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心理学の知識

心のケア8|ストレス反応と心の病気

心のケア8 ストレス反応と心の病気

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
  *正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

「ストレス反応」
ストレスの原因となる刺激を「ストレッサー」と呼び、心理面、身体面、行動面の反応として現れる生体の反応を「ストレス反応」と呼びます。ストレス反応は脳の不安中枢である扁桃体を活性化して不安症状を引き起こします。身体的反応としては、動悸、発汗、めまい、呼吸困難、喉のつまり、頭痛、震え、胃痛、便秘、下痢、不眠など様々な症状を引き起こします。

●ストレス反応と心の病気

・ストレス(ストレッサー)に対する感受性は、
性格や行動パターンなどの個人的な特性や、
その時の心身の状態などによって強い影響を受けます。

また事件、被災後、孤立して相談する相手がいないなどの、
社会的・環境的な状況も大きく関係します。

・被災直後はびっくりして頭が真っ白になったような感じになることがあります。
例えば「自分の住み慣れた故郷が壊滅なんてあり得ない、そんな馬鹿なことが・・」
というように、現実でないような感じがしたり、
思い出しても悪夢か映画でも見ているような気がするかもしれません。

◆1、急性ストレス反応
・直後は出来事を受けとめようと思う反面、現実を否定したり拒否したりするものです。
特に親しい人の行方がわからないとか、ひょっとしたら亡くなったかも知れないと思うと、
いてもたってもいられず心臓がドキドキしたり、冷や汗をかいたりします。
その場から逃げ出したくなったり、家族のことが心配でおろおろするかもしれません。

・なかには冷静で驚かないように見える人もいます。
あるいは妙に不自然にはしゃいでいる人もいるかもしれません。
この反応は急激な精神的・身体的負荷がかかると起こりますが、
およそ1カ月以内に消失します。

●急性ストレス障害(ASD)の特徴と、急性ストレス障害(ASD)の診断基準
※心のケア7 をご参照ください
◆心のケア7|急性ストレス障害

◆2、解離反応(かいりはんのう)
・悲惨な出来事に遭遇したため強烈な精神的衝撃を受けた場合、
現実をすぐには心の中に受け入れる事が出来ず、
自分では気がつかないうちに嫌な感情や耐え難い苦しみを意識下に押し込んでしまい、
その抑圧された心の葛藤が身体症状や精神症状を引き起こすことがあります。

・たとえばあまりにもショックが大きいために、身体には異常がないのに、
声が出なくなったり、立てなくなったりする場合や、赤ちゃん言葉で話し始めたり、
意識がもうろうとすることがあります。

◆3、死別反応
・震災により親しい人を失った場合、落ち込みや憂うつな気分が続き、
怒りをどこにも向けられずに自分を責めたり、
悲しみからなかなか抜け出せない事があります。
なかには後追いしようと考える人もいるかもしれません。
このような気持ちが数カ月続くのはよくあることで、
時間の経過とともに必ず回復してきます。

◆4、外傷後ストレス障害(PTSD)
・震災から1カ月以上経過しても神経の高ぶりがおさまらず、
過覚醒の状態(些細な事にも過敏になり刺激されやすい状態)が続き、
震災の生々しい惨状の現場が頭に焼き付いていて、自分の意思に反して思い出され
再体験されることがあります。このような状態をPTSDと言っています。

・PTSDは強烈で凄まじい体験に起因した反応であるために、
心的なストレスが弱い場合には出現しません。
3か月以内に約半数は完全に回復しますが、それ以上続く場合もあります。

●PTSDの特徴と、PTSDの診断基準
※心のケア5 をご参照ください
◆心のケア5|PTSD

◆5、うつ病
・身体的疲労、精神的疲労が続き、環境が変化することは、
うつ病発症の引き金になります。
特に責任感が強く、几帳面で、融通がきかない人は要注意です。

・うつ病の症状は睡眠障害をともなうことが多く、夜中に目が覚めて眠れなかったり、
早く目が覚めたり、寝つきが悪くなったりします。
そして憂うつな気分となり、興味、意欲、食欲がなくなり何をしても楽しくなく、
悲観的になり、自分を責め、生きていても仕方がないと思うようになるものです。

※ こうした症状があらわれた場合には一人で解決しようとせず、
精神科医・心療内科医やカウンセラーなどの
心の専門家に早めに相談することが必要です。
近くに専門家がいない場合は支援スタッフへご相談ください。

※災害時 『心のケア』 にお役立て下さい。

【心のケア1~心のケア15のリンク】

◆心のケア1|喪失の受容
◆心のケア2|被災した人のケア
◆心のケア3|サバイバーズギルト
◆心のケア4|心身の反応
◆心のケア5|PTSD
◆心のケア6|トラウマティック・ストレス
◆心のケア7|急性ストレス障害
◆心のケア8|ストレス反応と心の病気
◆心のケア9|回復のための心構え
◆心のケア10|子どものケア
◆心のケア11|気遣いの言葉
◆心のケア12|グリーフ・カウンセリング
◆心のケア13|グリーフ・ワーク
◆心のケア14|援助者を目指す傾聴術
◆心のケア15|悲嘆のプロセスから回復へ

心のケア7|急性ストレス障害ASD

心のケア7 急性ストレス障害(ASD)|公認心理師試験

心のケア7 急性ストレス障害(ASD)|公認心理師試験

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
  *正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

急性ストレス障害:ASD(Acute Stress Disorder)とは、トラウマになるほど衝撃的な出来事(又は外傷性の出来事)を経験した直後からはじまり、1カ月未満で消失する、日常生活に支障をきたす悲しみや苦しみなど、強烈で不快な反応。 症状が1カ月を超えて持続する場合は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。

