」が半分以上あれば、アサーション度は高めということになります。「いいえ」と答えた項目は、自已表現が苦手な領域と言えます。「はい」と答えた項目についても、その相手に対して否定的な感情を伴ったものであれば、相手に配慮していない発言である可能性があります。アサーションを実践していく上で、「どんな点に注意したら良いか」、自分の特徴、ポイント等を、ご自身でまとめましょう。

◆アサーション(assertion) →「(さわやかな)自己表現」:自他共に尊重し自分の意見を表現する事。
アサーティブな方法とは「自分の気持ちや考えを相手に伝えるが、相手のことも配慮するやり方」自分も相手も大切にしたやり方です。アサーティブな自己表現では自分の気持ち、考え、信念に対して正直・率直に、また、その場にふさわしい方法で表現します。しかし、どんなにアサーティブに表現したとしても、それが相手に受け入れてもらえるとは限りません。

お互いが率直な意見を出し合えば、相手の意見に賛同できないことも出てくるでしょう。そのときに、攻撃的に相手を打ち負かしたり、非主張的に相手に合わせたりするのではなく、お互いが歩み寄って一番いい妥協点を探ることがアサーティブなあり方であると言えます。

アサーティブになる第一歩

どんなときにも攻撃的な方法での表現しかできない人や、非主張的な表現しかできない人もいます。また、友人など気心が知れた人に対してはアサーティブでいられるのに、親や上司など立場が上の人に対してはいつも非主張的になってしまったり、子どもや部下など立場が下の人に対しては攻撃的になってしまうなど、状況によってアサーティブな表現ができない人もいます。常に攻撃的・非主張的な人も、状況によってそうなってしまう人も、まずは自分がどのようなときにアサーティブでない態度を取ってしまうのかを振り返ってみましょう。そこから、アサーティブになるための第一歩が始まります。

※アサーション・トレーニング及び自己表現力UPをご希望の皆様には、「オフィスカウンセラー講座」初級編(80分×全3回)と「オフィスカウンセラー講座」中級編(80分×全3回)がお勧めです。ご興味のある方は、是非、ぜひ!メールにてお問い合わせ下さい。お待ち申し上げております。

*

※参考文献「アサーション・トレーニング」
さわやかな<自己表現>のために
平木 典子/著 日本・精神技術研究所2021.7

 

関連リンク

◆【学校における一次・二次・三次的援助サービス】
◆【SOC理論 選択的最適化理論 バルテス】
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ロゴセラピー|実存分析|フランクル

◆ロゴセラピー|実存分析|フランクル(ヴィクトール・E・フランクル)1905~1997

ロゴセラピー(Logotherapy)とは、人が自らの「人生の意味」を見出すことを援助することで心の病を癒す心理療法のこと
・ロゴセラピーは、オーストリアの首都ウィーンの精神科医V. E.フランクルによって創始。
・創始者のヴィクトール・E・フランクル(1905~1997)は医師で精神分析家。

・オーストリアに生まれた、ヴィクトール・エミール・フランクル Frankl.V.E(1905~1997)は、ナチ強制収容所での体験を踏まえ、人間は意味を求め、その責任において自由に選択し自らの生き方を決定する存在であるとし、人間の責任性と倫理性を重視する実存分析を提唱した。

患者が自己の存在の意味を見いだし、自己の価値の可能性を信じ、自分の人生への責任性を自覚するのを援助する彼の治療技法はロゴセラピー(logotherapy)と呼ばれる。

・ロゴセラピーは、ジークムント・フロイト(1856~1939)の「精神分析」や、アルフレッド・アドラー(1870~1937)の「個人心理学」と並び、心理療法のウィーン学派三大潮流のひとつとして挙げられることもある。

・フランクルは当初その理論部分を「実存分析」と呼んでいたが、後にルートヴィッヒ・ビンスワンガー(1881~1966)らの「現存在分析」と混同されることがあったため「ロゴセラピー」に統一。