ASD(Acute Stress Disorder)急性ストレス障害の特徴

●ASD(Acute Stress Disorder)急性ストレス障害
・事件や事故、災害などの直後からトラウマ反応があり、
その後のPTSD発症が考えられる状態。

●ASD(Acute Stress Disorder)急性ストレス障害は、PTSD発症の前兆
・トラウマ体験から1ヶ月以上経過しないと診断できないPTSDに対して、
体験の直後から診断できるのがASDです。

・ASDの症状がみられる場合、その後PTSDに移行する可能性が高く、
早期の対応が求められます。

◆急性ストレス障害:ASD(Acute Stress Disorder)とは、トラウマになるほど衝撃的な出来事(又は外傷性の出来事)を経験した直後からはじまり、1カ月未満で消失する、日常生活に支障をきたす悲しみや苦しみなど、強烈で不快な反応。 症状が1カ月を超えて持続する場合は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。

●ASDに対応すれば、PTSDを防げる

・トラウマ*によって発症する病気には、PTSDのほかに、ASDというものがあります。
PTSDは事件や事故から1ヶ月以上症状が続かないと、診断されません。

しかし、実際には事件直後からPTSD症状が出て苦しむ人もいます。
そういった人を診断できないからといって放っておくわけには行きません。

・体験直後に解離症状を伴う顕著なトラウマ反応がある場合にはASDと診断して、対処します。
ASDの決め手は「解離症状の有無」です。この症状がある人はPTSD発症が予想されます。

【解離症状】

・感情がまひして、悲しめなくなる
・感情表現が少なくなり、悲しみや苦しみを感じているようにみえない
・自分の心が体から離れてしまったような感覚
・感情や現実感が失われ、何事も実感がわかなくなる
・突然の家族の死がドラマのシーンのように思える
・けがをしたのに痛くない
・こわいはずなのに何も感じない
・ときどきぼんやりして”うわのそら”になることがある
・日によって態度や性格が大きく異なる

◆あまりにもつらいと心が凍りつく◆

・解離症状とは、心が凍りついたような状態になることです。

家族との死別や衝撃的な事件などを体験した時、
その悲しみや苦しみを受け止めきれず、心がかたまってしまうのです。

気持ちが混乱した状態にも関わらず、表面的には平然として、
葬儀をすすめたり、警察の事情聴取に応じたりすることがあります。

◆しばらくたってから急に悲しくなる◆

・解離は多くの場合、一過性の反応(症状)として現れます。
トラウマ体験からしばらくたって、考える余裕ができると、
悲しみを急に強く感じたり、行動する気力を一気に失ったりします。

一過性で終わらず、慢性化するとパーソナリティ障害に陥ることもあります。
いずれにせよ、周囲が解離症状に気づいて、サポートすることが必要です。

※「PTSDとトラウマのすべてがわかる本」 飛鳥井望/監修 講談社
※「PTSD治療ガイドライン エビデンスに基づいた治療戦略」 金剛出版
 エドナ・B・フォア、テレンス・Mキーン、マシュー・J・フリードマン/編

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心のケア6|トラウマティック・ストレス

心のケア6 トラウマティック・ストレス

心のケア6 トラウマティック・ストレス

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トラウマティック・ストレスは、トラウマティックな出来事,人が日常的には経験しない出来事で,それらは 著しく悲惨,かつ恐れや無力感のような強烈な反応を呼び起こします。ほとんど誰にでも大きな苦悩を引き起こすような例外的に著しく脅威的、破局的な特質を持ったストレスのことをトラウマ(心的外傷:PTSD)と言います。

●「トラウマティックストレス」とは、
心的外傷を負うような精神的衝撃を引き起こす出来事を指します。

●「トラウマティックな出来事」とは、
人が日常的には経験しない出来事であり、
それは著しく悲惨で恐れや無力感のような強烈な反応を呼び起こします。

●「トラウマティックストレスを引き起こす出来事」とは、
戦闘、テロ、強姦などの性的暴行、身体的攻撃と暴行、略奪、誘拐、監禁、拷問、
大地震、大津波、火山の大爆発、死傷事件、交通事故及び労災事故などに
直接本人が体験した場合、あるいは身内の人や他人への暴行や死傷事件を
目撃した場合などがあげられます。
このような体験をすると様々な心身の不調が見られます。

●心的外傷を引き起こす体験(出来事)の基準は下記のように定義されています。

◇ICD-10(WHO世界保健機関):ほとんど誰にでも大きな苦悩を引き起こすような、
例外的に著しく脅威的、破局的な性質を持ったストレスの多い出来事。

◇DCR-10(WHO世界保健機関):並はずれた脅威や破局的な性質で、
ストレスの強い出来事。

◇DSM-IV-TRの診断基準(米国精神医学会APA)

a) 実際に又は危うく死ぬ、または重傷を負うような出来事を
一度または数度、あるいは自分または他人の身体の保全に迫る危険を
その人が体験し、または直面した。

b) その人の反応の強い恐怖、無力感または戦慄に関するもの。

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心のケア5|PTSD|公認心理師試験

PTSD|公認心理師試験

心のケア5 PTSD|公認心理師試験

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心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、生死に関わるような体験をし、強い衝撃を受けた後で生じる精神疾患です。症状が1ヵ月以上持続し、それによって顕著な苦痛感や、社会生活及び日常生活の機能に支障をきたしている場合、医学的にPTSDと診断されます。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断基準

【A】 その人は以下の2つがともに認められる外傷的な出来事に暴露されたことがある

(1)実際にまたは危うく死ぬまたは重傷を負うような出来事を、1度または数度、
あるいは自分又は他人の身体保全に迫る危険をその人が体験し、目撃し、または直面した。

(2)その人の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。
注:子供の場合はむしろ、まとまりのないまたは興奮した行動によって表現されることがある。

【B】 外傷的な出来事が以下の1つ(またはそれ以上)の形で再体験され続けている。

(1)出来事の反復的、侵入的、かつ苦痛な想起で、それは心像、思考、または知覚を含む。
注:小さい子供の場合、外傷の主題または側面を表現する遊びを繰り返すことがある。

(2)出来事についての反復的で苦痛な夢。
注:子供の場合は、はっきりとした内容のない恐ろしい夢であることがある。

(3)外傷的な出来事が再び起こっているかのように行動したり、感じたりする
(その体験を再体験する感覚、錯覚、幻覚、および解離性フラッシュバックのエピソードを含む、
また、覚醒時または中毒時に起こるものを含む)
注:小さい子供の場合、外傷特異的なことの再演が行われることがある。

(4)外傷的出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに
暴露された場合に生じる、強い心理的苦痛。

(5)外傷的出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに
暴露された場合の生理学的反応性。

【C】 以下の3つ(またはそれ以上)によって示される、
(外傷以前には存在していなかった)外傷と関連した刺激の持続的回避と、全般的反応性の麻痺

(1)外傷と関連した思考、感情、または会話を回避しようとする努力
(2)外傷を想起させる活動、場所または人物を避けようとする努力
(3)外傷の重要な側面の想起不能
(4)重要な活動への関心または参加の著しい減退
(5)他の人から孤立している、または疎遠になっているという感覚
(6)感情の範囲の縮小(例:愛の感情をもつことができない)
(7)未来が短縮した感覚(例:仕事、結婚、子供、または正常な寿命を期待しない)

【D】 (外傷以前には存在していなかった)持続的な覚醒亢進症状で、
以下の2つ(またはそれ以上)によって示される。

(1)入眠、または睡眠持続の困難
(2)いらだたしさまたは怒りの爆発
(3)集中困難
(4)過度の警戒心
(5)過剰な驚愕反応

【E】 障害(基準B,C、及びDの症状)の持続期間が1ヶ月以上。

【F】 障害は、臨床上著しい苦痛、または社会的、職業的、
または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

※「DSM-IVーTR 精神疾患の分類と診断の手引」
高橋三郎、大野裕、染矢俊幸/訳 医学書院

PTSD(Posttraumatic Stress Disorder)

心的外傷後ストレス障害の特徴

●PTSD(Posttraumatic Stress Disorder)は、
心的外傷後ストレス障害という病気です。

災害や事件などにあって、その体験がトラウマとなり、
生活に支障がでている状態を指します。

●災害や事件、事故による甚大な被害は、
人間の心にトラウマとなって残り、PTSD症状を引き起こします。

PTSDは、もとはアメリカで注目された考え方で、
戦争体験の後遺症として研究されてきた概念です。

それが日本で震災や事件、災害にあった人にもみられることがわかり、
日本でも研究されるようになったのです。

●PTSD、トラウマという概念は、
このような経緯を経て日本社会に普及してきましたが、
まだ理解は十分とは言えず、多くの誤解をともなっているようです。

PTSD症状に苦しむ人が、周囲の誤解によって傷つき、
二次的な被害をうけることも決して少なくありません。

◆大きな災害や事件にあうと、精神的にダメージを受けます。
なかでも傷が深い人は、PTSDなどのストレス反応におそわれ
当時の恐怖を何度も思い出し、苦しみます。

PTSD 主な3つの特徴
*アメリカの精神医学会による診断基準では、PTSDの中核症状は主に3つに分かれています。
3つすべてが1ヶ月以上続く場合にPTSDと診断されます。

【再体験】
・トラウマ体験を思い出す。似たような状況におかれたとき不安や恐怖を感じる。

【回避・まひ】
・体験を思わせるもの、状況、場所、人などをさける。体験のことを思い出そうとしな

【過覚醒】
・小さなことを気にするようになり、なんでもないことで驚いたり、怒ったりする。
・事件のことを思い出して気分が悪くなり仕事に集中できない。

◆対応◆ *事件後の変化を自覚する。

・事件後(体験後)に自分の身に起きた変化のなかに、PTSD症状があります。
どのような変化があるか自覚して、そこを改善していくことが適切な対応です。

*心身や生活の変化を知る
*変化した部分を元に戻す

※「PTSDとトラウマのすべてがわかる本」2007 飛鳥井望/監修 講談社
※「PTSD治療ガイドライン エビデンスに基づいた治療戦略」 金剛出版
エドナ・B・フォア、テレンス・Mキーン、マシュー・J・フリードマン/編

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心のケア4|心身の反応 心理的反応の特徴

トラウマティックストレスに起因した「心身の反応」

心のケア4 トラウマティックストレスに起因した「心身の反応

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
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●恐ろしい災害や事件を経験した後で感情の揺り返しが来るのは良くあることであり、
ごく正常な事です。
この感情の揺り返しはトラウマティックな災害や、事件の直後に現れることもあり、
数時間、数日、あるいは1カ月経過してから現れる事もあります。

●元来、ストレスは危険な状況に対する警告の意味があり、
生体は危険に対処しようとして、
反射的に交感神経が作動して血圧や脈拍を増したり、
筋肉を緊張させて身構える体制になり、
ストレッサーという外的負荷に対しての侵襲を
和らげようとします(適応機制・防衛機制)。

このような緊張状態が消失せず持続すると、
ストレスから心や身体の病気が引き起こされます。

トラウマティックストレスによる 『心身の反応』 には、次のような反応が見られます。

◆1、感情・思考の変化
・信じられない出来事が起こったために茫然としてしまい、何がどうなっているのか、
何をどう考えれば良いのか、自分自身が直面した現実を受け入れられないといった
心の状態になったり、悲嘆、落ち込み(うつ)、感情が麻痺したようになり、
混乱することがあります。