1:人間観・・・人間は自ら成長する力を備え、自ら自分を変えていくことのできる存在である。
2:病理観・・・生きる意味がわからなくて、主体的自己決定ができない。
3:治療目標・・・人間は一度しかない人生を生きるかけがえのない存在であり、ここに生きる意味を見いだす。
4:カウンセラーの役割・・・率直に自分の考えを伝えクライエント本人が人生の意味を見出すのを援助する。

【ロゴセラピー】


「ロゴ」は、ギリシア語で「意味」の意である。
ロゴセラピーは、人は実存的に自らの生の意味を追い求めており、その人生の意味が充たされないということが、メンタルな障害や心の病に関係してくるという見解を基にしている。(心理的な疾患は、当事者に人生の意味に関して非常に限定的な制約を課していると言える。)
ロゴセラピーの”ロゴ”とは、ギリシャ語で「意味」という内容を持つ”ロゴス”という言葉からきている。

【ロゴセラピーの手法】実存主義的アプローチをとり、下記の3点を基本仮説とする。

(1) 「意味への意志」
人間は生きる意味を強く求める。 これは、どんな人間も何か意味あることを実現したいという憧れをもっているということ。フランクルは、心身の健康を保つためには、この「意味への意志」がほんの少しずつではあっても満たされていると実感していることが重要であると考えました。

(2) 「人生の意味」
それぞれの人間の人生には独自の意味が存在している。 これは、どんな人生にも、どんな状況にも意味があるということ。フランクルは、その著書「夜と霧 ‐ドイツ強制収容所の体験記録‐」で、たとえ、強制収容所のような場所においても人には生きる意味があるということを体験していた人々のことを記している。

(3) 「意志の自由」
人間は様々な条件、状況の中で自らの意志で態度を決める自由を持っている。(決定論の否定)
これは、いかなる状況においても、遺伝子や本能的な衝動や、生まれ育った環境や受けた教育、あるいは、体験した運命的な出来事などの制約から自由に、自分の意志で行動を決定することができるということです。

※例えば、虐待を受けて育ったという制約はあったとしても、その人自身が「自分の子は虐待しない」という行動を決定することはできます。虐待という心的トラウマを消し去ることはできなくとも、そのことに対しての態度を変えることは可能だからです。人によっては、この虐待の連鎖を自分のところで止めるということ自体に意味を見出し行動している人もいます。

・ロゴセラピーは、この3つの柱を基に、自分の置かれている境遇を客観的に判断し、自分の生活を意味ある方向に改善していくための「決断能力」を高め、自ら将来に向けて具体的な新しい価値を模索する。

・ロゴセラピーは、人にその生活状況の中で「生きる意味」を充実させることが出来るように、あるいはその価値の評価の仕方を変えることが出来るように援助しようとするものである。

・フランクルは、人の主要な関心事は快楽を探すことでも苦痛を軽減することでもなく「人生の意味を見出すこと」であるとする。人生の意味を見出している人間は苦しみにも耐えることができるのである。と論している。

【ヴィクトール・E・フランクル】


V. E.フランクル(1905~1997)は、1905年ウィーン生まれ。ウィーン大学在学中よりアドラー、フロイトに師事し、精神医学を学ぶ。フランクルは10代、フロイトとの書簡のやりとりによって精神分析について学び、20代でアドラー(精神科医)に師事。

30代で、独自のロゴセラピーについての構想を持ち臨床を行っていたが、ユダヤ人であったためナチスによって強制収容所に収監され、その構想を記した論文も没収された。その後、強制収容所の体験の中でこのロゴセラピーを実践、実証し、自分の考えが誤っていないことを確信し、解放後再び論文を書いた。

ウィーン大学医学部精神科教授、ウィーン市立病院神経科部長を兼任。「第三ウィーン学派」として、また独自の「実存分析」を唱え、ドイツ語圏では元々知られていた。フランクルの理論には哲学者マックス・シェーラー(1874~1928)の影響が濃く、マルティン・ハイデッガー(1889~1976)の体系を汲む。精神科医として有名であるが脳外科医としての腕前も一級であった。

第二次世界大戦中、ユダヤ人であるが為にナチスによって強制収容所に送られた。この体験をもとに著した『夜と霧』は、日本語を含め17カ国語に翻訳され、60年以上に渡って読み継がれている。発行部数は英語版だけでも900万部に及び、1991年のアメリカ国会図書館の調査で「私の人生に最も影響を与えた本」のベストテンに入った。
よく誤解されるがフランクルのロゴセラピーは収容所体験を基に考え出されたものではなく、収容される時点ですでにその理論はほぼ完成しており、はからずも収容所体験を経て理論の正当性を実証することができたと言えよう。極限的な体験を経て生き残った人であるが、ユーモアとウィットを愛する快活な人柄であった。学術関連などで度々日本にも訪れていた。

※「意味による癒し ロゴセラピー入門」 V.E.フランクル/著 山田邦男/監訳

~ 「夜と霧」 ~
強制収容所での生活を送った私たちには、忘れられない仲間がいる。誰もが飢えと重労働に苦しむ中で、みんなにやさしい言葉をかけて歩き、ただでさえ少ないパンのひと切れを身体の弱った仲間に分け与えていた人たちだ。

そうした人たちは、ほんの少数だったにせよ、人間として最後まで持ちうる自由が何であるかを、十分私たちに示してくれたのだ。あらゆるものを奪われた人間に残されたたった一つのもの、それは与えられた運命に対して自分の態度を選ぶ自由、自分のあり方を決める自由である。

※「夜と霧」 ―ドイツ強制収容所の体験記録― ヴィクトール・E・フランクル/著
*「ヴィクトール・エミール・フランクル(1905~1997)」 オーストリアの精神科医、心理学者

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^^❣

失感情症|アレキシサイミア

失感情症|アレキサイミア(alexithymia)|公認心理師試験

アレキシサイミア(失感情症)は、シフネオスが提唱した性格特性です。自分の感情(情動)への気づきや、その感情の言語化の障害、また内省の乏しさといった点に特徴があると言われています。
心身症の発症の仕組みの説明に用いられる概念ですが、近年は衝動性や共感能力の欠如など、ストレス対処や対人関係を巡る問題との関連が研究されています。

この失感情症(アレキシサイミア:a-lexi-thymia)という言葉が最初に唱えられたのは1972年のことです。ハーバード大学マサチューセッツ総合病院のP.E.シフネオス医師は長年、いわゆる古典的「心身症」と言われていた患者さん達(潰瘍性大腸炎や気管支喘息など)の治療に取り組んでいました。その臨床経験からこの患者さん達にはある心理的な特徴があることに気づきました。

あまり生気が感じられず、葛藤状況やフラストレーションがたまる状況では、内省したり困難に上手に対処したりするのではなく、むしろそれを避けるための行動に走ってしまうというのです。そしてその最大の特徴は「自分の感情を表現する言葉を見つけるのが難しい」ということでした。そこから感情を言い表す言葉が欠けていること=失感情(言語化)症という概念が出てきたのです。

なぜ、心身症というからだの病気とこうした感情を言葉にすることが難しいということとに関係があるのでしょうか?

それは私たちのからだとこころは密接に関係があるからです。不安や恐怖あるいは喜びといった「喜怒哀楽」は情動(emotion)と呼ばれます。怒ると顔が真っ赤になったり、恐怖に襲われ不安になると心臓がドキドキし声が上ずったりします。このように情動はからだの変化と直結し、自律神経系の変化や表情・声の変化といったからだの変化と一体となっています。

この情動の変化はまた、私たちの主観的な気持ち=感情(feelings)の変化とも普通結びついています。この感情の変化について、私たちは自分が「腹が立っている」とか「とっても怖い思いをした」とその感情に気づき、それを言葉で表現をすることを普段何気なく行っていますが、心身症の患者さんたちはどうもそうしたことが上手ではないのではないかというのです。昔の諺にある「もの言わざるは、腹ふくるるわざ也」のように、自分の微妙な感情の変化に気づき言葉にしていくことは、私たちの健康維持にとりきわめて大切というわけです。