・災害や事件を引き起こしたものに対しての怒り、イライラが生じ、
その災害や事件についての感情の波を抑えきれなくなって、突然、涙が出てきたり、
自分自身を責めたり、自分に原因があるのではないかという
非現実的感覚に襲われることもあり、災害や事件について考えられない時期と、
強く考えてしまう時期が繰り返します。

◆2、身体の変化
・不安、恐怖のために眠れなくなったり、頭痛、腹痛、咽の渇き、寒気、
吐き気、湿疹、けいれん、嘔吐、めまい、胸の痛み、高血圧、動悸、
筋肉の震え、歯ぎしり、視力の低下、発汗、息苦しさなどが出現する事があります。

◆3、認知・感覚の変化
・方向感覚を喪失したり注意力が続かず集中する事が困難になる事があります。
過度の緊張状態や過覚醒、決断力の低下、身構え、悪夢、災害や事件の事が、
頻繁に頭をよぎる事も多くみられます。

◆4、行動の変化
・睡眠リズムの変化による睡眠障害、食欲不振や逆にたくさん食べすぎたり、
薬やアルコールへの依存、なかなか行動がスムーズにできなくなったり、
社会から引きこもるなどもみられます。

※ これらの症状の中には医師による診察が必要な場合もあります。
疑わしい場合は受診が必要です。
受診できる環境にない場合は避難所巡回中の支援スタッフへご相談ください。

※以上、災害時の心のケアにお役立て頂けましたら幸いです。

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仙台カウンセリング

心のケア3|サバイバーズ・ギルト 生存者の罪悪感

サバイバーズ・ギルト
公認心理師試験

心のケア3 「サバイバーズ・ギルト」

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サバイバーズ・ギルト(Survivor’s guilt)とは

戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら、
奇跡の生還を遂げた人が、
周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して
しばしば感じる罪悪感のこと。

「サバイバー」(survivor)は「生き残り・生存者・遺族」を意味し、

「ギルト」(guilt)は「罪悪感」を意味する(英語)。

【被災者の「サバイバーズ・ギルト」を理解するために】

台風の被害を受けながらも命が助かった方は、
その幸運による罪悪感に苦しめられることがあります。
この罪悪感は「サバイバーズ・ギルト」と呼ばれます。

安易な慰めの言葉で傷つけてしまうことがないよう、
深い苦しみを抱える方の気持ちを少しでも理解し、
支えていくために必要なことを考えましょう。

【被災で生き延びられた方々の苦悩】

●「サバイバーズ・ギルト(Survivor’s guilt)」

生存者は命が助かったことによる苦しみを抱えることも多いのです。
自分の命は助かったものの親しい方の安否が分からず、
不安と心配で夜も眠れない毎日をお過ごしの方がたくさんおられます。
被災地では、一瞬の差が生死を分けることもあります。
今回の台風被災地でも誰かを助ける犠牲となった方々がおります。

そのような壮絶な体験の中で助かった生存者の方の中には、
自身の幸運に感謝しながら罪悪感に苦しめられてしまう方もおります。

「どうして私だけ助かってしまったのだろう」(苦悶)
「私が彼(彼女)の命を犠牲にしてしまった」(罪悪感)
「私さえいなければ彼を死なせることはなかったのに」(後悔)
「年老いた私が援助してもらうなんて申し訳ない」(自己否定)

このように、台風や震災、事故などの被害に遭い、
命が助かった幸運によって「罪悪感」にさいなまれることを
「サバイバーズ・ギルト(Survivor’s guilt)」と言います。

※’95年の阪神大震災や’05年4月25日に発生した
兵庫県のJR福知山線脱線事故に遭遇した生存者の間に、
このような罪悪感を抱えることがわかり注目されるようになった問題です。

災害時の心のケアにお役立て下さい。

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仙台カウンセリング

心のケア2|被災した人のケア(仙台カウンセリング)

仙台カウンセリング

心のケア2 「被災した人をケアするために」 (周囲の皆様へ)

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
*正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

◆1、何はともあれ休息をとってもらうことが第一です。
焦らずに、きちんと休みをとれるように配慮しましょう。
・特に睡眠は大切です。
普段よりもたくさん取ったほうが良いと言われていますが、
環境によって難しい場合は、「こまめに横になって休息すること」や、
「数分でも良いので目を閉じる」等、
ご提案してみるのもひとつの方法です。

◆2、安全感、安心感を与えるように努めましょう。

◆3、被災者が安心して気持ちを言葉にすることができ、
感情を吐露できるように、そっと包み込むような雰囲気づくりが大切です。

◆4、被災者ひとりひとりのニーズとペースに合わせて、
状況と気持ちをつかんで行きましょう。

・話を聴き、気持ちをそのまま受け止めましょう。
決して急がせずにゆっくりとその人のペースで少しづつ
気持ちを言葉にしてもらいましょう。
根掘り葉掘り、質問攻めにしてはいけません。

◆5、解決ではなく気持ちを共有、共感できること、
お互いに人として繋がっているという信頼感、連帯感を
感じてもらうことが肝心です。
・自然にわいてきてしまう感情を抑え込まずに、泣いたり、
怒ったりしても良いと伝えましょう。

◆6、今まで経験したこともない様々な反応や状態は、
トラウマティックストレスへの反応として当然であり、
自分が弱いわけでもおかしいのでもないことを知ってもらい、
自分を責め過ぎないように話しましょう。

◆7、”回復を信じる” ことが大切です。
・ケアを粘り強く一貫して行なうことによって、心の傷が少しづつ癒され、
やがては惨事の痛ましい記憶や感情に支配されたり、圧倒されることがす少なくなります。
・徐々に被災体験を心の中で処理する事ができるようになり、自分を取り戻すことができます。
(※専門医の受診を必要とすることがあります)

※災害時 『心のケア』 にお役立て下さい。

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心のケア1|喪失の受容5つのプロセス キューブラロス Elisabeth Kübler-Ross

仙台カウンセリング
エリザベス・キューブラー・ロス 5段階 モデル|公認心理師試験
喪失の受容5つのプロセス「キューブラ・ロス」Elisabeth Kübler-Ross

心のケア1 「喪失を受容するために」
キューブラーロス 5段階 モデル

◇災害時 『こころのケア』 にお役立て下さい。
*正しい知識をもって適切に対処していきましょう。

【喪失を受容するための5つのプロセス】

●私たちはどのようにしたら、安定した境地に達することができるだろうか。
どうすれば、ありのままの現実を見つめることができるのだろうか。

私たちに投げつけられる喪失、変化、新しい出来事を、
どのように受容して行けばいいのだろうか。

最初から、まったく逆らわず、わめくこともなく受け入れることはできないだろう。
物事を受け入れる場合、私たちは5つの段階を経過しながら進んで行く。

●アメリカの精神科医 「エリザベス・キューブラー・ロス」(1926~2004)は、
「究極の喪失」を、人間はどのようなプロセスを通して、
受け入れていくのかを明らかにした。
彼女はそれを、 ”悲嘆のプロセス” (グリーフワーク)と呼んだ。

●メンタルヘルスの分野では、死にかぎらず、いかなる喪失に直面する時でも、
同じようなプロセスをたどることが明らかになってきた。

例えば、1万円札をなくしたとか、待ち望んでいたメールが今日も来なかったといった
小さな喪失の場合にも、離婚、配偶者の死別、失業のような大きな喪失の場合にも、
同じようなことが起こるし、新しい家を購入して古い家を去る場合のように、
好ましい変化(結婚や新居への引っ越し等)の場合にすら、起こりうることである。

●エリザベス・キューブラ・ロス女史の明らかにした「5段階のプロセス」

◆第1段階:否認と隔離
予期しない衝撃的なニュースをきかされた時、現実に起こった時、
そのショックをまともに受けないために、まず否認がおこる。

◆第2段階:怒り
喪失(死)という現実を認めざるえなくなると、
次に怒りや恨みがこれに取って代わるようになる。
「なぜ俺だけこんな目に会わなくてはならないのだ!」
この怒りが八つ当りとなって他者に向けられる。

◆第3段階:取引
次に人は神や仏に対して、失ったものをどうしたら取り戻せるか、
又は、延命できるか取引し始める。

例: 「もう何もいりませんから家族を還してください」
例: 「この出来事が夢でありますように(夢であって下さい)」云々。

◆第4段階:抑うつ
以上の段階を経て、それらが無駄であることを知り当事者はうつ状態に陥る。
現実を直視し、無力感が深刻となる。
それとともに「かけがえのないもの」との永遠の別れを覚悟するために、
他人から癒されることのない絶対的な悲しみを経験しなければならない。

◆第5段階:受容
自分自身の現実、現状を、静かに見つめることのできる受容の段階に入る。
最終的に「喪失」を静かに、そして穏やかに受け入れる段階。

【受容】

・受容は格別に快適というわけではない。実際は苦痛を伴う。動揺を禁じ得ない時もある。
・受容へのプロセスが始まる時、私たちはショックを受け、パニック状態に陥ることが多い。
・段階をすすむにつれて、混乱したり、傷つきやすくなったりする。
・さびしく、孤立感をつのらせる場合もある。

まだ受け入れていない事実について、
私たちは、このようなプロセスを通過して受容して行くのだが、
「悲嘆のプロセス」の複数の段階が同時にやってくることもありうる。

否認、抑うつ、取引、怒りが一度に殺到してくることも考えられる。
自分がある状況を受け入れようと苦闘しているという事実すら、
実感できない時があるかもしれない。

小さな喪失なら、この5段階のプロセスを通過し終えるのに
30秒ほどで済むかもしれない。
重大な喪失の場合は、数年間かかるかもしれない。個人差は大きい。

しかも、この5段階はあくまでも図式モデルであって、
誰でもこのプロセスを正確にたどるわけではない。

時には、途中で一つ前の段階へ戻ったり、
二つ先の段階へ飛んだりと行ったり来たりすることもあるだろう。

怒りから否認へ、否認から取引へ、さらに取引から否認へ戻るといった具合に。
いずれにしても、私たちは速度や道程には関係なく、
この段階を進んでいかなければならない。

エリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kübler-Ross)は、
それが正常なプロセス(過程)であるばかりでなく、
必要不可欠な過程であり、全段階が必要だと述べている。

※災害時 『心のケア』 にお役立て下さい。

【田村みえ式:効果的な受容への6ステップ】

1,表現する
2,感情日記を書く
3,改善した後をイメージする
4,症状や感情を数値化する
(点数やパーセンテージでみえる化)
5,笑う
6,コミュニケーション

1,表現する

・注射する時の「ある心理実験データ」があります。
痛みをじっと「我慢したチーム」は痛みの変化なし、
痛い痛いと「表現したチーム」は痛みが五分の一に緩和された。

臨床医のナンシー・モーガン医師がワシントンのがん医療センターで重度のがん患者に対して
「筆記エクササイズ」を行ったところ、大きな成果が得られました。

◆参加者の49%が「病気に対する考え方が変わった」
◆参加者の38%が「今の状態について考えが変わった」
※特に、若い患者、最近がんと診断された患者に高い効果が得られた。