失感情症の概念は研究者の間で検討されて、以下の特徴としてまとめられました。

1,自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。
2,感情を他人に言葉で示すことが困難である。
3,貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。
4,(自己の内面よりも)刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイル。

こうした特徴に関して、興味深いことに最近の脳科学研究から、自分の内的な感情に気づき・表すことと、自分とは一端離れた視点(他人の視点に立つ)を持つこと=自分を客体化できることとが、実は密接に関係していることがわかってきました。

感情の気づきの問題は共感性、また想像力・空想力などとも大いに関連しているのです。自分の感情の微妙な変化に気づき言葉に出来ることは、彩り豊かな精神生活を送りスムーズな対人関係を築くことにもつながっていると言うわけです。
このように「失感情症」を理解することは、こころとからだの関係だけでなく、自分と他人との関係のあり方を理解する上でも欠かせないキーワードになってきています。

※小牧元
(元 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 心身医学研究部)

※アレキシサイミア(alexithymia)は、1970年代、精神科医のピーター・E・シフネオスらによって提唱された概念で、ギリシャ語の「a(非)、lexis(言葉)、thymos(感情)」から作られた造語。 自らの感情を自覚、認知したり表現することが不得意で、想像力、空想力に欠ける傾向のことを指す。

無意識(潜在意識)と意識(顕在意識)

意識には、私たちが意識している部分と意識していない部分があります。
意識できる部分を意識(顕在意識)といい、意識していない(または意識できない)部分を無意識(潜在意識)と呼んでいます。

【日常での具体的な事例】*仕事de失敗編☆

「しまったなぁ~課長になんて言い訳しよう・・」と必死で考えるのは意識(顕在意識)
課長に突然呼び出され、いきなり「こらぁ!田中っ!これはどういう事だ(怒)」と怒鳴られた時「あ、課長、それは佐藤がそうしろと言ったので・・」と瞬間的に事実ではない言い訳を創作するのが無意識(潜在意識)。

無意識とは、意識下に閉じ込めた衝動や欲求|フロイトとユングの理論

・フロイトが提唱した精神分析学やユングが提唱した分析心理学では「意識できていない領域」を指している。
・理由のない不快感、言い間違えや物忘れなど、無意識は心の奥深くからささやきかけ私たちの日常生活に影響を及ぼす。

フロイトの無意識『フロイトの心の構造論』

ジークムント・フロイト(1856~1939】
オーストリアの精神分析学者。オーストリアの白人系ユダヤ教徒アシュケナジーの家庭に生まれた。神経病理学者を経て精神科医となり、神経症研究、自由連想法、無意識研究、精神分析の創始を行い、さらに精神力動論を展開した。

図1『フロイトの心の構造論』

【フロイトによる「こころ」の解明】

・人間の心とは何か?一口に解明できない不思議な存在。
フロイトは人間のこころを「意識、前意識、無意識」の三層構造によるものと考えた。

●【意識:顕在意識】とは、眼で見たり、考えたり、感じていることに気づいていることで、自分が何をしているのか(行動)、何を考えているのか(思考)が自身でわかっていることをいう。

●【前意識】とは意識の下にあるが、思いだそうとすれば意識の世界に呼び戻せる領域のことをいう。昨日あった出来事や、過去に出会った人の名前を思い起こす際に、なかなか思い出せないが、しばらく考えたり、注意を集中していると思いだすことができる。このように、今は意識していないが、注意や意志によって思い出せる心の世界である。

●【無意識:潜在意識】とは、意識の奥底にある深い層のことで、意識から最も遠い領域である。これは、夢や催眠、精神分析によって意識されるようになり、人間行動の源泉や動機となっている。