※看護師時代:私の経験A
看護師をしていた時に「同じ癌(がん)ステージ、同じ年代」
の患者さんに接した経験が度々ありました。
一人は改善し退院した一方で、もうおひとりの方は亡くなられました。

ずっと疑問に感じていましたが「内面の動き」が重要だったのだということが明らかになっています。
科学的な医療に加えて心理面のサポートは、かなり重要ということが証明された訳です。

※仙台で心理カウンセラーになった私の経験B
2011年3月11日発生した東日本大震災での体験から。
当時、4月~被災地支援の依頼で南三陸町をはじめ、
約14か所でお話を聴く機会がありました。

その際、ほとんどの方が「泣きたいけど泣いたら怒られる」
「責められるので泣けない」と話してくれたのが印象的でした。
まさに!「表現しないことで苦しさが増す」ということが起こっていました。
正しい哀しみ方を知らず適切な「感情表現を抑圧」していた人が多かったのです。
もちろん、相談の場面では感情解放が起こりますので話した方のほとんどが、
「ラクになりました」とか「スッキリしました」と、
若干の笑顔に変化したその場面を、
今でも驚くほど鮮明に記憶しています。

2,感情日記を書く

・日記療法、レコーディングワーク、筆記エクササイズなど
・出来事ではなく自分の「感情や思考」を書くワーク。
・感じたことや考えたことをただひたすら書く。

※仙台で心理カウンセラーになった:私の経験C
レコーディングワークは現在、カウンセリングの場面でも取り入れており、
ワークの後はカウンセラーとの対話でフィードバック・振り返りを行ないます。
取り入れていなかった時期に比較すると、
カウンセリングの回数が約半分で終結しています。
(適切な手順で行なえるサポートも可能です)

3,改善した後をイメージする

・自分の現在地を知り、どこを目指したいのかを理解できると受容しやすくなります。
そのためには、対話は欠かせませんね。

4,症状や感情を数値化する

(点数やパーセンテージでみえる化)
・カウンセリングでは「最悪とか絶望」「もう終わりだ」など、
漠然とした表現の程度を数値化して確認することをお勧めしています。

最悪という表現でも場合によっては「100ではなく80」位だったりします。
いかがですか?とおききすると、「意外だ」という言葉が聞かれます。

漠然と感じるより数値化で現在の自分、過去の自分、未来の自分を、
「セルフ・プロデュース」することも可能になります。
何より「ホッとする」部分を実感できますので受容に近づきやすいです。

5,笑う

・怒りや孤独は自分で自分を苦しめてしまうことが少なくありません。
受容の時期に突入すると少しだけ余裕が出てきます。
この時期に笑いを心がけることで更に余裕がうまれます。
人間が笑うと体に良い脳内物質:ドーパミン、
セロトニン、エンドルフィンなどが分泌されます。

更にコルチゾールの分泌を正常化し、
免疫力アップ、痛みの緩和、記憶力アップなども期待できるのです。
「笑う門には福来たり」ですね!
笑える状況にない場合は「口角」を上げるだけでも効果があります。

※脳神経科学の分野では”つくり笑顔”であっても、
効果があることが証明されています。

6,コミュニケーション

・告知された時には「一人にしてほしい」という状況ですが、
受容の時期に突入すると、人とつながりたい、人と会いたいという気持ちの転換が起こります。
この時期は状況を見ながら身近な人とのコミュニケーションを徐々に設けて行くのが効果的です。
つながりは癒しの効果が得られます。社会的つながりが多くある人は立ち直る能力も高いのです。

ある研究では、心臓発作を起こしたあとの6か月間を感情面で支えられた人は、
そうでない人と比べて生存率が3倍高かった。
また、別の研究では乳がんの支援グループに参加した患者は参加しない人に比べて、
手術後の寿命が2倍も長かった。
このことからも、社会的つながりやコミュニケーションは重要だということがわかります。

※以上は、特にケアする側として知っておくとお役に立つと思われます。

【5段階モデルのまとめ】

【キューブラー・ロス 5段階モデルのまとめ】
喪失の受容5つのプロセス
「エリザベス・キューブラ・ロス」Elisabeth Kübler-Ross

(死にゆく人の心理的変化を5段階でとらえて説明している)

1.否認と孤立
自分の命が長くないことに衝撃を受け、その事実を感情的に否認したり、
その事実から逃避しようとしている段階。
周囲の認識や態度にギャップが生じるため、孤立しがちになる。

2.怒り
死ぬという事実は認識したが、一方で、
「ではなぜ、自分がこのような境遇になってしまうのか」といった思いが強く、
周囲に反発したり、怒りがこみあげてきたりする。

3.取り引き
死をもう少し先延ばしできないか、
あるいは、奇跡が起こって死を回避できないかと考えて、
神様にすがったり、善行を行ったりする。

4.抑うつ
死を避けられないことが分かり、あきらめや悲観、
空虚感、憂うつ、絶望といった気持ちに支配されて落ち込む。

5.受容
死を、誰にでも訪れる自然なものとして受け入れるようになる。
これまでの価値観や視野とは異なる「超越した次元」(スピリチュアリティ)
があることを理解し、心穏やかに過ごす。

※「死ぬ瞬間」エリザベス・キューブラー・ロス/著

【田村みえ式:まとめ】

・否認をクリアし受容に至る
・段階通りではなく行きつ戻りつを繰り返しながら受容に至ることが多い
・不安は否認を引き起こし、安心は受容を促す
・表現することで安心感が増し受容に結びつく
・人とのつながりは癒しになる