フロイトの無意識

・こころの中での意識されない部分を「無意識」と呼ぶ。私たちは普段、自分の行動や考え方、喜怒哀楽の感情の動きなどを自分で確かに関わっていると感じている。しかし、常に理性的に見える人でも、何気なく起こす行動もあれば、気持ちと裏腹な行動を起こす場合も少なくない。これは意識的に自覚されたこころの動きも、実はその下にある様々な衝動や欲求に動かされているからである。

無意識の領域に隠れている本能や衝動が心全体を動かしているのである。
人間も動物である以上、生れながらの本能や衝動、欲求などは本来、生きるためのエネルギー(リビドー)になるはずだが、社会によってコントロールされ抑圧されて、意識の世界から排除される。しかし無意識の領域に閉じ込められても、それらは絶えず意識に進出し再生しようとする強い力を持っているので、その人の意識や行動が操られるのである。

無意識の意識化:心理療法

フロイトは精神科医の立場から幼児期の意識にとって受け入れることができないような願望や情動を無意識の領域へと抑圧した結果、神経症が発症するのだと考えた。意識と無意識にある心的エネルギー(本能運動=リビドー)を量的な観点からとらえると、全体のエネルギー総量は一定なので、意識の領域が小さくなれば、無意識の領域は大きくなる。
つまり、意識から排除された心的内容は消失するのではなく、無意識のエネルギーとして心の中に保っているとフロイトは考えた。無意識層に抑圧されている情動には、性欲や攻撃欲、感情を伴った観念や記憶などがあるとされている。心理療法は「無意識を意識化するプロセス」である。

ユング心理学の特徴】ユング心理学(分析心理学)は、他派と比べ心理臨床において夢分析を重視する。
夢は集合的無意識としての「元型イメージが日常的に表出している唯一の現象」
集合無意識とは、個人の経験の領域を超えた人類に共通の無意識領域のことを言う。

ユング心理学の夢解釈がフロイトの精神分析と異なる点は、無意識を一方的に杓子定規で解釈するのではなく、クライエントとセラピストが対等な立場で夢について話し合い、その多義的な意味・目的を考えることによって、クライエントの心の中で巻き起こっていることを治癒的に生かそうとする点にある。また日本のユング心理学はその心理臨床において『箱庭療法』を積極的に取り入れたことでも知られている。

ユングの無意識

※図2『ユングの心の構造論』

【顕在意識】普段の生活の中で自覚できている意識。
【潜在意識】自覚されることなく、行動や考え方に影響を与える意識。
【集合的無意識】個人の経験の領域を超えた人類に共通の無意識領域。

ユングの無意識

カール・グスタフ・ユング(1875~1961)】
スイスの精神科医・心理学者。深層心理について研究し、分析心理学の理論を創始した。1948年に共同研究者や後継者たちと共にスイス・チューリッヒにユング研究所を設立しユング派臨床心理学の基礎と伝統を確立した。またアスコナで開催されたエラノス会議において主導的役割を演じることで、深層心理学・神話学・宗教学・哲学など多様な分野の専門家・思想家の学際的交流と研究の場を拓いた。

●精神科医であったユングは当時の精神医学ではほとんど治癒出来なかった各種の精神疾患に対する療法の確立を目指し、ピエール・ジャネやウィリアム・ジェームズらの理論を元にした心理理論を模索していた。フロイトの精神分析学の理論に自説との共通点を見出したユングはフロイトに接近し、一時期は蜜月状態となるが、徐々に方向性の違いから距離を置くようになる。フロイトと別れた後は、人間心理はフロイト式の抑圧感情に還元され得る部分も存在する事は認めつつも、それは局面の一つ以上ではないと考え、フロイトが想定したよりも遙かに広く大きいものとして無意識を再定義した。

●ユングの患者であった精神疾患者らの語るイメージに不思議と共通点がある事、また、それらは世界各地の神話・伝承とも一致する点が多い事を見出したユングは、人間の無意識の奧底には人類共通の素地(集合的無意識)が存在すると考え、この共通するイメージを想起させる力動を「元型」と名付けた。また、晩年、共時性(シンクロニシティー)の概念を提起した。

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