 ~田村みえ式:補足~
【治りにくい人と治りやすい人の違い】

◆治りやすい人
========
・病気を受け入れる
・感謝する
・ポジティブ言葉が多い
・笑顔を心がける
・思考に柔軟性がある
・視野が拡い
・苦痛を表現する
・他者を赦す
・自分を認める
・今ここを生きる
・病状の改善したところに目を向ける
・支えてくれる人がいる

◆治りにくい人
========
・病気と闘い、抵抗し、否認する
・悪口が多い
・ネガティブ言葉が多い
・口がへの字
・思考に柔軟性がない
・視野が狭い
・苦痛をがまんする
・他者を責める
・自分を責める
・過去にこだわる(後悔)
・病状の改善しないところに目を向ける
・自分一人でやろうとする

【心のケア1~心のケア15のリンク】

◆心のケア1|喪失の受容5つのプロセス キューブラロス|公認心理師試験
◆心のケア2|被災した人のケア
◆心のケア3|サバイバーズギルト|公認心理師試験
◆心のケア4|心身の反応
◆心のケア5|PTSD|公認心理師試験
◆心のケア6|トラウマティック・ストレス|公認心理師試験
◆心のケア7|急性ストレス障害|公認心理師試験
◆心のケア8|ストレス反応と心の病気
◆心のケア9|回復のための心構え
◆心のケア10|子どものケア
◆心のケア11|気遣いの言葉
◆心のケア12|グリーフ・カウンセリング
◆心のケア13|グリーフ・ワーク
◆心のケア14|援助者を目指す傾聴術
◆心のケア15|悲嘆のプロセスから回復へ

仙台カウンセリング
仙台心理カウンセリング&スクールでは、
喪失体験の受容に関わる
マインドセットプログラムを準備しております。

仙台交流分析の人生脚本|脚本衝動チェックと分析

仙台交流分析カウンセリングで人生脚本を学ぶ|人生脚本分析

自分自身の「人生のシナリオ」人生脚本を分析し、不適切なシナリオを手放し、より良いシナリオに書き換えていきます。交流分析の理論では、私たち人間は9歳頃までの体験を潜在意識に蓄積し、その蓄積された情報の種を基に9~12歳頃まで「これからの人生どう生きていくか」というシナリオ(人生脚本)を書くと言われています。これらのシナリオ(人生脚本)は大きく分けると3種類あり「勝者」「敗者」「どちらでもないもの」があります。

・勝者⇒「お金」「財産」「地位」などでなく、「自分の能力や可能性を発揮して生き生きと生きている人」(自己実現の脚本)
・敗者⇒「自分の能力を発揮せずに、私はダメだ・・私はできない・・」といいながら生きている人(破壊的な脚本)
・どちらでもない者⇒「時々勝ったり、時々負ける」全体を見てみると”勝ってもいないし、負けていもいない”という人(平凡な脚本)

自分の脚本を点検・確認・自覚し、敗者の脚本を手放し、望む脚本(勝者の脚本:自己実現の脚本)へ修正して行くことを目指します。

人生脚本|脚本衝動 カウンセリング

人間の「無意識」という働きのひとつに、過去の経験での快適ゾーン(コンフォートゾーン)に戻り、安定しようとする働きがあります。
※辛い体験を多くしてきた人は「辛い体験」がコンフォートゾーンになります。
このことを理解せずに、目標設定すると、目標達成したにも関わらず、潜在意識(無意識)が元に戻ろう、コンフォートゾーンに戻ろうと働くのです。これを、交流分析の脚本分析では、「脚本衝動」と呼びます。脚本衝動は仙台心理の『交流分析』(全5回)の4回目で学ぶことができます。

例1)念願のレストランOPEN、お店は予約でいっぱいにも関わらず、不安、心配でたまらなくなる。
例2)幸せいっぱいの新婚生活なのに、なぜか安心感が得られず心配、不安になる。
例3)望んでいた有名大学に合格したのに、嬉しい気持ちより、不安感が浮上する。

新しいことに取り組み始めたが、慣れないことでうまく行かず、今までの自分:コンフォートゾーンに戻ってしまう。ダイエットの途中であるにも関わらず、キツいから・・ ま、いいっか!、と諦め、いつもの日常に戻ってしまう。新しい生活スタイルに慣れるまでは、時々やってくる、この「脚本衝動」を意識し、クリアするトレーニングをすると良いでしょう。

徐々に新しい環境に慣れ、さらなる向上心が湧いてくる可能性も高まります。継続して行くと、やがて「成功体質」に変化します。 新しいことを習慣化するためには、繰り返してやり続けることが不可欠です。そうでなければ、せっかく手に入れた目標達成が、苦痛だけのものになってしまいます。

目標を決めて歩き始めたら、納得感をGETするまでは、スローペースで構わないから、歩き続けて下さい。カウンセラーは、あなたのベストパートナー。あなたのペース・歩幅に合わせて伴走します^^。

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【マンツーマン心理学講座】*個人レッスン
初心者はもちろん、プロとしてスキルアップしたい方まで、マンツーマンの指導により、きめ細かく対応いたします。

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仙台交流分析|ディスカウント理論|ゲーム分析 カウンセリング

仙台交流分析カウンセリング

交流分析 TA(Transactional Analysis)は、
アメリカの精神科医:エリック・バーンが創始した心理療法です。

【ディスカウント理論|ストローク理論】

【ディスカウント】
値引き(ディスカウント)とは、何かをその価値より悪く、低く受け止めるものである。持って生まれた資質や可能性を歪めたり、傷つけたりするもの。
相手や自分を軽視したり、過小評価するなど値引き(ディスカウント)が、人と人とのコミュニケーションに大きく影響していることが多いものです。
ディスカウントは、相手を感情的、あるいは身体的に傷つけるような、非建設的な交流の形であらわれます。
値引き(ディスカウント)は、以下のようなものを含んでいます。受け身(無気力)、過剰適合、不安、自意識の低下、怒り、暴力。

●人間関係を構築する関わり=ストローク
・心理的成長を支援する
●人間関係を破壊する関わり=ディスカウント
・心理的成長を阻害する

▽自分へのディスカウントの例
褒められたとき、「そんなことないです」と否定(謙遜)する。
褒められたとき、自分のできないことだけを抽出する。
※プラスの言葉を肯定(受容)できない。

▽相手へのディスカウントの例
自分の価値観に到達できていない人を否定する。殴る、蹴るなど。

交流分析|ストローク理論
【ストローク】
「あなたがそこにいるのを私は知っている」という 存在認識の刺激交流分析では、人と人とのふれあいを「ストローク」という。ストロークには、陽性のストローク、陰性のストロークがある。人間が心身ともに成長するためには食物と同じように欠く事のできない、愛撫、接触、音、など生物学的刺激をストロークといい、肌のふれあい、心のふれあいを言います。

【プラスのストローク】陽性
無条件のプラスのストローク・・・あなたがいてくれるだけで幸せ。
条件付のプラスのストローク・・・たくさん稼いでくるなら大好き。

【マイナスのストローク】陰性
無条件のマイナスのストローク・・・あなたがいるだけで不愉快。
条件付のマイナスのストローク・・・たくさん稼いでくれないのなら別れます。

*人間関係の中で豊かさを感じるには、無条件の肯定的ストローク(プラスのストローク)を、より多く交換することです。肯定的なストロークを得るためのもっとも効果的な方法は、自分もそれ(肯定的で無条件のプラスのストローク)を他者に与えることです。

【ゲーム分析】

交流分析でいう心理ゲームとは、繰り返し繰り返し人間関係をこじらせたり、非建設的な結果を招いたりする行動パターンを意味します。心理ゲームとは、明瞭で予測可能な結果に向かって進行しつつある、一連の相補的、裏面的な交流。隠れた動機を伴い、しばしば反抗的で表面的にはもっともらしくみえる1組の交流を繰り返すこと。「わな」や「インチキ」を内蔵した一連のかけひきで、反復するのが特徴。

心理ゲームでは、表面だけみると、まことしやかな一連の相補的交流が進行して行きます。しかし、本音の裏面的メッセージが隠されていて、それを果たそうとA(アダルト)以外の自我状態が暗躍します。そこでよく観察すると予測可能で破壊的な結末をもって終結します。その幕切れはドラマチックで相手に不快感をもたらすことは確実です。心理ゲームを演じる人も結末で不快な後味の悪い感情(報酬)を味わいます。

【ゲームの目的】
陽性のストローク交換が不得手の人が、陰性のストロークを求めることにあります。

【ゲームの公式】(バーンの公式)ゲームの流れ
仕掛人+弱点を持つカモ=刺激→反応→役割交替(交流パターンの変化)→混乱→結末(別れ)
・仕掛人(隠れた動機がある)はカモになりやすい人を探します。それは手ごわいCPの強い人、同情しやすいNPの強い人、すねたりひねくれたりする癖のある愛情不足Cの強い人など、その育ちや性格の面で何らかの弱点をもつ人たちです。
・私たちが無意識のうちに行っている、最終的にうまくいかない、こじれるやりとり。「繰り返されるネガティブなコミュニケーションパターン」を分析します。
(※ご希望の方にはオプション有:修正方法も確認して行きます)

ある特定の人物と、事柄、きっかけは違うが、ほとんどがうまくいかず、けんかになったり、責められたり(責めてしまったり)する関係になる。最後は「怒り」「不愉快」「後悔」「自信喪失」など、不快な感情を報酬として受け取るといったコミュニケーションが、心理的ゲームです。
親しい関係ほど起きやすい、この「心理的ゲーム」を分析します。心理ゲームは生産的ではありませんので、理論を通してゲームを止める方法を学びます。
※人は他人と深く関わりたいと感じ、無意識(種は潜在意識の中に潜んでいる)に「心理的ゲーム」をしてしまうことがあるのです。

【心理ゲームの特色】
・ゲームには当人も全く気がつかない動機や目的が隠れていることが多い。
・愛情確認のねじれた姿
・恩をあだで返す(恩の与え方に自己破壊的な意図が潜んでいる)
・ゲームには予測可能な結末がある
・予測可能な結末に向かって進行する
・結末では、基本的構えのゆがみが証明される
・ゲームの結末には、ある特定の感情が伴う
・不快で、非建設的な感情を求め、それに浸ることがゲームの結末
・自分の怒りの正当化、劣等感、憎悪の念、抑うつ気分、恐怖、疑念など

【ゲームの例】
・はい、でもゲーム
・キック・ミーのゲーム(私を嫌ってくれ)
・仲間割れのゲーム
・あなたのせいでこんなになったんだゲーム
・ひどいもんだ(大騒ぎ)ゲーム
・決裂のゲーム
・あら探しのゲーム
・苦労症のゲーム
・あなたをなんとかしてあげたいと思ってるんだゲーム
・義足のゲーム
・その他

※交流分析講座ではチェックリストも用いながら自分自身のゆがみや心理ゲームのタイプ、傾向などについて知ることができます。傾向がわかると対策
が立てやすくなり、人間関係での負担(ダメージ)を最小限に減らして行くことが可能になります。
仙台 でディスカウント理論を学び、ゲーム分析 カウンセリングのスキルをUPして行きます。

◆【交流分析】リンク

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◆仙台の交流分析|自我状態
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◆交流パターン分析|裏面的交流
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◆人生脚本|脚本衝動の具体例

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